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理学療法士の就職は厳しい?おもな理由と働き続けるためのポイントをご紹介

公開日:2025.01.29

理学療法士の就職は厳しい?おもな理由と働き続けるためのポイントをご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

「理学療法士の就職は厳しい」という話をよく聞くようになり、それが本当か気になる方もいるのではないでしょうか。たしかに、理学療法士の就職が厳しいと思われる要素はあるものの、一概に断言はできません。

この記事では、理学療法士の就職が厳しいといわれる理由や、そのなかで働き続けるためのポイントをご紹介します。理学療法士の現状を把握することで、今後のキャリアを考えるきっかけとなるでしょう。

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理学療法士の就職が厳しいといわれる理由

理学療法士の就職が厳しいといわれるのは、どのような理由があるのでしょうか。ここでは、その理由について詳しく解説します。

理学療法士の人数が増えているから

就職が厳しいといわれる理由の1つに、理学療法士の人数が増えていることがあげられます。日本理学療法士協会の統計によると、2023年度の段階で国家試験の合格者の累計は「約21万人」とされています。

そして直近10年間の国家試験合格者は、毎年1万人前後を推移しているのが現状です。実際に、2023年度の累計が約21万人に対して、2013年度は約11万人とされています。

このように、毎年理学療法士が増えることで需要と供給のバランスが崩れ、求人の競争が激化するのではないかと考えられています。

出典:日本理学療法士協会|統計情報

給料がほかの医療職よりも安いから

理学療法士は、給料がほかの医療職よりも安い傾向にあります。令和5年度の賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の年収は「約432万円」とされています。一方で、そのほかの医療職の年収については、以下のとおりです。

● 医師:約1,436万円
● 薬剤師:約578万円
● 看護師:約508万円
● 放射線技師:約537万円
● 臨床検査技師:約508万円

このように、ほかの医療職と比較すると理学療法士の年収が安いことがわかるでしょう。この給料の格差が、理学療法士の就職が厳しいといわれる理由の1つです。

出典:令和5年賃金構造基本統計調査

給料が上がりにくいから

理学療法士の給料が上がりにくいのも、就職が厳しいといわれる原因の1つです。まず、理学療法士の給料は診療報酬制度に大きく影響されます。理学療法士が提供するリハビリには報酬単価が定められており、その額が給料の指標といえます。

しかし、提供できるリハビリは回数に上限が設けられており、得られる報酬に限界があるのです。そのため、理学療法士は個人の能力や実績に関わらず、給料が頭打ちになりやすい構造となっています。これは前述した、理学療法士の給料が安い理由にも大きく関係しています。

肉体的に大変だから

理学療法士の仕事は、肉体的な負担が大きい傾向にあります。リハビリで患者さんの身体を支えたり、歩行介助したりする場面が多いため、職場によっては体力が求められます。理学療法士の仕事は、年齢を重ねて体力が衰えるにつれて、大変だと感じやすくなるでしょう。

このような理由から、理学療法士は就職後に長期間仕事を続けるのが厳しいと感じやすくなります。

理学療法士の就職は厳しくない?働くメリットは?

理学療法士の就職は厳しい?おもな理由と働き続けるためのポイントをご紹介

理学療法士の就職が厳しい理由を解説した一方で、働くメリットも多くあります。ここでは、理学療法士として働くメリットを解説します。

高齢化の影響で需要が高まる可能性がある

日本では高齢化が進んでいるため、理学療法士の需要が高まる可能性があります。内閣府によると、高齢者の人口は年々増加しており、2036年になると高齢率が33.3%になるとされています。つまり、3人に1人が65歳以上という計算になるのです。

高齢者人口の増加にともない、医療・介護サービスの需要も拡大すると考えられます。そのため、身体機能の低下や疾患の予防・改善を専門とする理学療法士の役割は、ますます重要になるでしょう。

このように、理学療法士は年々増加しているものの、高齢化の影響によって需要は依然高まるのではないかと考えられます。

出典:内閣府|1 高齢化の現状と将来像

幅広い領域で活躍できる

理学療法士は、幅広い分野で活躍できる職種です。理学療法士が活躍できるおもな領域は、以下のとおりです。

● 医療機関(病院、クリニック)
● 介護施設
● 福祉施設
● 訪問リハビリ
● スポーツ分野(プロチームやフィットネスクラブ)
● 教育機関
● 研究機関
● 行政機関
● 一般企業

このように、理学療法士の活躍の場は多岐にわたり、今後さらに拡大する可能性もあります。自分の興味や適性にあわせて、幅広い選択肢のなかから職場を選べることは、大きな魅力の1つといえるでしょう。

理学療法士として生き残るための4つのポイント

理学療法士の就職は厳しい?おもな理由と働き続けるためのポイントをご紹介

今後、理学療法士として生き残るためには、以下のポイントをおさえることが重要です。

1. 昇進を目指す
2. 転職する
3. 副業をする
4. 新しい分野に挑戦する

ここでは、それぞれのポイントを詳しく解説します。

1.昇進を目指す

1つ目は、昇進を目指すことです。昇進すれば臨床業務だけでなく、組織運営や人材育成などにも携わり、より幅広く貢献できます。そのほかにも、給料が増える、人材としての価値が高まるなどのメリットもあります。

昇進を目指すには、臨床技術・知識の向上はもちろん、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなども磨くことが重要です。役職としての責任もともなうため、それらを踏まえたうえで、昇進を目指すべきかどうかを判断してみましょう。

2.転職する

2つ目は、転職することです。
給料面や環境面で現在の職場に不満がある場合は、転職を検討するのも1つの手段です。転職によって得られるメリットとしては、以下があげられます。

● 新しいスキルを身につけられる
● 給料のアップが見込める
● キャリアアップが見込める

環境が変化することで、今までの職場とは異なる経験や知識を得られるきっかけとなります。また、前より条件のよい職場であれば、給料アップも可能です。自分の希望にあった職場への転職は、キャリアアップのチャンスといえます。

転職する際は、失敗を防ぐために情報収集を行い、慎重に職場を決めましょう。

3.副業をする

3つ目は、副業をすることです。副業をはじめることで、収入面での不安解消だけでなく、新しいスキルを身につける機会にもなります。なかには理学療法士の資格を活かせる副業もあります。たとえば、週末だけ訪問リハビリの仕事をする、オンラインでの健康相談を行うなどです。

理学療法士以外のスキルが必要な副業を選択するのもおすすめです。一般的な副業としては、おもに以下があげられます。

● ブログ
● Webライター
● 動画編集
● 投資
● Webデザイン

新しいスキルを身につけることで、今とは違ったキャリアが見つかるきっかけにもなるでしょう。副業をはじめる際は本業に支障をきたさないよう、時間管理をしっかり行うことが重要です。

4.新しい分野に挑戦する

4つ目は、思い切って新しい分野に挑戦することです。理学療法士としての経験やスキルを活かしつつ、今とは異なる領域でキャリアを築くことで、さらなる成長や可能性を見出せます。たとえば、医療機関から一般企業へ転職する、独立して動画編集者になるなどです。

実際に、筆者自身も理学療法士からフリーランスへと転身しています。新しい分野への挑戦は大変な面も多いものの、今までとは違った楽しさや刺激を得られます。別の分野に興味がある方は、ぜひよく検討したうえで挑戦してみましょう。

理学療法士の就職が厳しいかどうかは自分の選択次第

理学療法士の就職が厳しい理由として、人数が増加傾向にあり、給料が比較的安いことなどがあげられます。その一方で、需要が高くなる可能性がある、仕事の幅が広いなどのメリットもあります。

理学療法士の就職が厳しいかどうかは、その方の選択次第です。現状に不満がある方は、ぜひ今回の記事を参考にして、新しい行動に移してみましょう。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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