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作業療法士必見!関わる機会が多い福祉用具の種類と選定のコツを解説

公開日:2025.03.13

作業療法士必見!関わる機会が多い福祉用具の種類と選定のコツを解説

文:かな(作業療法士)

作業療法士にとって、福祉用具は利用者の生活を支える欠かせないツールです。適切な福祉用具を選び、効果的に活用すれば、利用者の自立や生活の質の向上に寄与します。
しかし、臨床経験が少ないと、「どのような福祉用具を扱うのか」「どのように福祉用具を選定すればいいのか」がわからないかもしれません。
本記事では、作業療法士が知っておくべき福祉用具の種類や選び方のポイントについて解説します。

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作業療法士にとっての福祉用具とは

作業療法士は、利用者が日常生活を自立して送るための支援をする仕事をしています。そのなかで、福祉用具は欠かせないツールです。福祉用具を適切に使用すれば、利用者のADLの介助量を減らせる、リハビリをスムーズに行えるなどのメリットがあります。
作業療法士は、利用者の身体機能や生活環境を総合的に評価して介入を行います。また、利用者のニーズを把握しているため、最適な福祉用具の選定・提案が可能です。福祉用具の使用方法を指導し、必要に応じて適切な調整を行うことで、利用者のQOLの向上を目指しましょう。

作業療法士が関わる機会の多い福祉用具の例

作業療法士必見!関わる機会が多い福祉用具の種類と選定のコツを解説

福祉用具といっても、その種類は多岐に渡ります。そのなかでも、特に作業療法士が関わる機会が多い福祉用具を紹介します。

車椅子や歩行器などの移動支援用具

移動支援用具は、身体機能が低下した利用者にとって生活に不可欠なツールです。業務で関わる機会が多いのは、主に以下の2種類です。

車椅子

自立度に応じて手動式や電動式が選べる。同じ手動式の車椅子でも、座面の高さ、アームレストやフットレストの着脱の可否など利用者に合わせたチョイスが必要である。必要に応じて、車椅子に使用する補助具もある。

歩行器

室内外での移動をサポートする。ある程度自力歩行が可能であればシルバーカー(押し車)も検討する。

入浴や排泄のサポートとなる用具

入浴や排泄時の安全性を向上させるために導入される福祉用具は、特に高齢者や下肢に障害がある利用者に効果的です。以下の福祉用具は、提案する機会も多いでしょう。

シャワーチェア

洗体洗髪の際に座る椅子。立ち座りが不安定な方でも安心してシャワーできる。

浴槽ボード(バスボード)

浴槽への出入りに役立つ。座った姿勢で浴槽に出入りできる。

滑り止めマット

浴槽の中に敷くもの。湯船は滑りやすいため、安全に座ったり立ったりできるように使う。

補高便座

立ち上がりがしにくい利用者に用いる。排泄に伴う立ち座りが容易になる。

食事や更衣をサポートする用具

食事や更衣をサポートする用具は、利用者の自立度を高める重要なアイテムです。以下のような福祉用具がよく使用されます。

食事に関する用具

持ちやすさを改良したスプーンやフォーク。先が曲がっていて食材をすくいやすいスプーンなど。

衣類補助具

ボタンエイドやソックスエイドなど、着脱を容易にするもの。

福祉用具の選び方のポイント

作業療法士必見!関わる機会が多い福祉用具の種類と選定のコツを解説

同じ種類の福祉用具でも、バリエーションはさまざまです。そのため、作業療法士として福祉用具の選定に関わるときには、以下の点を押さえておきましょう。

利用者の身体状況に合わせて選ぶ

利用者の身体機能や障害の特性に応じて、適切な用具を選定しましょう。そのためにも、普段のリハビリ内容や評価が非常に重要です。利用者が「どこまで、何ができるのか」を踏まえたうえで選択すると、効果的な活用が期待できます。

環境条件や生活習慣を考慮して選ぶ

福祉用具は、利用者が生活する環境や日常の習慣に適している必要があります。そのため、住宅の間取りや家具の配置なども選定時に確認しておきましょう。必要に応じて、利用者の自宅に足を運んで家屋評価をすることも検討しましょう。

サイズや素材、機能性を踏まえて選ぶ

用具のサイズが利用者の体格に合っていることや、素材が使いやすく安全であることを確認するのも欠かせません。また、使いやすく必要な機能が備わっているかも重要です。
例えば、車椅子であれば「リクライニングチルト機能が必要」「フットサポートの角度が調整できる」などの機能が必要な場合もあります。今後の利用者の予後を踏まえて、必要な機能を選びましょう。

家族や利用者の意見を踏まえて選ぶ

福祉用具の選定は、利用者本人だけでなく家族とも十分に話し合いながら進めることが大切です。
普段の生活の邪魔にならないもの、家族が介助するうえで使いやすいものなど、同居する家族や実際に介助する人の意見も踏まえて検討しましょう。

福祉用具の専門家との連携も大切

作業療法士は利用者の身体機能を評価して把握しているものの、福祉用具のプロではありません。しかし、福祉用具専門相談員であれば、福祉用具を専門に扱うプロであり、さまざまな製品を熟知しています。
そのため、作業療法士は提案・選定をするとともに、福祉用具専門相談員と話をする機会をもちたいものです。連携ができていれば、利用者の身体機能の評価をもとに最善の選択ができるでしょう。
内部リンク「福祉用具専門相談員とは

まとめ|作業療法士として福祉用具の適切な選定と提案をしよう

作業療法士として臨床に携わっていると、福祉用具の選定や提案をする場面もあるでしょう。福祉用具は利用者の生活を支える重要なツールであるため、適切な選定と活用が不可欠です。
利用者の自立や生活の質を高めるためにも、作業療法士としての視点を活かして支援を行いましょう。

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参考

公益社団法人 愛媛県作業療法士会|初めてでも安心「福祉用具の正しい使い方」入浴に関する道具の紹介
公益社団法人 愛媛県作業療法士会|初めてでも安心「福祉用具の正しい使い方」更衣編
OT協会|医療・介護連携に向けた福祉用具導入マニュアル

rana

かな(作業療法士)

作業療法士/呼吸療法認定士・福祉住環境コーディネーター2級・がんのリハビリテーション研修修了
身体障害領域で15年以上勤務。特に維持期の患者さんの作業療法、退院支援に携わってきました。家では3人の子ども達に振り回されながら慌ただしい日々を送っています。趣味は読書とお菓子作り。

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