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社会人は通信教育で理学療法士になれる?資格取得の流れをご紹介

公開日:2024.11.19

社会人は通信教育で理学療法士になれる?資格取得の流れをご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

社会人として理学療法士を目指す際に、通信教育で資格を取得できないのか気になる方もいますよね。しかし、国家資格である理学療法士は、通信教育では取得できません。そのため、養成校に通ったうえで国家試験に合格する必要があります。

この記事では、理学療法士になるまでの具体的な流れや、通信の活用法などをご紹介します。理学療法士を目指す方法を知ることで、今後の方針を決めるきっかけとなるでしょう。

社会人は通信教育で理学療法士になれる?

結論からいうと、社会人であっても通信教育だけで理学療法士にはなれません。理学療法士の資格を取得するには、厚生労働大臣が指定した養成校に入学し、基本的に3年以上の教育を受ける必要があります。

理学療法士は患者さんの身体機能を評価し、効果的なリハビリを提供する職種です。そのため、座学だけでなく実習を通じて経験を積むことが欠かせません。実際に、理学療法士のカリキュラムには解剖学や運動学などの基礎科目だけでなく、実技も多く組み込まれています。最終学年になると病院や施設などの現場で行われる「臨床実習」があり、その点からも通信教育だけでは完結できないのです。

このように、社会人関係なく、理学療法士を目指す場合は養成校に入学する必要があります。

社会人が理学療法士になるには?

社会人は通信教育で理学療法士になれる?資格取得の流れをご紹介

社会人になるには、どのような流れを経る必要があるのでしょうか。ここでは、その流れについて詳しく解説します。

養成校の入学

理学療法士になるには、まず養成校に入学する必要があります。養成校は全国各地にあり、その数は2024年の段階で「279校」とされています。養成校は大学や専門学校などがあり、「3年制」と「4年制」の2種類に分けられているのが特徴です。

3年制の養成校は最短で資格取得を目指せるため、早くキャリアをスタートさせたい方に向いています。一方で、4年制は最短での資格取得ではありませんが、3年制と比較してゆっくりカリキュラムを進められるのがメリットです。詳細は後述しますが、夜間部が設けられている養成校もあるので、社会人にとっても通いやすい環境が整えられています。

出典:日本理学療法士協会|養成校一覧

国家試験の合格

養成校で指定されたカリキュラムを修め、臨床実習が終了した後、最後に国家試験が行われます。国家試験に合格することで、理学療法士の国家資格の取得が可能です。国家試験は毎年2月中旬ごろに開催され、マークシートによる筆記試験が行われます。2024年から直近5年間の合格率は、以下のとおりです。

       

年度 合格率
2024年度 89.2%
2023年度 87.4%
2022年度 79.6%
2021年度 79.0%
2020年度 86.0%

このように、年によって若干の変動はあるものの、おおむね80〜90%を推移しています。そのため、理学療法士の国家試験は決して難易度が高い、というわけではありません。

出典:日本理学療法士協会|統計情報
厚生労働省|第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について

理学療法士関係で通信を活用する場面

社会人は通信教育で理学療法士になれる?資格取得の流れをご紹介

理学療法士になるには養成校に通う必要がありますが、通信を活用する場面はゼロではありません。ここでは、理学療法士関係で通信を活用する場面について解説します。

国家試験対策の通信講座

国家試験対策として、通信講座を活用するケースがあります。通信講座では、オリジナルのテキストや問題集を提供しています。これらの教材は国家試験の出題傾向を分析して作成されているため、効率的な学習が可能です。また、多くの講座では過去問題や模擬試験などが豊富に用意されており、個人の弱点を把握しやすくなっています。

ただし、養成校でも国家試験対策が徹底的に行われます。養成校によっては朝から夜まで1日中勉強することになるので、通信講座が不要な場合もあるでしょう。養成校での勉強に不安を感じる方や、新しい知見を身につけたい方は、通信講座の受講も検討してみてください。

リハビリに関する通信講座

リハビリに関する通信講座も多く開催されています。ベテラン理学療法士や著名人などの講座をオンラインで受けられるので、新しい技術や知見を学べるきっかけとなるでしょう。講座の種類も豊富なので、自分が興味ある分野を見つけやすいのも大きなメリットです。

またYouTubeをはじめとした動画配信プラットフォームでも、リハビリに関する有益な情報が発信されているケースもあります。これらのオンライン講座は、時間や場所を選ばず視聴できるため、忙しい社会人の方にもおすすめです。

ただし、リハビリの通信講座は学生よりも臨床者向けの内容が多い傾向にあります。実際に理学療法士として臨床に出た後のほうが学習しやすいケースもあるので、リハビリに関する講座は後回しでも問題ありません。

社会人が理学療法士を目指すなら夜間部がおすすめ

社会人が理学療法士を目指す場合、夜間部の養成校の入学がおすすめです。ここでは、社会人に夜間部をおすすめできる理由について解説します。

仕事をやめる必要がない

夜間部で理学療法士を目指す最大のメリットは、仕事を続けながら養成校に通える点です。通常の昼間部とは異なり、夜間に授業が行われるため、日中は現在の仕事を続けられます。そのため、収入を維持しながら資格取得を目指すことが可能です。

ただし、通学時間や勤務状況によってはフルタイムでの勤務が難しくなる可能性があります。勤務時間の調整や、パートやアルバイトの切り替えなどの対応をしなければいけない場合がある点に注意が必要です。

学費の面でもメリットがある

夜間部は昼間部と比べて、学費が安い傾向にあります。どの程度安くなるのかは養成校によって大きく異なりますが、100万円以上安くなるケースもあるでしょう。経済的な面で不安を抱える社会人にとって、この学費の差は大きなメリットといえます。

なるべく費用をおさえながら理学療法士を目指したい方は、夜間部の入学を検討してみてください。

余裕を持って勉強できる

夜間部は、昼間部よりも余裕を持って勉強しやすいメリットがあります。夜間部の多くは4年制であり、1日の授業時間は約3時間(18時〜21時)、つまり2コマ(1コマ90分)で構成されています。一方で昼間部の3年制の場合、夜間部の倍の授業時間である4コマで構成されているのが一般的です。

夜間部は1日の授業数が少ないので、学習内容を消化するための時間的余裕が生まれます。昼間は仕事、夜は勉強というリズムを作りやすく、メリハリのある生活を送りながら資格取得を目指せるでしょう。

最終学年では仕事ができなくなる点に注意

夜間部にはメリットが多い一方で、注意すべき点もあります。とくに、最終学年になると日中の仕事はほとんどできなくなる点に注意しましょう。最終学年に実施される臨床実習は日中に行われます。国家試験対策に関しては、ほぼ1日中勉強に費やすケースが多いといえます。

このような状況から、最終学年では仕事をやめる、または大幅に勤務時間を減らすなどが必要です。1年間は収入がほとんどなくなる状態になるので、あらかじめ貯金をしておくことが重要です。
 

社会人関係なく通信教育では理学療法士になれない

理学療法士になるには、社会人関係なく養成校に入学する必要があります。通信教育では理学療法士にはなれませんが、国家試験対策やリハビリ講座などの活用法があります。

また、社会人が理学療法士を目指す場合、夜間部の養成校の入学がおすすめです。日中に仕事ができるので、収入を維持したまま通いやすいメリットがあります。今回の記事を参考にして、ぜひ理学療法士を目指すために養成校の入学を検討してみましょう。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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