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第38回重度失語症の評価および介入について

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日常の言語聴覚士の臨床でも、重度失語症の患者さんと接することが多いかと思いますが、その評価や介入については戸惑うことが多いのではないでしょうか。
今回は、そんな重度失語症の評価および介入について、おさえるべきポイントをお伝えします。

 

過去問題【言語聴覚士】

第14回 午前 第59問
重度失語症者の評価に用いないのはどれか。

  1. 1.ジェスチャーの表出
  2. 2.漢字単語の読解
  3. 3.非言語的記号の理解
  4. 4.系列語の発話
  5. 5.非語の復唱

解答

正解:5

■解説
失語症は、話す、読む、聞く、書く、計算をする、などの能力の低下を認め、コミュニケーションに制限をきたしてしまいます。
重度失語症の評価としては、重度失語症検査が一般的です。重度失語症検査は、以下で構成されています。
・導入部(あいさつ、名前など)
・非言語基礎課題(指差し、マッチングなど)
・非言語記号課題(記号の理解、ジェスチャー表出など)
・言語課題(読みの理解、系列語を言うなど)

したがって解答は「5.非語の復唱」となります。

■実務での活かし方
臨床現場において、重度失語症の評価、およびその介入はとても難しいかと思います。
「重度失語症を認める」といった評価を行うことは比較的容易なことです。しかし、急性期や回復期などの患者さんには、失語症以外にも意識障害や認知機能の低下によりコミュニケーションに制限をきたしていることが多くあります。
また、重度失語症の患者さんは損傷部位も広範であることが多く、失語症以外の高次脳機能障害(失行、構成障害、半側空間無視など)を合併していることがほとんどです。これらの症状と失語症との鑑別を行うことは、容易なことではありません。そのため、どのような視点で評価を行うのか悩むことが多いと思います。

実際の臨床では重度失語症の評価はどのような視点で行うべきでしょうか。
それは、残存能力を評価することにあります。重度失語症の評価は、残存能力を適切に評価し、治療アプローチへの手がかりを得ることが重要になります。

では、具体的にどのようなことが治療アプローチの手がかりとなるのでしょうか。問題を確認しながら解説していきます。

・1.ジェスチャーの表出
・3.非言語的記号の理解
ジェスチャーなど、言語以外の理解・表出を評価し、これが可能であればコミュニケーションノートの活用ができる可能性があると判断できます。
コミュニケーションノートは市販のものもありますが、STが患者さんの理解・表出の能力、および伝えたい内容を検討し、オーダーメイドで作成することが重要です。

・2.漢字単語の読解
・4.系列語の発話
重度失語症は、理解では漢字単語の読解が、表出では系列語の発話が比較的保たれることが知られています。これができるのであれば、言語訓練として理解・表出を促進する刺激となると判断できます。

■訓練への手がかりを適切に評価する
このように、重度失語症の評価では、今後の訓練への手がかりとなるような、残存能力を適切に評価することが重要になります。

言語以外の理解・表出が可能であるならば、コミュニケーションノートを作成し、積極的な活用を促すような訓練を実施します。また、言語の側面で理解・表出が可能であれば、訓練において言語を積極的に利用していくことになるでしょう。

すなわち、「できないこと」ではなく「できること」や「こうしたらできる」ことを見つけようとする評価の視点がとても重要になります。

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参考文献:重度失語症検査 – 重度失語症者へのアプローチの手がかり(著:竹内愛子/協同医書出版社)

本田裕治(ほんだ ゆうじ)

本田裕治(ほんだ ゆうじ)

東京都言語聴覚士会 職能局 吃音部 理事、 吃音当事者
2010年 国際医療福祉大学 保健医療学部卒業、言語聴覚士免許取得
桜水会 筑波病院、筑波こどものこころクリニック勤務
2014年~現在 王子生協病院勤務
2015年~2016年 国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 言語聴覚分野 修士課程修了。大学院では吃音当事者として「文節間のポーズ持続時間と吃音生起頻度の検討」について研究。
国際医療福祉大学卒業後、回復期リハビリテーション病院に勤務する言語聴覚士。
東京都言語聴覚士会 広報局所属。

東京都言語聴覚士会ロゴ 東京都言語聴覚士会
東京都におけるすべての言語聴覚士が本会に入会され、自己研鑽に励み、地域社会に貢献することを目指し、活動中。
活動内容や入会のお問い合わせはこちらから。
http://st-toshikai.org/


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