作業療法士におすすめの副業5選!メリットや注意点を徹底解説!
公開日:2021.01.21 更新日:2024.05.29
文:田口 昇平(作業療法士/福祉住環境コーディネーター2級)
働き方改革が進み、副業や兼業を解禁する企業も増えてきました。その影響か近年、副業で収入アップやスキルアップを目指す作業療法士が増えています。しかし、いざ副業をはじめてみようと思っても、どのような働き方になるのか悩んでしまう作業療法士の方も多いのではないでしょうか?
今回は作業療法士である筆者自身が、副業をするメリットや注意点、資格を活かせる働き方について紹介します。収入アップはもちろんスキルアップも期待できる「作業療法士の資格を活かせる副業」も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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作業療法士におすすめの副業5選
では、具体的にどのような副業を選べば良いのでしょうか?ここからは作業療法士の資格を活かしながら働ける、副業先の例を4つ紹介します。
1.訪問リハビリのスポット勤務
おもな職場 | ・訪問看護ステーション ・訪問リハビリステーション |
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おもな役割 | 自宅で暮らす高齢者・障がい者の問題を評価しながら、 生活の質を高める訓練や環境調整をおこなう |
時給相場 | 約2,000円(※) |
※:マイナビコメディカルに掲載の求人情報より算出(10施設分の時給の平均値)
医療機関や介護入所施設に勤務する作業療法士にとっては、高齢者や障がい者の在宅生活の様子を知る機会となり、退院・退所支援に必要な知識や技術が学びやすいでしょう。
2.介護入所施設の非常勤アルバイト
おもな職場 | ・介護老人保健施設 ・介護老人福祉施設 |
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おもな役割 | ・機能訓練や生活動作訓練 ・リハビリの一環として利用者さんが楽しめる趣味や余暇活動の提供 |
時給相場 | 約1,700円(※) |
※:マイナビコメディカルに掲載の求人情報より算出(10施設分の時給の平均値)
非常勤アルバイトの場合、常勤作業療法士の代行として利用者さんの訓練をおこなうため、数多くの症例にあたり、個々に合わせたリハビリを実施することができるでしょう。
また、介護入所施設での副業は他の施設を比べて時給が低くなる傾向があるため、事前に条件等をしっかり確認するとよいでしょう。
3.デイサービス・デイケアの機能訓練指導員
おもな職場 | ・デイサービス ・デイケア |
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おもな役割 | 通所する利用者に対して、機能訓練指導員としてリハビリを提供する |
時給相場 | 約1,800円(※) |
※:マイナビコメディカルに掲載の求人情報より算出(10施設分の時給の平均値)
最近の介護通所施設は、利用者さんの運動機会を増やすことを目的に、機能訓練に特化した事業所が多いようです。
施設によっては、下肢の筋肉を鍛える「レッグエクステンション」や上肢や体幹の柔軟性を高める「レッドコード」などのトレーニング機器を備えていることもあります。マシーントレーニングに興味がある方は、デイサービス・デイケアの機能訓練指導員を副業に選ぶと良いでしょう。
時給額は訪問リハビリに次いで高いのも特徴です。
4.発達障がい児施設の児童指導員
おもな職場 | ・発達支援センター ・放課後等デイサービス |
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おもな役割 | ・障がい児を対象に生活動作の訓練をおこなう ・個別・集団活動を通じて言葉や運動能力・道具の操作の発育を促す |
時給相場 | 約1,600円(※) |
※:マイナビコメディカルに掲載の求人情報より算出(10施設分の時給の平均値)
児童指導員は保護者とコミュニケーションを図る機会も多く、日常生活の悩みを聞きながら問題解決に向けたさまざまなサポートもおこないます。
介護領域に比べると時給額が低い傾向にありますが、子どもの成長を見守りながらリハビリをおこなうことができるため、作業療法士としてやりがいを感じやすい分野のひとつといえるでしょう。
将来的に、発達障がいの分野で働きたいと考えるなら、まずは副業を通じて小児へのリハビリを経験してみてはいかがでしょうか。
5.Webライター
おもな職場 | ・自宅 |
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おもな役割 | ・介護系・医療系に関する記事を執筆 |
時給相場 | 文字単価によって変動 |
WEBライターは、ウェブサイトやブログ、SNSで公開する文章を作成する仕事で、作業療法士が副業として行うのにおすすめです。
自身の専門知識を活かして医療や健康に関する深い記事を書けます。次に、時間や場所を自由に選べ、本業と並行して働けます。また、PCがあればどこでも作業可能で、待ち時間などを有効に活用できるのもうれしいポイントです。
作業療法士の知識と経験を活かし、WEBライターとして活躍してみるのもいいでしょう。
作業療法士が副業するメリット
まずは副業のメリットを見てみましょう。
作業療法士が副業を行う場合、現職とは別の施設などでパートやアルバイトとして勤務する方法が主流です。では異なる施設で副業すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
1.働き方次第で年収額を数万~数十万円アップできる
作業療法士の給与は職場によって異なりますが、近年は病院や介護施設の収益も増えにくいため、現状のままでは収入アップが見込みにくいこともあるでしょう。毎年の昇給額が1,000~5,000円というケースも多く、長く働いても給与額が変わらない職場も見受けられます。
副業先のなかには時給2,000円を上まわる職場もあり、働き方次第で年収額を数万~数十万円アップできる可能性もあるでしょう。収入が上がれば、自己研鑽に投資をしたり、趣味やプライベートを充実させたりしやすくなるはずです。
最近では副業を許可する職場も多く、収入アップを目的に副業する若手・中堅の作業療法士が増えています。
2.幅広い知識・技術が身につく
作業療法士として幅広い知識・技術を身につけるためにも副業は有効です。本業とは異なる領域で働くことができれば、副業先で新たなスキルを学ぶことができるでしょう。
例えば、機能訓練や生活動作訓練を中心に業務をおこなう病院勤務の作業療法士が介護老人保健施設で働くことで、介護保険やレクリエーションの方法などについて学べます。
また、発達支援センターで働くことで障がい児のリハビリや親とのコミュニケーション方法などを経験できるでしょう。このように本業では経験しづらい幅広い知識・技術を身につけられるのも副業のメリットです。
作業療法士が副業するときの注意点
副業にはさまざまなメリットがありますが、事前の情報収集を怠ると、収入アップやスキルアップにつながらないこともあります。副業を始めたことでかえって肉体的・精神的な負担が大きくなり、本業に支障をきたしてしまうこともあるでしょう。
副業を始める際には、以下のような点に注意し、事前準備を進めましょう。
1.上司に相談する
まずは副業が可能なのか、直属の上司に相談しましょう。というのも、職場によっては就業規則で副業を禁止していることがあるからです。
一般的に、心身の疲労から本業に悪影響を与える可能性があったり、同業他社で働いたりする場合には、会社は就業規則として社員の副業を禁止できます。就業規則に違反した場合、ペナルティとして「減給」や「出勤停止」などの処分を科されてしまうこともありえます。
そうなると、副業で収入アップを図るどころか、年収が減ってしまうことにもなりかねません。近年、職員の副業を正式に許可する医療機関や介護施設が増えていますが、安易な判断は禁物です。ペナルティを受けないように、上司に正式な許可をもらってから副業をはじめましょう。
2.時給をチェックする
作業療法士が非常勤スタッフとして働く場合、給与は時給換算となる事業所がほとんどです。収入アップを目的に副業するなら、時給チェックは最優先ポイント。
作業療法士の副業先は、職場により時給が大きく異なります。同じような業務内容であるにも関わらず、時給が1,000~2,000円程度の差がつくケースもありえます。
限られている時間のなかで満足のいく収入アップを目指すには、しっかりと時給をチェックしながら副業先を選びましょう。
3.体力的負担を考える
副業すれば、当然、体力的負担が大きくなります。多くの場合、本業の公休日を利用することになるため、副業の時間が増えれば、心身を休ませる時間が減ってしまうでしょう。
作業療法士の仕事は、勤務先を問わず体を動かしたり重労働をおこなったりする機会が多いもの。副業をがんばりすぎてしまうと、休日が取りにくく、疲労やストレスが残ってしまい体調を崩してしまいかねません。
副業をする時は本業に支障がない範囲で働けるかどうか、事前に仕事内容を確認しておくことも大切です。
4.確定申告をする
副業によって収入が増えれば、税金にも影響します。副業の収入が20万円を超える場合には、個人で確定申告をしなければならないことも覚えておきましょう。
例えば、週1回、1日4時間、時給2,000円の職場で副業すると、1年間に38万4,000円の収入を得ることになります。この場合には、副業の収入を含めた確定申告が必要です。
確定申告をしていない収入が発覚すれば、「所得隠し」として税務署からペナルティを与えられるうえ、後日、追徴税を支払うことになる可能性があります。副業する時には収入の金額を確認しながら、必要に応じて確定申告をおこないましょう。
収入やスキルをアップするには転職も視野に入れる
作業療法士として副業すると、収入アップやスキルの向上が期待できるものです。しかし、なかにはダブルワークが難しかったり、職場で副業が禁止されていたりすることもあるでしょう。それでも現状の職場で満足できない場合には、転職を検討してみるのも一案です。
医療機関や介護施設は、職場によってボーナスや各種手当の支給額に差があったり、昇給額に違いがあったりします。副業が難しいのであれば、転職をすることで効率的な収入アップを考えてみてはいかがでしょうか。
職場が変われば、リハビリの方針や提供方法なども変わり、作業療法士としてさまざまなスキルを学びやすくなるのもメリットです。副業ができないのであれば、転職も視野に入れながら、「キャリア形成」という幅広い視点で収入やスキルアップを考えることをおすすめします。
副業は無理のない範囲で、自分に合った働き方をしよう
「副業」と一口にいっても、その分野は幅広いもの。収入アップだけでなく、興味のある領域で働く機会があれば、キャリアパスとしても可能性が広がります。
作業療法士の資格を活かせる職場としてスキルアップにもなり、今後の働き方を検証するきっかけにもなるでしょう。ただし、あくまでも副業は副業です。本業に支障をきたさず、また、生活に無理のない範囲で、自分に合った働き方を考えてみましょう。
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作業療法士(OT)の年収・給料と将来性について|マイナビコメディカル
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