【レシピ】行事食編:年末年始のスタミナ維持に 「フライパンでできるローストポーク」
公開日:2022.12.16
レシピ・文:篠塚明日香(管理栄養士)
年末年始のおもてなし料理に、ローストポークはいかがでしょうか。ローストビーフやローストチキンもテーブルが華やかになるメニューですが、栄養素を比較してみるとローストポークにはビタミンB1が圧倒的に多く含まれています。その含有量は、なんとビーフやチキンのおよそ10倍。
ここで注目するビタミンB1は、糖質をエネルギー化するために必要な栄養素として知られます。クリスマスケーキや餅といった糖質を多くりがちなときは、ビタミンB1を意識的に摂取したいところ。ビタミンB1が不足してしまうと、糖質を十分にエネルギーに変換できず、疲労感やむくみが現れたり、体脂肪として蓄積しやすくなったりします。今回紹介するローストポークのレシピは、フライパンでもつくれるので準備や片付けも手間が少なく済みます。
フライパンでできるローストポーク
調理時間の目安 約60分(漬け込みの時間20分を除く)
栄養価 エネルギー412Kcal、たんぱく質24.5g、ビタミンB1 10.3㎎(ひとり分 約150gあたり)
材料(仕上がり:約3人分)
- ・豚ロースブロック 400g
- ・にんにく 小1片(チューブなら2センチくらい)
- ・ローズマリー ひとつまみ(なくてもOK)
- ・塩 小さじ1と1/2(8g)
- ・オリーブ油 大さじ1
【ソース】
- ・肉の汁 出た分
- ・バルサミコ酢 大さじ2
- ・はちみつ 小さじ2
【付け合せ】
- ・好みの野菜(今回はマッシュポテト、クレソン)
作り方
➊材料をそれぞれ計量する。塩の量は肉の重量の2~3%に調整する(しっかり塩気がほしい場合は3%が目安)。ローズマリーをみじん切りにして塩に混ぜる。にんにくはおろしにんにくにする。
➋豚肉の水気をキッチンペーパーでよくふき取る。表面にローズマリーを混ぜた塩とおろしにんにくをすり込み、常温で20分くらいおいてなじませ肉を室温に戻す。冷たいまま焼くと、なかまで火が通らないので手で触ってよく確認する。
❸深めのフライパンにオリーブ油を入れて、中火で➁を焼く。トングでまわしながら焼いて、全面に焼き色を付ける。全面が焼けたら蓋をして弱火にし、ときどき肉を返しながら15~20分くらい蒸し焼きにする。加熱のポイントとしては、指で真ん中付近を押したときに弾力が出るくらいまで蒸し焼きにすること。
❹一度、肉を取り出してアルミホイルに包み、火を止めたフライパンに戻す。再び蓋をして30分くらい保温し余熱でなかまで火を通す。もっとも分厚い部分に竹串を刺し、肉汁が透明なら火が通っている。
❺ソースをつくる。アルミホイルにたまった肉汁をフライパンに移し、バルサミコ酢とはちみつを加えて煮詰める。
❻5㎜くらいの厚さに切って皿に盛りソースをかける。好みの付け合わせを添えて完成。切った中身が薄いピンク色になっていれば火は通っている。
アレンジ・補足
●塩とにんにくをすり込んだ後、一晩漬けこんでおくと味がなじんで熟成肉のような味わいになる。ローズマリーなしでもつくれるが、ローズマリーを加えると肉のくさみを消し香りがよくなる。
●スーパーでブロック肉を買う場合、表示の重量を確認して塩の量を調整する。長時間漬け込む場合、塩の量は1~2%位を目安に。今回のように漬け込み20分くらいですぐに焼く場合は、やや多めの2~3%にするといい。
●肉の大きさによって火の通り具合が異なるため、各工程のポイントをおさえてしっかりと火を通すこと。サルモネラ菌やカンピロバクターなどの食中毒の原因菌は、60℃で20分、75℃以上で1分の加熱で死滅する。その際、中心温度計があると便利。
●味がしっかりついているので、ソースがなくても美味しく食べられる。
栄養解説

篠塚 明日香
管理栄養士・分子栄養学カウンセラー
1977年、茨城県に生まれる。管理栄養士、分子栄養学カウンセラー。東京家政大学短期学部栄養科卒業後、老人介護保健施設での給食管理の実務を経て管理栄養士となる。
現在は、フリーランスとして分子栄養学のセミナー開催やエステサロンでのダイエット指導、企業商品の考案などにも携わる。
所属:合同会社スリップストリーム
プロフィール写真:櫻井健司
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