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リハビリテーションと障害者スポーツリハビリテーションと障害者スポーツ

第17回スポーツのリハビリテーションは競技知識が必須です

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視覚障害者競技「ゴールボール」の日本代表チームトレーナーの理学療法士・加藤瑛美さん。テニス選手としての経験を手がかりに各競技の運動メカニズムを理解し、患者=選手のニーズを探ります。選手のパフォーマンスを引き出すのがリハビリテーションの目標です。

身体の動きと使い方、各スポーツの知識もたくわえてスキルアップ

理学療法士になるための勉強をしていくうち、自分が経験してきた運動と身体の使い方のことを、知識として判断できるようになりました。「こういう身体の使い方をしていると、けがをしやすいね」など、患者さんの身体を触るだけで気づくこともあります。
 
通院している選手から「関節の動きがこうなっているから、フォームを修正できない」という話を聞いたときには、どのような関節の動かし方をするとパフォーマンスの高いフォームになるかのアドバイスもできるようになりました。そのときも「新しいフォームに変更をするには、今の関節可動域だと難しい。身体のここを治すため、どの筋肉を強化したらいいのか」という話をします。
 

当院はさまざまなスポーツ種目の選手が受診しているため、それに応じた専門知識が必要になります。私はテニス選手でしたが、他の職員もそれぞれ各種目の選手経験があります。私が所属しているリハビリテーション科内では、各種目の理解やその専門的動作についての勉強会も行っています。自分で勉強することは大切ですが、知らない競技種目について相談できる職員がいることは助かりますね。

職場での経験をゴールボール代表チームにも活かしたい

一般的なリハビリテーションでは生活シーンを想像しながら行います。同じようにスポーツのリハビリテーションでは、競技場面を理解しながらサポートしていくわけです。そのため、競技のことを何も知らないまま患者さんを診ても目標を理解できません。ゴールボールもそうですが、マイナー競技についてはわからないことが多いので、そうしたときは患者さんに直接教えてもらいます。
 
「どのようなフォームを目指していますか?」「コーチから何を指摘されていますか?」
などと聞きながら、パフォーマンスを向上させるためにどのような身体の使い方をするといいのかを伝え、それが可能になるようにスポーツ理学療法をしていきます。
 
スポーツ理学療法を学んだことで、現役選手のときにも別のトレーニング方法があったと気づいたことはありますね。「もっと足で踏ん張れ!」とコーチに言われたら、足をどの方向にして踏ん張れば高いパフォーマンスを出せるのかといった疑問にも、理学療法の知識によって答えを導きだせることがあります。
 
当院の患者さんにはオリンピックやパラリンピックの代表選手がいます。もちろんすべての患者さんが代表選手ではないので、一般選手のニーズにも合わせます。取り組めることは理想的な動きに近づけますし、筋力があればカバーできる故障もあります。スポーツの理学療法ではこのような振り幅が必要です。私の役割は、職場でのこうした経験をゴールボールのチームに還元することだと考えています。

安藤啓一

安藤啓一(あんどう けいいち)

福祉ジャーナリスト。大学在学中からフリー記者として活動を始める。1996年アトランタパラリンピックをきっかけに障害者スポーツの取材をはじめる。夏冬パラリンピックや国内大会を多数取材。パラリンピック関係者に読み継がれている障害者スポーツマガジン「アクティブジャパン」「パラリンピックマガジン」記者などを経験。日本障がい者スポーツ協会発行誌『No Limit』などの媒体にも寄稿している。取材活動のほかチェアスキー教室講師としてもスポーツに取り組んできた。共著に「みんなで楽しむ!障害者スポーツ」(学習研究社)がある。


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