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めざせ東京パラリンピック出場 夢への第一歩、東京都の選手発掘プログラム

公開日:2016.09.05 更新日:2016.09.16

自分に合ったスポーツを探せる体験イベント


選手発掘イベントの説明を受ける参加者。

パラリンピックのメダリスト選手にスポーツを始めたきっかけを取材すると、「新聞や雑誌、テレビでパラリンピック報道を見て、障害者がスポーツできることを知りました」というケースがとても多いです。
 
4年後には東京パラリンピックが開催されます。リオ大会を取材するメディアも急増しており、パラリンピックが盛り上がってきました。ぜひ多くの日本人アスリートたちに活躍してもらいたいですね。
 
ところがパラリンピック競技のある問題に関係者は悩まされています。それは選手数の少なさです。練習できる施設も限られているので、スポーツをしたくてもできないという障害者が多いのです。そこで東京大会を目指す選手発掘プログラムが開催されることになりました。

本当は、もっとスポーツしたい!!

水泳と射撃を体験していた27歳の女性は母親と二人で来場していました。
「障害を持つようになったのが4年前です。陸上競技大会に出場するほど身体を動かすことが好きだったので、もう一度スポーツをしたいですね」
ただ、積極的に競技をするほど自信が持てないとのことで、昨年に続いての体験参加となりました。
 
中学1年生の男子はバドミントンに参加。
「学校でもしている種目だけれど、授業でするときよりもコーチのレベルは高かったよ。午後からは射撃をします。初めての体験で、今日はこれが楽しみでした。友だちからは運動神経がいいよと言われているから、スポーツはもっと挑戦したいです」
 
この射撃は肢体不自由の参加者の中で一番人気。そのほか、重度障害者向けのボッチャ、パラリンピック最古の種目アーチェリーも大勢の参加がありました。

スポーツで障害を受容できた(初瀬勇輔さん/柔道)


メダリストの初瀬さん

お昼休みには憧れのパラリンピックメダリストによるトークショーがありました。登壇した柔道の初瀬勇輔さんは「障害者がスポーツで夢を見られる時代になりました。一緒にパラリンピックを目指しましょう」と参加者を応援しました。
 
高校生のころは県の強化選手に選ばれるほど活躍していた初瀬さんは、大学生になったとき、緑内障で視覚障害になりました。
 
「アテネパラリンピックの報道で視覚障害者柔道のことをはじめて知りました。もう一度挑戦しようと思い競技団体に電話を掛けたことが最初の一歩です。パラリンピックはオリンピックと同じ施設で開催されます。こういった特別な国際舞台に立てたことは障害の受容につながりました」
 
「大学には視覚障害の友だちが一人もいなくて、常にマイノリティでした。それがパラ柔道では僕が普通です。障害者としての世界が広がったし、好きなことに熱中できる歓びもあります」
 
「障害者が勝ち負けにこだわって競い合える機会はそれほど多くないので、スポーツはとても良い経験になります」

悔しいから、もっと練習しました(太田渉子さん/クロスカントリースキー)


メダリストの太田さん

登壇したもう一人のメダリスト、太田渉子さんはクロスカントリースキーで活躍してきました。現役引退した今は、上肢障害者が対象の格闘技、テコンドーに挑戦しているスポーツパーソンです。
 
「ソチパラリンピックの開会式で旗手を務めたときは清々しい気持ちで、背筋がピンと伸びました」
 
「雪国育ちなので、幼いころからスキーはしていたけれど、片腕しか使えないので友だちよりタイムが遅くて、悔しい思いをしていました。本格的に競技をするようになり、練習を頑張ると少しずつタイムが早くなりました。そしてスポーツを通じて友だちが増える歓びを体験できました。さらにパラリンピックを目標にして練習を続けることで自分の世界が広がりました」
 
二人はパラリンピックを目標に頑張ったことで、多くの出会いやチャンスを引き寄せてきました。スポーツは楽しみや喜びだけでなく、障害者が社会で自立して生活していくときのパワーを呼び寄せるようです。それは訓練室や障害者施設では得にくいものかも知れません。そのことを体験的に知っている選手たちやコーチは、だからこそ熱心に選手の勧誘をしていました。

東京都 パラリンピック選手発掘プログラム 開催予定


メダルをさわる参加者。

11/13 会場 都立八王子盲学校
12/18 会場 武蔵野総合体育館
2/19 会場 東京都多摩障害者スポーツセンター
 
詳しい開催概要はホームページで紹介しています。
http://www.para-athlete.tokyo/index.html

安藤啓一(あんどう けいいち)

安藤啓一(あんどう けいいち)

福祉ジャーナリスト。大学在学中からフリー記者として活動を始める。1996年アトランタパラリンピックをきっかけに障害者スポーツの取材をはじめる。夏冬パラリンピックや国内大会を多数取材。パラリンピック関係者に読み継がれている障害者スポーツマガジン「アクティブジャパン」「パラリンピックマガジン」記者などを経験。日本障がい者スポーツ協会発行誌『No Limit』などの媒体にも寄稿している。取材活動のほかチェアスキー教室講師としてもスポーツに取り組んできた。共著に「みんなで楽しむ!障害者スポーツ」(学習研究社)がある。

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