言語聴覚士はコミュニケーションに必要な言語機能や聴覚機能、食事に必要な摂食機能や嚥下機能に関する評価とリハビリ業務が仕事です。言語聴覚士は英語で「Speech Language Hearing Therapist」といい、日本では略して「ST」と呼ばれることもあります。
比較的、新しい医療分野の職種ではありますが、活躍の場は増えてきています。言語聴覚士が職員として働くことができる場所は、医療機関や保険・福祉施設だけでなく、教育機関もあります。
今回は、愛媛県の言語聴覚士の求人情報を紹介します。求人情報の特徴から平均給与、さらに求人の豊富なエリアまで解説しているため、ぜひご覧ください。
1. 愛媛県における言語聴覚士求人の特徴
厚生労働省が2020年に発表した「医療施設動態調査」によると、愛媛県にある病院数は135施設、一般診療所は1228施設という結果が出ています。
(出典:厚生労働省「医療施設動態調査(令和元年11月末概数)」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m19/dl/is1911_01.pdf)
人口の減少とともに医療施設の減少も予想されますが、在宅リハビリテーションの利用者の増加とともに、訪問看護リハビリステーションの増加が見込まれるでしょう。
また、言語聴覚士の仕事は医療機関以外にもありますが、愛媛県では約8割の言語聴覚士が医療機関で活躍しています。ただし、愛媛県にある全ての医療機関で言語聴覚士が勤務できるわけではないことに注意してください。
愛媛県における言語聴覚士求人は、豊富な待遇があることが特徴です。
具体的には、以下のような待遇があります。
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●資格手当・経験者歓迎
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●育児手当や家族手当あり
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●交通費支給あり
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●経験不問で未経験者も歓迎
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●年間休日110日以上
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●1日2時間から勤務あり
施設の特徴や勤務形態によっても働き方やサポートが異なるため、求人内容をしっかりチェックしましょう。
また、愛媛県では言語聴覚士会により、スキルや理解度を高めるためのセミナーや研修会が数多く開催されています。コミュニケーションや食事のための仕組みは脳や神経と大きく関わっているため、それぞれについて学べる機会があることは貴重です。
その他にも、ケアに関する指導や症例検討会も行われており、学べる環境は整っていると言えるでしょう。
さらに、ホームページでは愛媛県以外のセミナーや研修会などの開催情報も紹介されています。実際に、これまで以下のセミナーや研修会が開催・紹介されました。
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●高齢者の発話と嚥下の運動機能向上プログラム(MTPSSE)講習会
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●構音障害への治療的アプローチについて
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●言語聴覚士症例検討会
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●愛媛県の言語聴覚士における音声に対する自覚的評価の検討
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●ICFに沿った言語聴覚療法
学べる場所が数多くあることから、愛媛県の言語聴覚士は「勉強や経験を重ね、着実にレベルアップを図りたい」という人が多い傾向にあり、モチベーションを維持しながら働くことも期待できます。
2. 【愛媛県】言語聴覚士の平均給与
勤務先や年齢、さらにスキルによっても大きく異なるものの、言語聴覚士の全国平均給与は300万円前後だと言われています。
そして、求人サイトに記載されている情報をもとに算出された、愛媛県における言語聴覚士の平均給与は月収約25万円で、年収にすると約300万円です。
上記を見てわかるように、愛媛県における言語聴覚士の平均給与は、全国平均年収とほぼ同等です。とは言え上記の数字は賞与・手当てを一切含めていないため、全国平均年収を若干上回る場合もあります。
また前述のとおり、言語聴覚士は勤務先や年齢、さらにスキルにより給与が大きく異なります。愛媛県の言語聴覚士を対象に募集している求人でも、プロ・経験者を求めている施設の求人では「年収700万円~」となっていることもある一方で、初心者や未経験を求めている施設の求人では、「年収250万円~」となっていることも珍しくありません。
給与額・待遇といった雇用条件が良い施設は、リハビリテーション業務での一定期間の実務経験が必要など、採用条件も厳しくなる傾向があることを覚えておきましょう。
3. 【愛媛県】言語聴覚士の求人が多いエリア
愛媛県の中でも、言語聴覚士の求人が特に多い地域は以下の5つです。
○松山市
愛媛県の言語聴覚士求人の半数は、松山市にあると言っても過言ではありません。愛媛県の中央部に位置しており、県庁所在地でもある松山市は、人口も50万人を超える最も大きな市であり、言語聴覚士への需要も比例して大きくなります。言語聴覚士を求めている施設も多く、求人でも好待遇が目立ちます。
○西条市
愛媛県東部に位置する西条市は、2020年度の「若者世代住みたい田舎ランキング」で1位を獲得した市です。移住者が増加する可能性もあり、言語聴覚士の需要もさらに増えるでしょう。
○今治市
今治市は、愛媛県の北東部・瀬戸内海のほぼ中央部に位置します。松山市に次いで愛媛県の中で2番目に大きな市で、言語聴覚士をはじめ医療スタッフの需要も高く、求人も多く見られます。
○八幡浜市
八幡浜市は、愛媛県西端にある佐田岬半島の付け根部分に位置します。自然豊かな地域であり、大きな市である松山市や今治市からは少し離れていますが、代わりに地域密着型の病院での言語聴覚士の需要があります。
○大洲市
愛媛県の南予地方に位置する大洲市は、自然豊かな地域であり、高齢者も多く住んでいます。地域密着型の医療サービス提供に合わせて、求人に掲載されている仕事内容も大洲市の市民を支える病院やデイサービスに関するものが多い傾向にあります。
愛媛県では、2030年以降も65歳以上の高齢者が増加すると推定されています。今後も需要が高まっていく中、現段階から経験を積み、どこでも活躍できる経験者となることで、安定した収入も見込めるでしょう。
まとめ
ここまで、愛媛県の言語聴覚士の求人情報を特徴から募集の多いエリアまで紹介しました。
愛媛県の言語聴覚士は、地域に密着した医療機関や保健施設からの需要が高く、幅広い場所で活躍できるでしょう。
愛媛県における言語聴覚士の平均給与は、全国の言語聴覚士の平均給与と大きな差はないものの、施設形態や雇用条件によっては全国よりも高くなったり低くなったりします。
しかし、愛媛県は業務や技術における教育制度がしっかり整っているため、着実にスキルアップできる環境であることに間違いはありません。ここまでの内容を参考に、募集内容をしっかり確認して、ぜひ自分に合った勤務先を探してみてください。
※当記事は2020年2月現在の情報を基に作成しています