聞く・話す・食べる・飲み込むなどの言語・音声機能や口腔嚥下機能に障がいを持つ方の支援を行うことが、言語聴覚士の主な仕事です。
作業療法士や理学療法士と同様に国家資格であり、リハビリの専門職といえる言語聴覚士の需要は、全国各地にあります。病院やリハビリセンターの他、近年は介護施設や教育施設などによる求人も増加傾向です。
この記事では、京都府内における言語聴覚士求人の特徴や平均給与額、求人数が多いエリアについて解説します。
1. 京都府における言語聴覚士求人の特徴
厚生労働省の発表によると、令和元年9月時点での京都府内における医療機関数は、3,917施設です。
もちろん、すべての病院や診療所で言語聴覚士が働けるわけではありませんが、京都府内の言語聴覚士数は年々増加傾向にあり、求人も安定して見つけられます。京都府内で言語聴覚士の増加が見られる理由のひとつは、府内医療機関における研修制度など教育面での整備が進んでいるためです。
京都府では、ひとつの医療機関に複数人の言語聴覚士が在籍しているケースの多い点が特徴です。1人や2~3人で働く職場と比較すると、日々の業務やリハビリ計画について職場で情報共有する機会が多いため、チーム医療の基盤が育っています。
医療機関の他に介護施設や老人保健施設からの求人もあり、一度退職した有資格者が復職しやすい環境作りに力を入れている職場も少なくありません。
また、育児やプライベートと両立させたいスタッフや通勤の利便性を重視するスタッフなど、働く人の様々な要望に配慮した職場が多い点も特徴です。
<京都府の医療機関・介護施設などの魅力>
- ・院内に託児所が完備されている
・各種手当(資格手当・住宅手当・通勤手当など)が充実している
・駅から徒歩圏内の立地が多い
・車通勤可能の職場も多い
日本を代表する観光地のひとつである京都府は、交通網が非常に発達しているため、駅やバス停から徒歩10分以内の医療機関・福祉施設が数多く見られます。託児所完備の職場や短時間勤務が選択できる職場も見つけやすいため、自らのライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
2. 【京都府】言語聴覚士の平均給与
厚生労働省が発表した資料から概算すると、言語聴覚士の年収は全国平均で約300~400万円となります。
(出典:厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/19/index.html)
一方で、現在の京都府内における言語聴覚士の月収・年収(概算値)は、次の通りです。
<京都府内における言語聴覚士の給与平均(概算値)>
平均月収(賞与・手当なし) |
約22~30万円 |
平均月収(賞与・手当込み) |
約29~38万円 |
平均年収(賞与・手当込み) |
約350~450万円 |
上記データは、京都府内で募集されている言語聴覚士の求人情報から計算したものであるため、昇給の有無は考慮されていません。そのため、実際には上記データよりも高い収入を得られる場合があります。また、あくまで概算値として参考にしてください。
資格所有者であれば経験不問とする求人が多く、月収22万円程度の求人が見られる一方で、経験者を対象とした求人では大幅な給与の増額が見られます。業務経験2~3年程度の人材と15年以上の人材では2倍以上の給与差が見られるケースもあるため、京都府はスキル・経験次第で高収入が目指せるエリアです。
通勤手当や職務手当の他、勤務先によっては家族手当や住宅手当が加算されます。住宅手当や家族手当については、家族構成や世帯主か否かなどによって支給額が異なるため、細かな条件については事前に確認しておきましょう。
3. 【京都府】言語聴覚士の求人が多いエリア
京都府は県庁所在地である京都市に限らず、各エリアで言語聴覚士の求人情報があります。舞鶴市や宮津市、京丹後市など京都府北部の求人も少なくないため、中部や南部へ出勤することが難しいという北部在住者は、近距離通勤が可能です。
京都府内で言語聴覚士の求人数が特に多いエリアとしては、以下のものがあります。
- ・京都市左京区
・京都市伏見区
・京都市右京区
・宇治市
・京都市北区
京都市内中心部に求人が集中しています。京都市に隣接する宇治市にも数多くの求人が見られますが、交通網が発達しているため相互間のアクセスは良好です。
求人内容の特徴としては、地域を問わず病院などの医療機関よりも介護施設からの募集が多い点があげられます。病院からの募集は、京都市内に比べると市外エリアに目立ち、宇治市や城陽市など南部に多い傾向です。
訪問看護ステーションなど在宅医療を提供している事業所からの求人には、募集要項に「原付免許必須」の条件が設けられていることが多いため、事前確認をおすすめします。
訪問看護以外の施設が提示する応募条件は、言語聴覚士の国家資格に限定され、多くの施設が実務未経験者の応募を歓迎している点が、京都府の特徴です。そのため、実務経験に自信のない方やブランクのある方も、気軽に求人へ応募することができます。
まとめ
京都府における言語聴覚士の平均的な年収水準は、全国平均と同等です。ただし、基本給に住宅手当や家族手当など多種多様な手当を加算する職場が多く、他エリアに比べて収入アップを期待しやすいメリットがあります。
観光地であるため交通の便が良く、地下鉄やバスを利用することで京都市外への通勤が容易である点が、京都府で働く魅力です。
京都府全体で言語聴覚士の人員数は増加傾向にあり、受け入れる施設側の教育体制が年々整えられています。未経験から働きやすい環境が用意されている京都府で言語聴覚士の求人を探してみてはいかがでしょうか。
※当記事は2019年12月現在の情報を基に作成しています