栄養士に近い資格15選|食に関する資格を取得するメリットも

更新日 2025年01月24日 公開日 2023年07月20日

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ひと口に栄養士と言っても、活動の場や仕事内容は多種多様。だからこそ、新たな資格を取って専門性を高めていけば、活躍の幅がぐんと広がるはずです。また、栄養士が新たな資格を取得することは、「資格手当を得て収入アップを目指せる」「資格取得を通じて得た知識を家族の健康管理にも生かせる」などのメリットにもつながります。

この記事では、栄養士としてのキャリアアップに役立つ資格の種類や、各資格の取得方法について解説します。「食」に関する知識やスキルを就職・転職、独立開業などに役立てたい栄養士の方は、ぜひ参考にしてくださいね。

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栄養士に近い資格15選|食に関する資格を取得するメリットも

栄養士に近い「食」の資格15選

栄養士としてのキャリアアップを目指すなら、まずは「食」に関連する資格の取得をおすすめします。資格取得に向けて勉強することで、仕事に役立つ知識が身につくほか、新たな資格をもてば、栄養士としての「専門性」や「スキル」のアピールにもつながるでしょう。

ここでは、栄養士のキャリアアップに役立つ15種類の資格と、各資格試験の概要を紹介します。

管理栄養士

管理栄養士は、食に関する高度な専門知識にもとづいて、栄養指導や給食管理などを行う資格です。

■管理栄養士の資格概要

試験区分 国家資格
受験資格 (下記のいずれかの条件を満たす者)
・定められた施設で一定期間以上、栄養指導業務に従事した栄養士
・4年制の管理栄養士養成施設を卒業した栄養士(卒業見込みを含む) など
出題内容 ・社会・環境と健康
・基礎栄養学 など
認定機関 厚生労働省

(出典:厚生労働省「管理栄養士国家試験」/https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kanrieiyoushi/

管理栄養士は、健康な方に加えて高齢者や病気の方なども指導対象とするため、健康な方を対象とする栄養士の上位資格と言えます。今後は、少子高齢化にともなって高齢者に向けた栄養指導への需要がさらに高まるでしょう。

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調理師

調理師は、給食施設や飲食店などで調理業務を行うための資格です。

■調理師の資格概要

試験区分 国家資格
受験資格 (下記の2つの条件を満たす者)
・中学校卒業以上の者
・定められた施設において、調理業務に2年以上従事した者
出題内容 ・公衆衛生学
・食品学 など
認定機関 厚生労働省

(出典:公益社団法人調理技術技能センター「調理師試験について」/http://www.chouri-ggc.or.jp/chourishishiken/all_delegation/

調理師免許がなくても調理業務は行えますが、学校や医療福祉施設の給食を調理する場合は調理師免許を求められることが多いでしょう。また、調理師がふぐ調理師のもとで2年以上の実務経験を積むと、ふぐ調理師免許の受験資格を得られます(詳細は都道府県によって異なります)。栄養士がキャリアアップを目指す場合、調理師免許を取ることで活躍のチャンスが広がるでしょう。

(出典:東京都保健医療局「ふぐ取扱責任者免許と試験」/https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/shikaku/csh_menkyo/hugu/index.html

言語聴覚士

言語聴覚士は、医師・歯科医師などと協力しながら、コミュニケーション領域や摂食、嚥下などに問題を抱えた方をサポートする資格です。

■言語聴覚士の資格概要

試験区分 国家資格
受験資格 指定の教育施設の卒業者
出題内容 ・基礎医学
・音声・言語・聴覚医学 など
認定機関 厚生労働省

(出典:厚生労働省「言語聴覚士国家試験の施行」/https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/gengochoukakushi/

言語聴覚士は、医療機関や介護福祉施設などで活躍するリハビリのスペシャリストです。栄養士資格を生かすことで、より広い視点からの支援を行うことができるでしょう。なお、在宅医療の普及にともなって、今後は摂食・嚥下障害がある方への訪問栄養指導などのニーズが増えると予測されています。興味のある方は、併せて管理栄養士の資格取得を目指してみるのもよいでしょう。

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食生活アドバイザー

食生活アドバイザーは、幅広い専門知識をもって食生活を総合的に見直し、指導・アドバイスを行う資格です。検定には3級と2級があり、併願することもできます。

■食生活アドバイザーの資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 制限なし
出題内容 ・栄養と健康
・食品学 など
認定機関 FLAネットワーク協会

(出典:FLAネットワーク協会「試験概要」/http://www.flanet.jp/juken/

食生活アドバイザーは独学でも取りやすい資格の1つであり、飲食店などで働く際に、取得を推奨されることもあります。試験では、食に関する時事問題が出題されることもあるため、専門知識のアップデートにも役立つでしょう。

生活習慣病予防プランナー

生活習慣病予防プランナーは、健康的な生活習慣の提案を通じて、生活習慣病の予防に取り組む専門家を育成する資格です。栄養をはじめ、運動、睡眠、ストレス管理など多岐にわたる知識を習得できる点が特徴です。

■生活習慣病予防プランナーの資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 指定の養成講習を受講すること
出題内容 ・食習慣
・食事の工夫、運動法 など
認定機関 一般社団法人 ケアフィット推進機構

(出典:一般社団法人 ケアフィット推進機構「生活習慣病予防プランナーとは?」/https://www.carefit.jp/seikatsu/about/

生活習慣病の増加にともなって、予防対策へのニーズが高まっています。生活習慣病予防プランナーの資格があれば、栄養や運動に関する知識を自分や家族の生活習慣の改善に役立てることもできるでしょう。

野菜ソムリエ

野菜ソムリエは、野菜・果物の栄養や調理法などに関する知識を幅広く身につけて、社会に広めるための資格です。

■野菜ソムリエの資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 指定の養成講習を受講すること
出題内容 ・ベジフルコミュニケーション
・ベジフルサイエンス など
認定機関 日本野菜ソムリエ協会

(出典:日本野菜ソムリエ協会「野菜ソムリエコース」/https://www.vege-fru.com/contents/hp0007/?No=138&CNo=7

野菜ソムリエの資格を取得すれば、教室・セミナーなどで野菜の魅力や、栄養・素材に合った調理法を説明したり、より上質な野菜を仕入れたりすることができるでしょう。食関連の商品開発やイベント出演などを行っている方のなかには、野菜ソムリエの上位資格である野菜ソムリエプロや野菜ソムリエ上級プロをもつ方も多くいます。

食育インストラクター

食育インストラクターは、健康的な食生活や栄養バランスなど、食育に関する知識・能力があることを証明する資格です。食育インストラクター資格は、プライマリーおよび4級〜1級の全5段階に分かれますが、栄養士の場合は3級からの受験が可能です。

■食育インストラクター(3級)の資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 指定の研修会を受講すること(栄養士の場合)
出題内容 ・栄養学の基礎知識
・食習慣とマナー、伝承 など
認定機関 日本食育インストラクター協会

(出典:日本食育インストラクター協会「「資格」取得方法について」/https://www.npo-shokuiku.com/shikaku/youken.html

食育インストラクターの試験は、食材や栄養の知識だけでなく、食糧問題、食事マナーなどについても出題されるのが特徴です。食育インストラクターと栄養士資格を組み合わせることで、飲食・医療福祉・教育など、幅広い分野で専門性を発揮できるほか、料理教室や食関連イベントの講師として活躍するチャンスも増えるでしょう。

フードコーディネーター

人気資格の1つであるフードコーディネーターは、食の開発や演出、飲食店・料理教室の運営などについて多角的に学べる資格です。認定試験は、3級から1級まで実施されています。

■フードコーディネーター(3級)の資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 中学校卒業以上の者
出題内容 ・文化
・デザイン・アート など
認定機関 日本フードコーディネーター協会

(出典:日本フードコーディネーター協会「3級資格認定試験」/https://www.fcaj.or.jp/exam/third

フードコーディネーターの仕事は、メニュー開発から飲食店のプロデュース、料理教室の運営まで多岐にわたります。栄養士がフードコーディネーターの資格を取得すれば、両方の特性を生かしながら、食品メーカーや飲食店の商品開発・レシピ開発に携わったり、写真撮影に関わる調理、スタイリングを手がけたりと、仕事の幅を広げていけるでしょう。

薬膳コーディネーター

薬膳コーディネーターとは、薬膳料理を通じて健康なからだ作りに貢献できる資格です。資格を取得することで、中医学(中国の伝統医薬学)の基礎が身につき、体質に応じた食事提案を行えるようになります。

■薬膳コーディネーターの資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 指定の講座を受講すること
出題内容 ・薬膳
・中医学 など
認定機関 本草薬膳学院

(出典:ユーキャン「薬膳コーディネーターとは」/https://www.u-can.co.jp/%E8%96%AC%E8%86%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC/about/index.html?il=[about]1311_top_menu

食事を通じて体調改善を図りたいというニーズに応えるために、美容や健康の分野でも薬膳料理が注目されています。薬膳コーディネーターの資格があれば、家庭内の健康作りだけでなく、飲食業やヘルスケア関連事業における薬膳メニューの監修など、多くのフィールドで活躍できるでしょう。

漢方アドバイザー

薬漢方アドバイザーは、漢方の基礎知識から漢方薬の服用方法などを幅広く身につけ、適切なアドバイスを提供する専門家です。資格取得の過程では、漢方の歴史や効果、適用方法について学べます。

■漢方アドバイザーの資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 制限なし(試験のみで取得することも可能)
出題内容 ・漢方の基礎知識
・漢方の服用方法 など
認定機関 日本技術開発協会

(出典:日本技術開発協会「漢方アドバイザー」/https://jsada.org/index.php/kampo_adviser/

代替医療への関心が高まるなか、信頼できる専門知識をもった漢方アドバイザーの需要も増えています。漢方薬局やドラッグストアなどで、顧客の症状に合わせたアドバイスを行うなど、幅広い健康相談に応じられるようになるでしょう。

幼児食インストラクター

幼児食インストラクターは、幼児食や子どもの発達に関する専門知識を生かして、子どもたちの健全な食生活を支える資格です。

■幼児食インストラクターの資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 指定の講座を受講すること
出題内容 ・幼児食の基礎知識
・幼児期の食事 など
認定機関 日本能力開発推進協会

(出典:日本能力開発推進協会「幼児食インストラクター」/https://www.jadp-society.or.jp/course/infant-food/

保育園や幼稚園などで働く栄養士の場合、幼児食インストラクター資格で得た知識・スキルを給食献立の考案や食育活動、保護者向けの栄養相談などに役立てられます。保育園や幼稚園のほか、幼児食を扱う食品メーカー、飲食店などでも活躍できるでしょう。

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介護食アドバイザー

介護食アドバイザーは、介護食や高齢者の心理、病気などに関する専門知識を生かして、高齢者に「食を通じた生きがい」を提供する資格です。

■介護食アドバイザーの資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 指定の講座を受講すること
出題内容 ・高齢者の心理
・介護食の基礎知識 など
認定機関 日本能力開発推進協会

(出典:日本能力開発推進協会「介護食アドバイザー」/https://www.jadp-society.or.jp/course/care-food/

介護食アドバイザーは、介護食のスペシャリストですが、受験するにあたって介護に関する実務経験を求められることはありません。そのため、介護業界未経験の方であっても、資格取得を目指すことができます。また、介護関連施設の栄養士として、知識やスキルを向上させたい方にも向いている資格です。

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アレルギー対応食アドバイザー

アレルギー対応食アドバイザーは、子どもの食物アレルギーに関する専門知識を生かして、アレルギー対応食の献立作成・調理などに貢献する資格です。

■アレルギー対応食アドバイザーの資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 指定の講座を受講すること
出題内容 ・食物アレルギーに関する基礎知識
・子どものアレルギー対応食の実践 など
認定機関 日本能力開発推進協会

(出典:日本能力開発推進協会「アレルギー対応食アドバイザー」/https://www.jadp-society.or.jp/course/allergic_meals/

現代は食の多様化や加工食品の普及などによって、食物アレルギーに悩む子どもが増えています。そのため、おいしくて栄養のある「代替食」に関する情報提供を求める保護者も少なくありません。こうした背景から、アレルギー対応食アドバイザーの活躍の場は、今後ますます増えるでしょう。

スポーツ栄養プランナー

スポーツ栄養プランナーは、アスリートや運動習慣のある人に向けて、パフォーマンス向上、疲労回復などを目的とした栄養サポートを行うスペシャリストです。

■スポーツ栄養プランナーの資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 講座を受講し、添削課題を提出すること
出題内容 ・栄養学
・メニュープランニング など
認定機関 Office LAC-U

(出典:ユーキャン「スポーツ栄養プランナーとは」/https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/1500/about/index.html?il=[about]1500_top_menu

スポーツ栄養プランナーの資格は、スポーツジム、フィットネスクラブ、スポーツ関連団体などで、個別の食事プランニングや栄養管理などを行う際に役立ちます。スポーツをしている家族を栄養面で支えることもできるでしょう。

スポーツ栄養スペシャリスト

スポーツ栄養スペシャリストは、栄養面からアスリートを支えるための資格であり、日々の食事を通じてアスリートの体力作りと健康維持をサポートします。

■スポーツ栄養スペシャリストの資格概要

試験区分 民間資格
受験資格 指定の講座を受講し、課題のレポートを提出すること
出題内容 ・栄養素の基礎知識
・アスリート食 など
認定機関 アスレティックコンディショニングコーチズ協会

(出典:アスレティックコンディショニングコーチズ協会「スポーツ栄養スペシャリスト」/https://www.acc-a.com/license02/

栄養士がスポーツ栄養スペシャリストの資格を取ることで、スポーツ関連施設における給食の献立作成や調理業務などに貢献できます。スポーツ栄養関連の民間資格は複数ありますが、スポーツ栄養スペシャリストは、講座も認定試験も自宅で受けられるのが特徴です。自分の都合に合わせて学習・受験ができるため、働きながらでも無理なく資格取得を目指せるでしょう。

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キャリアアップには資格のほかに転職もおすすめ

資格取得に向けての学習は、食に関する知識を増やすことにつながります。また、資格を取得すれば、専門知識の豊富さやスキルの高さをアピールすることもできるでしょう。しかし、キャリアアップを実現するには、資格だけではなく「実務経験」も欠かせません。

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まとめ

栄養士におすすめの資格は、国家資格から民間資格まで多岐にわたります。また、一般の方でも受けやすいレベルの試験からプロ向けの試験まで、難易度もさまざまです。資格取得を目指す場合は、「今後、自分が目指したい方向性に合っているか」「無理なく受験できるか」などを考慮したうえで選ぶとよいでしょう。

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監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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