訪問リハビリで活躍する作業療法士|仕事内容や働く魅力を解説

更新日 2023年03月09日 公開日 2023年03月09日

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作業療法士はリハビリテーションのプロとして、医療・介護分野などさまざまな場所で活躍しています。

利用者さまの自宅を訪問してリハビリを行う、「訪問リハビリテーション」(以下「訪問リハビリ」)もその1つで、在宅介護人口が増加を続けるなか、多くの作業療法士が施設に通えない高齢者のQOL向上に貢献しています。

当記事では、訪問リハビリの詳細や作業療法士の仕事内容などを詳しく解説します。併せて、訪問リハビリで働く魅力と必要な資格についてもご紹介しますので、訪問リハに関心のある作業療法士の方は必見です。

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訪問リハビリで活躍する作業療法士|仕事内容や働く魅力を解説

作業療法士が活躍!訪問リハビリとは?

訪問リハビリとは、何らかの事情でリハビリ施設や病院に通うことが困難な方に、リハビリを提供するサービスです。作業療法士や理学療法士、言語聴覚士といった国家資格を持つリハビリ専門家が利用者さまの自宅を訪問し、1人ひとりに合ったリハビリを実施します。

訪問リハビリの対象者は、以下の条件に当てはまる方です。

  • ・介護保険証の認定を受けた方
  • ・主治医から訪問リハビリが必要と診断された方

厚生労働省の資料によると、2019年度の訪問リハビリ利用者を要支援・要介護の段階別に見た場合、もっとも多いのが「要介護2」の23.6%でした。次いで「要介護1」16.6%、「要介護3」16.5%となっています。

訪問リハビリでは、利用者さまの日常生活における自立を支援するために、身体機能を維持・向上させるための暮らし方や、生活環境の整備に関する提案を行ったりもします。また、ご家族に対するアドバイスも、作業療法士をはじめとするリハビリ専門職の大事な役割です。

利用者さまにとって、訪問リハビリはリラックスしてリハビリを受けられるサービスの1つです。住み慣れた自宅でのリハビリであれば、利用者さまが不安を感じる可能性も減るでしょう。加えて、リハビリ施設に通う時間、費用を節約できる点も、利用者さまの大きなメリットとなります。

なお、訪問看護ステーションが提供するリハビリも「訪問リハビリ」と呼ばれることがありますが、制度上は本記事で扱う「訪問リハビリ」とは別のサービスになります。

(出典:厚生労働省「訪問リハビリテーション」/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000679685.pdf

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訪問リハビリの人員配置・設備基準

訪問リハビリを提供する事業所の人員配置基準・設備基準は以下の通りです。

人員基準
医師 専任の常勤医師が1人以上
(病院、診療所と併設されている事業所、介護老人保健施設、介護医療院では、常勤医師との兼務でかまわない)
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
適当数置かなければならない
設備基準
設備および備品 病院や診療所、介護老人保健施設または介護医療院である
指定訪問リハビリテーションに必要な設備および備品などをそなえている

厚生労働省が2019年度に行った調査によると、訪問リハビリの事業所では平均1.18人(常勤換算)の作業療法士が働いています。マイナビコメディカルなどの求人サイトでも訪問リハビリの求人は豊富にあるので、気になる方はチェックしてみましょう!

(出典:厚生労働省「訪問リハビリテーション」/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000679685.pdf

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訪問リハビリにおける作業療法士の仕事内容は?

訪問リハビリで利用者さまに提供するサービス例は、以下の通りです。

  • ・歩行や立ち上がりなどの機能訓練
  • ・食事や着替えなどの生活動作訓練
  • ・言語機能の訓練
  • ・ご家族に対する介助方法の助言

作業療法士の仕事内容は、「訪問先」と「訪問先以外」で異なります。ここでは、訪問リハビリにおける作業療法士の仕事内容や役割について、詳しくご紹介しましょう。

訪問先での仕事

訪問先における作業療法士の仕事は、利用者さまのニーズをしっかりと把握し、目的にあったリハビリを行うことです。

例えば、一時的な疾患・けがなどで、これから状態が良くなると考えられる利用者さまの場合は、回復や社会参加をリハビリの目的にするケースが多く見られます。一方、疾患や障害を完全に克服するのが難しい利用者さまにおいては、安定した状態を「維持すること」が目的になる場合もあります。

作業療法士には、暮らしの現場で利用者さまに寄り添いながら、必要なリハビリを見極めていく能力が求められるでしょう。

(出典:一般社団法人 日本作業療法士協会「「本当のニーズ」に出会う現場、訪問リハビリテーション」/https://www.jaot.or.jp/ot_job/to_live/detail/39/

訪問先以外での仕事

訪問先以外で、作業療法士がこなすべき仕事の代表的な例は事務作業です。例えば、医師やケアマネジャーにリハビリ状況を伝えるための報告書作成などもその1つ。また、情報共有のためのサービス担当者会議や、退院後に訪問リハビリを受ける方の退院前カンファレンスに参加することも、作業療法士の大事な仕事です。

リハビリの提供が作業療法士の大きな役割ですが、リハビリ以外にもさまざまな業務があることを認識しておきましょう。

なお、訪問リハビリに携わる作業療法士が、利用者さまのニーズを掘り下げて把握するためには、ケアマネジャーとの連携がとても重要です。定期的にカンファレンスの場を設けるなどして、積極的に意見交換を行いましょう。

作業療法士にとって訪問リハビリで働く魅力は?

作業療法士が訪問リハビリで働く魅力として、以下の2つが挙げられます。

・利用者さまに寄り添ったリハビリができる
訪問リハビリでは、利用者さまの自宅でサービスを提供するため、より利用者さまの生活スタイルにあわせたリハビリが実施できます。また、利用者さまの日常に触れながらリハビリを実施することで、病院や施設では気付きにくい「新しい課題」が見えることもあるでしょう。そうした課題が克服できたときには、大きなやりがいや魅力を感じられるはずです。

・利用者さまのご家族もサポートできる
利用者さまのご家族にとって、訪問リハビリを利用することは「介護負担の軽減」につながります。加えて、訪問リハビリは通所リハビリよりも、ご家族とのコミュニケーションが取りやすい環境にあります。そうした点を踏まえれば、「利用者さまはもとより、そのご家族までしっかりサポートしたい」と考える作業療法士の方にとって、訪問リハビリは非常に魅力的な働き方と言えるでしょう。

作業療法士が訪問リハビリで働くのに資格は必要?

作業療法士が訪問リハビリで働くにあたって、特別な条件はありません。作業療法士の資格保有者であれば未経験でも働くことが可能です。

とはいえ、訪問リハビリでは1人で利用者さまの自宅に伺ったり、機材がないなかでリハビリを行ったりするなど、病院や施設とは違った難しさがあります。業務をスムーズにこなすためには、ある程度の経験が必要でしょう。

「訪問リハビリで働きたいけれど、経験が少ないので不安を感じる」という方は、研修や教育制度が充実している職場を選ぶのがおすすめです。また、先輩が訪問先に同行してくれるような職場を選べば、不安が減り業務に集中できるでしょう。

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取得を目指したい「認定訪問療法士」

認定訪問療法士とは、訪問リハビリの質の向上と人材育成を目的として、日本訪問リハビリテーション協会が創設した認定資格です。

認定訪問療法士は、訪問リハビリの現場で経験を積んだ理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のみが取得できる資格で、取得するためには研修会の受講が必要です。詳しい流れについては、以下をご覧ください。

1 認定基礎研修会を受講する
まずは、基礎知識を身に付けるための研修を受講します。主な研修内容は、医療・介護保険制度やリハビリに関するマネジメント、マナーやリスク管理、多職種連携の実践方法などです。

【受講要件】
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれかの国家資格を所有していること。

2 認定技術研修会を受講する
次に、認定技術研修会を受講します。主な研修内容は、福祉用具の活用や住環境の調整、摂食・嚥下障害や認知症への対応、フィジカルアセスメントなどです。

【受講要件】
日本訪問リハビリテーション協会の会員で、5年以上の臨床経験と3年以上の訪問リハビリ実務経験があること、および認定基礎研修会を修了していること。

3 認定応用研修会を受講する
最後に、総仕上げとなる認定応用研修会を受講します。主な研修内容は、人材育成やチームのモチベーション維持、事業所の運営・管理など、より高度な知識が身に付くものとなっています。

【受講要件】
認定技術研修を修了していること。

(出典:一般社団法人日本訪問リハビリテーション協会「「認定訪問療法士」のご案内」/https://www.houmonreha.org/mypage/authorization/

まとめ

訪問リハビリにおける作業療法士の主な仕事は、利用者さまの自宅を訪問して、機能訓練や生活動作訓練といったサービスを提供することです。住み慣れた自宅で、利用者さまの状態や希望に応じたリハビリを実施できるため、「利用者さまやご家族にしっかりと寄り添いたい」と考える作業療法士の方には、魅力的な働き方だと言えるでしょう。

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※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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履歴書や職務経歴書の書き方から、マイナビコメディカルサイト内での求人の探し方のコツや、転職時期ごとのアドバイス記事などを掲載。
転職前の情報収集から入職後のアフターフォローまで、転職活動の流れに添ってきめ細やかなフォローができる転職支援サービスを目指しています。

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