公認スポーツ栄養士とは?管理栄養士が取得するメリットも紹介

更新日 2023年07月24日 公開日 2023年07月24日

#情報収集 #転職検討/準備 #資格試験

食事内容や栄養バランスが、スポーツでのパフォーマンスに大きな影響をもたらすことは、広く知られるようになりました。そのため近年は、成績向上や勝利を目指すスポーツ選手のサポート役として、栄養士や管理栄養士のニーズが高まっています。そのなかでも、公認スポーツ栄養士の資格を持つ管理栄養士は、「スポーツ栄養の専門家」とされる存在です。

この記事では、公認スポーツ栄養士の概要や活躍場所、資格を取得するメリット、取得方法をご紹介いたします。公認スポーツ栄養士は、管理栄養士でなければ取得できない資格ですが、それ以外のスポーツ関連資格もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。本記事が、スポーツ分野で活躍したいと考える栄養士・管理栄養士の方の参考になれば幸いです。

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公認スポーツ栄養士とは?管理栄養士が取得するメリットも紹介

公認スポーツ栄養士とは?

公認スポーツ栄養士とは、栄養学にもとづいて、食の面からアスリートを支える、スポーツ栄養の専門家です。サポート対象は、部活動に参加する学生や一般のスポーツ愛好家、プロアスリートなど多岐にわたります。

スポーツチームに所属する公認スポーツ栄養士は、監督やコーチをはじめ、各分野の専門スタッフと連携しながら、アスリートが最高の状態で競技に臨めるようサポートします。栄養学の知識をもとに、競技シーズン中だけでなく、オフシーズンや日常生活においても正しい栄養摂取方法を提案し、競技者の自己管理能力を高めるのが主な役割です。

公認スポーツ栄養士は、「公益社団法人日本栄養士会」と「公益財団法人日本スポーツ協会」が共同で管理・運営する民間資格。資格取得に必要な講習会を受講するには、管理栄養士の資格が必須となります。全カリキュラムを修了するまでに最低でも3年かかるため、栄養学の知識・スキルを生かして、スポーツに関わる仕事に就きたいと考える方は、早めに準備しましょう!

(出典:日本スポーツ栄養学会「公認スポーツ栄養士とは」/https://www.jsna.org/about/

(出典:公益社団法人日本栄養士会「公認スポーツ栄養士」/https://www.dietitian.or.jp/career/specialcertifications/sports/

公認スポーツ栄養士の活躍場所

公認スポーツ栄養士は、2008年に創設された比較的新しい資格です。取得が簡単ではないこともあり、認定者数は2021年10月時点で436名と少なめ。そのため、「公認スポーツ栄養士ってどこで働いているの?」という声を耳にすることも少なくありません。

下記は、2017年に日本スポーツ栄養学会が行った、有資格者の勤務先アンケートの結果です。

●No.1 「研究教育機関(大学・短大・専門学校)」36名(24.5%)
●No.2 「フリーランス」24名(16.3%)
●No.3 「委託給食会社」14名(9.5%)
●No.4 「病院・診療所」13名(8.8%)
●No.5 「行政(都道府県・市町村、保健所・市町村保健センター)」10名(6.8%)

(引用:日本スポーツ栄養学会「公認スポーツ栄養士とは」/https://www.jsna.org/about/

そのほかにも、スポーツチームに直接所属したり、フィットネスクラブや食品メーカー、保育園に勤務したりと、公認スポーツ栄養士の活躍場所は実にさまざまです。なかには、講習会やセミナーを開いて、スポーツにおける栄養の大切さを伝えている方もいらっしゃいます。

(出典:日本スポーツ栄養学会「公認スポーツ栄養士とは」/https://www.jsna.org/about/

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公認スポーツ栄養士の資格を取得するメリット3つ

公認スポーツ栄養士は、3年間でストレートに取得できる方が2割以下と言われるほど、難易度が高い資格です。

でも、そんな話を聞くと「公認スポーツ栄養士には、長い時間と労力をかけて取得するだけのメリットがあるの?」と、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。公認スポーツ栄養士の資格取得には、以下の3つのメリットが考えられます。

●さまざまなスポーツで役立つ
日本スポーツ栄養学会が、有資格者に対して行ったアンケートを見ると、「公認スポーツ栄養士として栄養サポートしている競技は?」という質問への回答は、メジャースポーツからマイナースポーツまでバラエティ豊か。特に多かったのは、陸上競技や野球、サッカー、バスケットボールといった競技人口の多いスポーツですが、フリーランスの公認スポーツ栄養士として、複数の競技団体をサポートしている方や、障害者スポーツをサポートしている方、学校のクラブ活動で活躍している方などもいて、多彩なジャンルで公認スポーツ栄養士の資格が役立っていることがわかります。
●小学生から高齢者まで、活躍の場が豊富にある
公認スポーツ栄養士のサポート対象は、実業団やプロアスリートだけではありません。健康増進が目的のスポーツ愛好家やジュニアアスリートなど、年齢・性別を問わない幅広い層が対象です。公認スポーツ栄養士が、栄養サポートを行っている年代でもっとも多いのは、中学生や高校生の子どもたち。次いで専門・大学生、実業団チームやプロアスリートとなっています。また、選手本人や指導者だけでなく、選手の家族などに正しい栄養補給の重要さを説く講習会・セミナーの開催も活発です。
●管理栄養士としてのキャリアアップにつながる
公認スポーツ栄養士の資格を得ることは、「スポーツに特化した専門知識を持つスペシャリスト」の証しになります。栄養面だけでなく、スポーツ選手の体づくりにも高い知識があることは、管理栄養士として就職・転職活動をする際に、アピール材料の1つになるでしょう。なお、公認スポーツ栄養士の公式サイトでは、公認スポーツ栄養士取得者のプロフィールなどを紹介するコーナーが設けられており、自分の活動を広く知ってもらうことも可能です。

(出典:日本スポーツ栄養学会「公認スポーツ栄養士とは」/https://www.jsna.org/about/

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公認スポーツ栄養士の資格を取得する方法

公認スポーツ栄養士の資格を取得するには、まず日本スポーツ栄養学会が主催する、スポーツ栄養ベーシックコース講習会を受講しなければなりません。スポーツ栄養ベーシックコース講習会の受講後、日本スポーツ栄養学会に必要書類を提出して審査を通過すれば、公認スポーツ栄養士養成講習会を受講できます。

養成講習会は2段階に分かれており、日本スポーツ協会による「共通科目」を修了したうえで、日本スポーツ栄養学会が主管する「専門科目」へ進みます。公認スポーツ栄養士養成講習会の受講条件、および概要は下記の通りです。

<公認スポーツ栄養士養成講習会の受講条件>

●管理栄養士であること
●受講開始年度の4月1日時点で満22歳以上
●スポーツ栄養指導の経験がある者、またはその予定がある者

以上の者のうち、日本栄養士会、日本スポーツ協会が認めた者

(引用:日本スポーツ栄養学会「公認スポーツ栄養士養成制度」/https://www.jsna.org/about/system.html

<公認スポーツ栄養士養成講習会① 共通科目>

受講内容 ●共通科目Ⅲ
●知識確認テスト(オンラインテスト)
●課題レポート提出
講習時間 150時間(事前・事後学習含む)
受講料 22,000円+3,300円(リファレンスブック代)

講習会はオンライン主体で実施されます。受講を希望する方は、事前にインターネット環境を整えておきましょう。

上で紹介したように、共通科目を修了すると、専門科目の受講資格が得られます。専門科目の概要は下記の通りです。

<公認スポーツ栄養士養成講習会② 専門科目>

受講内容 ●専門科目講習会(前・中・後期)
●専門科目検定試験(口頭試問・プレゼンテーション)
●インターンシップ(40時間)
講習時間 116.5時間
受講料 19,800円

すべての科目を履修し、検定試験に合格できれば、晴れて公認スポーツ栄養士としての登録が可能になります。なお、資格取得後は4年ごとの更新が必要です。更新するにあたっては、期限が切れるまでに、研修などを通じて定められた単位を取得しておかなければなりません。

<登録・更新料>

認定登録料 23,300円
更新登録料 20,000円

(出典:日本スポーツ栄養学会「公認スポーツ栄養士養成制度」/https://www.jsna.org/about/system.html

(出典:公益社団法人日本栄養士会「公認スポーツ栄養士」/https://www.dietitian.or.jp/career/specialcertifications/sports/

(出典:公益財団法人日本スポーツ協会「スポーツ栄養士」/https://www.japan-sports.or.jp/coach/tabid219.html

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公認スポーツ栄養士以外で栄養士におすすめのスポーツ栄養関連資格3つ

公認スポーツ栄養士のかほかに、スポーツ栄養に関する資格を3つご紹介しましょう。「スポーツに関わる分野で働きたいけれど、管理栄養士ではないので公認スポーツ栄養士は目指せない」という栄養士の方も、ぜひ参考にしてくださいね。

●スポーツ栄養プランナー
スポーツ栄養プランナーは、ユーキャンが認定する民間資格です。対象はスポーツを楽しむ方やその家族、指導者などで、取得を通じてスポーツ栄養に関する知識を学べます。教材には、「食べる楽しみ」を重視したレシピ集も付属しています。

(出典:生涯学習のユーキャン「スポーツ栄養プランナー講座」/https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/1500/

●スポーツフードマイスター
スポーツフードマイスターは、日本安全食料料理協会が認定する民間資格です。諒設計アーキテクトラーニングが提供している通信講座では、日本インストラクター技術協会認定の別資格「アスリート栄養食インストラクター」との同時取得も可能です。短期間で2つの資格を取得できるため、栄養士として働きながらスポーツ栄養を学びたい方にはおすすめです。

(出典:日本安全食料料理協会「スポーツフードマイスター」/ https://www.asc-jp.com/diet/sportsfood/

(出典:諒設計アーキテクトラーニング「スポーツフード資格取得講座」/https://www.designlearn.co.jp/sportsfood/

●アスリートフードマイスター
アスリートフードマイスターは、アスリート本人やその家族がスポーツ栄養を学べる資格です。3級コースなら、1.5時間×4科目の講座を受講し、マークシート式の修了試験を受けて合格すれば資格を取得できます。取得者向けのスキルアップセミナーや交流会も開催されているため、新たな出会いから多くの刺激を得られるでしょう。

(出典:株式会社アスリートフードマイスター「アスリートフードマイスター」/https://www.athlete-food.jp/cp/pamph/

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まとめ

近年は、食事の面から競技者のコンディションをサポートする、スポーツ栄養の専門家に対する需要が高まっています。取得の難易度は高めですが、公認スポーツ栄養士の資格があれば、専門家として信頼されやすくなるため、管理栄養士としての活躍の場も広がるでしょう。

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