臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の違いと学校の選び方

最終更新日:2021年12月27日
 公開日:2021年2月15日

医療技術は年々進歩し多様化しています。このような時代に、医療技術に対応するためにも、臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師といった各分野のスペシャリストの存在は欠かすことができません。

さらに医療技術はこれからも進歩していくため、医療現場では今以上に必要とされるでしょう。そのため、それぞれの職業資格取得を目指している方も数多く存在しています。しかし、そのなかに各職業の違いや、進学先の選び方を、正しく理解している方は少ないでしょう。

そこで今回は、臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師、それぞれの職業の違いと仕事内容、さらに将来を見据えた学校の選び方を紹介します。

臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の仕事内容

臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師は仕事内容に違いはありますが、医師の診断や治療をサポートするという点は共通しています。それぞれの仕事内容は以下の通りです。

臨床検査技師 血液など検体検査や、心電図などの生体検査
臨床工学技士 医療機器の操作・保守点検・透析・カテーテル業務
診療放射線技師 X線やMRIなど放射線を利用した機器の管理

臨床検査技師は、血液検査や尿検査などの検体検査と、患者の体に機器を取り付け、心電図や脳波などを検査する生体検査がおもな仕事です。
MRIなど、診療放射線技師が行う検査のうち、放射線を使用しないものは臨床検査技師でも行うことができます

臨床工学技士は、手術室で人工呼吸器や人工心肺装置などを操作する他、病室や集中治療室でも医療機器の操作・管理・メンテナンスを行います。
医療機器のスペシャリストで、患者の命に直結する業務も多く担当します。医療だけではなく、工学など幅広い知識と技術が求められることが特徴です。

レントゲンなど画像診断の多くと、関連機器の管理を担当する職業が、診療放射線技師です。X線を利用した検査の他、医療機関によってはMRIや超音波検査など、磁石や超音波を利用した検査を任されることもあります。放射線を使用する機器を扱うため、患者やスタッフ、自身の安全性に対する管理能力も必要です。

どの職業も、おもな活躍の現場は病院などの医療機関ですが、医療機器メーカーや製薬会社、各研究機関などでも経験や技能を活かして活躍することは可能です。
また、同じ医療機関でも、臨床工学技士が透析クリニックで勤務するように、専門資格やスキルに応じて、専門性の高い勤務先を選ぶこともできます。

【職種別】偏差値・学費・資格取得率の違い

医療従事者には常に高度な医療知識、技術が求められます。そのため資格を取得するためにはそれぞれの専門学科のある学校で学び、知識や技術を身につけることが必要不可欠です。ただし、各職業によって求められる偏差値、または学校によって学費も異なります。

ここでは、臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師それぞれの偏差値や学費の相場、資格取得率について紹介します。

臨床検査技師

臨床検査技師を目指すうえで必要な偏差値、学費の相場、それぞれの進学先での資格習得率は以下の通りです。

偏差値 学費の相場 資格取得率
大学 40~60台 250~600万円 87.0%
専門学校 40~50台 250~350万円 75.2%(大卒含む)

(資格習得率出典元:2019年 臨床検査技師国家試験結果|旺文社教育情報センターhttp://eic.obunsha.co.jp/eic/pdf/kokushi/2019/0410_2.pdf

臨床検査技師の偏差値は、大学ごとに大きな差が開いていることが特徴的です。40台後半の偏差値もあれば、60台を超える偏差値の学校もあり、学校選びに幅広い選択肢があります。
一方、専門学校は40台後半から50台に偏差値がまとまっており、大学ほどの開きは見られません。

資格取得率については、大卒の資格取得率と全体の資格取得率しかデータがないため、あくまで目安ですが、大卒の試験合格率は高いといえます。

学費も大学によっては、専門学校と同じくらいの学校もありますが、私立大学となると、相場の上限近くの学費が必要となります。

臨床工学技士

臨床工学技士は大学・専門学校ともに50台前後の偏差値が多く、大きな差はありません。

臨床工学技士は医療知識だけでなく、機械関連でも学ぶことも多いため、他の職種に比べるとわずかながら私立大学の学費が高い傾向となります。

偏差値 学費の相場 資格取得率
大学 50台 250~600万円 83.3%
専門学校 40~50台 250~400万円 77.5%(大卒含む)

(資格習得率出典元:2019年 臨床工学技士国家試験結果|旺文社教育情報センターhttp://eic.obunsha.co.jp/eic/pdf/kokushi/2019/0403_1.pdf

詳細は、以上の通りですが、特徴的な点が資格の取得率です。
前述したように幅広い分野の知識が求められるため、臨床検査技師や診療放射線技師に比べると、最も資格取得率が低い結果となっています。

診療放射線技師

今回取り上げた医療技術職のうち、最も資格取得率が高かった職が、診療放射線技師です。
大学・専門学校ともに高い資格取得率となっています。偏差値は専門学校のほうがわずかに低いところもありましたが、50台が多い点は大学と共通しています。

また、専門学校の偏差値は臨床検査技師・臨床工学士と同じく40台から50台です。ただし、大学のみで見ると、臨床検査技師と臨床工学士よりも全体的に偏差値が高い傾向にあります。詳細は、以下の通りです。

偏差値 学費の相場 資格取得率
大学 50~60台 250~600万円 91.9%
専門学校 40~50台 300~350万円 79.2%(大卒含む)

(資格習得率出典元:2019年 診療放射線技師国家試験結果|旺文社教育情報センターhttp://eic.obunsha.co.jp/eic/pdf/kokushi/2019/0401_4.pdf

入学する学校を選ぶ2つのポイント

臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師を目指し進学先を選ぶ際、学費や通学年数など、学校選びにはさまざまな要素があります。もちろんそういった一般的な要素も重要ですが、将来を見据えるなら、医療系の学校ならではの要素を重視しなければなりません

ここでは、医療系の進学先を選択する際に、重要となる2つのポイントについて詳しく解説します。

国家試験・就職試験の実績や支援体制が充実している

学校選びで最も重視すべきは、卒業生の国家試験合格率や就職率です。学費が安かったり設備が整っていても、講師陣や支援体制が頼りなければ、入学しても受験資格を得られる程度しかメリットはありません。

・国家試験の合格率
・卒業生の進路(就職率)
・国家試験・就職に対する支援体制

最低でも、以上の3点はチェックすべきです。

国家試験や就職試験に対する支援体制は、たとえば個別指導の有無や、キャリア支援専門のスタッフ有無、研修や就職向けの病院紹介といったことがあげられます。

自信や実績のある学校なら、高確率でホームページや学校案内パンフレットに、合格率の具体的な数字や、就職先などが記載されています。学校を選ぶ際には、このような点もしっかりと確認しましょう。

さまざまな医療機関と連携しているもしくは附属病院がある

医療系学校の大きな特徴として、実習先がそのまま就職先になるケースが多いことがあげられます。

附属病院や連携している病院について調べ、選択肢が多いかどうか、実習先として申し分ないかどうかを確認しましょう。ただし、中には附属病院以外の施設であえて実習を行う学校も存在するため、事前確認が必要です。

附属病院や提携病院を持つ学校の場合、実習や授業、試験勉強で忙しい時期でも、実習場所が学校近くで通いやすい、というメリットがあります。

まとめ

医師の診断や治療をサポートする臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師は、いずれも国家資格が必要な医療技術者で、現代の医療に欠かすことのできない存在です。

治療計画をたてる際には、臨床検査技師による検体検査や生体検査、診療放射線技師によるX線撮影やレントゲン撮影といった、各種検査結果が重要となります。
医療機器を使用した治療や処置を行う場面では、医療機器のスペシャリストである臨床工学技士の存在が必要不可欠です。

今回解説した3つの職業で、どの職業につけばいいのか悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にして自分に合った仕事や学校を選んでください。

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