臨床検査技師は大学院に進学するべき?|学べる内容とメリットを解説
臨床検査技師とは、患者さまから採取した血液や尿などの検体を検査したり、エコー、MRIなどの医療機器を使って生理機能検査を行ったりする国家資格です。病院・クリニックといった医療機関のほか、健診センターや臨床検査センター、治験支援機関などで多様な検査業務を行担う技術職であり、そのキャリアパスはさまざまです。
目指すキャリアによっては、大学院への進学が有効な手段になることもあります。
そこで今回は、臨床検査技師が大学院で学べる内容や、大学院進学のメリット・デメリット、臨床検査技師として働きながら大学院に進学できるかどうかなどを詳しく解説します。大学院への進学に興味のある臨床検査技師の方は、ぜひご覧ください。
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目次
臨床検査技師は大学院で何を学べる?
養成校を卒業した臨床検査技師のなかには、臨床検査関連の学科を設けている大学院に進学する方もいます。
大学院では、臨床検査に必要な専門技術はもちろん、生殖医療、環境調査といった幅広い分野の知識を学ぶことが可能です。また、大学院のなかには、チーム医療を実践的に学ぶため、他職種と課題の解決方法についてディスカッションする講義を設けているところもあります。
興味のある分野について、自分の判断で深い研究ができるのも大学院の特徴といえるでしょう。
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臨床検査技師が大学院に進学するメリット
臨床検査技師が大学院に進学することには、さまざまなメリットがあります。そのなかで、特に大きなメリットは下記の3つです。
●人脈を広げられる
●研究職を目指せる
これらのメリットをあらかじめ理解した上で進学すれば、モチベーションを保ちながら学業に励めるでしょう。ここでは、上記3つのメリットについて詳しく紹介します。
学位を得られ、専門性を高められる
興味を持った分野についての専門性を高められる点は、臨床検査技師が大学院に進学する最大のメリットです。
大学院では、「修士」や「博士」といった学位だけでなく、細胞検査士や超音波検査士など、専門性の高い資格の取得も目指せます。大学院在学中にそうした専門資格を取得することで、就職・転職の幅はさらに広がるでしょう。
人脈を広げられる
大学院に進学すると、学会に参加する機会が多くなります。さらに、大学院では興味のある分野の最先端で活躍する先生と交流しながら、研究を行うことになります。学会への参加や先生方との交流は、人脈を広げるよい機会となるでしょう。
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研究職を目指せる
大学院で特定領域の専門的な研究を行ってきたという実績は、その領域の研究職求人を出す企業にとって大きな評価点となります。
また、研究職求人を出す企業のなかには、大学院卒の臨床検査技師しか採用しないところもあります。将来的に臨床検査学や保健学の研究者を目指したい臨床検査技師の方にとって、大学院への進学は大きなメリットといえるでしょう。
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臨床検査技師が大学院に進学するデメリット
臨床検査技師が大学院に進学することには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。進学してから「イメージと違った」と後悔しないように、大学院進学のデメリットもおさえておきましょう。
ここからは、臨床検査技師が大学院に進学するデメリットを2つ紹介します。
臨床検査技師としての経験年数が少なくなる
臨床検査技師が学部を卒業後、就職せず大学院に進学する場合、社会人としてのスタートが2年以上遅れます。また、臨床検査技師として就職した後で大学院に進む場合も、実務面でのブランクができてしまうでしょう。
厚生労働省の資料によると、臨床検査技師は経験年数が増えるにつれて給与が高まる傾向にあります。大学院に進学すると経験年数が少なくなるため、大学院卒業後しばらくは、同じ年齢で学部卒の臨床検査技師より、収入が低くなることも考えられるでしょう。
【臨床検査技師の経験年数別平均年収】
0年 | 約281万円 |
---|---|
1~4年 | 約366万円 |
5~9年 | 約407万円 |
10~14年 | 約464万円 |
15年以上 | 約566万円 |
(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html)
大学院卒の臨床検査技師は、学部卒の臨床検査技師よりも専門的な知識を有することから、職場によっては高収入を得られます。しかし、その一方でキャリア形成が遅れたり、経験年数が少ないことで給与が低くなったりするケースがあることを覚えておきましょう。
研究が忙しい
研究は、大学院で最も多くの時間を費やす作業です。研究室によっては進捗や研究結果を定期的に発表するほか、課程の修了時には研究結果にもとづく論文の作成・審査も必要となります。大学院生は研究に追われがちといっても過言ではありません。
研究室では自身の研究に加えて、実験用具の発注、サンプルの作成といった雑務もあります。また、上級生が下級生に研究・学習の助言を行ったり、下級生が上級生の研究を手伝ったりすることも少なくありません。
研究の忙しさが身体的・精神的負担につながらないように、しっかりとスケジュールを立てて行動することが大切でしょう。
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働いている臨床検査技師も大学院に進学できる?
臨床検査技師として働きながら大学院に進学することは可能です。
大学院のなかには、臨床検査技師が働きながら通えるように、夜間制や履修期間を延ばす制度を取り入れているところもあります。夜間制の大学院であれば、日中に働く臨床検査技師でも仕事と学業を両立させやすくなるでしょう。
また、履修期間を延ばす制度のある大学院であれば、通常2年で修士課程を履修するところを、3~4年で履修することが認められます。そのため、余裕を持って通学スケジュールを設定できるはずです。
とはいえ、社会人大学院生にとって、仕事と学業の両立はけっして簡単ではありません。経験を積むにしたがって、職場でより多くの業務を任されるようになるため、大学院での研究時間も限られてしまうでしょう。
夜間制や履修期間を延ばす制度が取り入れられた大学院であっても、多かれ少なかれ心身に負担がかかります。仕事と学業をうまく両立させるためには、職場や家族の理解と協力が不可欠なことを覚えておいてください。
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まとめ
臨床検査技師がキャリアアップを実現するためには、より専門的な知識・技術の修得を目指して、大学院に進学するのも1つの方法です。
臨床検査技師が大学院へ進学することには、学位の取得のほかに「専門性を高められる」「人脈を広げられる」「研究職を目指せる」というメリットがあります。しかし、一方で「経験年数が少なくなる」「研究が忙しい」といったデメリットがあることも覚えておきましょう。また、臨床検査技師として働きながら大学院に進学することも可能ですが、仕事と学業をうまく両立するためには、職場など周囲の理解と協力が欠かせません。
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※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています
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