企業で働く臨床検査技師の仕事内容は?給与やメリットも解説
臨床検査技師は、病院・クリニックだけでなく、健診センターや臨床検査センター、医療メーカー、製薬会社といった民間企業でも活躍できます。病院・クリニックとそれ以外では仕事内容や求められるスキルが異なるため、転職を考えている臨床検査技師の方は、希望する企業の仕事内容をよく把握しておくことが大切です。
当記事では、臨床検査技師が病院以外の企業で働くときの仕事内容や給与、企業で働くメリットについて詳しく解説します。転職を検討している臨床検査技師の方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
臨床検査技師はどのような仕事?
臨床検査技師は、医師の指示のもとで臨床検査を行う職業です。
臨床検査とは病気の診断や治療、原因の特定を目的として行われる検査であり、「検体検査」と「生理機能検査」の2種類に大別されます。
検体検査 |
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検体検査とは、患者さまから採取した検体を調べる検査です。検体には血液、尿、組織、体腔液などがあり、検査の目的に合わせて採取する検体や検査方法が決まります。 検体検査の方法には、下記のような種類があります。 |
生理機能検査(生体検査) |
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生理機能検査とは、検査機器などを使用して患者さまの体から直接情報を取得し、健康状態や病気の進行度を調べる検査です。 生理機能検査には、下記のような種類があります。 |
臨床検査業務で得られた検査結果は、医師の診断や治療に活用されます。
臨床検査技師が行う検査業務は、医師が的確な診断・治療を行う上で欠かせないものであり、やりがいの大きな仕事と言えるでしょう。
(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「臨床検査技師 – 職業詳細」/https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/161)
(出典:一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会「臨床検査技師の紹介」/https://www.jamt.or.jp/target/general/introduction/)
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企業で働く臨床検査技師の仕事内容
臨床検査技師は病院やクリニックのほか、健康診断や医療機器、治験に関連した企業でも活躍しています。そうした企業で働く臨床検査技師は、検査・分析以外の仕事を行う機会も多いでしょう。
(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「臨床検査技師 – 職業詳細」/https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/161)
(出典:一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会「臨床検査技師の紹介」/https://www.jamt.or.jp/target/general/introduction/)
以下では、臨床検査技師が活躍する主な企業を取り上げ、職場の特徴と具体的な仕事内容を解説します。
健診センター
健診センターは、対象者に向けて健康診断や人間ドックのサービスを提供する機関です。健診センターで働く臨床検査技師は、検査の専門家としてさまざまな健診業務に携わります。
健診センターで行われる主な検査業務は、下記の通りです。
・視力測定
・聴力測定
・血圧測定
・採血
・心電図検査
・超音波検査
など
特に心電図検査や超音波検査は、臨床検査技師に任されることが多い傾向にあります。
仕事の流れとしては、午前中に担当の検査業務を集中して実施し、午後には事務作業を行うのが一般的です。夜勤がないため、ワークライフバランスを重視したい方におすすめの職場と言えるでしょう。
臨床検査センター
臨床検査センターは、病院・クリニックなどの医療機関から依頼を受けて、検体検査を代行する機関です。臨床検査センターには大型の検査機器やさまざまな試薬がそろっており、病院・クリニックの検査部門では実施が難しい検査にも対応できます。
臨床検査センターで働く臨床検査技師の仕事内容は、検体検査業務全般(一般検査や血液検査、病理検査、微生物検査、遺伝子検査など)です。一般的には、検査部門ごとに特定の検査項目が割り当てられ、臨床検査技師は担当する部門の検査業務のみを行います。
臨床検査センターで働く臨床検査技師の仕事内容については、下記のページでも詳しく解説しています。興味のある方は、ぜひご覧ください。
仕事内容は?求人の特徴・適性も
医療機器メーカー
医療機器メーカーは、医療機器を開発・製造・販売する企業です。医療機器メーカーで働く臨床検査技師は、「アプリケーションスペシャリスト」と呼ばれる医療機器の専門家として、営業職のサポートを行います。
営業サポートの主な業務は、営業職に同行して医療機関を訪れ、製品の使い方などをプレゼンすることです。また、導入時の設定を行ったり、営業戦略の立案に携わったりすることもあります。
臨床検査技師が医療機器メーカーで働く場合は、自分が臨床検査で使用していた機器のメーカーを就職先として選ぶことが多い傾向にあります。臨床検査用の機器を販売するメーカーにとって、臨床検査の現場に詳しい臨床検査技師は心強いサポート役となるでしょう。
治験コーディネーター(CRC)
治験コーディネーター(CRC)は、SMO(治験施設支援機関)や医療機関で働きます。CRCに必須の資格はないものの、採用時には医療関係の知識を求められるケースが多く、臨床検査技師の資格を持つCRCは少なくありません。
CRCの役割は、治験を実施する医療機関内で医師や看護師、患者さま、製薬会社などの調整役を務め、治験業務がスムーズに進むようにサポートすることです。
具体的な仕事内容としては、治験関係者間の調整や患者さまのスクリーニング検査、書類作成の補助などが挙げられます。治験には多くの医療関係者や患者さまが関わっているため、その進行役となるCRCには高いコミュニケーション能力が求められます。
転職に必要な基礎知識
製薬会社
製薬会社は、薬剤の開発・製造・販売を行う企業です。臨床検査技師が製薬会社で働く場合は、一般的に臨床開発モニター(CRA)と呼ばれる職種に就きます。
CRAの仕事内容は、医療機関で行われる治験のモニタリング、進捗管理などを行い、安全性の高い医薬品の研究開発に貢献することです。CRCと同じく治験のサポートを担う職種ですが、CRCは治験を実施する医療機関側、CRAは治験依頼者である製薬会社側から治験に携わる点に違いがあります。
CRAは医薬品開発にかかわる仕事であり、企業で働く臨床検査技師のなかでも特に高収入を期待できる点が魅力です。CRAとして働く臨床検査技師には、治験についての専門知識だけでなく、交渉を円滑に進めるためのコミュニケーション能力が求められるでしょう。
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企業で働く臨床検査技師の給与は?
まず、臨床検査技師全体の平均年収を確認しておきましょう。令和4年賃金構造基本統計調査によると、臨床検査技師の平均年収は約509万円です。
(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html)
病院・クリニック以外の企業で働く臨床検査技師の給与は、臨床検査技師全体の平均年収と比べてやや高くなっています。マイナビコメディカルをはじめとする複数の求人サイトを調査したところ、企業で働く臨床検査技師の平均的な給与額は約300万~520万円でした。
また、企業で働く場合は、それぞれの規模によって給与額に差が生まれる点も特徴です。大手企業であるほど臨床検査の業務が多くなり、臨床検査技師に支払われる給与額も高くなる傾向にありました。モデル年収として600万円以上を提示している求人も少なくありません。
支給される手当の例としては、一般的な通勤手当・住宅手当のほかに、家族手当・残業手当・調整手当などがあります。手当の支給額は企業によって異なるものの、すべて支給されると給与に約4万~10万円プラスされるケースもあるでしょう。
収入をアップさせるための3つの方法も紹介
臨床検査技師が企業で働くメリット
最後に、臨床検査技師が病院・クリニック以外の企業で働くメリットを3つ紹介します。
給与アップを目指せる |
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民間企業の臨床検査技師求人は基本給が高いだけではなく、手当や福利厚生も充実している傾向にあります。企業は管理職のポストも多く、キャリアを重ねることで給与アップを狙える点も魅力です。 |
福利厚生が充実している |
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企業の臨床検査技師求人には、退職金や財形貯蓄制度、育児休暇制度、介護休業制度といった、福利厚生が充実しているものも多く見られます。福利厚生が充実している企業であれば、ワークライフバランスを重視しながら働けるでしょう。 |
専門的なスキルが身につく |
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企業で働く臨床検査技師は、病院・クリニックでは取り扱いのない専門的な検査を担当することがあります。また、CRCやCRAとして働く場合は、治験業務関連のキャリアを積むことができるでしょう。このように、専門的なスキルが身につき、臨床検査技師としての人材価値を高められる点も企業で働くメリットです。 |
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まとめ
検体検査や生理機能検査などを行う臨床検査技師は、病院・クリニックだけでなく、さまざまな企業でも活躍できます。仕事内容は企業によって異なりますが、健診センターや臨床検査センターでは検査業務を重点的に行い、医療機器メーカーや製薬会社では医療知識を生かして、治験や営業のサポートを行うケースが多いでしょう。
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※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています
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