臨床検査技師は年収が低い?他の医療職との比較も

更新日 2024年01月11日 公開日 2024年01月11日

#年収・給料 #情報収集 #転職検討/準備

臨床検査技師として働いている方のなかには、「他の医療職と比べて自分の年収が低いのでは?」「給与アップを目指したい」と思っている方もいるでしょう。年収は経験年数や職場の給与体系によっても違ってきますが、臨床検査技師の平均的な給与額を知っておけば、転職の決断をする際などに役立つはずです。

そこで当記事では、臨床検査技師の平均年収や、給与アップのための方法を解説します。「少しでも年収をアップを目指したい」と考えている臨床検査技師の方は、ぜひ参考にしてください。

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臨床検査技師は年収が低い?他の医療職との比較も

臨床検査技師の年収は低い?

厚生労働省の統計によると、臨床検査技師の平均年収は、令和4年に500万円の大台を超えて約509万円となっています。内訳は月収の平均が約35万円、賞与の平均は約92万円です。

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

ただし、臨床検査技師の実際の年収は、職場の規模や給与体系、勤務年数によって差があります。

一例として、臨床検査技師の経験年数別平均年収を見てみましょう。

0年 約281万円
1~4年 約366万円
5~9年 約407万円
10~14年 約464万円
15年以上 約566万円

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

上記のデータによると、臨床検査技師の年収は経験年数を重ねるごとに高くなっています。初任給は約281万円ですが、10~14年勤務で1.5倍以上、15年勤務すると約2倍の年収になる計算です。

他の医療・介護関係職との比較

同じ医療職でも、職種によって年収には差があります。臨床検査技師の年収がどのくらいの水準かを知るために、他職種の年収と比較してみましょう。

以下では、臨床検査技師を含む医療・介護職の年収をランキング形式でご紹介します。

ランキング 業種 年収
1 医師 約1,429万円
2 歯科医師 約810万円
3 獣医師 約687万円
4 助産師 約584万円
5 薬剤師 約583万円
6 診療放射線技師 約544万円
7 臨床検査技師 約509万円
8 看護師 約508万円
9 保健師 約481万円
10 その他の保健医療従事者 約443万円
11 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士 約430万円
12 歯科技工士 約429万円
13 准看護師 約418万円
14 介護支援専門員(ケアマネージャー) 約406万円
15 保育士 約391万円
16 栄養士 約379万円
17 介護職員(医療・福祉施設等) 約363万円
18 看護助手 約309万円

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/

医師・歯科医師の年収は、他の職種に比べて圧倒的に高いことが分かります。さらに、獣医師・助産師・薬剤師の年収は、約580万円を超えています。

放射線を用いた検査を行う診療放射線技師の年収は約544万円です。臨床検査技師との年収差は約35万円で、それほど大きな開きはありません。また、看護師は約508万円で、臨床検査技師の年収とほとんど同じです。

平均年収が450万円以下の医療職もあることを考えると、臨床検査技師の年収は医療職のなかで特別低いわけではありません。

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臨床検査技師の年収が低いと言われる理由は?

臨床検査技師の年収が低いと思われがちな理由は、職場によって給与水準や労働時間の長さに違いがあるためです。

ここでは臨床検査技師の年収が低いと言われる理由を詳しく解説します。

職場によって給与水準が異なるため

同じ臨床検査技師でも、職場によって給与水準が異なるため年収が低く感じる方もいます。

臨床検査技師の勤務先は、病院やクリニック、臨床検査センター、治験関連の企業などさまざまです。治験関連の企業で臨床開発モニター(CRA)や治験コーディネーター(CRC)として働く臨床検査技師は、求められるスキルが高いことから、基本給や賞与の支給額も高くなりやすいでしょう。

一方、病院やクリニックなどの医療機関は、賞与の支給額や超音波検査の有無などによって年収に差が生じます。例えば、規模が小さく超音波検査を実施していない病院やクリニックでは、年収が低い傾向です。

また、昇給額が低い職場の場合、経験年数を重ねてもさほど年収が上がらないというケースもあるでしょう。

労働時間が長い場合があるため

臨床検査技師は、職場によって労働時間が長い場合があります。そうした職場では、残業が多くて責任も重いのに年収が低いと感じる方も少なくありません。

一般的な臨床検査技師の職場では、「1日7~8時間で週5日勤務」という勤務体系が多く、残業時間の月平均は約11時間です。看護師の残業時間が月平均で約6時間、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といったリハビリ職の残業時間が月平均約5時間であることを考えると、臨床検査技師の平均残業時間はやや長いと言えるでしょう。

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/

臨床検査技師に残業が多い理由として、突発的な検査や業務後の勉強会などが挙げられます。臨床検査センターなどでは、勤務時間内に終わらなかった検査があれば残業で対応する場合もあります。

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臨床検査技師の年収を上げる方法

年収が低いと感じている臨床検査技師の方や、今後も臨床検査技師として活躍したいと考えている方は、「どのように年収の上げればいいのか」についても確認しておきましょう。

臨床検査技師の年収を上げる主な方法は、次の3つです。

資格や専門的なスキルを身につける

臨床検査技師の年収を上げる方法として、まず挙げられるのは「資格取得」や「専門的なスキルを身につけること」です。資格を取得することで手当が上乗せされたり、専門的スキルが評価されて管理職へ昇格できたりと、年収アップのチャンスが増えるためです。

ここからは、臨床検査技師のスキルアップに役立つ資格を3つ紹介しましょう。

・超音波検査士
超音波検査士は、超音波検査のエキスパートに与えられる資格です。受験には臨床検査技師などの国家資格が前提になるだけでなく、「超音波専門医」または「超音波指導検査士」の推薦が必要という高いハードルがあります。資格は7つの領域に分かれており、1回の試験で1領域しか受験できません。試験は、書類審査とマークシート方式による筆記試験で、資格取得後は5年おきに資格更新が必須です。

(出典:公益社団法人 日本超音波医学会「公益社団法人日本超音波医学会認定超音波検査士制度 第37回超音波検査士認定試験実施について」/https://www.jsum.or.jp/capacity/rms/examination37.html

・細胞検査士
細胞検査士は、顕微鏡でがん細胞や病原体などを見つけ出す、高度なスキルが求められる資格です。臨床検査技師、もしくは衛生検査技師の方のみ受験できます。資格取得後は、5年おきに資格更新が必須です。一次試験は筆記試験と細胞画像試験、二次試験ではスクリーニング試験や同定試験、標本作製実技試験が実施されます。

(出典:公益社団法人 日本臨床細胞学会「細胞検査士になるには」/https://jscc.or.jp/others/others3/

・一級・二級臨床検査士
一級・二級臨床検査士は、臨床検査技師の上級資格にあたります。分野ごとに8つに細分化されており、1回の試験で受験できるのは1科目のみです。一級臨床検査技師のみ、5年おきに資格更新が必要です。試験は、筆記試験、実技試験、口頭試験で実施されます。

(出典:公益社団法人 日本臨床検査同学院「二級臨床検査士試験」/https://clmj.jp/com_second.html

(出典:公益社団法人 日本臨床検査同学院「一級臨床検査士試験」/https://clmj.jp/com_first.html

それぞれの資格は、臨床検査技師として高い専門性を備える証明になります。年収アップはもちろん、キャリアアップのためにも資格取得を検討してみましょう。

1つの職場で長く働き続ける

同じ職場で長く働いて昇給を目指すのも、年収を上げる方法の1つです。短期間で年収を上げるのは難しいものの、臨床検査技師の年収は経験年数に比例する傾向があるため、長く働くことで将来的な年収アップが見込めるでしょう。

1つの職場で長く働いて年収アップを目指すには、堅実に臨床検査技師の仕事をこなし、スキルや経験を磨き続けることがポイントです。ただし、職場によっては思うような昇給が望めない場合もあります。まずは現在働いている職場の給与体系を確認し、10~20年後の基本給をシミュレーションすることが大切です。

違う職場に転職する

希望通りの昇給が望めない場合は、他の職場への転職を検討するのもよいでしょう。即戦力を求めている職場や夜勤・当直がある職場に転職すると、現在よりも基本給や手当が増える可能性があります。

「やりたい業務ができない」「職場環境が悪い」などの悩みを抱えている方も、やりがいがある職場、仕事に見合った給与を得られる職場がないか、求人情報をチェックしてみましょう。

転職を成功させるには「どのような業務をこなしたいか」や、「どのようなスキルを身につけたいか」をしっかりイメージしておくことが大切です。

臨床検査技師として転職を成功させたい方は、プロのサポートを受けるのもおすすめです。臨床検査技師に特化した転職エージェントを活用すれば、自身のスキルや経験を生かせる転職先を見つけやすくなるでしょう。

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まとめ

臨床検査技師のなかには「年収が低い」と感じている方もいますが、臨床検査技師の平均年収は約509万円であり、看護師や他の医療従事者と比べて低すぎることはありません。給与は職場の規模や給与体系、経験年数によって異なります。給与アップを目指したい場合は、資格取得を目指したり、転職を検討したりするのもよいでしょう。

転職を検討している方やキャリアに悩む臨床検査技師の方は、マイナビコメディカルを活用してはいかがでしょう。マイナビコメディカルでは、業界に精通したキャリアアドバイザーが公開・非公開求人からご希望に沿った転職先をご紹介するほか、提出書類の添削や面接対策などのサポートも行っております。ぜひ一度ご相談ください。

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※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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