臨床検査技師の平均給料|収入をアップさせるための3つの方法も紹介
臨床検査技師を目指している方にとって、臨床検査技師の平均年収がどの程度なのかは、就職・転職の前に知っておきたい情報でしょう。一般的に医療系の資格が必要な職業は、高収入を得やすいといわれています。だとしたら、臨床検査技師も高収入を得られる職業に該当するのでしょうか。
当記事では、臨床検査技師の一般的な勤務形態や平均給料、世代別・男女別による年収の違いを紹介します。臨床検査技師として収入アップを図りたい方のために、給料アップにつながる3つの方法も取り上げるので、ぜひチェックしてください。
辞める前にできる3つのこと

目次
臨床検査技師の勤務形態
臨床検査技師の主な就職先は、病院やクリニックのような医療機関と、検診・健診を行う検査センターです。その他に、治験企業や医療機器メーカーも挙げられます。正社員だけでなくパートの求人も多く見られ、勤務時間やシフトは職場によってさまざまです。
例えば、入院用ベッドが少ないクリニックでは、夜間診療をあまり行いません。そのため、臨床検査技師のシフトは日勤が多く、夜勤が少ないことが特徴です。一方、救急病院に指定されている医療機関や、緊急検査を受け付けている検査センターには、夜間も臨床検査を必要とする患者さまが搬送されてくる場合があります。また、一定以上の規模を持つ施設では、日勤と夜勤の交代制シフトを組んでの勤務が一般的です。
なかには、夜勤に抵抗がある臨床検査技師の方もいると思いますが、夜勤のある職場では夜勤手当が支給されるため、日勤のみの職場よりも収入アップが期待できます。
臨床検査技師の平均給料
令和3年賃金構造基本統計調査によれば、臨床検査技師の給料の全国平均は月給約33.8万円、年収にして約496万円です。また、性別で見ると、男性の年収が約505万円であるのに対し、女性は約442万円となっています。
(※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html)
ただし、この額はあくまで全国平均のため、実際の給料額は、就職先や施設規模、勤続年数、役職などの条件で変動します。
世代・男女別平均年収と新卒の初任給
下記は、臨床検査技師の平均年収を世代別・男女別にまとめた表です。
年齢 | 男性の平均年収 | 女性の平均年収 |
---|---|---|
20~24歳 | 約337万円 | 約336万円 |
25~29歳 | 約403万円 | 約416万円 |
30~34歳 | 約459万円 | 約424万円 |
535~39歳 | 約519万円 | 約473万円 |
40~44歳 | 約576万円 | 約491万円 |
45~49歳 | 約721万円 | 約513万円 |
50~54歳 | 約740万円 | 約571万円 |
55~59歳 | 約707万円 | 約549万円 |
60~64歳 | 約462万円 | 約532万円 |
65~69歳 | 約678万円 | 約421万円 |
(※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html)
20~24歳は、臨床検査技師として経験が浅い時期です。臨床検査技師の初任給は男女とも約20万円であり、年収で見ても男女の差はほとんどありません。
世代が上がるにつれて男女の年収には徐々に差が生じ、45~59歳の男女の年収差は100万円以上になります。なお、臨床検査室長などの役職に就いている方は、平均よりも高い収入を実現しています。
給料をアップさせるための3つの方法
臨床検査技師の給料は、年齢や経験年数とともに上がっていくことが分かりました。また、勤続年数以外に「管理職に就く」「関連資格を取得して市場価値を高める」「転職する」といったことも、給料アップにつながるでしょう。
以下では、それぞれの内容について詳しく解説します。
管理職になる
管理職のポストに就くと、給料アップが見込めるでしょう。臨床検査技師が目指せる管理職は、医療機関であれば検査部の技師長や室長、メーカーであれば部門長などが挙げられます。病院や企業の経営にまで関わる役職になれば、年収1,000万円を目指すことも可能です。年代としては、若くて30代、多くの場合は40~50代で管理職に就く方が多い傾向です。
管理職に就くためには、仕事での実績だけでなく、経営側からの信頼が必要です。また、仕事内容に関連する資格の取得や、医療現場でチームを動かす管理能力も大切になります。
すでに臨床検査技師や管理職としての経験が十分にある方は、管理職候補を募集している臨床検査技師求人を探すのがおすすめです。
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関連資格を取得する
臨床検査技師の職務に関連した認定資格を取得することで、給料アップにつながる場合があります。例えば、職場の業務に沿った認定資格を取得すれば、資格手当という形で給料に反映されるケースもあるでしょう。
臨床検査技師の仕事に関連する主な認定資格は、以下の通りです。
- ・一級臨床検査士
- ・細胞検査士
- ・超音波検査士
- ・認定輸血検査技師
- ・緊急臨床検査士
認定資格は、専門性のある医療技術者として、一定レベルに達していると認められることで取得できるものであり、エキスパートであることの証明です。職場によっては「超音波検査士歓迎」「細胞診断士歓迎」といった応募資格で求人が出されることもあるため、自身の活躍の場を広げるためにも、関連資格取得を検討してみると良いでしょう。
規模の大きな病院や医療関連の企業・メーカーに転職する
賃金構造基本統計調査によれば、病院や企業の規模が大きいほど、臨床検査技師の平均年収が高くなる傾向にあります。
■臨床検査技師の平均年収(企業規模別)
平均年収 | |||
---|---|---|---|
従業員数 | 男女計 | 男性 | 女性 |
1,000人以上 | 約544万円 | 約581万円 | 約523万円 |
100~999人 | 約463万円 | 約519万円 | 約442万円 |
10~99人 | 約449万円 | 約525万円 | 約425万円 |
(※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html)
規模の大きな病院とは、大学病院や国立病院のように病床数や職員数が多い職場のことです。大きな病院は給料額や福利厚生が手厚い傾向にあるため、高収入の可能性が高まります。
また、大手の医療機器メーカーや治験企業でも、医療系の有資格者向けに求人を出すことがあります。就職すると、アプリケーションスペシャリストや治験コーディネーターといった職種で働くことになり、企業の事業内容に沿って研究や商品開発、営業サポートを行います。モデル年収(求人情報に記載されている年収例)は500万円や600万円以上が多く、就職から数年で高収入を得られる場合もあるでしょう。
ただし、好条件を提示する求人は、臨床検査技師として十分な経験や資格を持つ方に限定されるなど、条件付きであるケースがほとんどです。まずは、現在の職場でキャリアを積むことを大切にし、その上で転職も含めたキャリア形成を考えてみるのが良いでしょう。
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まとめ
臨床検査技師の平均年収は、約470万円です。男女別で見ると男性は約505万円、女性は約442万円となり、世代別で見ると50~59歳頃で年収のピークを迎えます。男女ともに勤続年数を重ねるほど平均年収は上がる傾向にあるため、臨床検査技師は安定的な収入が見込める職種だといえるでしょう。
臨床検査技師として、給料アップを見越した転職を検討している方は、臨床検査技師の転職に精通したマイナビコメディカルに、ぜひご相談ください。
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監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部
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