臨床検査技師の平均給与|世代・経験年数別の年収と収入アップの方法も

更新日 2024年01月30日 公開日 2022年07月22日

#年収・給料 #情報収集 #転職検討/準備

臨床検査技師を目指している方にとって、臨床検査技師の平均年収がどの程度なのかは、就職・転職の前に知っておきたい情報でしょう。一般的に医療系の資格が必要な職業は、高収入を得やすいといわれています。だとしたら、臨床検査技師も高収入を得られる職業に該当するのでしょうか。

当記事では、臨床検査技師の一般的な勤務形態や平均給与、年齢別の年収などを紹介します。臨床検査技師として収入アップを図りたい方のために、給与アップにつながる3つの方法も取り上げるので、ぜひチェックしてください。

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臨床検査技師の勤務形態

臨床検査技師の主な就職先として挙げられるのは、病院・クリニックといった医療機関や検査センターですが、なかには治験企業や医療機器メーカーで活躍する臨床検査技師もいます。

臨床検査技師の求人では、正社員だけでなくパートの募集も見られ、勤務時間やシフトは職場によってさまざまです。

一般的に、一定以上の規模を持つ施設では、日勤と夜勤の交代制シフトを組んでいます。また、救急病院に指定されている医療機関や、緊急検査を受け付けている臨床検査センターでも、夜間の臨床検査に備える体制を取っています。

一方、入院用のベッドが少ないクリニックでは、夜間診療をあまり行いません。そのため、臨床検査技師の勤務形態は日勤がほとんどです。

なかには、夜勤に抵抗がある臨床検査技師の方もいると思いますが、夜勤のある職場では夜勤手当が支給されるため、日勤のみの職場よりも収入アップが期待できるでしょう。

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臨床検査技師の平均年収

臨床検査技師の給与の全国平均は、月給が約34.7万円、賞与・ボーナスなどを含む年収は約509万円です。性別で見ると、男性の平均年収が約561万円であるのに対し、女性は約482万円となっています。

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

ただし、この額はあくまで全国平均のため、実際の給与額は就職先や施設規模、勤続年数、役職などの条件で違ってくるでしょう。

世代・男女別の平均年収

下記は、臨床検査技師の平均年収を世代別・男女別にまとめた表です。

年齢 男性の平均年収 女性の平均年収
20~24歳 約330万円 約317万円
25~29歳 約439万円 約403万円
30~34歳 約501万円 約443万円
35~39歳 約589万円 約482万円
40~44歳 約546万円 約492万円
45~49歳 約655万円 約549万円
50~54歳 約924万円 約587万円
55~59歳 約808万円 約659万円

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

20~24歳は、臨床検査技師として経験が浅い時期です。そのため、臨床検査技師の年収において男女差はほとんどありません。

世代が上がるにつれて男女の年収差が開いていきますが、これには夜勤や残業の回数、産休・育休の取得率など、さまざな要因が関係していると考えられます。なお、臨床検査室長などの役職に就いている方は、平均よりも高い収入を実現できています。

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経験年数別の平均年収

下記は、臨床検査技師の平均年収を経験年数別にまとめた表です。

年齢 平均年収
0年 約281万円
1~4年 約366万円
5~9年 約407万円
10~14年 約464万円
15年~ 約566万円

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

経験年数が0年、いわゆる新卒の臨床検査技師の平均年収は約281万円で、月収にしておよそ23万円です。最初の1年は、現場での実務力を着実に身に付ける期間となるため、収入は低い傾向にあります。

しかし、経験年数が1~4年を超えると年収は大きくアップし、勤続年数が10年以上になると500万円以上を得られるケースも珍しくなくなります。

他の職種との平均年収の差

下記は、臨床検査技師とその他の医療系職種について、平均年収を比較した表です。

業種 年収
医師 約1,429万円
歯科医師 約810万円
獣医師 約687万円
助産師 約584万円
薬剤師 約583万円
診療放射線技師 約544万円
臨床検査技師 約509万円
看護師 約508万円
保健師 約481万円
その他の保健医療従事者 約443万円
理学療法士・作業療法士・
言語聴覚士・視能訓練士
約430万円
歯科技工士 約429万円
准看護師 約418万円
介護支援専門員
(ケアマネージャー)
約406万円
保育士 約391万円
栄養士 約379万円
介護職員
(医療・福祉施設等)
約363万円
看護助手 約309万円

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

臨床検査技師の年収は、看護師の年収とほぼ同等であり、その他の医療系職種と比較しても高めであることがわかります。働き方や保有スキル、勤務年数によっては、診療放射線技師などと同等以上の年収を得られる可能性も十分にあるでしょう。

職場別の臨床検査技師の平均年収

臨床検査技師の平均年収は、職場によっても異なります。なぜなら、給与形態や各種手当などが給与に関係してくるからです。

以下では、臨床検査技師の平均年収を職場別に紹介します。なお、各職場の平均年収は、マイナビコメディカルを含む複数の求人サイトに掲載されていた実際の求人情報を参考にしているため、あくまで目安とお考えください。

病院・クリニック

病院・クリニックで働く臨床検査技師の平均年収は、約330万~420万円で、月収にすると約28万~35万円です。経験者のみを対象とした管理職求人では、年収450万円が提示されているケースもありました。

病院・クリニックで働く臨床検査技師の主な業務内容は、患者さまの臨床検査(検体検査・生体検査)です。どの検査を多く担当するかは、勤務先の病院・クリニックによって異なるでしょう。

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臨床検査センター

臨床検査センターで働く臨床検査技師の平均年収は、約370万~460万円です。月収にすると約31万~38万円で、病院・クリニックよりも高い年収を提示する求人が多く見られます。夜勤のある職場とそうでない職場での収入差も大きく、夜勤シフトの多い職場では500万円以上の年収を得られるケースもありました。

検査センターで働く臨床検査技師の主な仕事は、全国から届いた検体の検査業務です。病院・クリニックでは対応できない検査を行うのが臨床検査センターの役割のため、臨床検査技師が検体検査を実施する割合は、他の施設よりも多くなります。

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企業

企業で働く臨床検査技師の平均年収は、約360万~550万円で、月収にすると約30万~46万円です。企業のなかには、治験関連企業や医療機器メーカー、製薬メーカーなど、さまざまな業種があり、企業規模や業務内容などによって収入も違ってきます。

例えば、治験関連企業で働く臨床検査技師は「治験コーディネーター」として活動し、医療機器メーカーで働く臨床検査技師は「アプリケーションスペシャリスト(営業サポート)」として活動するケースが多くなります。いずれも需要の高い職種のため、企業規模や臨床検査技師としての経験によっては、平均を上回る年収が得られる可能性があるでしょう。

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保健所

保健所で働く臨床検査技師は地方公務員であるため、年収は働く自治体によって異なります。基本的に民間の施設や企業よりも福利厚生が充実しており、安定した働き方が期待できるでしょう。一方で、スキルアップによる昇進・昇給は少ないといわれています。

保健所で働く臨床検査技師の主な業務内容は、地域住民の検体検査や健康維持に向けた啓発運動、公衆衛生業務などです。臨床検査技師が保健所で働くには、公務員試験に合格する必要があることも覚えておきましょう。

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給料をアップさせるための3つの方法

前述の通り、臨床検査技師の給料は、年齢や経験年数とともに上がっていきます。さらに、「管理職に就く」「関連資格を取得して市場価値を高める」「転職する」といったことも、給料アップにつながる要因となるでしょう。

以下では、それぞれの内容について詳しく解説します。

管理職に就く

管理職のポストに就くと、給料アップが期待できます。臨床検査技師が目指せる管理職は、医療機関であれば検査部の技師長や室長、メーカーであれば部門長などです。多くの場合は40~50代で管理職に就くことが多く、病院や企業の経営に関わる方のなかには、年収1,000万円を超えるケースも見られます。

管理職に就くには、仕事の実績だけでなく、経営側からの信頼を得ることも必要です。また、業務に関連する資格の取得や、医療現場でチームを動かす管理能力も大切になります。

すでに臨床検査技師や管理職としての経験がある方は、管理職候補を募集している臨床検査技師求人を探すのがおすすめです。

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関連資格を取得する

臨床検査技師の免許だけでなく、職務に関連した認定資格を取得することで給料アップにつながる場合があります。例えば、職場の業務に沿った認定資格を取得すると、資格手当という形で給料に反映されるケースもあるでしょう。

臨床検査技師の仕事に関連する主な認定資格は、次の通りです。

●一級臨床検査士
●細胞検査士
●超音波検査士
●認定輸血検査技師
●緊急臨床検査士

認定資格は、専門性のある医療技術者として、一定レベルに達していると認められることで取得できるもので、エキスパートである証明です。職場によっては「超音波検査士歓迎」「細胞診断士歓迎」といった求人が出されることもあるため、自身の活躍の場を広げるためにも、関連資格の取得を検討してみると良いでしょう。

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規模の大きな病院や医療関連の企業・メーカーに転職する

厚生労働省の調査を見ると、病院や企業の規模が大きいほど、臨床検査技師の平均年収が高くなる傾向にあります。

従業員数 男女計 男性 女性
1,000人以上 約565万円 約605万円 約542万円
100~999人 約467万円 約521万円 約447万円
10~99人 約450万円 約515万円 約403万円

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

規模の大きな病院とは、大学病院や国立病院のように病床数や職員数が多い職場のことです。大きな病院は給与額や福利厚生が手厚い傾向にあるため、高収入の可能性が高まるでしょう。

また、大手の医療機器メーカーや治験企業でも、医療系の有資格者向けに求人を出すことがあります。就職すると、アプリケーションスペシャリストや治験コーディネーターといった職種で働くことになり、企業の事業内容に沿って研究や商品開発、営業サポートを行います。モデル年収(求人情報に記載されている年収例)は500万円〜600万円以上が多く、就職から数年で高収入を得られる場合もあるでしょう。

ただし、好条件を提示する求人は、臨床検査技師として十分な経験や資格を持つ方に限定されるなど、一定の条件が付いているケースがほとんどです。まずは、現在の職場でキャリアを積むことを優先し、その上で転職も含めたキャリア形成を考えてみるのが良いでしょう。

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まとめ

臨床検査技師の平均年収は、約509万円です。世代別で見ると50~59歳ごろに年収のピークを迎えます。経験年数を重ねるほど平均年収が上がりやすくなるため、臨床検査技師は長期にわたって安定的な収入が見込める職種だといえるでしょう。

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※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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履歴書や職務経歴書の書き方から、マイナビコメディカルサイト内での求人の探し方のコツや、転職時期ごとのアドバイス記事などを掲載。
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