病院勤務の臨床検査技師の仕事内容は?|1日のスケジュールや適性も解説
臨床検査技師が活躍できる職場は、医療機関から民間企業まで多岐にわたります。なかでも病院は患者さまと接する機会が多く、病気の治療に関わっている実感を得やすい職場だと言えるでしょう。
当記事では、病院で働く臨床検査技師の仕事内容や一般的な1日のスケジュール、給与水準などを詳しく解説します。患者さまと直接関わる業務では、患者さまを安心させるための声かけなども必要となります。最後まで読んで、自分が病院勤務に向いているかどうか確認しましょう。
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病院で働く臨床検査技師の仕事内容は?
病院は、臨床検査技師の勤務先として代表的な施設です。
臨床検査技師の勤務先として、クリニックや健診センター、民間企業なども挙げられますが、ほかの勤務先と比較して、病院は臨床検査技師が最も多く働いている職場です。
(出典:一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会「一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 組織調査」/https://www.jamt.or.jp/public/activity/asset/pdf/r03_soshiki_tyousa.pdf)
1つの病院で働く臨床検査技師の人数は、施設の規模によって異なり、大きい病院では100名程度の臨床検査技師が勤務していることもあります。なお、病院で働く臨床検査技師は24時間体制で検査業務を行い、病気の診断や治療に貢献しています。
(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「臨床検査技師 – 職業詳細」/https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/161)
(出典:一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会「臨床検査技師の紹介」/https://www.jamt.or.jp/target/general/introduction/)
病院で働く臨床検査技師の主な仕事内容は、「検体検査」と「生理機能検査」です。以下では2つの検査業務について詳しく説明しましょう。
検体検査
検体検査とは、患者さまから採取した尿や便、血液、体腔液などの検体を調べる業務です。検体を調べることで、患者さまの病気の原因や進行度といった多くの情報が得られます。
病院で行う検体検査の主な種類は下記の通りです。
一般検査 | 尿や便、体腔液などを検査し、病気や寄生虫の有無を調べます。 |
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生化学的検査 | 尿や血液中に含まれる成分を化学的に分析する検査です。 |
血液学的検査 | 血液中の赤血球・白血球・血小板の数などを調べ、血液の病気にかかっていないかを検査します。体内の病態や薬の効果なども確認できます。 |
微生物学的検査 | 尿、便などの検体を培養し、感染症を起こす微生物の特定などを行う検査です。 |
免疫・血清学的検査 | 免疫に関係する病気やがんの有無などを検査します。 |
病理・細胞診検査 | 生体組織や細胞から標本を作製し、がんなどの診断に役立てます。 |
遺伝子・染色体検査 | 生まれつきの体質や、後天的なDNAの変化を調べます。 |
(出典:一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会「臨床検査技師の紹介」/https://www.jamt.or.jp/target/general/introduction/)
検体検査の業務は基本的に検体検査室で行いますが、検体採取をする際に患者さまと接する機会があります。
生理機能検査(生体検査)
生理機能検査(生体検査)とは、検査用の機器を用いて患者さまの体を直接調べる検査です。
生理機能検査は調べる部位や検査方法によって、下記のような種類があります。
心電図検査 | 血液循環を調べ、心臓や血管の状態を診断します。 |
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脳波検査 | 脳の活動による電気信号を記録し、脳の活動状態を調べます。 |
超音波検査 (エコー検査) |
体表面から超音波を当てて、体内から反射した超音波を画像化・分析します。 |
MRI検査 | MRI装置を使い、磁気の力で体内の断面図を撮影します。 |
眼底写真検査 | 眼底カメラや眼底鏡で、瞳孔の奥にある血管や網膜などを撮影します。 |
熱画像検査 | 皮膚の表面温度を測定し、全身の温度分布や温度差を調べます。 |
呼吸機能検査 | 肺や気管などの呼吸器に関連する疾患がないかを調べます。 |
聴力検査 | 低音域・高音域での聴力などを検査します。 |
(出典:一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会「臨床検査技師の紹介」/https://www.jamt.or.jp/target/general/introduction/)
検体検査と比べて、生理機能検査では患者さまに接する機会が多いのが特徴です。
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病院で働く臨床検査技師の1日のスケジュール
病院の検体検査室で日勤する場合における、臨床検査技師の1日のスケジュール例を紹介します。
8:30~9:00 |
検査室で始業準備を行う ●始業準備の主な内容 |
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9:00~12:00 |
午前の検査業務を開始する ●午前に行う主な業務 |
12:00~13:00 | 休憩(昼食) |
13:00~16:30 |
午後の検査業務を開始する ●午後に行う主な業務 |
16:30~17:00 |
退勤準備を行う ●退勤準備の主な内容 |
臨床検査技師が担当する業務の内容は、所属する検査室・検査部門によって異なります。所属する検査室が生理機能検査室であれば生理機能検査、細菌検査室であれば微生物学的検査が主な担当業務となるでしょう。
病院で働く臨床検査技師の給与
厚生労働省の調査によると、臨床検査技師全体の平均年収は約509万円です。
(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html)
ただし、この数字はすべての臨床検査技師の平均年収であり、病院で働く臨床検査技師のみの給与については調査されていません。
マイナビコメディカルを含む複数の求人サイトを調査したところ、病院で働く臨床検査技師の平均的な給与額は約300万~480万円でした。一部には500万円以上を提示する求人も存在し、病院で働く臨床検査技師の給与は、臨床検査技師全体の平均給与に近いと言えそうです。
なお、臨床検査技師が病院で働く場合は、通勤手当や住宅手当といった一般的な手当のほかに、資格手当、職務手当などが支給されるケースも多く見られます。支給額の相場は資格手当が約5,000円〜2万円、職務手当が約1万円〜2万円で、手当の額が大きい病院であれば収入アップにつながるでしょう。
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病院勤務に向いている臨床検査技師の特徴
最後に、病院勤務に向いている臨床検査技師の特徴を2つ紹介します。
患者さまに寄り添える方 |
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病院で働く臨床検査技師は、生理機能検査や検体検査において、患者さまと接する機会があります。 病院で検査を受ける患者さまのなかには、自分の健康に不安を抱えている方が少なくありません。そのため、検査の流れを分かりやすく説明したり、検査中に声かけをしたりして、患者さまが不安を感じないように努めることも臨床検査技師の大事な役目です。患者さまの気持ちを理解し、不安を解消できるように寄り添える方は病院勤務に向いているでしょう。 |
観察眼がある方 |
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臨床検査技師が行う検査業務では、患者さまの病気の原因などを見逃さないための、高度な観察力が必要となります。 特に生理機能検査では、患者さまに対して直接的な検査を行うため、患者さまの体調や精神状態にも配慮しなければなりません。患者さまの状態に気を配り、検査を的確に行える観察眼がある方は病院勤務に向いていると言えるでしょう。 また、臨床検査技師には患者さまから採取した検体や、検査機器で撮影した画像を注意深く観察し、わずかな異常も見逃さない姿勢が求められます。 |
上記の特徴を持っている臨床検査技師の方は、病院勤務に向いていると言えます。
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まとめ
病院で働く臨床検査技師は、患者さまの治療に貢献したり、病気の診断を行ったりするために検査業務を行うのが主な役割です。特に生理機能検査では患者さまと接する機会も多く、患者さまの心に寄り添える方は病院勤務に向いていると言えるでしょう。
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※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています
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