医療機器メーカー勤務の臨床検査技師の仕事内容は?年収や適性も

更新日 2022年12月14日 公開日 2022年12月14日

#年収・給料 #情報収集 #転職検討/準備

臨床検査技師は、病院やクリニック、健診センターといった医療機関のほか、CRO・SMOなどの治験関連機関や医療機器メーカーでも活躍できる職種です。

そのため、臨床検査技師のみなさんのなかには、「活躍の場が幅広いというメリットを生かして、別の職場に挑戦してみるのも良さそう」「これまでは病院で働いていたけれど、さらなるスキルアップを目指して医療機器メーカーで働いてみたい」などと考えている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、医療機器メーカーで働く臨床検査技師の仕事内容や年収、医療機器メーカーで働く臨床検査技師に求められるもの、メリット・デメリットについて紹介します。併せて、医療機器メーカー勤務がおすすめな方の特徴も解説するので、転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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医療機器メーカー勤務の臨床検査技師とは?

医療機器メーカーには、臨床検査技師の国家資格を有する方が多く勤務しています。ただし、そうしたケースでは、病院やクリニックのように「臨床検査技師」として働くとは限りません。

医療機器メーカーで働く臨床検査技師の多くは、「アプリケーションスペシャリスト」と呼ばれる職種に就いています。医療機器メーカーにおけるアプリケーションスペシャリストとは、業務上の課題を解決するためのアプリケーション・製品に関して、営業支援を行う技術者のこと。医療機器の導入~保守の段階を担当することが多く、企業によっては「クリニカルスペシャリスト」と呼ばれることもあります。

なお、アプリケーションスペシャリストは、医療系の資格を生かして活躍しやすいことから、臨床検査技師だけでなく臨床工学技士、診療放射線技師が従事するケースも見られます。

しかし、アプリケーションスペシャリストの求人を見ると、臨床検査技師の資格が必須条件となっているケースがもっとも多い傾向です。このことから、「臨床検査技師はアプリケーションスペシャリストに向いている」と考えて良いでしょう。

【関連リンク】アプリケーションスペシャリストとは|
仕事内容や向いている人を解説

ここからは、アプリケーションスペシャリストの仕事内容や年収について紹介します。

仕事内容

アプリケーションスペシャリストの主な仕事内容は、次の通りです。

●医療機器に関する説明
自社が取り扱う医療機器(エコー検査機器、臨床検査機器など)の導入を検討している顧客(病院、クリニックなど)に対し、営業担当者に同行しながら、それぞれの機器の説明を行います。営業担当者だけでは対応できない専門的なヒアリングと提案によって、案件獲得をサポートするのが主な役割です。

●新規顧客・既存顧客へのサポート
新たに自社の医療機器を導入した新規顧客に対しては、導入後の使用方法を説明したり、便利な使い方を提案したりします。また、既存顧客に対しても、電話やメールで定期的に要望を聞いたり、直接訪問して使用状況をヒアリングしたりといったフォローを行います。

●自社製品のプレゼンテーション
アプリケーションスペシャリストは、各医療機器メーカーが開催する講習会や各種学会に参加することも多々あります。そうした場面では、参加者に対して医療機器の特徴や使用方法をプレゼンしたり、技術面に関する質問に答えたりするのが、主な役割となります。

●医療機器の開発・販売アイデアの提案
経験や実績を積み重ねたアプリケーションスペシャリストは、医療機器の製品開発や販売のためのアイデア提案などに携わる場合もあります。その場合、アプリケーションスペシャリストは、医療現場の需要や悩みを踏まえた企画・立案を行ったり、担当する機器の特徴や強みを伝えるためのプレゼン資料を作成したりといった役割を担います。

年収

アプリケーションスペシャリストの平均年収は、約450万~700万円です。なお、この金額はマイナビコメディカルをはじめとした各種求人情報をもとに算出したものであり、実際は勤務する医療機器メーカーの規模や働き方、保有資格などによって異なります。

アプリケーションスペシャリストは、会社の売上に貢献することが主な業務であることから、年収が高水準になる傾向です。求人情報を見ると、大手医療機器メーカーで働く場合や、臨床検査技師資格が必須となっている場合には、700万円以上の年収となるものもあります。

一方で、病院・クリニックなどで臨床検査技師として働く場合の平均年収は約496万円となっています。

(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html

医療機器メーカーに勤務する場合、役職に就くことで平均以上の年収を得ることも期待できるため、将来的には臨床検査技師とアプリケーションスペシャリストとの収入に、大きな差が出ることも考えられるでしょう。

【関連リンク】臨床検査技師の平均給料|
収入をアップさせるための3つの方法も紹介

医療機器メーカーで働く臨床検査技師に求められるもの

医療機器メーカーで、アプリケーションスペシャリストとして働く臨床検査技師に求められるスキルは、次の通りです。

  • ●ビジネスマナー
  • ●コミュニケーション能力
  • ●プレゼンテーション能力
  • ●英語力

ビジネスマナーやコミュニケーション能力は、どのような職種においても重要なスキルです。自社製品をプレゼンする機会が多いアプリケーションスペシャリストにとっては、プレゼンテーション能力も欠かすことのできないスキルと言えるでしょう。

また、外資系医療機器メーカーや、海外と取引する機会が多い医療機器メーカーに勤務するアプリケーションスペシャリストの場合、英語力も必須のスキルです。ネイティブレベルでなくても、医療機器に関する情報を問題なく読み書きできる状態が望ましいでしょう。

臨床検査技師が医療機器メーカーで働くメリット・デメリット

臨床検査技師として働いている方が、医療機器メーカーへの転職を検討するケースは決して少なくありません。しかし、具体的な仕事内容がわからなかったり、アプリケーションスペシャリストとして働くメリット・デメリットが把握できなかったりすると、「何が自分に合っているか」の判断がしにくくなることも事実です。

ここからは、臨床検査技師が医療機器メーカーで働くメリット・デメリットを紹介していきます。

【メリット】病院などと比べて安定した生活リズムで働ける

臨床検査技師が医療機器メーカーで働く最大のメリットは、比較的安定した生活リズムを保てるという点です。

医療機器メーカーは、病院やクリニックと違って夜勤・当直業務がありません。また、土日祝日が休みとなる医療機器メーカーも多く、ワークライフバランスが保ちやすい傾向にあります。

さらに、医療機器メーカーでは個人の裁量で動ける仕事が多いため、あらかじめスケジュールを組み立てたり、調整したりことも比較的容易です。

【メリット】給与水準が比較的高い

医療機器メーカーで働く臨床検査技師は、比較的高い給与水準にあります。これは、夜勤や残業が少ない点とあわせて、大きなメリットと言えるでしょう。

また、医療機器メーカーには、福利厚生が充実している会社が多く、なかには定期的な昇給制度を導入しているところもあります。スキルアップを図り、実績を積むことで給料アップを目指せる点も、臨床検査技師が医療機器メーカーで働く魅力でしょう。

【関連リンク】アプリケーションスペシャリストの年収は?
仕事内容やメリットも解説

【デメリット】出張が多く体力が必要である

臨床検査技師が医療機器メーカーで働くことには、多くのメリットがある一方で、デメリット(いわゆる「大変なこと」)もあります。たとえば、出張が多いこともデメリットの1つと言えるでしょう。

全国に自社製品を販売している医療機器メーカーの場合、製品説明やプレゼンテーション、顧客対応など、さまざま理由で顧客のもとに出向く必要があります。そうなれば、必然的に出張の回数が多くなるため、病院やクリニック勤務とは違った体力、フットワークの軽さが求められることになるでしょう。

【デメリット】残業が多い職場もある

先に「医療機器メーカーは個人の裁量で動ける仕事が多い」と説明しましたが、なかには上司や顧客からの指示・要望を受けて、急遽動かなければならないケースもあります。そのような場合は、残業が発生する可能性があるという点に注意しましょう。

また、医療機器メーカーを含めた企業の多くは、基本的に顧客からの依頼や要望に応えるという方針を取っています。そのため、多くの顧客の担当を任される職場の場合、残業が増えやすくなる点にも留意しておいてください。

【関連リンク】マイナビコメディカルで残業少なめの臨床検査技師求人を探す

医療機器メーカー勤務がおすすめの方の特徴

医療機器メーカーで働くことがおすすめの方の特徴は、次の通りです。

  • ●コミュニケーション能力を生かしたい方
  • ●体力に自信がある方
  • ●医療機器に関心がある方

コミュニケーション能力は、プレゼンテーション能力に通じるスキルです。これまでプレゼンの機会がなかったために、「自分にプレゼンテーション能力があるかどうかわからない」という方でも、コミュニケーション能力があれば、経験を重ねることでプレゼンテーション能力を身に付けることができるでしょう。

また、前述の通りアプリケーションスペシャリストは出張が多いため、体力に自信があるという方にもおすすめです。

そして、上記3項目のなかでもっとも重要なのが、「医療機器に関心がある」ということです。医療機器に関心があれば、最新の情報にアンテナを張ったり、各医療機器の細かな特徴まで理解したりすることができます。そうした姿勢は、説明のわかりやすさや営業活動へのモチベーション、アイデアの豊富さなどにつながるため、仕事をする上での大きな武器となるでしょう。

しかし、これらの特徴に当てはまっていない方でも、「自分は医療機器メーカーに向いていないかもしれない」と不安になる必要はありません。コミュニケーション能力や医療機器への関心・知識は、働きながら少しずつ身に付けていくことができます。臨床検査技師として医療機器に触れてきた経験があれば、アプリケーションスペシャリストとして働くことは決して困難ではないでしょう。

医療機器メーカーの求人によっても、求められるスキルや募集要項、勤務条件は細かに異なります。まずはマイナビコメディカルで理想の求人検索をしてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

医療機器メーカーで働く臨床検査技師は、「アプリケーションスペシャリスト」として採用・勤務することになります。なお、アプリケーションスペシャリストとは、業務上の課題を解決するためのアプリケーション・製品に関して、営業支援を行う技術者のことです。

アプリケーションスペシャリストとして働く臨床検査技師は、多くの顧客と直接取引を行うことになるため、ビジネスマナーやコミュニケーション能力が求められます。全国に顧客がいる場合は出張の機会も多く、体力やフットワークの軽さに自信のある方は、アプリケーションスペシャリストに向いているといえるでしょう。

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※当記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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履歴書や職務経歴書の書き方から、マイナビコメディカルサイト内での求人の探し方のコツや、転職時期ごとのアドバイス記事などを掲載。
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