臨床検査技師は就職・転職に有利な資格?年収や活躍の場も紹介

更新日 2022年11月11日 公開日 2022年06月02日

#年収・給料 #情報収集 #転職検討/準備

臨床検査技師は幅広いフィールドで活躍できます。しかし、臨床検査技師を目指すにあたって「就職の難易度は高くないか」「どのような経験が積めるのか」など、キャリア形成に関する疑問や不安を抱く方も、少なからずいることでしょう。

当記事では、臨床検査技師の基本的な情報を踏まえながら、「就職や転職に有利な資格かどうか」や「どんな職場で活躍できるか」「求職活動を有利に進めるための追加資格はあるか」について解説します。これから臨床検査技師を目指す方や、臨床検査技師のキャリアに関心を持つ方は、ぜひ参考にしてください!

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臨床検査技師とは?

臨床検査技師とは、主に医師、歯科医師の指示のもとで、血液や尿といった検体の検査や心電図、脳波計などを使った体の検査を行う職業です。なお、臨床検査技師はMT(Medical Technologist)と略されることもあります。

臨床検査技師は、医療現場を裏側から支える重要な職業であるにもかかわらず、「どのような職業か詳しく知らない」という人も少なくありません。ここでは、臨床検査技師に関する基礎知識として、仕事内容や年収、なり方を解説します。

仕事内容

医療機関における臨床検査技師の仕事内容は、大きく分けて次の2つです。

検体検査 血液、尿、便、唾液、組織の一部などを患者から採取し、含まれる細菌やウイルスを検出したり、酵素、ホルモンなどの成分を分析したりします。
生体検査 患者に測定器を取りつけ、体表や体内の状態を計測・分析します。測定器には、心電図、脳波計、超音波診断装置などがあります。

規模の大きい病院や施設の場合は、より部門が細分化され、詳細な検査が行われます。一方、小さなクリニックでは、1人の臨床検査技師が複数の検査をかけ持ちすることもあります。

なお、血液採取や生体検査では直接患者様と関わるため、臨床検査技師にはコミュニケーション能力が求められます。また、命にかかわる検査も多いことから、業務には正確さや迅速さも必要です。

【関連リンク】臨床検査技師とは?
具体的な仕事内容から向いている人まで徹底解説!

年収

厚生労働省のデータによると、臨床検査技師の平均年収は約497万円です。

(出典:職業情報提供サイトjobtag「臨床検査技師」/https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/161

この数字は、あくまでも平均であり、職場や経験年数、スキルによって年収は異なります。例えば、東京都だけのデータを見ると平均年収は約508万円となっており、地域ごとにも大きな差があるといえるでしょう。

マイナビコメディカルを確認すると、東京都以外のエリアでも年収500万円以上の収入を目指せる求人が見られます。

【関連リンク】臨床検査技師の平均給料|
収入をアップさせるための3つの方法も紹介

なり方

臨床検査技師になるには、臨床検査技師国家試験に合格し、免許を取ることが必要です。国家試験は年1回、毎年2月ごろに実施され、概要は次の通りです。

試験地 北海道、東京都、愛知県、大阪府など9つの都道府県
試験科目 医用工学概論・公衆衛生学・臨床検査医学総論など10科目
受験資格 ・臨床検査技師養成所(大学、短大、専門学校)卒業者
・大学の医学部、歯学部卒業者
・大学の保健学部、獣医学部、薬学部などで所定の課程を修了した者
など

(出典:厚生労働省「臨床検査技師国家試験の施行」/https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/rinshoukensagishi/

免許取得後は、学校からのあっせんで就職するケースが多い傾向にあります。転職の場合は、就職情報サイトや出身校の紹介、学会誌の求人広告のほか、日本臨床衛生検査技師会の無料職業紹介所などを使用して、再就職先を探すことができます。

【関連リンク】臨床検査技師になるには?
3つの条件から国家試験について徹底解説!

臨床検査技師は就職・転職に有利な資格?

臨床検査技師の国家資格取得を目指すものの、取得後に「就職先が見つかるかどうか」や「どのようなキャリアを築くか」に関して不安を持つ方もいるでしょう。

近年は医療現場においても機械化が進んでいるほか、これまで臨床検査技師が行っていた超音波検査などの検査を、医師や診療放射線技師が担う機会が増えています。一方で、臨床検査技師の業務範囲も拡大しており、採血以外に粘膜などの検体採取が認められるようになりました。

臨床検査技師は医療機関だけでなく、保健所、製薬会社などさまざまな施設で働くことができますが、幅広い業務に携われるようになったことで、キャリアの選択肢はさらに増えると考えられます。ここでは、臨床検査技師の活躍の場について解説します。

臨床検査技師の活躍の場

臨床検査技師の活躍の場は、次のように多岐にわたります。

  • ・病院
  • ・クリニック
  • ・検診・健診センター
  • ・臨床検査センター
  • ・保健所
  • ・血液センター
  • ・医療機器メーカー
  • ・SMO(治験施設支援機関)
  • ・CRO(医薬品開発業務受託機関)
  • ・製薬会社

医療機関が主要な勤務先となりますが、SMO、CRO、製薬会社などで新薬開発に関わることもあります。また、保健所などの公的機関で公務員として働くことも可能です。

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8つの就職先の特徴を紹介

臨床検査技師が就職・転職する際に有利な資格

臨床検査技師の国家資格は、それだけでも十分に就職や転職に生かせます。一方で、求職活動をよりスムーズに進めたい場合に、臨床検査技師以外にどのような資格を持っておくと良いかを知りたい人もいるでしょう。

臨床検査技師の就職・転職を有利にする資格は、志望業界によって異なります。ここでは、病院勤務と治験コーディネーターを目指す場合におすすめの資格を紹介します。

病院への就職・転職を目指す場合

以下は、病院などの医療機関で生かせる臨床検査技師の関連資格です。

・超音波検査士
超音波(エコー)を使って、体内の状態や異変を確認する検査に関わる資格です。看護師、准看護師、臨床検査技師、診療放射線技師のみが取得可能で、体表臓器、循環器、消化器など複数の臨床領域のうち、1回につき1領域のみ受験することができます。

(参考:日本超音波医学会/https://www.jsum.or.jp/capacity/rms/examination36.html

・細胞検査士
検体の細胞に染色などを施して異常を確認する専門職で、がん診療・治療を行う医療機関での需要が高い傾向にあります。認定試験を受験するには実務経験を1年以上積むか、養成機関に入る必要があります。

(参考:日本臨床細胞学会/http://jscc.or.jp/category/cat03/

・消化器内視鏡技師
医師の監督指導のもと消化器内視鏡業務に従事できる資格のことで、がん診療や予防医療などの幅広い領域で生かすことができます。臨床検査技師を含む、医療関連の国家資格のいずれかを保有すること、特定の講習会や研究会に出席することなどの要件を満たせば、受験資格が得られます。

(参考:日本消化器内視鏡技師会/https://www.jgets.jp/gishiseido

・胚培養士
胚(受精卵)を扱う専門職である胚培養士は、不妊治療を行う病院などで必要とされています。認定資格は、一般社団法人日本生殖医学会、日本臨床エンブリオロジスト学会、一般社団法人日本卵子学会などが実施する試験に合格することで取得できます。

(参考:日本生殖医学会/http://www.jsrm.or.jp/qualification/index.html

・緊急臨床検査士
緊急時の検査対応に関する認定資格です。緊急時には、迅速かつ正確に検査を実施する幅広い知識や技術が求められるため、緊急臨床検査士になるには、臨床化学検査や血液検査、微生物検査など6分野を網羅する必要があります。資格を取ることで、当直や休日出勤などスタッフの少ない現場でも活躍できる人材を目指せます。

(参考:日本臨床検査同学院/https://clmj.jp/com_stat.html

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治験コーディネーターへの就職・転職を目指す場合

治験コーディネーターを目指す場合、あるいは治験コーディネーターとしてのキャリアアップを目指す場合は、医療機関と異なるスキルや資格が求められることがあります。

治験コーディネーターの代表的な認定資格は次の3つです。

  • ・SMONA公認CRC試験(SMOネットワーク協同組合)
  • ・CRC公認試験(日本SMO協会)
  • ・日本臨床薬理学会認定CRC制度(日本臨床薬理学会)

いずれも、治験コーディネーターとしての実務経験が求められるため、まずは就職してから認定資格の取得を検討しましょう。

【関連リンク】臨床検査技師から
治験コーディネーターの転職に必要な基礎知識
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まとめ

臨床検査技師は医療機関などで検体検査や生体検査に携わるほか、治験関連企業で治験コーディネーターとして勤務することも可能です。また、検体採取の領域拡大など、近年さらに業務の幅が広がっていることから、今後も一定の需要が見込まれるでしょう。

臨床検査技師として就職を有利に進めたい、転職などでキャリアアップを目指したいという場合は、追加で認定資格を取得するのもおすすめです。希望する分野によって求められる知識やスキルが異なるため、応募先がどのような業務を行っているかを事前に把握しておきましょう。

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※当記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています

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