臨床検査技師になるには?3つの条件から国家試験について徹底解説!

最終更新日:2021年12月27日
 公開日:2018年8月26日

臨床検査技師は、国家資格を有する医療専門職の一つです。医師は、血液検査や超音波検査などのデータをもとに患者の治療方針を決定します。診断や診療に必要で、かつ重要な検査を行う職業が「臨床検査技師」です。

臨床検査技師は医療チームの一員として活躍しており、なくてはならない存在だと言えます。近年、医療分野では専門知識を持った臨床検査技師のニーズが高まっており、資格を取得しようとする方も増加傾向にあります。

今回は、臨床検査技師になるために必要な条件、国家試験の難易度や合格率、求められる能力についてご紹介します。臨床検査技師への就職や転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

1. 臨床検査技師になるための「3つの条件」とは?

臨床検査技師になるためには、3つの条件があります。高校卒業後、①~③のどれか一つを満たしていれば、臨床検査技師の国家試験を受けることができます。

①文部科学大臣が指定した大学を卒業する
3年制の短期大学の臨床検査学科などで所定の臨床検査技師養成過程を修了すると、臨床検査技師国家試験の受験資格が得ることができます。
②厚生労働大臣が指定した臨床検査技師養成所を卒業する
厚生労働大臣や都道府県知事が指定した3年もしくは4年制の臨床検査技師の専門過程修了すると、臨床検査技師国家試験の受験資格を得ることができます。
③大学で指定された課程を終了する
医学・私学系の正規過程修了、または保健学系や獣医学系・薬学系の学部で所定の過程を修了すると、臨床検査技師国家試験の受験資格を得ることができます。

また、臨床検査技師の学校に入学するためには、当然受験をしなければなりません。主な受講科目としては、数学・生物・化学・物理が挙げられます。高校時代には、これらの科目を履修しておく必要があることを覚えておきましょう。

【大学or専門学校】それぞれのメリット・デメリット

臨床検査技師になるための学校選びについては、迷うことも多いでしょう。大学と専門学校の進学について、それぞれメリット・デメリットを比較しているため、ぜひ参考にしてください。

<大学>

メリット デメリット
・附属病院を持っているため、充実した実習を行える
・努力次第で細胞検査士や超音波検査士などの認定資格を取得できる
・医療機関の他、企業の研究職などにも就くことができ、将来のキャリアが広がる
・学士を取得できる
・高度かつ広範な知識が得られる
・卒業までに4年かかり、専門学生よりも1年遅い
・大学によっては合格率が低いところがある

<専門学校>

メリット デメリット
・国家試験のための勉強に集中できる
・3年で卒業し国家試験に合格できると、大学進学よりも早く仕事に就ける
・大学よりも入学しやすいことが多い
・時間割がタイトで比較的自由が少ない
・一度入学すると進路変更が難しく、変更したい場合は再度他の学校に入学しなければならない
・学士は取得できないため、就職先が限られる

それぞれメリット・デメリットの内容は異なるものの、どちらも異なる方向性での魅力が存在します。将来設計をしっかり立てて、自身に適した学校へ通うことが重要です。

2. 臨床検査技師の最大の難関!「臨床検査技師国家試験」について

決められた学校を卒業するだけでは、臨床検査技師という職業に就くことはできません。規定の過程を修了後、臨床検査技師の資格取得のためには、最難関である臨床検査技師国家試験に合格する必要があります。

臨床検査技師の国家試験は、毎年2月に行われます。試験地は、北海道・宮城・東京・愛知・大阪・広島・香川・福岡・沖縄にあるため、どの地域に住んでいる方も比較的試験を受けやすいと言えるでしょう。
筆記試験の科目は、主に学校や実習で学んだ10の専門科目から出題されます。

【例】
「医用工学概論」「公衆衛生学」「臨床検査医学総論」
「臨床検査総論」「病理組織細胞学」「臨床生理学」
「臨床血液学」「臨床微生物学」「臨床化学」「臨床免疫学」 等

臨床検査技師国家試験の難易度と合格率

臨床検査技師の国家試験は、年に1回、2月に日本各地の指定された場所で行われます。国家試験では、200点中120点以上得点できると合格となります。

国家試験と言うと「難易度が高い」と感じる方も多いでしょう。しかし、真面目に授業や実習などに取り組み、知識と技術をきちんと習得していれば、合格することは難しいことではありません。
卒業見込み(新卒)のときに不合格となる場合、卒業してからの年数が長くなると、国家試験合格率は下がる傾向にあります。

厚生労働省によると、2019年2月に行われた「第65回臨床検査技師国家試験」の受験者数は、4,817人で前年よりも0.2% 減っていることがわかります。さらに、合格者数も75.2%と、と前年よりも4.1%下がっています。

区分 受験者数 合格者数 合格率
新卒 4,002人 3,462人 86.5%
既卒 815人 158人 19.4%
合計 4,817人 3,620人 75.2%

(出典:厚生労働省「第65回臨床検査技師国家試験の合格発表について」https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2019/siken07/about.html

過去4年間の結果では、受験者数は4,400〜4,800人で推移しています。合格率は、76~80%だったデータが2019年では75%台に下がり、過去4年間で最も合格率が低くなっています。

区分 受験者数 合格者数 合格率
2016年 4,400人 3,363人 76.4%
2017年 4,739人 3,729人 78.7%
2018年 4,829人 3,828人 79.3%
2019年 4,817人 3,620人 75.2%

(出典:2016年データ「厚生労働省/第62回臨床検査技師国家試験の合格発表について」https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2016/siken07/about.html
2017年データ「厚生労働省/第63回臨床検査技師国家試験の合格発表について」https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2017/siken07/about.html
2018年データ「厚生労働省/第64回臨床検査技師国家試験の合格発表について」https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2018/siken07/about.html

いずれも、短大や専門学校を含んだ総数です。
これらのデータから分かるように、臨床検査技師の国家試験に合格することは決して困難ではありません。在学中に習得すべきことを真面目に勉強していれば、誰もが合格できるものです。なるべく卒業見込みの時点で国家試験に合格できるよう、勉学に励みましょう。

3. 勉強だけではない?臨床検査技師に求められる能力とは

臨床検査技師の国家試験に合格し、臨床検査技師としての業務を行うためには、専門分野の知識や技術だけでは充分とは言えません。
医療チームの一員として実力を発揮するために、他職種との協調性やコミュニケーション能力、データの正確な分析力、向上心など様々な能力が求められています。

ここからは、臨床検査技師が勉強以外に求められる能力をご紹介します。

協調性・コミュニケーション能力

医師や看護師など、その他の専門職と共に患者の診療を支える重要な役割を担っているのが、医療チームの一員である臨床検査技師です。

臨床検査技師は、血液や尿などの「検体検査」や心電図や超音波などの医療機器を使用する「生体検査」を行い、医師やその他の専門職に科学的なデータとして提供します。
そのため、臨床検査技師としての専門性を持ちつつ、患者を取り巻く他職種の専門家と円滑に協力し合うことができる「協調性」や「コミュニケーション能力」は特に求められています。

さらに臨床検査技師はCRC(治験コーディネーター)としても活躍します。そのため、製薬会社、医療機器会社、保健所など医療施設以外でも働くことができます。病院以外の施設でも他職種との連携を取りながら仕事を進めるため、協調性やコミュニケーション能力は非常に重要だと言えるでしょう。

分析力

臨床検査技師の仕事は、正しく検査されたデータを分析して患者の治療を支えることに役立っています。数学や化学、専門の知識を駆使して、患者自身や患者の検体を正確に分析する能力が求められます。

また、血液や細胞などの検体を扱い分析を行うことから、医療機器や顕微鏡を使って細かく丹念に行う仕事が中心です。細心の注意を払い、根気強く、正確に遂行できる能力が必要です。
検査結果をもとに、医師が診断し治療方針が決定されることも多く、患者の療養や生活を左右する重要なデータを分析する専門性を有しています。

向上心・探求心

医療分野は、日進月歩で日々変化しています。臨床検査の分野でも新しい医療機器や検査方法が次々に開発され、専門職としての需要が高まっています。

臨床検査分野だけでなく、医学や生命科学分野に関する幅広い知見を持ち、常に新たな知識や技術を得るために努力する向上心や探求心を持つ人材が求められています。

もちろん、協調性やコミュニケーション能力、さらに分析力から探求心までのすべてが揃っていなければ臨床検査技師になれないというわけではありません。
何かひとつでも当てはまっていれば、努力次第で臨床検査技師を目指せるチャンスは十分にあります。勉強や経験をしていく中でさまざまな能力を持つことも珍しくありません。
少しでも「臨床検査技師になりたい」と感じているのであれば、ぜひチャレンジしてみましょう。

4. まとめ

現代医療は、専門分野が細分化され、医療体制が変化を続けているため、より高度な知識や技術を持った人材が求められるようになってきています。もちろん、臨床検査技師もその一つです。

臨床検査技師は、国家資格を持った専門職であるため、大学や専門学校で規定の過程を修了すると、国家試験を受けることができます。
チーム医療が進む現代では、専門知識の他に、医療全般について幅広い知見を持ち、常に向上心を忘れず、他職種との連携を取る能力が求められています。どのような臨床検査技師になりたいか、ぜひ夢を膨らませながら、少しずつ経験を重ねていってください。

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