50代からでも作業療法士を目指せる?|勉強や就職活動のコツも解説
作業療法士国家試験の受験資格には年齢制限がなく、何歳からでも目指すことができます。もちろん、中高年の方の場合、試験勉強や資格取得後の就職活動において、多少不利な面はあるでしょう。しかし、50代から作業療法士を目指して資格を取得し、作業療法士として活躍している方も実際にいます。
この記事では、セカンドキャリアとして作業療法士を目指している方に向けて、50代から作業療法士を目指すための方法や理解しておきたいポイントを詳しく解説します。また、作業療法士の資格を取得するために避けては通れない、「医療用語」の暗記のコツについても紹介するので、ぜひご覧ください。
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目次
50代から作業療法士を目指せる?
厚生労働省が定める作業療法士国家試験の受験資格には、必要な学歴が定められているだけで、年齢の制限はありません。
(引用:厚生労働省「作業療法士国家試験の施行」/https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/sagyouryouhoushi/)
そのため、国家資格があれば、50代で未経験の方であっても作業療法士として働くことは可能です。実際に、作業療法士を目指す方のなかには、社会人経験を経て40代・50代で資格試験に挑戦する方もいます。
作業療法士の定年は、働く施設によってさまざまです。一般的な施設での定年の目安は60歳~65歳ですが、施設によっては再雇用で65歳以上が活躍しているところも少なくありません。
なお、50代から作業療法士を目指す場合も、就職までの流れは高校・大学の新卒者と変わりません。まずは養成校に指定された大学や専門学校などに入学し、専門知識と技術を学んで国家試験の受験資格を取得しましょう。
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50代から作業療法士を目指す場合の注意点
50代から作業療法士として働くためには、「考えておくべきポイント」がいくつかあります。ここでは、50代から作業療法士を目指す方にとって、ハードルになりやすい注意点について解説しましょう。
年下から指導を受ける可能性がある
50代から作業療法士を目指すとなれば、養成期間中や入就後に、自分より若い先輩や上司から指導を受ける可能性が高くなります。
年下から指導を受けたり、指示されたりすることに抵抗がある方は、そうした状況を乗り越えるための努力が必要でしょう。自分よりも若い指導担当者と上手に接するポイントは、下記の通りです。
・自分から積極的にコミュニケーションを取る
・若い指導担当者の立場や気持ちを考える
若い指導担当者だった場合、相手も年上の実習生や部下との接し方にとまどうケースが多いものです。だからこそ、担当者が指示を出しやすいように自分からコミュニケーションを取り、良好な関係を築くことを心がけてください。
学費と時間が必要になる
作業療法士を目指すには、養成校に通うための学費と時間が必要です。
学費は学校によって異なりますが、トータルで数百万円かかる場合も多く、金銭的な負担がハードルとなる方もいます。50代であれば、生活費以外にも住宅ローンや子どもの教育費、親の介護費用など、さまざまな出費が考えられます。そのため、事前に無理のないマネープランを検討する必要があるでしょう。
学費の負担が不安な方は、「昼間は働いて夜間部のある学校に通う」「奨学金を利用する」などの方法もあります。夜間部には社会人経験のある30代~50代の学生も通っているため、雰囲気になじみやすい点も魅力です。
就職活動について綿密な準備が必要である
50代から作業療法士として就職する場合、求人の傾向や採用状況について事前にリサーチしておくことも大切です。
作業療法士は需要が高い仕事ではあるものの、資格の取得者数が年々増加しているため、人気がある施設の求人は競争率が高くなりがちです。
50代から作業療法士を目指す場合は、「経験不問」「新卒可」の求人や、応募者の年齢層がやや高くなる「ブランクOK」の求人もチェックしてみましょう。なお、訪問リハビリテーションやデイサービスなどの介護分野は、50代からでも応募しやすい傾向にあります。
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50代から医療用語を暗記するコツ
作業療法士として働くには、まず国家試験に合格しなければなりません。そして、国家試験に合格するには、数多くの専門用語を暗記する必要があります。養成校の1~2年のカリキュラムでは、暗記に費やす時間が特に多くなるでしょう。
とはいえ、年齢を重ねるにつれて記憶力に自信がなくなることも事実です。暗記に不安のある方は、医療用語を効率よく覚えるために学習方法を工夫しましょう。ここでは、医療用語を効率よく覚えるコツを3つご紹介します。
繰り返し確認する
数多くの専門用語を覚える場合は、繰り返し確認するのがいちばんのコツです。口に出したり、参考書を読み込んだりして何度も繰り返すことで、記憶が定着しやすくなるからです。「前日に覚えた内容を翌日に確認する」「数日前に覚えた内容にも定期的に目を通す」など、完全に忘れてしまう前に思い出す習慣をつけると、暗記の効率がアップするでしょう。
「筋肉の名称や付着している部位」「骨の名称」など、作業療法士の業務に深く関係している用語はより多くの確認を繰り返し、しっかり覚えてください。
積極的にアウトプットする
インプットとアウトプットを組み合わせることで記憶の定着度が上がるため、効率よく医療用語を覚えるには、インプットだけでなくアウトプットの時間を作ることも大切です。アウトプットの具体的な方法は、次の通りです。
・暗記した内容を自分でテストする
・覚えたことを誰かに言葉で伝える
「読む」「聞く」だけでなく、「話す」「書き出す」といったアウトプットを行うとより覚えやすくなります。休憩時間などを使って、仲間同士でわからない点や苦手な部分を話し合うのもおすすめです。
しっかりと睡眠時間を確保する
医療用語を効率よく暗記するには、きちんと睡眠時間を確保することも大切です。
人間の記憶は、脳の「海馬」が管理しており、海馬は睡眠中にその日の記憶を整理し、必要なものを定着させます。睡眠不足の状態で勉強を続けた際、覚えようとした内容が十分に記憶されないのは、海馬がうまく機能していないからです。
また、睡眠時間をしっかり確保することで、集中力を高める効果も期待できます。集中力が高まるとインプットやアウトプットの効率も上がるため一石二鳥と言えるでしょう。
高収入を狙うためにできること
50代での就職活動を有利に進めるには?
50代から作業療法士を目指す場合は、若い方に比べて就職活動が難しくなるケースもあります。就職活動に臨む際は、以下のポイントを押さえましょう。
- ◆早めに情報収集を始める
作業療法士の求人情報は、医療機関や施設のホームページに載ることもあれば、求人サイトに掲載されることもあります。募集時期は施設によって異なりますが、きちんと対策するためにも、早くから情報収集を行い、他の応募者に後れを取らないようにしましょう。
- ◆志望動機で好印象につなげる
未経験者同士を比較した場合、50代だからといって作業療法士としての知識が劣ることはありません。そのため、採用の可否は「面接での印象」や「受け答えから感じられる人間性」に左右される部分が大きいでしょう。これまでの社会人経験で培ったコミュニケーションスキルや傾聴スキルなどをしっかりアピールすることで、採用担当者の好印象につなげてください。志望動機に「家族や自分自身がリハビリを受けた経験がある」などの実体験を盛り込むのも効果的です。
また、応募先の経営理念を深く理解し、共感していることを伝えるのもよいでしょう。
豊富な経験をもとに、患者さま、利用者さまの悩み事・相談事に的確なアドバイスができるのも50代から作業療法士を目指す方のメリットです。社会経験や人生経験をフル活用して、就職活動を有利に進めましょう。
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まとめ
作業療法士は、50代からでも目指せる職業です。50代から作業療法士になるには大変なことも少なくありませんが、「作業療法士として働きたい」という情熱があれば乗り越えられるでしょう。就職活動では、これまでの社会人経験や作業療法士に対する熱意を上手にアピールするのがポイントです。
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※当記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しています
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