作業療法士が選べる別の道とは|どんな仕事で資格・経験を生かせる?
作業療法士として働いている方のなかには、「今の仕事を辞めて別の道に進みたい」と考えている方もいらっしゃいます。作業療法士はその資格や経験を生かすことで、他の業種・業界でも活躍できますが、その場合はどのような働き方が考えられるのでしょうか。
この記事では、作業療法士の資格・経験を生かして働ける仕事について紹介するとともに、作業療法士が「別の道で働きたい」と考える要因を4つ取り上げて考察します。別の働き方を模索している方は、ぜひご覧ください。
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目次
作業療法士が別の道・他業種で働きたいと考える要因
作業療法士として働いていると、今の仕事で経験やスキルを積んでいくか、まったく別の業種に挑戦するかで悩む場面もあるのではないでしょうか。以下では、作業療法士の方が別の道や他業種で働きたいと考える、主な要因を4つ紹介します。
体力的にハードな場合がある
作業療法士は患者さまのリハビリをサポートする専門職であり、体力的なつらさを感じることも少なくありません。特に、基本動作訓練や日常生活動作訓練では患者さまを持ち上げたり、支えたりする場面も多く、体力を激しく消耗することがあります。また、リハビリ中は安全管理を徹底する必要があり、常に気を抜くことができません。体力面での不安は年齢を重ねるごとに大きくなりやすく、「作業療法士として長く働く自信がない」と感じる方もいるでしょう。
労働環境に不満を感じる場合がある
労働環境は職場によって異なりますが、人手が足りていない職場だと業務量が多かったり、残業が増えたりする場合があります。例えば、担当する患者さまが多く、業務時間がリハビリの予定で埋まっていると、カルテの記入やカンファレンスの準備といった仕事は時間外に行うしかありません。また、業務時間外に勉強会や学会、セミナーなどに参加することもあり、ワークライフバランスが保てないと感じている方もいます。
人間関係で悩む場合がある
作業療法士は医師や看護師、理学療法士、言語聴覚士など、さまざまな医療専門職とコミュニケーションを取りながら仕事を進めます。しかし、職種によって常識や考え方が異なるので、関わるスタッフが多いほど、良好な人間関係を築くのが難しくなるでしょう。
そうした人間関係がストレスになって、悩みや不安を感じてしまうケースはけっして少なくありません。特に、まわりに相談できる先輩や同僚がいない環境の職場だと、1人で悩みを抱えがちになってしまいます。
患者さまへの対応が難しい場合がある
リハビリの成果があらわれるには、ある程度の時間が必要です。しかし、患者さまのなかには「早く改善したい」という思いから、成果が出ないことへの苛立ちを作業療法士にぶつけてしまう方もいらっしゃいます。また、気難しい患者さまの場合だと、コミュニケーションを取るのが難しいケースもあるでしょう。
そうした場合は、繰り返し丁寧に説明し、訓練の内容や意味を理解してもらうことが大事ですが、何度も続くと患者さまとのやりとり自体が大きな負担になってしまいます。
作業療法士の資格・経験を生かした2つの仕事
作業療法士が他業種への転職を模索する場合、「作業療法士はほかにどのような仕事ができるのだろう?」「別の業種でも、これまでの経験は生かせるのだろうか」という疑問を感じるケースは多いでしょう。
ここでは、作業療法士の資格・経験を生かせる仕事を2つ紹介していきます。
医療機器・福祉関連用品企業の企画・開発・営業職
「医療機関や介護施設から距離を置きたい」という作業療法士の方は、一般企業に転職するのがおすすめです。医療機器メーカーや福祉用具を扱うメーカーの企画・開発職、営業職であれば、作業療法士としての専門知識や技術を生かしやすいでしょう。即戦力として活躍できる可能性が高いため、企業側からも好印象を持たれるはずです。
また、利用者さまや他業種の方との交流で培ったコミュニケーション能力は、一般企業でも存分に生かせます。
スポーツトレーナー
身体機能や精神・心理面の知識が豊富な作業療法士は、スポーツトレーナーとしても活躍できます。
一般的なリハビリの場合、作業療法士は食事や更衣、排泄から家事に至るまで、幅広いアプローチで患者さまをサポートします。一方、スポーツトレーナーに求められるのは運動機能の評価・訓練に特化したアプローチです。そのため、「何か1つの分野を極めたい」と考えている作業療法士の方は、スポーツトレーナーの仕事に大きなやりがいを感じるでしょう。
作業療法士がスポーツトレーナーとして働く道は、大きく分けて以下の2パターンです。
- ・スポーツ整形外科などに就職する
- ・経験を積んだうえで、スポーツトレーナーとして独立する
ダブルライセンスを目指す作業療法士におすすめの資格
作業療法士の方が転職する場合、作業療法士としての経験・知識を生かしながら、別の資格を取得するという選択肢もあります。現在持っている資格と近い分野の資格を取得することをダブルライセンスといいます。
ただし、ダブルライセンスを取得した場合でも、両方を主軸にはできません。あくまでもどちらか一方の資格を軸にして働くことが前提になるので注意しましょう。
ここでは、作業療法士のダブルライセンスにおすすめの資格を紹介します。
(1)理学療法士・言語聴覚士
理学療法士は、病気や事故などで体に障害がある方に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の維持・回復を目指した支援を行うリハビリ専門職です。一方、言語聴覚士は、「話す」「聞く」といった、言葉によるコミュニケーションに問題がある方をサポートするリハビリ専門職となります。
(2)介護福祉士・ケアマネジャー
介護福祉士は、介護を必要とする方の生活行為、生活動作を支援する専門職です。リハビリによって得た機能・動作を日常生活で生かせるように支援するのも、介護福祉士の大事な役割となります。介護福祉士として実務経験を積めば、要介護認定の書類作成・申請代行などを担うケアマネジャーへのステップアップも可能になります。
(3)義肢装具士
義肢装具士は、対象者の障害の部位や状態、体格などを考慮したうえで、義肢装具の開発・製作・改良などを行う仕事です。
(4)柔道整復師
柔道整復師は、骨折・脱臼・捻挫などのけがに対して、整復や固定といった方法を使って治療する職種です。接骨院を自分で開業することもできます。
作業療法士を辞めるかどうか迷っている方へ
作業療法士というと、医療機関や介護施設で働いているイメージがありますが、先に紹介したように作業療法士の知識・技術を役立てられる職場は、他にも多く存在します。臨床から離れたいと思った場合は、異なる道を模索して新たな可能性を広げてみるのもよいでしょう。
迷っているなら他の道にチャレンジするのもアリ
作業療法士は国家資格であり、仕事から離れても資格が失われるわけではありません。他の分野で働いた後、再び臨床現場に戻ることができるため、作業療法士として働くことに迷いを感じたときは、他の道に挑戦してみるのも1つの方法です。
ただし、年齢が上がると別の職業への転職が難しくなる可能性があります。他業種にチャレンジする場合は、早めに決断するのがおすすめです。
作業療法士の仕事を続けるメリット
AIの進化・普及によって、多くの職種が「なくなるかもしれない」と指摘されるなか、作業療法士の仕事は「機械では代用しにくい」といわれています。作業療法は人間の心身に直接的に関わる治療・援助であり、人がやるからこそ効果が得られる場面も少なくないからです。
デジタル技術が発達した後でも長く続けられるという意味において、作業療法士は大きなメリットがある仕事といえるでしょう。
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まとめ
作業療法士として働いている方のなかには、体力的なハードさや労働環境への不満、人間関係の悩みなどから、別の道に進みたいと考えている方もいます。作業療法士の仕事から離れたとしても資格を失うわけではないので、不満や悩みが大きい場合は思い切って他業種に挑戦してみるのもよいでしょう。その場合、医療機器メーカーの企画・開発職や営業職、スポーツトレーナーを選べば、作業療法士として培った知識・スキルを生かしながら働くことができます。
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※当記事は2024年2月時点の情報をもとに作成しています
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