介護施設で働く作業療法士の仕事|老健・有料老人ホーム・デイケア

更新日 2024年02月22日 公開日 2022年12月12日

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リハビリテーションの専門職である作業療法士は、医療機関や介護施設が代表的な勤務先となります。そのなかでも、介護が必要な高齢者に対して、自宅復帰のためのリハビリや医療ケアを提供する「介護老人保健施設(老健)」は、作業療法士の需要が高く、多くの作業療法士に選ばれている職場です。

しかし、作業療法士が働ける介護施設は、老健以外にもさまざまあります。介護施設での仕事に興味がある作業療法士の方は、それぞれの介護施設の概要や特徴、仕事内容などをきちんと把握しておくと良いでしょう。

今回は、作業療法士が働ける老健以外の介護施設について紹介するとともに、介護施設で働く作業療法士の仕事内容や給与相場も詳しく説明します。最後に、介護施設での仕事に向いている作業療法士の特徴も解説するので、ぜひご覧ください!

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老健以外にも!作業療法士が働ける介護施設

介護老人保健施設(老健)とは、入院・治療の必要がない要介護度1以上の方を対象とした介護施設です。老健で働く作業療法士は、利用者さまに日常生活の支援や専門的なリハビリテーション・機能訓練などを提供しながら、利用者さまの在宅復帰・在宅療養を支えます。

老健は作業療法士の代表的な職場の1つとなっていますが、老健以外にも作業療法士が活躍できる介護施設は多数あります。ここでは、老健を含めて作業療法士が働ける介護施設の概要や特徴を紹介します。

デイケア(通所リハビリテーション)

デイケア(通所リハビリテーション)は、定められた施設に日帰りで通いながら、日常生活上の介護・支援、生活機能の向上を目指した機能訓練などが受けられるサービスです。対象者は要支援1~2、要介護1~5の認定を受けた方となります。

「デイサービス」と名前や形態が似ているものの、デイケアは利用者さまの身体機能の維持・回復や機能訓練を目的としている点に特徴があり、作業療法士の需要もデイケアのほうが高くなります。

(出典:厚生労働省「通所リハビリテーション」/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000679684.pdf

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訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションとは、病院やクリニック、介護施設などで働く理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が利用者さまの自宅を訪問し、心身機能の維持・回復や日常生活の自立を支援するためのリハビリテーションを行うサービスです。対象者は、要介護1~5の認定を受けており、かつ訪問リハの必要性があると主治医に認められた方となります。

作業療法士は、利用者さまに専門のリハビリテーションを提供するだけでなく、利用者さまの家族に「日常生活における各動作に対する介護・介助やその工夫」などをアドバイスすることもあります。

(出典:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「訪問リハビリテーションとは」/https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/kaigo-service/houmon-riha.html

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有料老人ホーム

有料老人ホームとは、入居された利用者さまに、「食事の提供」「介護(入浴・排泄・食事)の提供」「洗濯・掃除等の家事の供与」「健康管理」のうち1つ以上をサービスとして提供している施設のことです。民間企業が運営しており、対象者(入居条件)も施設によって異なります。

有料老人ホームは「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」に大別され、作業療法士の需要がもっとも高いのは、介護付き有料老人ホームとなります。

(出典:厚生労働省「有料老人ホームの概要」/https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038009_1.pdf

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介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(老健)とは、利用者の自立支援・在宅復帰を目指して、医学的管理のもとで行われる医療ケアや作業療法士、理学療法士などによるリハビリテーション、食事・入浴といった日常的な介助サービスを提供する施設です。対象者は、要介護1~5の認定を受けた方となります。

老健は、「在宅介護・在宅ケア支援の拠点となる施設」と位置づけられているため、そこで働く作業療法士は介護予防を含めた幅広い活動を行い、利用者さまの細かなニーズに応える必要があります。加えて、医師や看護師、他のリハビリ職と円滑に連携することも重要でしょう。

(出典:公益社団法人 全国老人保健施設協会「老健施設とは」/https://www.roken.or.jp/about_roken

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介護施設で働く作業療法士の仕事内容は?

介護施設にはさまざまな種類があり、施設によって特徴や形態も異なります。ただし、どの介護施設であっても、作業療法士の基本的な仕事内容に大きな違いはありません。ここからは、介護施設で働く作業療法士の主な仕事内容を紹介します。

●身体的・精神的なリハビリ
介護施設で働く作業療法士のメインとなる業務が、利用者さまに対する身体的・精神的なリハビリです。身体的な障害を抱える利用者さまに対しては、日常生活に必要な動作全般のリハビリを実施し、精神的な障害を抱える利用者さまに対しては、症状・回復レベルに応じた段階的なリハビリを提供します。

●介護・介助の指導やリハビリ方法のアドバイス
介護施設で働く作業療法士は、利用者さまに対するリハビリを提供するだけでなく、専門性の高い知識・技術を生かして、介護士や利用者さまの家族に日常生活の各動作に対する介護・介助の指導や、リハビリにおける工夫などのアドバイスをすることもあります。

●レクリエーション活動の実施・サポート
介護施設で働く作業療法士は、レクリエーション活動の実施・サポートを行うこともあります。レクリエーション、ゲームなどを通じて心身の機能向上を図ることはもちろん、入居者さまがスタッフや地域の人と触れ合う機会を作ることも、作業療法士の大事な役割と言えるでしょう。

介護施設で働く作業療法士の給与相場は?

厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」によると、介護施設勤務を含めた作業療法士の平均年収は、下記の通りとなっています。

男女平均 約427万円
男性 約443万円
女性 約407万円

(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html

また、実際にマイナビコメディカルに掲載された求人情報から算出した、介護施設で働く作業療法士の平均年収・平均月収は下記の通りです。

平均年収 約340万~400万円
平均月収 約24万~30万円

それぞれのデータから、介護施設で働く作業療法士の給与は決して低くないことがわかります。着実にスキルを身に付け、キャリアを構築していけば、より高い収入を得ることも可能でしょう。

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介護施設で働くのに向いている作業療法士とは?

すでに紹介したように、介護施設の種類によって作業療法士の基本的な業務内容が大きく変わることはありません。ただし、医療施設から介護施設に転職する場合は、働き方が異なる部分もあるため、「医療施設、介護施設のどちらで働こうか迷っている」という作業療法士の方は、まず「介護施設で働くのに向いている作業療法士の特徴」を把握しておくと良いでしょう。

●多角的な視点がある人
利用者さまの基本的動作能力・応用的動作能力だけでなく、社会的な適応能力の維持・回復を図ることも作業療法士の大事な役割です。利用者さまが在宅復帰を目指すには、前記の幅広い能力が必要となるため、多角的な視点で利用者さまのサポートができる作業療法士は、介護施設で働くことに向いていると言えるでしょう。

●他職種とスムーズに連携をとれる人
介護施設において、利用者さまに適切なサポートを円滑に提供するには、作業療法士や理学療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門職だけでなく、医師や看護師、管理栄養士といった多職種の連携が欠かせません。他の職種とスムーズかつ密接に連携できる作業療法士は、介護施設で十分に活躍できるでしょう。

●責任感が強い人
介護施設によっては、「リハビリの専門家が自分1人しかいない」というケースもあります。アドバイスしてくれる先輩や上司がいない状況での仕事となるため、責任の重さが大きなプレッシャーとなる場合もあるでしょう。そのため、責任感が強くどのような状況においても冷静かつ適切な判断ができる作業療法士は、介護施設で働くことに向いていると言えます。

●一人ひとりに合ったリハビリを提供したい人
介護施設は、病院と比べて長期的にサービス利用をする利用者さまが多く、時間をかけて一人ひとりに合ったリハビリを提供できる傾向にあります。「長期的な視点で個別的なリハビリプログラムを提供することで、自立や社会参加を支援していきたい」と考える作業療法士は、介護施設勤務に向いています。

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まとめ

介護老人保健施設(老健)とは、入院・治療の必要がない要介護度1以上の方を対象とした介護施設であり、作業療法士の代表的な職場の1つです。作業療法士は老健以外にも、デイケア(通所リハビリテーション)や訪問リハビリテーション、有料老人ホームなど幅広い介護施設で活躍でき、基本的な仕事内容にも大きな違いはありません。

介護施設勤務を含めた作業療法士の平均年収は約427万円(男女平均)と、決して低くないことも特徴です。着実にスキルアップを図ることで、さらに年収は高まっていくでしょう。

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※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

リハ職・医療技術職・栄養士のみなさまの転職に役立つ情報を発信中!
履歴書や職務経歴書の書き方から、マイナビコメディカルサイト内での求人の探し方のコツや、転職時期ごとのアドバイス記事などを掲載。
転職前の情報収集から入職後のアフターフォローまで、転職活動の流れに添ってきめ細やかなフォローができる転職支援サービスを目指しています。

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