東京都における作業療法士の給料相場は?将来性が高い理由
リハビリの専門家として高齢者や心身に障がいを持つ人をサポートする作業療法士(OT)は、ロボットやAIが普及しても雇用が減りにくいと考えられる仕事のひとつです。
2045年頃までに東京都の高齢化率は、大幅に上昇すると予測されています。そして、高齢化にともなって医療・福祉職へのニーズが、ますます高まる見込みです。
今回は、東京都における作業療法士が受け取る収入の相場や、都内の求人状況などについて解説します。
目次
【東京都】作業療法士の給料相場|全国平均との比較
下記の表は、全国および東京都における作業療法士の平均給料を比較したものです。なお、東京都の金額は、「マイナビコメディカル」の求人情報から算出しています。
平均年収 | 平均月収 (賞与含めず) |
手当・賞与 | |
---|---|---|---|
全国(※) | 約410万円 | 約29万円 | 約65万円 |
東京都 | 約380~450万円 | 約30万円 | 約80万円 |
(※出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html)
上記の金額はあくまで平均値であり、実際の収入額はエリアや施設・運営形態などによってさまざまです。
続いて、東京都における作業療法士求人のおもな特徴について解説します。
〇全国平均を上回る年収額を提示する就業先が多く、需要が高い
作業療法士の全国平均年収は約410万円ですが、東京都内に限定した場合の平均年収は約380万~450万円です。
東京都は他の都道府県と比べて物価が高いため基本給が上がりやすく、また人口の多さに比例して作業療法士の需要が高まっていることが、おもな理由と考えられます。
〇マネージャー職の求人は特に年収が高い
管理職となるメリットのひとつが、収入の高さです。都内のある作業療法士求人では、マネージャー職のモデル年収を約600万円と発表しています。この金額は、作業療法士の都内平均年収の約1.3~1.6倍相当です。
施設によって差はあるものの作業療法士は女性が多く、必然的に女性管理職の数も多くなります。家事・育児と仕事の両立しやすさを強調する作業療法士求人も多く、ワークライフバランスを大切にしながら管理職を目指すことが可能です。
〇通勤手当や時間外手当が全額支給など、手当が充実している求人が多い
東京都には、各種手当や福利厚生が充実している作業療法士求人が少なくありません。
東京都のある求人では、所定労働時間を超えた分の時間外手当は全額支給となり、さらに歩合手当やフロア長手当などが追加されます。
また充実した休暇制度により、しっかり休暇をとることができ、仕事と休みのメリハリをつけやすくなり、作業効率アップにつなげることができます。
短期間で収入アップを目指したい場合は、基本給だけではなく各種手当や福利厚生にも着目して求人情報を探すことがポイントです。
【東京都】作業療法士の給料が特に高い市区町村はどこ?
下記の表は、東京都内で作業療法士の平均給料が高い自治体の一例です。なお、各数値はマイナビコメディカルの求人情報から算出しています。
世田谷区 | 江東区 | 杉並区 | 練馬区 | 渋谷区 | |
---|---|---|---|---|---|
年収 | 約370万~440万円 | 約370万~430万円 | 約360万~460万円 | 約350万~420万円 | 約360万~450万円 |
月収(※) | 約25万~30万円 | 約25万~29万円 | 約24万~29万円 | 約24万~28万円 | 約25万~28万円 |
(※)手当・賞与分を含めていません
作業療法士の平均給料は、23区東部および江東区で特に高くなる傾向があります。これらの地域には23区のなかでも特に給料水準が高い、あるいは人口が多いなどの特徴があり、作業療法士の平均給料向上につながっていると考えられます。
また、リハビリ業界で高評価を得ている医療機関や介護福祉関連企業などの求人があり、作業療法士としてスキルアップしたい人におすすめのエリアです。
なお上記のデータはあくまで目安にすぎず、他のエリアにも高収入を得られる求人が、数多くあります。求人情報に書かれた内容だけではなく、職場の雰囲気やスキルアップのしやすさなどを総合的にチェックすることが、転職成功への近道です。
特に23区内およびその周辺地域は求人数が多く、マイカーを使えない人でもスムーズに通勤できる場合がほとんどです。自宅からの近さにこだわりすぎずに自分に合う求人を探せることが、東京都のメリットと言えるでしょう。
東京都における作業療法士の将来性は?
下記の表は、東京都内における高齢者数の実測値および将来推計値です。
2015年(実績値) | 2020年(実績値) | 2040年(推計値) |
---|---|---|
約301万人 | 約311万人 | 約394万人 |
(出典:東京都「高齢者の居住安定確保プラン(一部改定案)について」
/https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/bunyabetsu/jutaku_fudosan/pdf/anteikakuho_04.pdf)
(東京都「令和2年9月15日時点の高齢者人口」/
https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/koureisya/kr20rf0000.pdf)
東京都では高齢者数が年々増加しており、2020年の実績値は約311万人となりました。都内人口の23.3%が高齢者に相当し、ひとりの高齢者を15~64歳人口2.8人が支えている計算となります。
少子高齢化がますます進むであろうこれからの東京都において、作業療法士へのニーズは今後も高まる見込みです。多くの作業療法士が活躍することで、高齢者の要介護リスク軽減および現役世代にかかる介護負担の軽減につながると期待されています。
しばしば自己表現や他者とのコミュニケーションに重点を置く作業療法は、高齢者にとって心のよりどころとなる活動のひとつです。
高齢者が心のよりどころを持つことは、ストレス解消および認知症予防に有効とされ、身体面はもちろん精神面の健康維持にもつながります。
作業療法士のなかには、事故・病気などで障がいを持った人向けのリハビリや精神科でのメンタルケアを専門とする人も少なくありません。そのため、作業療法士に対する需要増加のペースは、高齢者数増加のペースよりもさらに高いと予想されます。
東京都における作業療法士の求人状況
2020年12月現在、東京都における作業療法士の求人募集数は下記の通りです。
【東京都】作業療法士の求人数 | 1,437件(2020年12月時点) |
---|
(出典:マイナビコメディカル/https://co-medical.mynavi.jp/)
東京都では、23区内を中心とする多くの地域から作業療法士求人が登場しています。正社員求人はもちろん柔軟に働けるパート・非常勤求人も多く、産休・育休取得実績が多い職場や時短勤務に前向きな職場が少なくありません。
いきなりフルタイムで働く自信がない人やブランクが不安な人も、仕事の選択肢は多くあります。
医療に対するニーズの多様化により、在宅医療への需要増加を背景として、訪問リハビリ関連の作業療法士求人が増えています。訪問リハビリは休日が固定となるケースが多く、働きやすいことがメリットとなります。
マイナビコメディカルでは非公開求人を数多く取り扱っており、公開求人数が少ない地域でも高収入・高待遇の非公開求人を見つけられる可能性があります。
多くの求人は掲載期間が短いため、新着求人をこまめに検索し気になる求人を見つけた場合は、早めに応募することが大切です。
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まとめ
昨今の少子高齢化や健康寿命延伸に対する意識の高まりによって、全国各地で医療・福祉人材への需要が増えています。
東京都は作業療法士の求人が多く、基本給が高めの求人や各種手当・福利厚生が充実している求人も少なくありません。さらに23区周辺には最寄り駅から徒歩・自転車でアクセスできる施設が多く、さまざまな選択肢のなかから自分に合う求人を探せます。
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※当記事は2020年12月現在の情報を基に作成しています