デイサービスで働く作業療法士の仕事内容・役割・給料など一挙紹介
デイサービス(通所介護)は、リハビリよりも介護サービスが中心となる施設です。しかし、利用者さまの生活の質を向上させる目的から作業療法士の需要は高く、多くの作業療法士が活躍している職場でもあります。身体的な機能回復に加え、利用者さまの心のケアにも携わりたい方にはおすすめの職場と言えるでしょう。
当記事では、デイサービスの概要と作業療法士の仕事内容、役割、給料などを、詳しく解説します。作業療法士がデイサービスで求められる理由や働くメリットも紹介するので、職場の選択肢を増やしたい方は、ぜひご活用ください。
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目次
デイサービスとは?
デイサービスとは、介護保険サービスの1つである「通所介護」の通称です。要介護1~5の認定を受けた方が対象となり、日帰りでデイサービスセンターなどの施設に通う利用者さまに、食事や入浴、レクリエーションといった介護サービスを提供します。要支援1、2の方は対象外です。
老人ホームなどとは異なり、デイサービスの施設に利用者さまが入所することはありません。自宅で介護を受けながら暮らす利用者さまが、可能な限り自立した生活を送れるようにサポートするのが、デイサービスの基本的な役割となります。車による送迎を実施する施設が大半であり、利用者さまが自力で通所できない場合や、ご家族が車を運転できない場合でもサービスを受けられます。
下記は、厚生労働省によるデイサービスの基本方針です。
(引用:厚生労働省「通所介護及び療養通所介護(参考資料)」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168705.pdf)
デイサービスで提供されるサービス内容
デイサービスで提供される主なサービスは、以下の通りです。
- ●食事
利用者さまの滞在時間に応じて、昼食・おやつ・夕食などを提供します。他の利用者さまとコミュニケーションを図りながら、栄養バランスの取れた食事を取ることで、心身への好影響を期待するサービスです。栄養改善サービスの提供や、夕食用のお弁当を販売する施設もあります。
- ●入浴
施設によって異なるものの、大浴場へ順番に入浴してもらうスタイルが一般的です。入浴中は、利用者さまにできることはやってもらい、自力では難しい作業をスタッフがサポートします。介護度が高い方向けの入浴マシーンを備えた施設もあります。
- ●機能訓練
日常生活で行われる動作や認知機能の維持・改善を目指して、トレーニングを行います。リハビリとは異なり医師の指導が不要なため、作業療法士以外に介護士や看護師が担当する場合もあります。また、レクリエーションとして実施する施設も少なくありません。
(出典:厚生労働省「通所介護及び療養通所介護(参考資料)」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168705.pdf)
デイサービスの人員配置基準
下記は、厚生労働省の定めるデイサービスの基本的な人員配置基準です。
管理者 | ●施設の業務内容を統括する管理者を常勤で1人以上配置 ●条件の範囲内で他職種と兼務可 |
---|---|
生活相談員 | ●社会福祉士など国が定める資格が必要 ●自治体によっては他の資格要件あり ●専従で1人以上配置 |
介護職員 | ●決められた人数を専従で配置 ○利用者数15人以下なら1人以上配置 ○利用者数16人以上は「(利用者数-15人)÷5+1」で人数を算出 |
看護職員 | ●利用定員10人以上の施設なら専従で1人以上配置 ●利用定員10人以下の地域密着型施設は、介護職員と看護職員のいずれかを1人配置すればよい |
機能訓練指導員 | ●理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などを1人以上配置 |
(出典:厚生労働省「通所介護及び療養通所介護(参考資料)」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168705.pdf)
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デイサービスにおける作業療法士の仕事内容
作業療法士がデイサービスで働く場合、「機能訓練指導員」として雇われるケースが大半で、主に下記の仕事を担当します。
- ●個別機能訓練計画書の作成
- ●運動器機能向上計画書の作成
- ●個別訓練の実施
- ●リハビリ機器利用時の介助・指導
- ●体力測定・レクリエーション・集団体操の計画・実施
- ●利用者さまの自宅訪問
- ●介護職員への指導
- ●サービス担当者会議への出席 など
施設の規模や方針によっては、利用者さまの食事や入浴介助、事務作業、送迎業務などを担当する場合もあります。
デイサービスの利用者さまは、老年期障害領域に該当する高齢者の方が大半です。そのため、身体機能の回復よりも要介護度の進行を予防することや、日常生活で行う動作を維持することを目的とした活動が多くなります。また、発達障害領域に該当する利用者さまを対象とする児童デイサービスでは、お子さんの個性にあったきめ細やかなサポートを求められる傾向にあります。
デイケアとデイサービスにおける役割の違い
デイサービスと混同されやすいサービスに、デイケア(通所リハビリテーション)があります。デイサービスもデイケアも、日帰りで施設を利用する利用者さまに向けて、食事や入浴、機能訓練といった介護サービスを提供する点は同じです。
ただし、デイケアは利用者さまの「リハビリ」を主目的としているため、作業療法士にはリハビリの専門家としての役割が求められます。一方、デイサービスで行うのは「機能訓練」であり、作業療法士以外の介護スタッフが担当することも可能です。
デイサービスにおける作業療法士は、リハビリの指導者としての役割よりも、リハビリの専門知識を生かしたサポーターとしての役割を期待されるケースが多いでしょう。
仕事内容について
作業療法士がデイサービスで求められる理由
近年、介護業界ではサポートを必要とする方に介護を提供するだけでなく、利用者さまが自立した生活を送れるように支援する取り組みの重要度が上がっています。利用者さまの自立支援に必要なのは、身体機能の維持・回復だけではありません。ご本人の意思や感情を尊重しつつ社会からの孤立を防ぎ、生活の質自体を高めることが重要です。
作業療法士はリハビリの専門家であり、身体機能の維持・回復を指導しながら、日常生活に戻れるように支援する役割を担っています。そのため、機能訓練を通じて利用者さまの生活の質向上を目指すデイサービスとは、相性が良いと言えるでしょう。
介護施設のなかには、個別機能訓練加算制度にあわせたプログラムの組み立て方や、訓練の実施方法についての知識が不足しているところも珍しくありません。そうしたことから、介護報酬の加算要件を満たしたい施設では、機能訓練の専門家である作業療法士の需要が高い状況にあります。
(出典:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000727135.pdf)
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作業療法士がデイサービスで働くメリット
作業療法士が、勤務可能な職場のなかからデイサービスを選ぶ場合、下記のメリットが考えられます。
- ●利用者さま1人ひとりと向き合ったリハビリを提供できる
- ●維持期(在宅で生活できている時期)のリハビリ業務に携われる
- ●基本的に夜勤がなく残業も少なめ
- ●介護度の低い利用者さまが多いため、体力的な負担が少ない
デイサービスの利用者さまのなかには、週1日以上来られる方が多く、長時間滞在するケースがほとんどです。また、施設側も利用者さまの環境や生活を理解し、長期間寄り添ったサービスを提供することを目的としています。そのため、「利用者さま一人ひとりの状態に応じて、丁寧なリハビリを行いたい」と考える方には、最適な職場と言えるでしょう。
また、リハビリにおいて維持期の指導は重要であり、維持期にしかない課題も少なくありません。維持期に該当する利用者さまが多いデイサービスは、作業療法士として経験を積み、大きく成長できる環境でもあります。
デイサービスで働く作業療法士の給料は?
職場を選ぶ際に気になるのが給料です。厚生労働省の調査によると、作業療法士の給料は月給約29.6万円と報告されています。
(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html)
ただし、この金額は理学療法士、言語聴覚士、視能訓練士を含めた平均額です。施設によっては、給料アップやスキルアップ、キャリアアップが目指せたり、充実した待遇・福利厚生が受けられたりするケースもあるでしょう。できるだけ条件がよく、かつ自分に合った職場を探したい方は、マイナビコメディカルで作業療法士の求人情報を探してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
デイサービスは、利用者さまに食事や入浴などの一般的な介護サービスを行いつつ、機能訓練を実施する施設です。リハビリ自体を目的としていないため、他の施設に比べて作業療法士が担う専門性は下がるものの、利用者さまの生活に密着したサポートに携われます。
利用者さまの身体機能回復以外にも、日常生活に寄り添ったサービスを提供したいと考える方は、ぜひデイサービス勤務を検討してみましょう。マイナビコメディカルでは、キャリアアドバイザーによる転職サポートを無料で提供しています。自分自身の希望にピッタリの職場を見つけたい方は、一度マイナビコメディカルにご相談ください。
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※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています
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