転職回数が多い作業療法士でも再転職できる?知っておくべきこと4つ
作業療法士は心身に障害を持つ方に対して、日常生活や社会に復帰できるようにリハビリテーションを行う医療専門職です。高齢化が進むなか年々需要が高まっており、作業療法士は「大きなやりがいが得られる職業」の1つとなっています。
しかし、一方で仕事環境や給与、職員同士の人間関係などを理由に、転職する方が増えていることも事実です。また、転職された方のなかには「転職先が前職と同じような職場環境だったために、再度転職を考えている」という方もいらっしゃいます。
そこで今回は、転職回数が多い作業療法士の方に向けて、再転職の際に知っておくべきことや、転職回数が多くても不利にならない方法を解説します。あわせて、転職回数よりも重視されるポイント、ダブルライセンスにおすすめの資格なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
【転職回数が多い作業療法士向け】再転職する際に知っておくべきこと
転職回数の多い方が再転職を検討する際、「面接で不利にならないか」「転職回数が原因で書類選考を通らないかもしれない」と不安に思うこともあるでしょう。
結論から言うと、転職回数が多いからといって過度に不安がる必要はありません。明確な転職理由があれば、再転職は可能です。
ここでは、転職回数の多い方が「再転職する際に知っておくべきこと」として、下記の4点を紹介します。
・医療・福祉業界の転職事情
・転職求人状況
・転職回数よりも重視されるポイント
作業療法士における需要と供給の現状
厚生労働省が行った「理学療法士・作業療法士・言語聴覚士需給調査」によると、作業療法士の需要と供給の現状は以下のとおりです。
■需要
(出典:厚生労働省「理学療法士・作業療法士・言語聴覚士需給調査」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000120212_6.pdf)
■供給
(出典:厚生労働省「理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について」/https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000499148.pdf)
高齢化が進むなか、リハビリを必要とする高齢者が増え続けると予測されるため、リハビリ専門職である作業療法士の需要は継続するでしょう。しかし、2040年には作業療法士の供給数が需要数を上回るというデータもあります。
こうしたことから、作業療法士の転職市場は飽和状態に近づいており、引く手あまたな状況ではないと理解する必要があります。そのため、再転職の際は入念な対策が求められるでしょう。
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医療・福祉職の転職事情
ここでは、離職率や転職者数から、医療・福祉職の転職事情を考察します。
■離職率
■転職者数
(出典:厚生労働省「-平成 30 年雇用動向調査結果の概況-」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/dl/gaikyou.pdf)
作業療法士の転職求人状況
下記は、2023年5月時点で「マイナビコメディカル」に掲載されている作業療法士の求人件数を地域別にまとめた表です。
地域 | 求人件数 |
---|---|
北海道・東北 | 約510件 |
関東 | 約4,210件 |
東海 | 約1,280件 |
信越・北陸 | 約250件 |
関西 | 約2,360件 |
中国・四国 | 約270件 |
九州・沖縄 | 約770件 |
(出典:マイナビコメディカル/https://co-medical.mynavi.jp/)
表を見ると、関東を中心として全国的に求人があることが分かります。また、指定都市・中核市などの都市部に限らず、幅広い地域で募集が見られる状況です。
現状では作業療法士の70%以上が医療機関で働いており、介護施設や児童福祉施設などでは、作業療法士の人材が不足しています。事実、厚生労働省の「作業療法士・作業療法士・言語聴覚士需給調査」でも、「人材確保が困難」と感じている施設が59.3%もありました。
(出典:厚生労働省「作業療法士・作業療法士・言語聴覚士需給調査」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000120212_6.pdf)
理想の転職先を見つけるためには、エリアや職場の条件を絞りすぎず、視野を広げて情報収集を行うのがよいでしょう。
「転職回数」よりも重視されるポイント
作業療法士の面接の際に、転職回数よりも重視されるポイントは「転職理由」です。転職を成功させるためにも、面接ではポジティブな転職理由を伝えるように心がけましょう。
■ポジティブな退職理由
・キャリアアップを目指したい
・機能が違う病院・施設を経験したい
■ネガティブな退職理由
・人間関係が悪い→機能が違う病院・施設を経験したい
・教育体制が整っていない→専門領域の幅を広げたい
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転職回数が多い作業療法士におすすめの関連資格3つ
転職を有利に進めるためには、関連資格の取得も有効です。リハビリの対象者は高齢者が多いため、高齢者福祉に関する資格を取得することで、より専門性の高いサポートが可能になるでしょう。また、関連資格は応募先へのアピールポイントにもなります。
ここからは、転職回数が多い作業療法士におすすめの関連資格を3つ紹介します。
介護福祉士
介護福祉士は身体的・精神的な障害を抱えた方に、食事や入浴、排泄といった身体介助や、調理、洗濯、掃除といった生活援助を提供し、日常生活をサポートする国家資格です。
介護職を目指す方の登竜門となる資格であり、利用者さまやそのご家族の相談にのったり、アドバイスを行ったりすることも、介護福祉士の役割となります。
関連資格取得数・取得率 | 1,215人(1.9%) |
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資格取得のポイント | 合格基準は総得点の60%。「11科目群すべてで最低1問は正解すること」が合格の条件となっています。
試験は5択式のため、出題傾向が分かれば対策がしやすくなるでしょう。そのため、過去問や問題集を繰り返し解くことが、国家試験合格への近道だと言えます。 |
(出典:一般社団法人日本作業療法士協会「2019 年度 日本作業療法士協会会員統計資料」/https://www.jaot.or.jp/files/page/jimukyoku/kaiintoukei2019.pdf)
(出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」/https://www.sssc.or.jp/kaigo/index.html)
介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護を必要とする方が適切な介護保険サービスを受けられるように、ケアプランの作成やサービス事業者との調整を行う職業です。
「介護保険法」に規定された専門職であり、要介護状態の高齢者支援を行う居宅介護支援事業所や、介護保険施設(介護施設)には必ず配置しなくてはいけません。
関連資格取得数・取得率 | 5,100人(7.8%) |
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資格取得のポイント | 介護支援専門員試験を受験するには、「規定の国家資格(医師、看護師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士など)または相談援助業務で、一定期間の実務に従事していること」と「5年以上の実務経験(かつ900日以上従事)」が必要です。実務研修を受講したあと、試験に合格することで、介護支援専門員として登録できます。
合格には幅広く正確な知識が必要となるため、苦手分野を作らないように学習を進めることが重要です。 |
(出典:一般社団法人日本作業療法士協会「2019 年度 日本作業療法士協会会員統計資料」/https://www.jaot.or.jp/files/page/jimukyoku/kaiintoukei2019.pdf)
(出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護支援専門員」/https://www.sssc.or.jp/shien/)
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障害者に対して住みやすい環境を提案するアドバイザーです。東京商工会議所が認定する民間資格で、1級から3級までの3つの級があります。
関連資格取得数・取得率 | 8,169人(12.6%) |
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資格取得のポイント | マークシート・記述式で、それぞれ70点以上が合格条件です。
福祉分野に加えて建築分野からの出題もあります。出題範囲が広いため、偏りなく学習することがポイントになるでしょう。 |
(出典:一般社団法人日本作業療法士協会「2019 年度 日本作業療法士協会会員統計資料」/https://www.jaot.or.jp/files/page/jimukyoku/kaiintoukei2019.pdf)
(出典:東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験」/https://kentei.tokyo-cci.or.jp/fukushi/)
まとめ
医療・福祉業界は人の入れ替わりが多いため、転職回数の多さを不安視する必要はありません。面接では転職理由を明確し、ポジティブな転職であることをアピールしましょう。
医療・福祉業界に再転職するにあたって、「どのような準備をすればよいか分からない」と悩んでいる作業療法士の方は、マイナビコメディカルをご活用ください。マイナビコメディカルでは、キャリアアドバイザーによる転職サポートを無料で提供しているほか、非公開求人も多数取り扱っております。ぜひ一度ご相談ください。
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