作業療法士が内定獲得後にすべきこと|国家試験が不合格時の対処法も

更新日 2024年02月29日 公開日 2024年02月29日

#国家試験 #情報収集 #転職検討/準備 #内定・退職・入社

内定の獲得は、転職・就職活動のゴールではありません。作業療法士の養成校に通いながら新卒での就職を目指す方は、内定を得た上で卒業年度の国家試験に合格する必要があります。また、転職を目指している作業療法士の方は、内定後に現在の勤務先と新しい勤務先の双方で手続き・作業を行わなければなりません。

この記事では、作業療法士が就職・転職活動で内定を獲得した後の流れについて、詳しく解説します。あわせて、内定を得た新卒者が作業療法士の国家試験に合格できなかった場合の対処法についても説明するので、ぜひご覧ください。

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作業療法士が内定獲得後にすべきこと|国家試験が不合格時の対処法も

作業療法士の転職活動での内定後の流れ

転職活動中の作業療法士が内定を獲得した場合、新しい職場に入職するまでに現在の職場を退職しなければなりません。ここでは、作業療法士の内定後の流れを詳しく解説します。

退職の意思表示を行う

内定を承諾したら、直属の上司に「退職の意思」を伝えましょう。退職の意思を伝える際はトラブルにならないように、職場の状況に配慮して進める必要があります。次の就職先で気持ちを新たに働き始めるためにも円満退社を心がけましょう。

退社の意思表示をする際には、次の4点に注意してください。

・忙しい時期は避けて、業務に区切りがつくタイミングで伝える
・退職希望日の1〜2か月前をめどに、余裕をもって伝える
・退職理由では現職への不満に触れず、個人的な理由や前向きな理由を伝える
・退職の意思は、まず直属の上司に伝える

同じ業界内で転職する場合、転職先と現在働いている施設のスタッフとの間につながりがある可能性がゼロとは言えません。そのため、退職時にトラブルが起こってしまうと、転職先に悪い評判が伝わってしまう恐れもあります。今の職場に不満があったとしても、前向きな表現で退職の意思を伝えましょう。

法律上は退職日の2週間前までに申し出を行えば問題ないとされていますが、後任への引き継ぎや退職手続きにかかる時間を考えると、1〜2か月前をめどに申し出るのが理想です。

(出典:e-Gov法令検索「民法」/https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089#Mp-At_627

退職日・入職日を決める

退職の意思を伝えて承諾を得たら、具体的な退職日を決定しましょう。

退職日を決める場合、一方的に希望を伝えるのは好ましくありません。抱えている仕事のスケジュールや引き継ぎなどの時間を考慮しつつ、上司と相談しながら周囲に迷惑がかからない日程を選びましょう。有給を消化してから退職する場合は、有給にあわせて作業を進める必要があるため、スケジュールに余裕を持たせることが大事です。

なお、転職先の入職日は、退職日が決まってから確定するのが一般的です。入職日を先に決めてしまうと、退職日が予定より遅くなった際、転職先に迷惑をかけてしまいます。そうならないためにも、退職日と入職日の決定は慎重に行いましょう。

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仕事の引き継ぎを行う

退職日が決まったら、担当している業務の整理や引き継ぎを進めましょう。引き継ぎのスケジュールを立てるときは、ゴールを勤務最終日ではなく3日ほど前に設定しておくと、トラブルなどで予定が後ろ倒しになってもあわてる心配がなくなります。

また、自分の退職後、同僚や患者さまにできるだけ迷惑がかからないようにすることも重要です。「自分が引き継ぎを受ける立場だったら?」と考えて、必要な情報は責任をもって後任者に伝えるようにしましょう。

貸与された物品を返却する

勤務先から支給されているものは、退職日までに返却する必要があります。下記は、一般的に返却が必要な備品です。

・健康保険被保険者証
・社員証、IDカード、名刺
・文具、携帯電話、パソコン
・制服
・ロッカーや机の鍵

これ以外に借りているものがあれば、必ず退職日までに返しておきましょう。後々トラブルになることもありますので、返却すべきか迷ったときは、上司や責任者に確認して指示を仰ぐようにしてください。

書類を受け取る

退職の際は職場から受け取るものもあります。転職先から提出を求められる書類も含まれるので、チェックリストを作成するなどして忘れないように受け取りましょう。退職時に受け取る書類は以下のとおりです。

・雇用保険被保険者証(会社が保管している場合)
・年金手帳(会社が保管している場合)
・退職証明書(健康保険・厚生年金保険資格喪失証明書)
・源泉徴収票(後日郵送されることが多い)
・離職票(後日郵送されることが多い)

受け取りを忘れた書類があった場合は、早めに人事担当者に連絡しましょう。

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作業療法士は内定を辞退できない?

多くの業界では、就職・転職活動で複数の企業に併願し、内定をもらった企業から1社を選んで残りは辞退するやり方が一般的です。しかし、作業療法士・理学療法士の業界では、「一度に1施設のみ応募し、内定をもらったら辞退しない」という暗黙のルールがあると言われています。

その理由として考えられるのは、「作業療法士や理学療法士の就職は、養成校の紹介で決まるケースが多い」ということです。事実、厚生労働省が約4,000事業所を対象に行った2019年の調査では、リハビリ専門職の採用経路の約51.5%が「学校等(大学、看護学校、専門学校等)」となっており、これは他の医療職に比べて突出して高い数字と言えます。つまり、養成校を通して得た内定を辞退すると、関係者から悪いイメージを持たれたり、後輩に迷惑がかかったりといった悪影響が考えられるわけです。

(出典:厚生労働省「医療・介護分野における職業紹介事業に関するアンケート調査」/https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000579094.pdf

とはいえ、複数施設に併願してもかまわないか、内定を辞退しても大丈夫かなどについては、養成校や施設によって判断が分かれるところでしょう。心配な場合は、学校や施設に話を聞き、できるだけ情報を集めてから決断することをおすすめします。

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内定後に作業療法士国家試験に合格できなかったら?

新卒の就職活動で内定をもらったにもかかわらず、作業療法士の国家試験に合格できなかった場合、内定は取り消されるのでしょうか?

結論から言うと、内定が取り消されるかどうかは内定先次第です。施設によっては国家試験に落ちても内定取り消しにはならず、次の試験までの1年間、介護職や事務員などの立場で勤務できる場合もあります。

ここでは、国家試験に不合格となった際に「どのようなことを行う必要があるか?」について、具体的に解説します。

内定先に連絡する

まずは、内定先に不合格だったことを伝える必要があります。連絡は早ければ早いほどよいでしょう。

不合格だったことは言いにくいものですが、黙っていても必ずばれてしまいます。また、ご自身で伝える前にどこかから話が伝わると、印象がさらに悪くなるかもしれません。

前述したように、施設によっては別の職種で1年間勤務できる働ける可能性もあるため、不合格であっても、「ぜひ貴施設で働きたい」「来年は必ず合格する」という熱意を内定先に伝えましょう。

不合格になった原因を分析する

翌年の国家試験合格に向けて、不合格になった原因を分析することも大事です。不合格になる方には2つの共通点があります。

◆勉強の量が少ない
不合格になった方は、国家試験に向けた勉強量が不足していたのかもしれません。まずは勉強時間を増やすことを検討しましょう。

◆勉強の質が低い
「問題を解くだけで、解説を十分に読んでいなかった」「得意な科目ばかり勉強していた」など、勉強方法に問題のあるケースもあります。ご自身の勉強方法を見つめ直し、どこに問題があるかを分析しましょう。

1年間集中して勉強する

不合格になった原因を分析したら、とにかく集中して勉強を続けましょう。まずは1年間のスケジュールを立て、メリハリをつけて勉強することが大事です。内定先で働きながら勉強する場合は、学生の頃よりも勉強に使える時間が少なくなるので、仕事の後や休日を使って効率的に勉強を進めましょう。

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まとめ

作業療法士が転職する場合、内定獲得後に退職の意思表示や業務の引き継ぎ、手続きを進める必要があります。上司と相談しながら、現在の職場に負担をかけないように作業を行い、新しい職場での業務を気持ちよくスタートさせましょう。

なお、作業療法士の就職・転職活動における併願や内定辞退の是非については、学校や施設によって考え方が違いますので慎重に判断しましょう。就職・転職活動に不安がある場合は、転職エージェントを活用するのもよい方法です。

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※当記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しています

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