作業療法士が年収1,000万を目指すには？給料アップの方法を解説

作業療法士は、国家資格が必要なリハビリテーションの専門職です。しかし、実際に働き始めてみると「給与が上がりにくい」と感じたり、現状の働き方に悩みを抱えたりすることもあるのではないでしょうか。

給与アップを実現させることは、今後もやりがいを持って仕事を続けるためにとても重要です。そこで今回は、作業療法士が年収1,000万円を目指す上で有効な給与アップの方法を紹介します。専門性の高め方や転職についての考え方など、さまざまな角度から給与アップにつながる方法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。

作業療法士の給与はどのくらい？

「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、作業療法士の平均年収は約427万円となっています（ただし、データは理学療法士、言語聴覚士、視能訓練士を含む平均値）。

同じ調査で、年齢別の作業療法士の給与も確認しておきましょう。

（出典：厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査　結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html）

年齢別の給与をみると、平均年収の一番高い50代後半でも、600万円に届かないことが分かります。

日本作業療法士協会によれば、同協会会員の作業療法士の9割近くが病院や介護施設で働いています。

（出典：一般社団法人　日本作業療法士協会「2019年度 日本作業療法士協会会員統計資料」/https://www.jaot.or.jp/files/page/jimukyoku/kaiintoukei2019.pdf）

つまり、「病院や介護施設で働き続ける」という一般的なキャリアプランでは、年収1,000万円を超えるのは簡単ではないと言えるでしょう。作業療法士の方が年収1,000万円に到達するには、働き方を工夫する必要があります。

作業療法士の給与が上がりにくい理由は？

作業療法士の給与が上がりにくい理由としては、以下2つが考えられます。

• ・リハビリの料金が決まっているから
• ・作業療法士の数が増えているから

それぞれの理由について、詳しく解説します。

作業療法士が年収1,000万円を目指すには？

作業療法士として、年収1,000万円を超えている方はそう多くありません。では、作業療法士が年収1,000万円を目指すには、どうすれば良いのでしょう。相応の努力が必要なのはもちろん、雇用形態にこだわらないキャリアプランが大事です。

ここからは、年収1,000万円を目指すための方法をさまざまな視点から解説します。

大学教授を目指す

教育・研究の分野に携わる大学教授を目指せば、年収1,000万円に近づくことができるでしょう。大学教授になるためには、論文や学会発表の成果を認められ、さらに数少ない公募の採用枠を通過する必要があります。

なお、教授職に求められる役割を考えると、20～30代で採用されることはほとんどなく、教授として働けるのは若くても40代以降と考えるのが妥当です。大学教授を目指す場合は、将来的な採用に向けて長い目でキャリアプランを立てる必要があるでしょう。

独立・開業する

病院、介護施設などで培った作業療法士としてのスキルや経験を生かして、独立・開業する方法もあります。ただし日本の法律上、作業療法は医師の指示なく行うことができません。そのため、作業療法士が開業する際は、作業療法以外のサービスで新たに事業を立ち上げる必要があります。

整体院やリラクゼーションサロン、パーソナルトレーニングジム、美容サロンなどは、法律上の規制がない上に、特別な資格がなくても開業できるのでおすすめです。また、訪問看護やデイサービスを立ち上げたり、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師の資格を取得して接骨院や整骨院を開業するのも、1つの方法でしょう。

副業をする

副業は、うまく軌道に乗れば本業以上に稼げる可能性もあり、年収1,000万円を目指す方法として挑戦してみる価値は十分にあります。

作業療法士の資格を生かした副業としては、デイサービスや訪問看護などの「非常勤アルバイト」、専門知識を生かした「インストラクター」や「セミナー講師」などが挙げられます。また、「Webライター」の副業でも、専門職の立場から信頼性のある記事を作成できることが、アピールポイントになるでしょう。

作業療法士が年収を上げる方法

作業療法士の方のなかには、「収入は増やしたいものの、独立・開業したり、教壇に立ったりすることは考えていない」という方もいるでしょう。ここからは、もう少し手軽に年収アップを目指せる方法をお伝えします。

年収を上げるための方法を知り、日々できることを着実にこなしながら、やりがいを持って働きましょう。

スキルアップして昇進する

同じ勤務先で長く働きながらスキルを身につけ、昇給を目指すことでも年収アップは可能です。下記の表の通り、作業療法士の給与は、勤続年数が長くなるにつれて徐々に増える傾向があります。

（出典：厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査　結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html）

経験年数を積んでチームリーダーや主任などの役職につけば、役職手当などが発生する場合もあるでしょう。そのためには、リーダーシップやマネジメント力を身につけ、現在の職場に必要な人物になれるように意識して働くことが大切です。

なお、上記は残業手当などが含まれていないため、実際の年収は表よりも多くなります。

専門性を身につける

作業療法士としてより高い専門性を身につけ、求められる人材になれば、大幅な年収アップにつながる可能性もあります。

例えば、生涯学習制度を利用し「認定作業療法士」や「専門作業療法士」を目指すのも一案です。高度な専門性をもった人材として、多くの分野で活躍できるようになるでしょう。

より給与の高い職場に転職する

作業療法士の活躍の場は、医療機関だけではなく教育機関や行政といった分野にまで広がりを見せています。給与水準や諸手当などの金額は職場によってさまざまなため、自分の希望に合った分野、職場に転職するのも年収アップの方法です。

将来的にどのような分野で働きたいか、どのような働き方をしたいかなど、あらかじめ自分のキャリアプランを考え、プランと収入のバランスが取れた転職先を探しましょう。

まとめ

作業療法士に対する社会的な需要は大きく、市場は年々広がっています。「独立開業する」「スキルアップして昇進を目指す」「給与の高い職場に転職する」など、自分に合った方法を選んで、収入アップを目指してみましょう。

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※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

　

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