最短で作業療法士になるには?|ステージ別にルートを解説
作業療法士は、日常生活における食事、入浴、着替えといった「作業」に焦点を当てながら、心身のリハビリを行う専門職です。作業療法士になるには養成校で一定期間学び、作業療法士国家試験に合格する必要があります。できるだけ早く作業療法士として働き始めたい方は、短期間で卒業できる養成校を選び、国家試験の一発合格を目指しましょう。
この記事では最短で作業療法士になるためのルートについて、「社会人・大学生」「高校生」「中学生以下」という3つのステージごとに解説します。また、最短で作業療法士になるために心がけるポイントや、国家試験の概要・合格率なども紹介します。
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目次
最短で作業療法士になるには何年かかる?
作業療法士になるには、国が指定した作業療法士の養成校で専門課程を修了しなければなりません。
養成校には4年制の大学と3年制の短大、3・4年制の専門学校があり、養成校では医学に関する基礎科目や作業療法に必要な専門科目、臨床実習などを通じて幅広い知識・技術を身に付けます。最短で作業療法士を目指す場合は、3年制の専門学校か短大を選ぶのがよいでしょう。
ただし、作業療法士は国家資格であり、養成校を卒業するだけでは資格をもらえません。年1回の作業療法士国家試験に合格してようやく資格が得られるため、できるだけ早く作業療法士として働きたい方は、卒業年度の試験に一発合格できるように、授業や実習にしっかりと取り組む必要があります。
(出典:e-gov法令検索「理学療法士及び作業療法士法(昭和四十年法律第百三十七号)」/https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340AC0000000137)
受験資格や学費、学校の種類について解説
【ステージ別】最短で作業療法士になるための注意点
作業療法士は何歳からでも目指せる職業ですが、最短で働き始めたいなら、経歴や年齢によって注意すべき点が異なります。
ここでは、最短ルートで作業療法士になるための注意点について、「社会人・大学生」「高校生」「中学生以下」のステージ別に解説します。
社会人・大学生の場合
社会人や一般の大学に通う大学生が、最短で作業療法士を目指す際の注意点は、以下の通りです。
1 | 養成校で3年間勉強する |
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大学生の方は現在通っている大学を卒業した上で、最短3年間で卒業できる作業療法士養成校(短大・専門学校)に入学します。社会人の方も同様に、3年制の養成校に入学する必要があります。養成校のなかには夜間コースを設置している学校もあるため、働きながら勉強することも可能です。 |
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2 | 作業療法士国家試験に合格する |
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養成校で専門課程を修了した後、国家試験に合格すると作業療法士の資格を取得できます。試験は年1回、2月に実施され、3月に卒業見込みの方にも受験資格があります。不合格ならさらに1年間待たなければいけないため、できるだけ一発合格を目指しましょう。 |
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3 | 作業療法士として働く |
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作業療法士が活躍できる職場は、医療機関や高齢者福祉施設、児童福祉施設などさまざまです。 |
作業療法士は人と接する機会が多い仕事のため、社会人として身に付けたコミュニケーション能力や傾聴能力などを生かしやすい職業です。社会に出てから時間が経っている方も、作業療法士への転職に興味があれば、ぜひチャレンジしましょう!
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高校生の場合
高校に通っている方が、最短で作業療法士を目指す場合の注意点は、以下の通りです。
1 | 高校卒業後、養成校で3年勉強する |
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作業療法士の養成校に通う場合、あるいは国家試験を受験する場合には、高卒資格または高卒認定が必要です。高校を卒業した後に、3年間で卒業できる養成校に通いましょう。 |
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2 | 作業療法士国家試験に合格する |
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国家試験を受験し、合格すると作業療法士の資格が取得できます。社会人・大学生のケースと同様、できるだけ一発合格を目指しましょう。 |
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3 | 作業療法士として働く |
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作業療法士が活躍できる職場は、医療機関や高齢者福祉、児童福祉施設などさまざまです。 |
作業療法士になるために高校時代から力を入れたい科目は、数学、物理、生物といった理系科目と語学です。また、部活動やボランティア経験など、高校時代に頑張ったことが患者さまとのコミュニケーションに役立つ場面もあるでしょう。
受験に必要なこと、仕事で求められること
中学生以下の場合
中学生以下の方が、最短で作業療法士を目指す方法は、基本的に高校生から目指す場合と変わりません。進学先の高校は、普通科でも福祉科でも興味のある分野で大丈夫です。
作業療法士の仕事には専門知識や技能はもちろん、患者さまとよい関係を築き、他職種と協働していくためのスキル(協調性や共感力、根気強さ、コミュニケーション能力など)が必要です。中学生以下の方は、理系科目の勉強習慣を身に付けるとともに、日々の生活や部活動などを通じてさまざまな経験を積みましょう。
4つの領域と主な就職先を紹介
最短で作業療法士になるための2つのハードル
作業療法士の資格を最短で取得するには、いくつかのハードルを乗り越える必要があります。ここでは最も難しい2つのハードルを取り上げて解説します。
ハードル① 養成校を3年間で卒業する
2020年4月より、作業療法士の教育基準が改定され、養成校の卒業に最低限必要な単位数と履修時間数が増加しました。
総単位数は、現行の93単位に必要な教育内容を追加し、101単位以上とする。また、見直しに併せて、各学校養成施設で必ず教育するべき内容を追加する。
(2)最低履修時間数について
最低履修時間数として、理学療法士は3,120時間、作業療法士は3,150時間を設定する。
(引用:厚生労働省「理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会報告書」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000193703.pdf)
それにともなって、3年間で卒業できる養成校の数は減少しつつあります。場合によっては、通えるエリアに3年制の学校が見つからないかもしれません。また、今のところ3年制を維持している学校でも、将来4年制に変更される可能性があるため、進路を決める際によく確認しましょう。
一般的に3年制の養成校は、4年制の学校よりもカリキュラムや実習が短期間に詰め込まれています。卒業に必要な単位数などが増えたことで、学習スケジュールがやや過密になるため、3年制を選ぶ場合は早いペースについていく努力が必要となるでしょう。
(出典:一般社団法人 日本作業療法士協会「作業療法士養成校一覧(2023年度)」/https://www.jaot.or.jp/pre_education/youseikou/)
ハードル② 一発で国家試験に合格する
厚生労働省の資料によれば、2023年における作業療法士国家試験の合格率は83.8%でした。新卒者に限れば91.3%が合格しています。
出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
作業療法士 | 5,938人 | 5,719人 | 4,793人 | 83.8% |
(うち新卒者) | 4,983人 | 4,809人 | 4,390人 | 91.3% |
(出典:厚生労働省「第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について」/https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2023/siken08_09/about.html)
合格率としては高い水準ですが、見方を変えれば養成校で3年以上学んだ方のうちの1割弱が不合格だったと言えます。1年に1度のチャンスを無駄にしないためにも、計画的に勉強を進めることが大切です。
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作業療法士国家試験の概要
作業療法士国家試験は、北海道・東京・大阪・福岡など全国8か所の試験会場で毎年2月に行われます。出願できる期間や必要書類については、早めに確認しておきましょう。
試験は午前と午後に分かれており、計320分の間に一般問題と実地問題をマークシート方式で解いていきます。
合格発表は例年3月下旬頃に行われ、厚生労働省ホームページに受験番号が掲載されます。
(出典:厚生労働省「作業療法士国家試験の施行」/https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/sagyouryouhoushi/)
国家試験で出題される内容
作業療法士国家試験では、作業療法士になるための基礎的な知識を問う一般問題と、事例をもとにした実地問題が出題されます。
2023年度の第58回作業療法士資格試験では、総得点の約60%、かつ実地問題の約35%が合格ラインでした。
[作業療法士国家試験]
一般問題を1問1点(158点満点)、実地問題を1問3点(120点満点)とし、次の全てを満たした者を合格とする。
・総得点 167点以上 / 278点中
・実地問題 43点以上 / 120点中
(引用:厚生労働省「第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について」/https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2023/siken08_09/about.html)
一般問題をすべて正解したとしても、実地問題で一定以上得点できなければ不合格となる点に注意してください。
最短で試験に合格するには、どのような問題が出題されるのか知り、事前に対策しておくことが大切です。以下の表は、厚生労働省の資料を参考に作業療法士試験の出題基準をまとめたものです。
【作業療法士国家試験の出題基準】
・人体の構造と機能及び心身の発達
・疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進
・保健医療福祉とリハビリテーションの理念
◆作業療法士の専門分野
・基礎作業療法学
・作業療法管理学
・作業療法評価学
・作業療法治療学
・地域作業療法学
・臨床実習
(出典:厚生労働省「令和6年版理学療法士作業療法士国家試験出題基準について」/https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000163627_00001.html)
「専門基礎分野」は解剖学、生理学、運動学、リハビリテーション概論、病理学などを含み、理学療法士国家試験と共通の内容です。
作業療法士の専門分野では、作業療法士として必要な知識および技能について出題されます。
合格発表と合格率(58回)
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まとめ
最短で作業療法士になりたい方は、3年制の作業療法士養成校(短大・専門学校)を卒業し、作業療法士国家試験に一発合格する必要があります。ただし、3年間で卒業できる養成校は限られています。また、大学生が4年かけて行う受験準備を3年で済ませることになるため、効率的に勉強する必要があるでしょう。
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※当記事は2023年6月時点の情報をもとに作成しています
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