作業療法士が1年目で活躍するポイント|辞めたい時の考え方も

更新日 2024年02月22日 公開日 2022年02月24日

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作業療法士は、患者さまのリハビリテーションを行う医療系の専門職であり、特定のカリキュラムを経て、国家資格を取得した人のみが就ける仕事でもあります。みなさんのなかにも、無事に資格を取得し、これから作業療法士1年目を迎えるという方がいらっしゃるのではないでしょうか。

1年目の作業療法士は、実務でしか得られない知識やスキルを培っていけるため、やりがいを感じることが多い反面、仕事に慣れていないからこその悩みを抱え、「つらい」「辞めたい」と考えてしまうこともあります。

そこで今回は、1年目の作業療法士の方が現場で活躍するためのポイントを紹介していきます。作業療法士としての知識・技術を深め、理想のキャリアプランを見据えた上で2年目を迎えるためにも、ぜひ参考にしてください。

併せて「つらい」と感じる主な理由や、今の職場を「辞めたい」と思った時にどうするかについても解説していきますので、ポイントを踏まえた上で悩みを解決していきましょう。

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作業療法士として1年目から活躍するために意識するべきこと

作業療法士として1年目から活躍するには、いくつかのポイントを意識して業務に当たることが重要です。

  • ・研修プログラムをマスターする
  • ・患者さまに合わせたリハビリ技術を身に付ける
  • ・先輩から積極的にアドバイスをもらう

ここからは、意識するべきそれぞれのポイントについて、詳しく解説します。

研修プログラムをマスターする

新人の作業療法士は、多くの場合、日本作業療法士協会が実施する研修プログラムを推奨されます。

勤務先が作業療法士協会に加入していないケースもありますが、その場合は、病院独自に新人向けの研修会や勉強会を実施していることがほとんどです。

研修プログラムでは、作業療法士として働く上で必要な知識や経験を学びます。内容をマスターすることで、作業療法士としての基礎が固まるため、まずは研修プログラムにしっかり取り組むようにしましょう。

また、協会のプログラムでは、他組織の作業療法士との意見交換や交流の機会も設けられています。さまざまな考え方や情報に触れることは、作業療法士としての幅を広げるチャンスでもあるため、積極的に参加すると良いでしょう。

患者さまに合わせたリハビリテーション技術を身に付ける

患者さま一人ひとりに合わせたリハビリテーション技術を身に付けることも、作業療法士として働く上での大事なポイントです。

リハビリテーションを必要とする理由や症状の程度は、患者さまによって異なります。さらに、患者さまそれぞれに性格も異なるため、相手に合わせてアプローチすることは非常に重要です。

また、患者さまは「自分の症状はちゃんと回復するのだろうか」と不安な状態でリハビリテーションを受けるケースもあります。そのため、患者さまへの寄り添い方を工夫することも、ポイントの一つと言えるでしょう。患者さまの悩みに共感する姿勢を持ちつつ、安心感を与えるようなコミュニケーションを心がけてください。

先輩から積極的にアドバイスをもらう

1年目の作業療法士は、スキル不足に直面したり、患者さまの精神状態に引きずられて、自分自身も落ち込んだり、悩んだりすることもあるかと思います。そういう時に気持ちを立て直し、より効率よく現場の仕事を覚えていくには、先輩に悩みを相談し、積極的にアドバイスをもらうことが大切です。多くの経験を積んできた先輩からのアドバイスに耳を傾けることで、さまざまな気付きを得られるでしょう。

また、先輩からのアドバイスを聞くだけでなく、先輩の技術を見て学ぶことも重要です。「なぜ先輩はこのようにしているのか」「このケースではどういったアプローチが有効なのか」など、自分の頭で考えながら知識・技術を磨いていきましょう。

勤務先によっては、新人の職員に対して、担当の先輩職員がマンツーマンで教育や指導を行うプリセプター制度を導入しているケースもあります。教育・指導を行うプリセプターは、1年目の一定期間だけ付く場合がほとんどのため、気になることがあれば積極的に質問するようにしましょう。

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1年目の作業療法士が「つらい」と感じる主な理由

作業療法士として働き始めると、希望の職場で活躍できることが喜ばしい反面、「つらい」と感じる場面もあります。新人の作業療法士の方からよく相談される内容としては、下記のようなものが挙げられます。

  • ・精神的な負担がかかりやすい
  • ・患者さまとのコミュニケーションが難しい
  • ・職場の人間関係・勤務環境が悪い

ここからは、それぞれの理由をより具体的に解説しましょう。

精神的なストレスがかかりやすい

新しい環境に慣れるまではストレスがかかりやすく、「仕事に楽しさを感じられない」というケースが多くなります。また、社会人として現場に出ると、人間関係や働き方、患者さまへの対応など、慣れなければならない要素ばかりで、学生時の実習とは違った難しさや厳しさを実感することもあるでしょう。

加えて、作業療法士は病気を患っている方や高齢者の方のリハビリテーションも担当するため、「死」と直面することが避けられない仕事です。そして、仕事だからと割り切っているつもりでも、担当していた患者さまが亡くなると、精神的なダメージを抱えてしまうかもしれません。そんな時は、自分が慣れない環境で新人として頑張っている状況だということを忘れずに、患者さまだけでなく、自分自身の気持ちもきちんといたわるようにしてください。

患者さまとのコミュニケーションが難しい

作業療法士は、障害の影響や精神的な落ち込みによって、うまく会話ができない患者さまと関わることもあります。そのため、慣れないうちは「自分は患者さまとうまくコミュニケーションがとれない」と悩む場面も多いでしょう。

また、患者さまとの間に年齢差があって、言うことを聞いてもらえなかったり、事故や病気のショックで患者さまが心を開いてくれなかったりして、作成したプログラムを受け入れてもらえないケースもあります。

そんな時は、患者さまときちんと向き合い、丁寧に説明を繰り返したり、プログラムを考え直したりすることが大切ですが、何度も続くと患者さまとのやりとりを負担に感じることにもなりかねません。

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職場の人間関係・勤務環境が悪い

ここまで紹介した事例の他に、職場の人間関係 や環境が悪いために「つらい」と感じるケースもあります。

独立行政法人労働政策機構・研修機構が、「初めての就職先を離職した理由」について調査したところ、下記のような結果となりました。

【男性】
・労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(31.2%)
・賃金の条件がよくなかった(22.6%)
・キャリアアップ(17.6%)
・肉体的・精神的に健康を損ねた(29.7%)
・人間関係がよくなかった(26.9%)
・会社に将来性がない(19.0%)
・自分がやりたい仕事とは異なる内容だった(26.9%)
・仕事が上手くできず自信を失った(25.8%)
・希望する条件により合った仕事が他に見つかった(15.8%)
【女性】
・労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(38.1%)
・賃金の条件がよくなかった(24.5%)
・キャリアアップ(9.6%)
・肉体的・精神的に健康を損ねた(36.1%)
・人間関係がよくなかった(39.4%)
・会社に将来性がない(17.2%)
・自分がやりたい仕事とは異なる内容だった(27.2%)
・仕事が上手くできず自信を失った(31.5%)
・希望する条件により合った仕事が他に見つかった(12.9%)
・結婚・出産のため(15.6%)

(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成 II」/https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2020/documents/221.pdf

調査結果を見ると、初めての就職先を離職した理由として多いのは、男女ともに人間関係や勤務環境であることがわかります。

職場によっては、労働時間の長さや仕事量の多さなどが生活に支障をきたし、ワークライフバランスの維持が難しくなる場合もあります。また、作業療法士はチームで連携しながらリハビリを行うことも多いため、施設内の人間関係が悪いと、必然的に「つらい」と感じることが多くなってしまうでしょう。

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1年目で作業療法士を「辞めたい」と思ったらどうするべき?

ここまで見てきたような理由から、1年目で作業療法士を「辞めたい」と思った場合は、どうするのが正解なのでしょうか。

独立行政法人労働政策機構・研修機構の調査によると、大卒新卒者の7.7%は新卒で勤めた職場を1年以内に退職しています。さらに、医療・福祉における 新規学卒就職者の3年以内離職率は、46.2%と高い数値です。

(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成 II」/https://www.jil.go.jp/institute/research/2019/documents/191.pdf

(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します」/https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00004.html

およそ10人に1人の大学生が1年以内で職場を辞めていますが、なかでも医療・福祉の業種は離職者が多く、1~3年以内の退職は決して珍しい話ではありません。

こうしたデータを踏まえると、1年目で作業療法士を辞める道を選ぶことも、選択肢の一つだと言えます。ただし、辞めることには一定のリスクもあるため、きちんと考えた上で退職を決断することが重要です。

最後に、1年目の作業療法士が「辞めたい」と感じた時にするべきことを紹介します。

辞めたい理由を紙に書き出して整理する

作業療法士を「辞めたい」と思ったら、まず辞めたい理由を紙に書いてみましょう。理由を書き出すことは、仕事に関する今の悩みを客観的に見つめ直すことにつながります。また、衝動的に「辞めます」と職場に伝えてしまわないためにも、一度立ち止まって考え直す時間は大切です。

作業療法士を辞めたい理由が人間関係や業務内容である場合、人事異動や担当業務の変更などにより、悩みが解決する可能性もあります。職場内の誰かに相談できる場合は、現在の状況を改善するために、勇気を出して相談してみましょう。

職場の方に相談しにくければ、マイナビコメディカルのような転職エージェントサービスを利用するのも1つの方法です。専任のキャリアアドバイザーが辞めたい理由や自身の長所などを洗い出し、一緒に今後のキャリアプランを考えてくれるので、自分の現状と将来を冷静に見つめ直すことができるでしょう。

なお、転職エージェントサービスは、転職に踏み切ろうとしていない状況でも、無料で相談することが可能です。

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作業療法士として「職場」を変える

作業療法士は、働く施設のジャンルや形態によって働き方が大きく異なります。そのため、他の施設に転職することで悩みが改善されたケースも多く存在します。「辞めたい」と思った時は一度立ち止まって、作業療法士そのものを辞めたいのか、作業療法士として違う職場に転職したいのかをじっくり考えてみましょう。

これまで培った知識やスキルを生かしつつ、医療機関以外の職場で働きたいのであれば、介護や福祉などの職種に就く方法もあります。

第二新卒として異業種に転職する

作業療法士や関連職ではなく、まったく異なる業種に転職することももちろん可能です。

第二新卒であれば、新しい分野への挑戦も十分に間に合うため、広い視野でのキャリア設計ができるでしょう。業種や仕事内容が限定されない分、選択肢が広がることもメリットです。

異業種に転職する際は、自分が作業療法士を「辞めたい」と思った理由も踏まえて検討すると良いでしょう。理由を具体的に明確化することで、転職先に求める条件も見えてくるはずです。

辞めたいと思った理由
「残業が多く、休日数も少なかった」
「給与に関する条件が悪かった」
転職先に求める条件
「残業が少なく週休2日制の企業」
「給料・賞与の条件が良い企業」

また、作業療法士は医療や介護分野だけでなく、リハビリ関連の機器を扱う企業でも働くことができます。企業で働きたいと考えているのであれば、作業療法士の実務経験が役立つ企業の求人にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

作業療法士として1年目から活躍するには、研修プログラムをマスターすることや、患者さまに合わせたリハビリ技術を身に付けること、先輩から積極的にアドバイスをもらうことなどを意識して業務に取り組むのが大事です。

もし、1年目から作業療法士を「辞めたい」と思った場合は、辞めることのリスクを理解したうえで、作業療法士や関連職、企業など幅広い視野で転職を検討してみると良いでしょう。

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※当記事は2022年5月現在の情報をもとに作成しています

著者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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