女性の臨床工学技士の将来性は?結婚や出産後も活躍できる働き方も

更新日 2022年11月11日 公開日 2022年07月14日

#情報収集 #転職検討/準備

臨床工学技士は医療と工学、双方の知識を生かして、高度かつ複雑な医療機器の操作や保守点検を専門的に行うスペシャリストであり、チーム医療に欠かせない存在です。女性の臨床工学技士(女性技士)が長期的に働く場合、仕事の将来性や勤務形態はどうか、結婚・出産後も仕事を続けられる環境かなどは、職場の選択において非常に重要な要素になります。

今回は、女性の臨床工学士が置かれている現況・将来性や、臨床工学技士として働くメリット・デメリットを解説します。臨床工学技士として長く活躍できる職場を選ぶ方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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女性の臨床工学技士の現況・将来性

透析室や手術室、集中治療室など、患者さまの命に直結する現場で、重要な医療機器の操作・保守を担う臨床工学技士は、現代医療において欠かすことのできない存在です。

臨床工学技士の国家資格は、1988年に設立された制度ですが、資格制度の発足直後は工学系の学生に女性が少なかったこともあり、臨床工学技士有資格者数のほとんどを男性が占めていました。

価値観の多様化や職域の拡大が進む近年は、徐々に女性の臨床工学技士も増えています。とはいえ、就業中にある臨床工学技士の男女比は、現状で3:1程度。就業する施設の業務や勤務形態によっては、いまだに男性技士の割合が多い職場も少なくありません。

しかし、患者さまによっては女性技士による対応が求められるケースもあり、女性が働きやすい待遇や制度を整える医療機関も増加傾向にあります。また、臨床工学技士を目指して養成機関で学ぶ女性の割合も増えつつあるため、今後は女性技士のさらなる活躍が期待されています。

下記は、臨床工学技士と医療現場で協業することの多い医療職種の平均年収比較(男女計・女性)です。なお、臨床工学技士の平均年収は求人情報サイトの情報から算出した金額、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の平均年収は厚生労働省のデータに基づいた金額となっています。

男女計 女性
臨床工学技士 約300万~450万円 約330万~416万円
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
視能訓練士
約419万円 約397万円

(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

このデータからわかる通り、臨床工学技士は性別による年収の開きはなく、他職種とも大きな年収差は見られません。ただし、臨床工学技士の年収は、担う業務や勤続年数などによって個人差があるため、この数字はあくまで参考程度にお考えください。

【関連リンク】臨床工学技士の魅力・仕事内容から
必要となる資格の取得方法まで

女性が臨床工学技士として働くメリット・デメリット

女性が臨床工学技士として働く場合の代表的なメリット・デメリットは、下記の通りです。

  • ●メリット

    女性技士には、物腰の柔らかい対応や相手の心情に寄り添った対応ができる方が多いことから、治療の際に患者さまが安心しやすい傾向にあります。特に産婦人科では、男性技士よりも女性技士の対応を好む患者さまが少なくありません。

    また、子どもが懐きやすいことから、小児科でも女性技士が重宝される場面が多いようです。このように、さまざまな職場で一定数の需要があることは、女性が臨床工学技士として働くメリットといえるでしょう。

  • ●デメリット

    臨床工学技士の仕事内容は、勤務する医療機関の診療内容ごとに異なります。大がかりな手術や救急医療に携わる場合は、患者さまの容態や入院状況によって突発的な残業が発生する可能性も高いでしょう。

    職場によっては早朝・夜間勤務や土日祝日の勤務が発生する場合もあります。

臨床工学技士は結婚後も仕事を続けられる?

臨床工学技士は、結婚・出産後も仕事を続けることが可能な職業です。女性が臨床工学技士として長く働き続けられる理由には、以下の3つがあります。

  • ●現場戦力としての女性技士の需要が高まっている

    臨床工学技士の仕事を行うにあたり、女性特有の細やかさが求められるケースは少なくありません。また、男性技士だけの職場よりも、男性技士・女性技士がバランスよく在籍しているほうが、お互いの長所を生かしやすい傾向にあるといわれています。

    現場戦力としての重要性が認められるようになったことで、女性技士を積極的に採用する医療機関も増えています。

  • ●産休・育休の取得実績のある医療機関が増えている

    社会に進出する女性の増加に伴って、臨床工学技士の女性にとっても働きやすい環境が整備されつつあります。そうしたなか、産休や育休、子育てへの支援といった制度の充実を図る職場も増えてきました。また、日本臨床工学技士会の「ワークライフバランス委員会」では、「両立支援ガイドブック」の配布を行うなど、積極的に臨床工学技士の産休・育休取得を支援しています。

    女性の社会進出が進み、経営者にも女性が増えることで、より働きやすい環境が整う可能性もあるでしょう。

  • ●ライフスタイルに合わせた働き方を選べる

    臨床工学技士の業務領域は幅広く、医療施設や担当する医療機器によって待遇や勤務形態もさまざまです。保育施設を併設する職場や、時短勤務に対応する職場、家庭との両立に理解のある職場も珍しくないため、より多くの業務をこなせる方の場合は、希望する働き方をかなえやすくなるでしょう。

臨床工学技士が関わる医療の知識や技術は、日々進歩し続けています。結婚や産休・育休後も臨床工学技士として仕事を続けるためには、常に最新の知識や技術を取り入れる努力を怠らないことが大切です。

【関連リンク】臨床工学技士の平均給料は?
収入アップの方法や仕事の将来性も解説

臨床工学技士として長く活躍できる職場に就職・転職する方法

臨床工学技士として長く活躍できる職場に就職・転職する方法として、下記のような選択肢が挙げられます。

  • ●日中勤務のみの透析クリニックで働く
  • ●アルバイト・パートとして働く
  • ●託児施設が併設されている医療機関で働く

ここからは、臨床工学技士として長く活躍できる職場に就職・転職する方法について詳しく解説します。

日中勤務のみの透析クリニックで働く

女性が臨床工学技士として長く働ける職場の一つに、日中勤務のみの透析クリニックがあります。透析クリニックの場合、シフト制の勤務形態をとる職場が多いため、夜間に透析業務を行わないクリニックであれば、夜勤が発生することはありません。

また、日中勤務のみのクリニックであれば残業も少なめです。保育園の送り迎えなどに不便が生じにくく、生活時間も安定することから、仕事と子育てを両立しやすい傾向にあります。長期的に働ける職場を探す際には、産休や育休からの復帰も視野に入れて、日中のみ透析業務を行っているクリニックを候補に入れると良いでしょう。

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アルバイト・パートとして働く

近隣エリアに日中勤務のみの病院や透析クリニックがない場合は、アルバイト、パートといった働き方も候補に挙げられます。

知識の変化や技術の進歩が激しい医療業界では、実務経験者でも職歴に空白期間があると職場への復帰が不利になることも考えられます。たとえ短時間であっても臨床工学技士としての勤務を続けていれば、最新の医療知識・技術から取り残されたり、業務の勘を失ったりする事態を防げるでしょう。

臨床工学技士はアルバイトやパートの募集が多い傾向にあります。将来的にも臨床工学技士として働き続けることを希望する場合は、正職員にこだわらず、アルバイトやパートといった雇用形態も視野に入れましょう。

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託児施設が併設されている医療機関で働く

結婚・出産を視野に入れている場合、託児施設が併設されている医療機関に絞って、就職・転職先を探すのも一つの方法です。

ただし、医療機関によっては託児施設を利用できるスタッフに制限を設けているケースもあるため、注意が必要となります。臨床工学技士も併設されている託児施設を利用できるか、一時預かりや夜間預かりにも対応可能かなどについては、必ずチェックしましょう。

託児施設が併設されている医療機関は、比較的規模が大きい傾向にあります。大規模な施設では、年収や福利厚生などの待遇に期待できる反面、夜勤や残業が発生することも少なくないため、託児施設の併設以外の子育てへの支援についても、きちんと確かめてから職場を選ぶと良いでしょう。

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まとめ

女性の社会進出が進むなか、チーム医療の現場に欠かせない臨床工学技士も徐々に女性技士の比率が増えています。また、女性技士には物腰が柔らかく、細やかな心遣いができる方が多いことも、医療現場においてニーズが高まっている要因でしょう。

もともとは男性が多かったこともあって、すべての職場で「女性が働きやすい環境が整っている」とはいえませんが、女性の働きやすさを重視した職場環境の整備が進んでいることも確かです。日々の研さんを怠らず、希望に合う職場を吟味した上で就職・転職をすれば、臨床工学技士として長く活躍できることでしょう。

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