臨床工学技士に多い退職理由は?転職成功のポイントも解説
臨床工学技士は、チーム医療が推進されている現代の医療現場において、重要な役割を果たす職業です。しかし、現場で活躍している臨床工学技士のなかにも、理想と現実のギャップから「辞めたい」「転職したい」と考える方はいます。「臨床工学技士が自分に合っているのかわからない」「今の職場に感じている不満は、どれくらい一般的なのだろう」といった疑問がある場合は、臨床工学技士を退職した方の理由を参考にしながら、今後の働き方を考えてみましょう。
今回は、臨床工学技士の主な退職理由について紹介します。臨床工学技士が転職を成功させるポイントも解説しますので、転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
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目次
臨床工学技士の主な退職理由【新人】
厚生労働省の調査によると、臨床工学技士を含む医療・福祉分野における離職率は14.4%です。
(出典:厚生労働省「2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/20-2/dl/gaikyou.pdf)
臨床工学技士の退職には、職場環境や仕事内容など、さまざまな理由が考えられます。臨床工学技士としての経験が浅い場合、慣れない環境で覚えることが多く、本当に適職なのか疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、新人の臨床工学技士に多く見られる主な退職理由について解説します。
人間関係になじめなかった
新人の臨床工学技士に多い退職理由の1つが、人間関係の難しさや職場の雰囲気の悪さです。苦手な上司や同僚に対して上手く対応できる方もいれば、ストレスをためて体調を崩してしまう方もいます。
働くうちに人間関係や職場の雰囲気に順応できる可能性もありますが、ストレスが原因で日常生活に支障が出ている場合は、退職・転職を含めた対応を検討するのも良いでしょう。職場がピリピリしていても仕事にやりがいを感じている場合は、臨床工学技士という職種は変えずに、他の職場への転職を考えるのも一案です。
関わる領域が広く大変だった
仕事内容の難しさや負担の大きさも、臨床工学技士が退職を考える理由の1つ。臨床工学技士の多くは主に人工透析業務(血液浄化業務)を行いますが、職場によっては下記の業務も行うことがあります。
- ・呼吸治療業務
- ・心臓カテーテル業務
- ・手術室業務
- ・医療機器管理
- ・消化器内視鏡業務など
関わる領域が広くなると、必要とされる知識・スキルも増大します。勉強量が増えて仕事の負担が大きいと感じる方もいるでしょう。
また、臨床工学技士になっても、職場によっては自分が興味のある業務に携われないことがあり、そうした理想と現実のギャップが退職につながることもあります。
将来性がないと感じた
臨床工学技士は、総合病院や透析クリニック、医療機器メーカーなど、さまざまな医療現場や企業で専門知識を生かせる資格です。しかし、特に病院やクリニックで働く臨床工学技士の中には、将来性がないと感じる方もいるようです。
臨床工学技士が将来性を不安視する理由は、職場における立場が弱いことがあるためです。臨床工学技士には、看護師や理学療法士のような独占業務はありません。つまり、法的には臨床工学技士の業務は他職が肩代わりできます。また、医療系の国家資格のなかでは比較的歴史が浅く、知名度も高くないといえます。
とはいえ、医療機器のスペシャリストである臨床工学技士の業務は高い専門性が求められ、いまやチーム医療には欠かせない存在。適切な就職先を選べば、知識と経験を生かしたステップアップが十分に期待できます。
おすすめの職場や辞める時期を解説
臨床工学技士の主な退職理由【ベテラン】
退職や転職を考えるのは、新人の臨床工学技士だけではありません。ベテランの臨床工学技士の場合、ライフプランやキャリアプランを考えたタイミングで退職を決める方が多いようです。
ここでは、経験豊富なベテランの臨床工学技士が退職を決めた主な理由について解説します。
オンコールがありプライベートが制限される
ベテランの臨床工学技士が退職を考えるきっかけの1つが、オンコール体制です。病院やクリニックで働く臨床工学技士は、通常業務が終わってもオンコール(勤務時間外の緊急呼び出し)があれば対応する必要があります。その場合は、急いで職場に駆けつけなければならず、仕事とプライベートとの線引きが難しいことに悩みを抱く方もいるでしょう。
オンコール担当の日でも、連絡がつく状態であれば、基本的には自由に過ごすことができます。しかし、「オンコール=患者さまの命に関わる緊急事態」であるため、呼び出しがあればできるだけ早く出勤する必要があります。
そのため、オンコールに対応するために職場の近くで暮らしたり、プライベートの行動に制限をかけたりするケースも珍しくありません。長く臨床工学技士として働く中で、心身への負担が蓄積し、仕事を辞めたいと考える方もいます。
別の業務にチャレンジしてみたい
臨床工学技士の仕事は、職場によって領域や業務内容がさまざまです。任せられる仕事の領域が狭い職場では業務がルーティン化しやすくなります。キャリアアップを目指したい方にとって、幅広い業務にチャレンジできる職場かどうかは大きなポイントになるでしょう。
また、勤務年数が長くなるにつれて、「新たな経験やスキルを積んだほうがいいのではないか」と悩む方もいます。別の業務にチャレンジしてみたい方は、希望する業務を行える職場に転職すると、やりがいを感じながら働くことができるでしょう。
昇給が見込めなかった
就職先が昇給を見込めない職場環境であることも、ベテランの臨床工学技士が退職を考える理由の1つ。臨床工学技士には独占業務がないため、職場の環境次第で待遇や昇給の有無に大きな差がつきます。
実績や固定で昇給する職場もありますが、多くの職場では役職がつくまで昇給が見込めません。主任や技士長など現場を管理する立場を目指したくても、すでにポストが埋まっている場合は昇格が難しいでしょう。
そのため、昇給アップが見込めない職場で働き続けるよりも、転職で環境を変えたほうが効率よく稼げると考える方もいます。
収入アップの方法や仕事の将来性も解説
臨床工学技士は向き・不向きがある?
臨床工学技士が退職後のキャリアを考える場合、大事なポイントは「自分が臨床検査技師に向いていると思うか、向いていないと思うか」です。自分が臨床工学技士に向いていると感じるなら、臨床工学技士として自分の希望に合う職場に転職するのがおすすめです。一方、臨床工学技士に向いていないと思う場合は、仕事がうまくいかない理由を見つけて改善を図ってみましょう。臨床工学技士の仕事にこだわらないのなら、自分の力を発揮できそうな他の職種に転職するのも1つの方法です。
下記は、臨床工学技士に向いている方・不向きな方の特徴をまとめた表です。
向いている方の特徴 | 不向きな方の特徴 |
---|---|
・人を助けたいという思いが強い ・人とのコミュニケーションが得意 ・好奇心旺盛で向上心がある |
・冷静な判断や対処が苦手 ・注意力に自信がない ・待遇面を特に重視する |
臨床工学技士の仕事は、患者さまの命に関わる業務が中心。そのため、人を助けたいという思いや冷静な判断力、高い注意力が求められます。また、職場のスタッフと連携したり患者さまと信頼関係を築いたりするには、コミュニケーション能力も必要です。
待遇面を重視する方は「プライベートの時間を確保できない」「仕事内容に見合った給与がもらえない」という悩みにつながる可能性があるため、慎重に検討しましょう。
臨床工学技士が理想の職場に転職するには?
臨床工学技士として理想の職場に転職するためのポイントは、下記の3つです。
- ・仕事に求める条件を明確にまとめる
- ・転職支援サービスを利用する
- ・自分の強みを生かせる職場を探す
待遇・やりがい・スキルアップなど、自分が仕事に求める条件を明確にすることで、求人情報を絞り込みやすくなります。自己分析をもとに、自分の長所や得意分野を生かせる職場を探しましょう。
自分ひとりで転職活動を行うことに不安がある方は、転職支援サービスの活用がおすすめです。
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まとめ
臨床工学技士の転職理由は、「職場の雰囲気が悪い」「プライベートが制限される」などさまざまです。臨床工学技士の仕事には向き・不向きがありますので、向いていないと感じる場合は他の職種への転職も検討しましょう。他の職場で臨床工学技士の仕事を続けたい場合は、仕事に求める条件を明確にした上で、自分の強みを生かせる職場を探すことがポイント。
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