臨床工学技士の魅力・仕事内容から必要となる資格の取得方法まで

最終更新日:2021年12月27日
 公開日:2019年8月26日

チーム医療の中で、最も医療機器に長けている臨床工学技士は、現代医療に必要不可欠な職種です。しかし、臨床工学技士は高度な医療機器を扱うため、医療機器の正しい操作方法や仕事内容について、しっかりと把握しておく必要があります。

そこで今回は、現代医療を支える医療機器のスペシャリストである臨床工学技士の魅力や、主な仕事内容、臨床工学技士になる方法について紹介します。臨床工学技士を目指している方は、ぜひ当記事を参考にしてみてください。

1. 将来性のある職業として人気の臨床工学技士とは?

臨床工学技士は、人の呼吸や循環、代謝などの生命の維持に直接関わる機能の代行をしたり、補助したりする生命維持管理装置の操作を行う職業です。生命維持管理装置の中には、人体に影響を与えるものもあるため、装置を常に安全に使用することができるよう、メンテナンス業務も行っています。

生命維持管理装置の管理業務は、医師の指示がなくても行うことができます。しかし、生命維持管理装置を操作する際は、医師の具体的な指示がなければ受けられないため、注意が必要です。

臨床工学技士の魅力・やりがい

臨床工学技士は、多くの医療機器を取り扱うため、幅広い知識や技術が求められます。そのため、臨床工学技士の仕事は決して容易なものではありません。しかし、以下のような点に魅力・やりがいを感じて臨床工学技士として活躍している方たちがいます。

・人の命を救う一助になる
・最先端の医療機器が扱える
・診療科や急性期・慢性期病院問わず治療に関与できる
・医療機器に関する知識を持てる
・チーム医療の一員として活躍できる
・活躍できる場が幅広くある
・研究者になるなどの将来性がある

臨床工学技師は、常に新しい技術や考え方に触れられることが最大の魅力です。新しい医療機器が次々と誕生しているため、最先端の医療機器を取り扱うための知識や技術を身に着けることができます。

また、特定の医療機器に縛られず、検査・治療・処置など、あらゆる場面で必要となる医療機器を取り扱うことも魅力の1つです。努力次第では研究者や教育者など、活躍の場を大きく広げることができるでしょう。

2. 臨床工学技士の仕事内容

臨床工学技士が扱う医療機器は、勤務先の診療科や施設の規模によって、仕事内容が異なります。そのため、使用する医療機器の取り扱いや、仕事の進め方をしっかりと理解した上で、チーム医療の一員であることを意識して仕事を行うことが重要です。

今回は、臨床工学士が担う仕事を7つ紹介します。臨床工学技士を目指している方には、必見の情報です。

血液浄化業務

血液浄化業務は、腎臓が十分に機能していない患者の体内に溜まっている老廃物を体外へ排泄させる仕事です。血液を浄化させる方法には、血液透析療法や血漿交換療法、血液吸着法などが存在します。

血液浄化業務では、穿刺や人工透析装置の操作も行います。血液浄化業務を担当する場合は、主に透析室に勤務することとなります。基本的な業務内容は、回路の組み立てや穿刺・返血、透析中の装置や血圧の確認です。医療機関の中には、人工透析を専門とするクリニック・病院も多いため、人工透析装置の操作・管理・メンテナンスのみを担当する臨床工学士もいます。

呼吸治療業務

呼吸治療業務は、患者に取り付けられた人口呼吸器が問題なく稼働しているかをチェックしたり、人工呼吸器の保守点検によるメンテナンス・管理をしたりする仕事です。

人口呼吸器は、病室だけでなく、集中治療室や手術室でも使用されているため、臨床工学技士の仕事の中でも重要な仕事といえます。

人工呼吸器は、正常に働かなくなった肺の代わりに取り付ける機器のため、日頃から不具合が起こらないよう徹底管理することが大切です。

人工心肺業務

心臓手術を行う際は、心臓に流れる血液の循環を体外で管理する必要があります。心臓に流れる血液を体外で管理するために使用する体外循環装置(人工心肺)は、ただ装置を患者に繋げれば良いわけではありません。人工心肺回路は、患者の体に合ったサイズを使用しなければならないため、専門的な知識や的確な判断、操作が求められます。

人工心肺業務で使用する医療機器は、正しく操作しなければ人工心肺の回路内で血液が凝固するといったトラブルに発展する恐れがあるため、長時間集中力を保つことが重要です。

高気圧酸素業務

一酸化炭素中毒や急性の心筋梗塞などで、突然血中の酸素濃度が低下してしまうことがあります。そのような状態に陥った場合、血中の酸素濃度を素早くアップさせるために、高気圧酸素治療装置を操作します

酸素濃度を大気圧の2倍ほどに上げた高気圧酸素治療装置で、患者を安静にさせることで、患者の血中にある酸素濃度をアップさせることが可能です。

高気圧酸素療法は、体内の低酸素状態を改善が期待できる他、末梢循環の改善や抗菌効果が期待できます。

集中治療業務

集中治療業務では、呼吸や循環などが急性機能不全に陥った重篤な患者に、生命維持管理装置を使用して、24時間体制で治療・管理を行います

ただし、PCPS(経皮的心肺補助)による心臓のポンプ機能の補助や、持続透析装置による血液浄化は、患者の状態に合わせ使用する装置が異なります。そのため、集中治療業務を行う際は、患者の状態をしっかりと見極めることが重要です。

心血管カテーテル業務

心血管カテーテルの検査業務では、動脈圧・心電図・動脈血酸素飽和度など、複数のポイントから患者のバイタルサインをチェックしたり、心臓病の診断をしたりする仕事です。緊急時には、体外式のペースメーカーや補助循環装置を使用する場合があります。その他、清潔介助者として、検査や手術がスムーズに進むように、医師をサポートする仕事も臨床工学士が担います。

心血管のカテーテル検査は、手術の術式を決定するための重要な仕事です。そのため、画像診断装置を活用し、治療の適応について医師から意見を求められることもあります。

ペースメーカー・ICD業務

ペースメーカーやICD業務は、不整脈の患者に対してペースメーカーやICD(植え込み型除細動器)など、心臓デバイスと呼ばれる植え込みの手術を行います

また、植え込まれる心臓デバイスの確認や植え込み手術中の装置モニタリングや、手術後の定期外来でのメンテナンスも、臨床工学技士の重要な仕事です。

手術に使用される医療機器の中には、ペースメーカーに影響を与える恐れのあるものも存在します。医療機器による影響を起こさないためにも、手術前には医療機器の設定調節を行うなどの機器のチェック業務も、臨床工学技士に欠かせない仕事といえます。

3. 臨床工学技士になるなら国家資格の取得が必要

臨床工学技士になるためには、短大や大学で指定科目を履修、もしくは専門学校で臨床工学技士に必要な知識や技術を学んで上で、国家試験に合格しなければなりません。

臨床工学技士の試験を受けるためには、幅広い分野の知識が求められるため、過去5年ほど遡り、過去問を勉強することがポイントです。

以下は、臨床工学技士の試験を受ける際に必要となる知識です。

・医用電気電子工学
・情報処理工学
・医用機械工学
・生体物性材料工学
・生体機能代行装置学
・医用治療機器学
・生体計測装置学
・医用機器安全管理学

臨床工学技士の国家試験を受ける際は、医学概論など医学全般を理解する他、上記の分野の知識をしっかりと身に着けておきましょう。上記の分野の知識を身に着けることで、国家試験の合格率をアップさせることができるだけでなく、臨床工学技士として働く際にも知識を役立てることができます。

4. まとめ

近年、臨床工学技士は透析室・中央材料室をはじめ、集中治療室や手術室など、さまざまな医療機関で活躍の場を増やしており、人気の仕事です。しかし、臨床工学技士は、次々と導入される医療機器の操作方法を都度勉強する必要があります。そのため、学ぶことが好きな方や、勉強熱心な方におすすめの職業です。

臨床工学技士を目指している方は、臨床工学士の国家試験に合格するためにも、国家試験の過去問を参考に、効率良く勉強しましょう。

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