臨床工学技士の国家試験の詳細|合格率や出題される科目まで

最終更新日:2021年12月21日
 公開日:2021年8月27日

医療機器のスペシャリストである臨床工学技士は、チーム医療の現場において欠かせない存在です。一般的に臨床工学技士の資格取得には、大学や専門学校で定められた年数を修業してから国家試験に合格する必要があります。

そのため、現状は独学のみで臨床工学技士の資格を取得することはできません。国家試験は9科目の広範囲から出題されることから、合格に向けては入念な試験対策が重要です。

今回は、臨床工学技士の国家試験の詳細を解説します。合格率や難易度なども併せて解説していますので、試験の詳細を知りたい人はぜひ参考にしてください。

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臨床工学技士の国家試験の受験資格

臨床工学技士の国家試験を受験する資格は、下記に示すいずれかの課程を修了すると得られます。

(1)高等学校卒業者
●大学入学資格のある者
下記の学科いずれかを卒業する
大学(4年制) 短大(3年制) 専門学校(3年制)
臨床工学科
医用電子工学科
など
臨床工学科 臨床工学科
(2)大学・短大・専門学校・養成校などの在校者・卒業者
●2年以上修業済み(高等専門学校は5年)で、厚生労働大臣の指定する科目を修了している
文部科学大臣が指定した学校・都道府県知事が指定した臨床工学技士養成所で、1年以上修学し、臨床工学技士として必要な知識・技術を取得する
(3)大学・短大・専門学校・養成校などの在校者・卒業者
1年以上修業済み(高等専門学校は4年)で、厚生労働大臣の指定する科目を修了している
文部科学大臣が指定した学校・都道府県知事が指定した臨床工学技士養成所で、2年以上修学し、臨床工学技士として必要な知識・技術を取得する
(4)大学の在校者
厚生労働大臣が指定する科目を修了する
(5)外国の教育機関で条件を満たした者・免許取得者
●外国の生命維持管理装置の操作・保守点検に関する学校・養成所の卒業者
●外国で臨床工学技士免許に相当する免許を取得した者
厚生労働大臣から、他の受験資格取得者と同等の知識・技能を有すると認定される

(出典:厚生労働省「臨床工学技士国家試験の施行」/
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/rinshoukougakugishi/)

臨床工学技士の国家試験の受験資格を得るためには、大学や養成所などに進学したうえで指定された科目の履修が必要です。なお、すでに看護師や臨床検査技師などの医療資格を保持している場合は、(2)(3)の条件に該当します。

日程と受験地

臨床工学技士の国家試験は年に一度、毎年3月に実施され、合否の発表も同月中に行われます。試験会場は北海道・東京都・大阪府・福岡県の4都市のみとなっており、令和3年6月の時点で他府県での実施予定はありません。

試験予定日 3月上旬
試験会場 ●北海道
●東京都
●大阪府
●福岡県
合否確認 下記のホームページに受験地・受験番号が掲載される
●厚生労働省ホームページ:資格・試験情報のページ
●公益財団法人医療機器センターホームページ
合格発表日 3月下旬
願書提出期間 12月上旬~1月上旬
受験手数料 30,800円(口座振り込み)

(出典:厚生労働省「臨床工学技士国家試験の施行」/
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/rinshoukougakugishi/)

臨床工学技士の国家試験で出題される科目

臨床工学技士の国家試験は、マークシート方式で午前と午後の2部構成であり、各90問・2時間30分の試験時間となります。下記は、臨床工学技士の国家試験で出題される科目とその概要です。

科目 科目における主な出題概要
医学概論
(公衆衛生学・人の構造・機能・病理学概論・関係法規を含む)
出題の中心
●呼吸
●循環
●泌尿器
●胸部外科
出題あり
●脳神経
●消化器
●内分泌
●感染症
臨床医学総論
(臨床生理学・臨床生化学・臨床免疫学・臨床薬理学を含む)
医用電気電子工学
(情報処理工学を含む)
●交流を含む電気回路の基本
●増幅器
●センサの基本
●機械要素
●機械に関する基礎力学
●流体に関する基礎力学
●関連する物理現象
医用機械工学
生体物性材料工学 ●生体の特性について
○電気的
○力学的
○機械的
●特殊な使用材料について
○人工透析
○人工心肺
○人工血管
生体機能代行装置学 ●臨床工学技士業務に使用する機器について
○人工透析装置
○人工心肺装置
○人工呼吸装置
○高気圧酸素療法装置
○他関連機器
医用治療機器学 ●ペースメーカー
●電気メス
●大動脈バルーンポンピング装置
●レーザー治療器
●超音波メス
生体計測装置学 ●心電計
●血圧計
●パルスオキシメータ
●筋電計
●脳波形
医用機器安全管理学 ●医療機器の電気事故
●医療ガスの事故を防止する法令
●安全管理方法

(出典:厚生労働省「臨床工学技士国家試験の施行」/
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/rinshoukougakugishi/)

(出典:一般社団法人日本臨床工学技士教育施設協議会「どんな試験なの?」/
http://www.jaefce.org/test_ce/what_test/)

【関連リンク】臨床工学技士の魅力・仕事内容から必要となる資格の取得方法まで

臨床工学技士の国家試験の合格率・難易度は?

臨床工学技士の国家試験における平成29年~令和3年の合格率は、下記のとおりです。

受験者数 合格者数 合格率
2017年 2,947名 2,413名 81.9%
2018年 2,737名 2,017名 73.7%
2019年 2,828名 2,193名 77.5%
2020年 2,642名 2,168名 82.1%
2021年 2,652名 2,232名 84.2%

(出典:厚生労働省「第30回臨床工学技士国家試験の合格発表について」/
https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2017/siken17/about.html)

(出典:厚生労働省「第31回臨床工学技士国家試験の合格発表について」/
https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2018/siken17/about.html)

(出典:厚生労働省「第32回臨床工学技士国家試験の合格発表について」/
https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2019/siken17/about.html)

(出典:厚生労働省「第33回臨床工学技士国家試験の合格発表について」/
https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2020/siken17/about.html)

(出典:厚生労働省「第34回臨床工学技士国家試験の合格発表について」/
https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2021/siken17/about.html)

上記のデータにもあるように、過去5年間における全体の合格率は80%前後を推移しており、合格率が大きく変動することはほとんどありません。ただし、新卒者は授業中に十分な学習時間を確保できる一方、既卒者は確保できる学習時間が短い傾向にあるため、合格に向けた試験対策が重要となります。

臨床工学技士の国家試験における合格基準は、180点中108点以上です。幅広い分野の知識が求められるものの、学校のカリキュラムを含めて毎日4~6時間程度の勉強を重ねていけば、決して難しい試験ではありません。

臨床工学技士の国家試験に合格するための対策2つ

臨床工学技士の国家試験は、飛びぬけて難しい内容が出題されるわけではありません。しかし、合格する確率を可能な限り高めるためには、前もってしっかりとした試験対策を講じることが重要です。

ここでは、臨床工学技士の国家試験に合格するための対策を2つ紹介します。

過去問を解く

臨床工学技士の国家試験対策としては、過去問の攻略・分析が重要です。

臨床工学技士の試験問題は広範囲から出題されるため、幅広い知識を身につけることが求められます。しかし、出題内容は大学や養成所で習う範囲であり、過去問の分析によって出題される内容を予測できるケースもあるでしょう。

既出の問題とほぼ同じ内容の問題が出題されることもあるため、過去問を繰り返し解いて徹底的に分析することで、全体的な試験の出題傾向を把握できます。

すでに正答率の高い問題への理解を深めることにもなるため、最低でも「過去5年分」の過去問は解くようにしましょう。

得意分野を徹底的に復習する

幅広い分野が出題される臨床工学技士の国家試験では、苦手分野に時間をかけ過ぎないことも一つの手です。特に試験の日程が近付いている場面では、得意分野を徹底的に復習すると合格できる可能性を高められます。

臨床工学技士の国家試験に合格する正答率の目安は、60%以上とされています。不得意な分野を除いた出題範囲だけで、60%以上の正答率が期待できる場合には、得意分野を完璧に仕上げることを優先しましょう。

試験勉強が大詰めになった段階では、得意分野を固めたうえで不得意分野の底上げを図ることが大切です。

まとめ

臨床工学技士の国家試験は、現在修了済みの学科や持っている資格によって、履修しなければならない科目が異なります。独学のみで資格を取得する方法はないため、まずは自分がどのコースを辿るべきかをチェックしましょう。

臨床工学技士の国家試験は9科目から出題されることから、さまざまな分野・種類の知識を身につけなければなりません。しかし、試験の範囲は毎年共通しており、既出の問題も出題されます。

過去5年間に出題された問題を何度も解いて知識を身につけ、得意分野を固めて正答率が上がるように全力を尽くすことが、資格取得への近道です。

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