採血したくない!臨床検査技師が採血せずに働く方法や職場は?

更新日 2022年12月20日 公開日 2022年12月26日

#情報収集 #転職検討/準備

臨床検査技師は、検体検査・生体検査といった臨床検査のスペシャリストとして、尿や血液の検査を行います。血液検査では、患者さまの採血業務にも携わりますが、なかには「採血は苦手だから、なるべくしたくない」と考えている臨床検査技師の方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、採血業務が苦手な臨床検査技師の方に向けて、採血せずに働ける職場や採血したくない場合の働き方について紹介します。「できれば採血以外の業務を担当したい」「臨床検査技師の資格を生かして働ける採血なしの職場に就きたい」と考えている臨床検査技師のみなさんの参考になれば幸いです。

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採血したくない!臨床検査技師が採血せずに働く方法や職場は?

採血したくない臨床検査技師は多い

医療機関で働く臨床検査技師は、「検体検査」のために患者さまの細胞や組織などの採取に携わるケースが多くあります。検体の採取には採血も含まれており、血液検査を受ける患者さまがいれば、当然、採血業務が必要になります。

臨床検査技師として働くのであれば、採血業務ができたほうが仕事の幅は広がります。しかし採血のスキルを上げるには、知識だけでなく経験を積むことが重要です。そして、ある程度の経験を積んだとしても、患者さまによっては血管が見つからなかったり、血管が逃げてしまったりして、うまく採血できないことがあります。そのため、臨床検査技師のなかには、「できれば採血業務を避けたい」という方が多く見られます。

とはいえ、「失敗したらどうしよう」というネガティブな気持ちで採血業務を行うと、本当に失敗してしまうことも。採血業務に慣れるためには、苦手意識を克服することが重要でしょう。

採血への苦手意識を克服する方法

採血への苦手意識を克服するためには、次の方法を実践してみるのがおすすめです。

  • ●先輩技師や看護師にコツを聞く
  • ●上手なスタッフの採血を見学させてもらう
  • ●積極的に経験を積む

看護師は、日頃から採血業務に携わっているため、技術力のある方が多い傾向にあります。そのため、採血に慣れている看護師にコツを詳しく聞いたり、先輩方に実際に採血業務を見学させてもらったりすると良いでしょう。

また、採血業務に対する苦手意識を克服するには、できるだけネガティブな気持ちを捨てて、積極的に採血業務に取り組むことが重要です。それを繰り返すことで、着実にスキルを向上させましょう。

病院で臨床検査技師が採血業務以外を担当するには?

病院で働く臨床検査技師は、「苦手だから」といって採血業務を避けられるとは限りません。しかし、他に得意分野・専門分野をつくることで、採血を行う頻度が低くなる可能性があります。

ここからは、臨床検査技師が得意分野・専門分野を身につけるために、おすすめの方法を紹介します。

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超音波(エコー)検査の経験を積む

超音波(エコー)検査は、臨床検査技師ならではの重要な業務です。また、超音波検査は、相応の知識とスキルを持っている医療従事者が配置される検査であるため、臨床検査技師求人の中には、「超音波検査の経験」が応募資格になっているケースも多く見られます。

「なるべく採血業務に携わりたくない」という場合は、超音波検査の経験を積み、卓越した専門スキルを身につけるのも1つの方法でしょう。

超音波検査の専門スキルを身につけるには、「超音波検査士」の資格を取得するのもおすすめです。超音波検査士とは、看護師、准看護師、臨床検査技師、診療放射線技師のいずれかの免許を有する方のみが取得できる資格であり、認定を受けることで「超音波検査における高い技術を持っている」ということが証明できます。

(参考:公益社団法人 日本超音波医学会「超音波検査士制度委員会」/https://www.jsum.or.jp/capacity/rms/index.html

血液以外の検体採取経験を積む

なるべく採血業務に携わりたくない方が、得意分野・専門分野を身につける方法として、血液以外の検体採取経験を多く積むのもおすすめです。臨床検査技師が行える採血以外の検体採取業務は、次の通りとなっています。

  • ●鼻腔吸引液・鼻腔拭い液・咽頭拭い液の採取
  • ●表皮・体表・口腔の粘膜採取
  • ●病変部位における膿の採取
  • ●肛門からの糞便採取

これらの検体採取経験を積み、技術を向上させることで、採血以外の業務をメインにできる場合もあります。

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臨床検査技師の資格を生かして働ける採血なしの職場

「どうしても血液検査や採血に苦手意識がある」
「そもそも針を扱うことに恐怖心がある」
「なるべくなら患者さんと接することも避けたい」

上記のような悩みを抱えている場合は、採血を実施しない職場に勤めるのがおすすめです。

臨床検査技師の資格を生かして働ける採血なしの職場には、医療系の企業、治験関連企業、検査センター、血液センターの4つが挙げられます。ここからは、それぞれの職場における仕事内容を紹介します。

医療系の企業

採血業務を避けつつ、臨床検査技師の資格を生かしたいのであれば、医療機器メーカー、製薬会社といった医療系の企業がおすすめです。

医療機器メーカーで働く場合は、臨床検査技師としてではなく「アプリケーションスペシャリスト」として勤務することとなります。アプリケーションスペシャリストは、顧客に対して医療機器の説明やサポートを行ったり、販売アイデアを提案したりするのが主な仕事内容で、血液検査などを含む採取業務は一切行いません。

臨床検査技師としての知識・経験がある方はもちろん、コミュニケーション能力や英語力に自信のある方にもおすすめの選択肢と言えるでしょう。

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治験関連企業

医薬品開発業務受託機関(CRO)や治験施設支援機関(SMO)などの治験関連企業で働く臨床検査技師も、検査業務に関わることがありません。

CROで所属する臨床検査技師は「CRA(臨床開発モニター)」として、SMOに所属する臨床検査技師は「CRC(治験コーディネーター)」として働くことになります。CRAとCRCでは細かな仕事内容が異なるものの、医療機関の臨床試験や治験業務のサポートを行うという点は共通しています。

検査業務に関するスキルが重要視されない反面、医療機関の医師や看護師、患者さま、製薬会社のスタッフなどさまざまな人の間に立ってサポート・調整を行うため、フットワークの軽さや体力、コミュニケーション能力が必要となるでしょう。

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検査センター

検査センターは、病院やクリニックなどの医療機関から送られた検体を検査する施設です。血液を含む検体は、検査を依頼する医療機関がすでに採取しているため、検査センターで働く臨床検査技師が採血を含む採取業務を行う必要はありません。

検査センターで働く臨床検査技師は、尿検査や血液検査だけでなく、遺伝子検査やアレルギー検査など、さまざまな検査を行います。そのため、採血業務が必要のない他の職場よりも、幅広い検査経験を積むことができる一方で、相応のスキルがないと採用されにくいという難しさもあります。

検体検査に関するさまざまな資格を取得している方や、黙々と検査に取り組める方におすすめの選択肢と言えるでしょう。

血液センター

血液センターは、医療機関や患者さまと献血者の間に立ち、輸血用血液を確保・検査・供給する施設です。血液センターにも採血業務はありますが、基本的に看護師が行うため、臨床検査技師は主に検査や品質管理、血液製剤の調剤業務を担当します。

血液を専門に扱うため、他のさまざまな検査の経験を積むことはできませんが、血液関連の検査については高いスキルを身につけることが可能です。採血業務を避けたいという臨床検査技師だけでなく、「より専門的な血液検査のスキルを身につけたい」という臨床検査技師の方にもおすすめの選択肢と言えるでしょう。

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まとめ

採血業務に苦手意識を持つ臨床検査技師は、意外に多くいます。採血業務ができたほうが仕事の幅が広がるため、先輩や看護師にコツを聞いたり、やり方を見学させてもらったりして、苦手意識を克服してみると良いでしょう。

しかし、「どうしても採血業務に携わりたくない」という場合は、採血なしの職場を選ぶのも一案です。臨床検査技師資格を生かして働ける採血なしの職場には、医療系の企業、治験関連企業、検査センター、血液センターなどがあります。それぞれ仕事内容や向き・不向きも異なるため、まずは自分に合った職場を見つけることから始めてみましょう。

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※当記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

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