エコー検査ができない臨床検査技師は転職に不利?未経験からの転職例も

更新日 2023年04月05日 公開日 2023年04月05日

#情報収集 #転職検討/準備

みなさんのなかには、「エコー(超音波)検査ができない臨床検査技師は転職活動で不利」という話を聞いたことがある方も、多いのではないでしょうか。また、転職サイトなどでエコー経験者を優遇する求人が多く見られるために、「自分にはエコー検査のスキルがないので、どうやって転職活動を進めて良いのかわからない」と悩んでいる臨床検査技師の方もおられるでしょう。

当記事では、「エコー検査ができないと、本当に転職で不利になるのか?」について解説するほか、未経験からエコー検査のスキルを身につける方法や、エコー経験が必要ない転職先などもご紹介します。記事を読むことで、臨床検査技師の方たちの転職への不安が少しでも軽くなれば幸いです。

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エコー検査ができない臨床検査技師は転職に不利?未経験からの転職例も

エコー検査ができない臨床検査技師は転職に不利?

臨床検査技師の就職先は、病院、クリニックのほか、検査センター、治験関連機関、製薬会社など多岐にわたっており、必ずしもエコー検査のスキルが必要というわけではありません。

一方で、医療機関に勤務する臨床検査技師は、検査業務に関する幅広いスキルが求められるため、病院やクリニックの求人ではエコー検査の知識・技術を持つ臨床検査技師を積極採用する傾向にあります。

ここからは、エコー検査についての概要と、エコー経験が必要となる場面についてご紹介しましょう。

そもそもエコー検査とは?

エコー検査とは、人間の耳には聞こえない高周波の音波を使って、臓器に異常がないかを調べる画像検査のことです。

エコー検査では、検査する部位にプローブという超音波探触子(音波が出る機械)を当て、臓器の様子や腫瘍の有無などをモニターで確認します。超音波は、無害で被ばくなどの心配がないため、何度でも調べられる点がエコー検査のメリットと言えるでしょう。また、検査で得られる情報量が多いことや、心臓や血管の動きまで計測できることも特徴の1つです。ただし、超音波は骨や空気を透過することはできません。

エコーを使った検査には、以下のような種類があります。

エコー検査 検査の概要
腹部エコー プローブをお腹に当て、内臓を観察します。観察できる臓器は、肝臓、すい臓、腎臓、脾臓、胆嚢、膀胱、子宮、卵巣、前立腺、腹部大動脈などです。
心エコー プローブを胸に当て、心臓の形態や動き、血液の流れなどを確認します。心臓肥大や不整脈の原因なども知ることができます。
甲状腺エコー 首(喉の部分)にある甲状腺にプローブを当て、甲状腺の大きさ、腫瘍やのう腫の有無などを確認します。
頸動脈エコー 首にプローブを当て、眼や耳、鼻、脳に血液を送る血管の状態、動脈硬化の有無などを確認します。

エコー経験が必要な場面

医療技術が進歩し、チーム医療による診断・治療のスタイルが増えたことで、臨床検査技師の役割も拡大しています。臨床検査技師の主な業務内容は、血液検査、尿検査、輸血検査、聴力検査、生化学的検査、エコー検査などの各種検査です。

臨床検査技師が提供するエコー画像などの検査データは、手術適応や術式を決定する際に役立ちます。また、手術中にエコーを用いることで、患者さまの安全の確保につとめるケースもあります。そうした場合は、緊張感のあるなかでの作業となるため、十分なエコー経験が求められるでしょう。

また、病気の有無を見極めるための人間ドックにおいても、エコー検査に関する知識と経験が必要とされます。

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臨床検査技師が未経験からエコー検査のスキルを身につける方法

臨書検査技師の方のなかには、「エコー検査のスキルを身につけたいけれど、現在の職場では経験するのが難しい」という方もいらっしゃるでしょう。ここからは、エコー経験がない方に向けて、未経験からエコー検査のスキルを身につける方法をご紹介します。スキルアップを図るためにも、できることから挑戦してみましょう。

未経験OKで研修制度が充実した職場に転職する

未経験からエコー検査を学ぼうとする場合、「エコー検査に関する研修制度が充実した職場に転職する」という方法があります。病院によっては、スキルアップや資格取得の補助を行うところもあるため、そうした職場に転職すれば、仕事をしながらエコー検査の技術を身につけられるでしょう。

ただし、研修制度のある病院は数が少なく、勤務形態や年収など、希望する条件がすべてかなう求人はなかなか見つからないかもしれません。未経験からエコー検査を学びたい方は、勤務エリアを広げるなど、「条件面での譲歩が必要になるケースもある」と考えておくと良いでしょう。

また、エコー検査について学べる職場は、人気があるため求人倍率が高い傾向にあります。応募書類や面接で好印象を与えるためにも、臨床検査技師として思い描く将来の理想像や、エコー検査を未経験から学びたい理由などを明確にしておきましょう。

求人が出たらすぐに応募できるように、あらかじめ応募書類などを準備しておくのもおすすめです。

超音波検査士の資格を取得する

超音波検査士とは、超音波(エコー)検査において高い技術を持っていることを証明する認定資格制度のことで、日本超音波医学会によって1985年にスタートしました。試験は、体表臓器・循環器・消化器・泌尿器・産婦人科・健診・血管の7領域に分けられており、1回の試験で1領域のみ受験できます。

認定を受けるには、超音波検査実績の書類審査とマークシート方式による筆記試験に合格する必要があり、筆記試験では、臨床領域および医用超音波の基礎から35問が出題されます。

なお、超音波検査士試験の受験資格は、以下の通りです。

以下の条件をすべて満たす者
・日本国内で看護師、准看護師、臨床検査技師、診療放射線技師のいずれかの免許を持っている
・日本超音波医学会に入会しており、3年以上継続して正会員、シニア会員、もしくは準会員である(日本超音波検査学会を合算して3年以上の会員でも可)
・日本超音波医学会が認定する超音波専門医、超音波指導検査士の推薦が得られる

(出典:日本超音波医学会「超音波検査士制度委員会」/https://www.jsum.or.jp/capacity/rms/index.html

超音波検査士の資格取得に向けて勉強するなかで、エコー検査に関する知識・スキルを身につけることができるでしょう。

【関連リンク】マイナビコメディカルで
未経験OKの臨床検査技師求人を探す

エコー検査ができなくても大丈夫!臨床検査技師が活躍できる転職先

ここまでは、転職を検討している臨床検査技師の方のために、「未経験からエコー検査のスキルを身につける方法」を解説してきました。しかし、就職先によっては、エコー検査のスキルが求められないところもあります。

以下では、エコー検査のスキルがない臨床検査技師でも活躍できる、就職先の一例をご紹介します。今後のキャリアプランを考えるにあたって、まずは職場ごとの特徴を把握しておきましょう。

検査センター/血液センター

検査センターとは、病院やクリニックといった医療機関から送られてきた血液、尿などの検体検査を行う施設です。検査設備が充実しており、病院では実施できない特殊な検査にも対応できます。

検査センターには多くの臨床検査技師が在籍し、業務を分担しながら尿検査や血液検査、遺伝子検査、アレルギー検査といったさまざまな検査を行っています。なお、仕事中は検査室内で検査を担当するため、患者さまと接する機会がほとんどありません。そのため、集中して黙々と作業できる方に向いている職場と言えるでしょう。

一方の血液センターは、輸血用の血液を確保・検査・供給するための施設です。血液を専門に扱うため、他の検査の経験を積むことはできませんが、血液関連の検査については高いスキルを身につけることが可能です。

こちらは、より専門的な血液の知識を身につけたい方や、血液の検査・血液製剤の調製などに関心がある方におすすめの職場です。

【関連リンク】臨床検査技師は就職・転職に有利な資格?年収や活躍の場も紹介

医療系の企業

医療機器メーカーや製薬会社といった医療系の企業でも、臨床検査技師が活躍しています。医療系の企業では、通常の検査業務を行うことがなく、自社製品の治験や医療機器についての説明・サポートなどが主な仕事となります。

治験内容の説明、あるいは自社製品の特性・操作方法の説明など、第三者に何かしらの説明を行う業務が多いため、臨床検査技師としての知識だけでなく、一般的なビジネスマナーやコミュニケーション能力を求められる点が、医療機器メーカー・製薬会社勤務の特徴と言えるでしょう。営業を担当する場合は、営業車を運転するための自動車免許が必要になることもあります。

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保健所

保健所では、自治体施設や食品営業施設での衛生確認、細菌検査・ウイルス検査などを行います。検査対象の施設に指導を行うのも臨床検査技師の仕事です。

保健所には、臨床検査技師以外にもさまざまな職種の人が働いており、地域住民も訪れます。人と接する機会が多いため、周囲と連携しながら仕事を進める力が必要となるでしょう。なお、保健所で働く場合は、公務員試験に合格する必要があります。

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臨床検査技師が転職でスキルアップを実現するには?

臨床検査技師求人の多くは、エコー経験者を募集しています。特に、中途採用においては即戦力を求める傾向が強く、エコー未経験者には厳しい状況と言えます。とはいえ、エコー検査ができないことで、必ずしも転職が不利になるわけではありません。

転職の際に大切なのは、病院や施設側が求める人物像を理解し、自分が貢献できる業務や専門性をアピールすることです。臨床検査技師の仕事はエコー検査以外にもたくさんあるので、「自分は応募先の欠員をどのように埋められるか?」を考え、貢献できる経験・スキルを打ち出すことで、採用するメリットを伝えることができます。未経験の業務については、採用されてから積極的に挑戦し、スキルアップにつなげましょう。

ただし、臨床検査技師として働きながら、希望に沿った求人を探すのはひと苦労です。「転職するにあたって、何から始めていいかわからない」「なかなか希望に合う求人が見つからない」という方は、業界の転職ノウハウを多く持つ転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。マイナビコメディカルでは、キャリアアドバイザーが希望に沿った求人情報をご紹介しますので、エコー未経験の方もお気軽にご相談ください。

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まとめ

エコー検査ができなくても、臨床検査技師の転職は可能です。エコー検査のスキルを求める求人が多いことは確かですが、研修制度が充実した職場や、エコー検査のスキルを必要としない職場を選べば、きっと希望に合った転職がかなうでしょう。

「エコー検査の経験がない」「エコー検査のスキルが足りない」と不安を感じている方は、ぜひマイナビコメディカルのキャリアアドバイザーにご相談ください。求職者さまに親身に寄り添い、一人ひとりに合った職場を一緒にお探しいたします!

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※当記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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履歴書や職務経歴書の書き方から、マイナビコメディカルサイト内での求人の探し方のコツや、転職時期ごとのアドバイス記事などを掲載。
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