小児分野で働く作業療法士の仕事内容は?|向いている方の特徴も

更新日 2023年08月17日 公開日 2023年08月17日

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作業療法士の仕事にはさまざまな専門領域があり、小児分野における「発達領域」もその1つです。発達領域で働く作業療法士は、先天性あるいは後天性の病気・けがによって、心身に障害がある子どもを対象に作業療法を行い、豊かな育ち(発達)を支援します。

当記事では、小児分野の発達領域で働く作業療法士の主な役割や支援対象、支援方法、勤務場所、向いている方の特徴などについて解説します。発達領域の作業療法の理解を深め、子ども1人ひとりに寄り添った支援に携わりたいと考える作業療法士の方は、ぜひ最後までご覧ください。

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小児分野で働く作業療法士の役割は?

作業療法士は、病気やけが、もしくは生まれながらに障害がある人など、日常生活に支援を必要とするすべての人を対象として、その人らしい生活の獲得を目標に、対象となる人やその人をとりまく環境にはたらきかける、リハビリテーションの専門職です。

作業療法士の仕事には、身体障害、精神障害、発達期(発達領域)、高齢期などの専門分野がありますが、発達領域で働く作業療法士は、「発達期の病気やけがによって、心身の発達を妨げるような障害を抱えた子どもを支援すること」が主な役割となります。

発達に障害がある子どもは、自分の思いや感情を言葉で伝えることが難しかったり、計画的な行動が苦手だったりします。そのため、作業療法士には、子どもが何に困っているかを観察し、子どもの主体性を引き出しながら支援を行うことが求められます。

また、発達領域で働く作業療法士はご家族や幼稚園・保育所・学校の先生など子どもを支える人とも協働していくことが必要となります。

保護者のなかには、子どもの発達について不安を抱えていたり、子どもとの向き合い方に戸惑ったりしている方もいます。子どもの支援を行うだけではなく、保護者への支援を行うことも、小児分野で働く作業療法士の大切な仕事といえるでしょう。

(出典:一般社団法人 日本作業療法士協会「子どもの育ちを支える作業療法士」/https://www.jaot.or.jp/files/page/kankobutsu/pdf/ot_kodomo_forlook.pdf

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小児分野で働く作業療法士の勤務場所

作業療法士の勤務先のなかで、特に子どもとの接点の多い職場を4つご紹介しましょう。

・児童発達支援施設
・放課後等デイサービス
・医療機関(総合病院、小児病院など)
・特別支援学校

これらの施設では、いずれも子どもを対象に作業療法を行います。ただし、対象となる子どもの年齢や疾患・障害、施設で求められる役割などには違いがあります。

以下では、各施設の詳細と、作業療法士が具体的にどのように関わるかを紹介します。

※児童発達支援・放課後等デイサービスは2024年に法改正(報酬改定)が行われる予定です。この記事の内容は2023年現在の内容となっております。

児童発達支援施設

児童発達支援施設は、障害を抱える6歳以下の未就学児を受け入れ、通所支援を提供する施設です。

児童発達支援施設には「児童発達支援事業所」と「児童発達支援センター」の2種類があり、児童発達支援事業所は「身近な地域における通所支援」を提供する施設となります。一方の児童発達支援センターは通所支援に加えて、「保育所などへの訪問支援の実施」「障害児相談支援の実施」なども提供します。

また、児童発達支援センターの中でも、上肢・下肢または体幹に障害がある子どもに対して支援・医療を提供する施設は「医療型児童発達支援センター」と呼ばれます。

(出典:厚生労働省「児童発達支援センターの位置づけについて」/https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000791881.pdf

(出典:独立行政法人福祉医療機構「児童発達支援センター」/https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/jidou/handbook/service/c078-p02-02-Jidou-07.html

児童発達支援施設で働く作業療法士の主な仕事内容は、日常生活動作の向上や集団生活への適応に必要となる発達全般への支援です。支援を行う際は、一緒に働く保育士などの他職種と連携します。

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放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、6~18歳の就学児童に通所支援を提供する施設です。児童期は発達全般への支援に加えて学習や対人交流技能の支援や成人期の社会生活への移行を念頭においた作業活動の提供なども重要となります。

医療機関(総合病院、小児病院)

作業療法士が働く医療機関には、小児科が設置された総合病院や小児専門の病院・クリニックがあります。対象年齢は施設によって異なりますが、一般的には15歳程度までとされています。

医療機関で働く作業療法士の主な役割は、子どもの疾患や障害に応じた個別の作業療法を提供することです。入院期間中からベッドサイドで作業療法を行うこともあり、全身状態や治療経過に応じて、医師や看護師などの他の医療専門職との協働が重要となります。

医療機関に通院・入院する子どもは、健康状態が安定していないことも多く、作業療法士はリハビリテーションを提供しながら、子どもの状態を常に把握することが大切です。

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特別支援学校

近年、作業療法士が外部専門家として、地域の学校や特別支援学校に訪問や巡回相談で行き、子どもと学校の先生を支援する機会も増えています。しかし、日本では常勤で学校に勤務している作業療法士は少数です。その中で、特別支援学校に勤務し活躍している作業療法士もいます。特別支援学校は障害がある子どもを対象とした学校です。文部科学省では、特別支援学校を次のように定義しています。

「障害のある幼児児童生徒に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けること目的とする学校」

特別支援学校の対象となる障害種は、視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病弱(身体虚弱を含む)の5つです。作業療法士は子どもの疾患や障害に応じた学習や生活支援、学校の教員に対する助言、教材の製作、学校環境の調整などを行います。

(出典:文部科学省「2.特別支援教育の現状」/https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/002.htm

(出典:一般社団法人日本作業療法士協会「2019年度日本作業療法士協会会員統計資料」/https://www.jaot.or.jp/files/page/jimukyoku/kaiintoukei2019.pdf

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小児分野で働く作業療法士が関わる疾患・障害とは?

小児分野で働く作業療法士が関わる疾患・障害は多岐にわたります。その中で神経発達症(発達障害)と脳性麻痺はもっとも関わることが多い疾患・障害です。

(出典:公益社団法人 福岡県作業療法協会「発達障がいの作業療法」/https://www.fuku-ot.org/ippan/ryouiki/hattatsusyougai/

作業療法士は子どもの疾患・障害を理解した上で、個々の子どもに応じた適切な支援を実施することが大切です。以下では、作業療法士が支援することの多い神経発達症(発達障害)と脳性麻痺を取り上げ、その概要を解説します。

神経発達症(発達障害)

神経発達症はさまざまな疾患・障害が含まれます。その中には、日本では「発達障害」といわれる自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、学習障害(限局性学習症)も含まれます。

●自閉スペクトラム症(ASD)
自閉スペクトラム症(ASD)は、対人関係が苦手だったり、行動や興味にこだわりが見られたりする障害
です。対人関係の問題や行動や興味のこだわりによって集団生活に支障をきたし、作業療法によるサポートが必要となるケースがあります。

自閉スペクトラム症の子どもには、下記のような特性があります。

・言葉や身振りでのコミュニケーションを苦手としている
・自分の気持ちを表現したり、相手の気持ちを読み取ったりすることが難しい
・遊びに集中すると呼び掛けても反応しない
・普段と異なる手順に混乱したり、環境の変化に対応することが難しい。また、感覚に対する過剰な反応(過敏さ)や低反応(鈍感さ)、運動の不器用さを示す子どもも多い

(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」/https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-005.html

●注意欠如多動症(ADHD)
注意欠如多動症(ADHD)は、不注意・多動性・衝動性を主な特徴とする障害
です。「活動に集中できない」「不注意でミスが多い」「落ち着きがなく、じっとしていられない」などの症状により、日常生活や社会的な活動が困難になる場合があります。

注意欠如多動症の子どもには、下記のような特性があります。

・スケジュールを忘れる、忘れもの、失くしものが多い
・順序立てた行動の計画や整理整頓を苦手としている
・衝動的に行動してしまう
・順番を待てずに友だちとトラブルになってしまう

注意欠如多動症の子どもは、親や先生に叱られることが多く、自尊心が低下しやすいこともあります。

(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療」/https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-04-003.html

●限局性学習症(SLD)<学習障害(LD)>
限局性学習症(SLD)は、読み書きや計算など、特定の領域の学習を顕著に苦手とする障害
です。限局性学習症には苦手な領域の違いにより、「読字障害」「書字表出障害」「算数障害」の3種類が存在します。

限局性学習症の子どもには、下記のような特性があります。

・文章をスムーズに読めず、文字を1つひとつ拾って読む逐次読みをする
・文字の書き取りで間違いが多い
・数字の大小など、数の概念がわからない

学習障害の子どもを作業療法士が支援する際は、子どもが苦手としている領域や、苦手の原因となっている要因を正しく把握することが大切です。

(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「学習障害(限局性学習症)」/https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-004.html

脳性麻痺

脳性麻痺は、胎児期・新生児期に何らかの原因で脳に損傷が生じたために引き起こされる姿勢・運動機能の障害です。脳性麻痺には、手足がこわばって硬くなる「痙直型」、腕や足の筋肉が不随意的に動く「アテトーゼ型」、姿勢や動作の制御が困難になる「失調型」などの種類があります。

脳性麻痺による影響は子どもによってさまざまですが、一例としては下記のような特性があります。

・腕や足の筋肉にこわばりがあり、歩行が困難である
・顔面の不随意運動によって言葉をはっきりと発音することが困難である
・手を伸ばしたときにふるえるような動きが見られる

(出典:社会福祉法人愛徳福祉会 大阪発達総合療育センター「脳性まひについて」/http://osaka-drc.jp/about/faq.php

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障害がある子どもにはどんな作業療法が求められる?

小児分野で作業療法士が行えるサポートは数多く、子どもを評価したうえで対応方法を考えます。

例えば、脳性麻痺により「座ることが難しい子ども」には、まず子どもの様子や座ろうとするときの姿勢を細かく観察します。観察した結果から、子どもがなぜ座れないかを推測・分析し、「座ることが難しい」原因を評価することで、その子どもに必要な作業療法を考えることができるでしょう。

(出典:⼀般社団法⼈奈良県作業療法⼠会「⼦どもの育ちを応援する“作業療法⼠の視点”」/https://www.naraot.jp/pdf/203.pdf

作業療法士は子どもとの関わりを通し、1人ひとりの子どもに対する理解を深め、より良い支援を考え続ける姿勢が求められます。

1人ひとりの子どもに応じて、作業療法士は以下のようなサポートを行います。

日常生活活動のサポート

発達に障害がある子どもは、食べる、着替えるなどの日常生活活動を上手にできないことがあります。子どもたちができる限り自立した日常生活を送れるように、作業療法士が行う支援が「日常生活活動へのサポート」です。

日常生活活動へのサポートでは、まず難しい日常生活活動を子どもがどのように行っているかを観察します。観察によって子どもが苦手としている原因を見つけ、子どもが日常生活活動を上手にできるようになるための支援内容を考えます。

例えば、脳性麻痺などの運動障害があり、座ることが難しいために手がうまく使えない子どもの場合、手を使うための土台となる座ることを指導します。また、子どもが1人で安定して座るための椅子を作成し、手を使いやすくすることで日常生活活動をできるようにします。自閉スペクトラム症の中には手先の不器用さがある子どもがいますが、苦手な箸やボタンなどの日常生活活動を直接練習することを嫌がります。

そのため、子どもが活動に取り組みやすいよう、遊びを通して支援を行うことが大切です。また、日常生活活動は幼少期だけでなく、発達に応じてさまざまな活動(靴ひも、ネクタイ、爪切り、ひげをそる、料理、金銭管理など)があります。年齢に応じた日常生活活動を支援することが必要となります。

(出典:鹿児島県作業療法士会「作業療法士が考える『生活動作』と『遊び』のアイディア集」/https://kagoshima-ot.jp/wp-content/uploads/2016/11/idea_web-2017-compressed.pdf

感覚のサポート

神経発達症(発達障害)の子どもは、見る・聞く・触るといった感覚に対して過敏だったり、反対に鈍かったりすることがあります。作業療法士が行う「感覚のサポート」は、発達に必要な感覚経験を提供したり、感覚の問題を原因とした日常生活の困難さを軽減するサポートです。

感覚へのサポートでは、子どもが日常生活のどのような状況で、どのような感覚を、どのように受け取っているか、丁寧に観察しましょう。子どもの感覚に対する反応を評価したうえで、子どもが感覚を脳で処理し、適応的な運動・行動につなげられるように支援します。

(出典:富山県作業療法士会「発達障害の理解と作業療法」/https://toyama-ot.org/ht/hattatubukai.pdf

学習の基盤となるサポート

発達に障害がある子どもは、文字や形を正しく認識できなかったり、先生の説明を集中して聞くことが難しかったりします。作業療法士が行う「学習の基盤となるサポート」は、色、形、空間関係、数などの認知、文字を読む・書く・計算するなどに必要な能力や、必要な情報だけに注意を向けたり、ある程度の時間、注意を集中したりといった学習の基盤となる能力をサポートします。

学習の基盤となる能力には、さまざまなものがあります。学習の基盤となるサポートでは、子どもを観察して、苦手とする学習の基盤となる能力とその発達段階を分析しましょう。子どもの発達や認知の特性に合わせた支援をします。

社会性のサポート

発達障害の子どもは、言葉だけでなく身振りや手振り、表情といった言葉以外のコミュニケーションを苦手としていることがあります。人との関係の中で子どもが、人とのコミュニケーションを楽しみ、年齢に応じた経験ができるよう、子どもの個々の特性に応じて、集団も活用しながら支援するのが「社会性のサポート」です。

社会性のサポートでは、子どもの人に対する反応や関わりを観察するなどして、他者とどのような関わり方ができるかを考えましょう。作業療法士を仲介役として会話のやり取りを行う遊びなど、活動の設定や役割の提供といった、その子どもに合ったコミュニケーションの方法を探ります。

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子どもの成長にともなって作業療法士の支援は変わる

小児分野の作業療法士が行う支援の内容・ポイントを、子どもが迎える4つの成長ステージに合わせて解説します。

・生後12か月までの乳児期
乳児期には、ハイハイ・つかまり立ち・つたい歩きなどで、環境に関わるための運動機能の発達を促します。「抱っこを嫌がる」「離乳食を嫌がる」など、保護者が抱える悩みに対しての支援も行います。作業療法士は子どもとの関わりや保護者との面談を通じて子どもの状態を評価し、子どもの発達に応じて、子どもも保護者も楽しくさまざまな経験ができるようにサポートします。
・1~6歳の幼児期
幼児期は、幼稚園・保育所によって家族以外の他者との関わりが広がる時期です。作業療法士は子どもの日常生活動作や感覚のサポートを行うとともに、集団生活への適応(社会性のサポート)も伸ばせるように支援します。また、小学校に向けて学習の基盤となるサポートも大切になります。
・6~12歳の学童期
学童期は、学校・教育現場での子どもの様子を踏まえた支援がより重要になります。小学校入学と同時に教科学習が始まるため、学習の基盤となるサポートが大切です。また、幼児期よりも他者との関わりがさらに広がるため、社会性のサポートもしましょう。
・12~18歳の青年期
青年期には子どもが成人することを見据えて、社会生活における自立・自律ができるように支援します。子どもが自分自身の理解を深めながら、就労も含めた将来について考えることをサポートすることも大切です。

また、作業療法士が発達障害がある子どもを支援する際は、下記に示す「家族のサポート」「遊びのサポート」も行う必要があります。

家族のサポート ・子どもを含めて家族全体が幸せになれるようサポートする
・子どもに関する家族の悩みや困りごとを傾聴する
・保護者が利用できる制度やサービスについてのアドバイスを行う
など
遊びのサポート ・心身の発達を促せるよう豊かな遊びの環境を作る
・遊びの中で子どものサインを見逃さず、子どもの思いや考えていることを推察する
など

(出典:一般社団法人 日本作業療法士協会「子どもに対する作業療法」/https://www.jaot.or.jp/files/page/wp-content/uploads/2013/08/manual56.pdf

遊びを取り入れた作業療法

子どもの発達機能向上を促すためには、作業療法にうまく「遊び」を取り入れることが不可欠です。

ここでは、「感覚運動遊び」「構成遊び」「社会的遊び」という3つの遊びを取り上げ、その概要を紹介しましょう。

感覚運動遊び
感覚運動遊びは、物を触ったり動かしたりしながら、主に感覚機能や運動機能を用いる遊びです。遊びを通して、視覚や聴覚、触覚などの情報を処理し、その情報をもとに、対象物をうまく操作することを学習することができます。

【感覚運動遊びの具体例】
・粘土遊び
・ブランコ
・なわとび

構成遊び
構成遊びは、物を組み合わせたり並べたりして、イメージした形を完成させる遊びです。主に、子どもの視覚認知機能や構成能力の発達を促すことができます。また、手先の巧緻性や目と手の協応の発達を促すことができます。

【構成遊びの具体例】
・積み木
・パズル
・お絵描き

社会的遊び
社会的遊びは、主に友だちと一緒に取り組む遊びです。「他者と協力すること」や「ルールを守ること」が必要な遊びを通して、楽しみながら他者への認識を高め、社会性の発達を促すことができるでしょう。

【社会的遊びの具体例】
・かくれんぼ
・おままごと
・鬼ごっこ

(出典:鹿児島県作業療法士会「作業療法士が考える『生活動作』と『遊び』のアイディア集」/https://kagoshima-ot.jp/wp-content/uploads/2016/11/idea_web-2017-compressed.pdf

作業療法士は子どもの特性に合わせて、適切な遊びを選択しましょう。

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小児分野で働くのに向いている作業療法士の特徴は?

最後に、小児分野で働くのに向いている作業療法士の特徴を3つ紹介します。

●子どもと一緒に遊ぶことを楽しめる方
小児分野で働く作業療法士は、子どもの遊びを支援することが大切な仕事の1つです。子どもにとって遊びは楽しいものであり、子ども自身が主体的に取り組むことができるため、子どもの発達支援において高い効果を期待できます。子どもと遊びを通して楽しく関われる方は、遊びを通して子どもの特性や抱えている問題にも素早く気づけるでしょう。

●子どもの心をつかむために創意工夫できる方
作業療法を行う際は、子どもと作業療法士との関係性も重要です。子どものわずかなサインに気づき、子どもの心をつかむために創意工夫できることで、関係性を深めていくことができます。子どもに挑戦してほしい遊びがあるときは、遊びの楽しさをわかりやすく伝える工夫をしたり、取り組みやすくするために難易度を細やかに調整します。

●保護者に丁寧な対応や情報共有ができる人
小児分野の作業療法士には、保護者への丁寧な対応も求められます。保護者が抱える悩みや不安を傾聴し、子どもの育ちや発達について保護者と情報を共有しながら、一緒に考えましょう。

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まとめ

小児分野で活躍する作業療法士は、主に発達障害や身体の障害を抱えた子どもたちをサポートします。小児作業療法においては、子どもが生活の中で困っていることの原因を評価し、どうすれば困っていることを取り除けるかを考えながら適切な支援を行うことが大事です。

作業療法に遊びを取り入れると、発達支援において高い効果を期待できます。遊びを通し、子どものわずかなサインに気づき、創意工夫しながら、より効果的な支援を模索することが、作業療法士の大事な役目といえるでしょう。

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※当記事は2022年10月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

加藤 寿宏(カトウ トシヒロ)

関西医科大学リハビリテーション学部作業療法学科 教授

専門作業療法士(特別支援教育)/公認心理師/特別支援教育士SV
京都大学大学院医学研究科人間健康科学科より2022年4月に関西医科大学に着任。専門は子どもの作業療法、特に神経発達症児の感覚と協調運動、特別支援教育と作業療法、小児がんの作業療法を専門とする。現在は、「エビデンスに基づく子どもの支援ができる作業療法士を育てる日本一の大学」を目指して奮闘中。

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