臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師に退職金はある?

更新日 2022年11月11日 公開日 2021年10月25日

#情報収集 #転職検討/準備 #内定・退職・入社

臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師は、医師や看護師とのチーム医療で患者の治療をサポートする、医療機関において欠かせない職業です。医療従事者の需要が高まる近年、条件の良い求人も多く出されているものの、老後の資金に備えて「退職金」に重視して勤務先を選びたいという方も多いのではないでしょうか。

しかし、近年では退職金が支給されない職場も珍しくなく、たとえ退職金を貰えても額が少ないといったケースもあります。

そこで今回は、臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の退職金の有無や、退職金が高い職場の特徴を紹介します。最後に、臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の退職金に関するよくある質問と回答も紹介していますので、退職金を受け取れる職場を探している方は、ぜひ参考にしてください。

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臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師には退職金はある?

臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の退職金は、勤務する施設によって支給される・されないが異なります。退職金の有無は、就業規則や契約で必ず定められているため、事前に把握することが可能です。「働き始めてから、実は退職金がないと知った」というケースのほとんどはスタッフ側の確認不足によるものとなってしまうので、必ず確認しておくようにしましょう。

また、臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の活躍フィールドである医療機関では、一般的な民間企業と比較して退職金が支給される施設割合は少ない傾向です。さらに、たとえ退職金を受け取れるとしても、勤務施設や仕事内容・働き方により給与に違いがあることと同じように、退職金の金額や計算方法も各施設で異なります。

ここでは、臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師退職金の相場と計算方法を解説します。

退職金の相場

一般的な医療施設に5年間勤務した臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の退職金の相場を、下記の表にまとめました。

退職金 基本給(※)
臨床検査技師・臨床工学技士 約116万円 約33万円
診療放射線技師 約130万円 約37万円

※臨床工学技士の基本給・退職金については臨床検査技師とほぼ同等のため、臨床検査技師準じて記載しています。

なお、上記の退職金は基本給から算出しています。基本給は、厚生労働省が公表した令和2年度における賃金構造基本統計調査の平均給与データからの抜粋です。

退職金の計算方法

臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師が退職金を受け取れる場合、一般的な企業と同様、基本的に「基本給・勤続年数・給付率」で計算されます。

退職金の基本的な計算方法
基本給 × 勤続年数 × 給付率 = 退職金

給付率は平均して0.6〜1.0の幅があり、自己都合退職か会社都合退職かといった退職理由や運営法人によって異なることが基本です。

下記に、基本給・勤続年数・給付率の異なる3つのケース別に、退職金の計算・金額例を紹介します。

〇Aさんの場合(基本給29万円/勤続15年/給付率70%)
臨床検査技師のAさんは、民間中小病院で15年間勤務していました。退職時の基本給は29万円で、給付率は0.7(70%)と定められています。Aさんの退職金は、下記のように算出されます。
290,000(基本給)×15(勤続年数)×0.7(給付率)=3,045,000
上記の計算式で算出すると、退職金は304万5千円です。

〇Bさんの場合(基本給30万円/勤続7年/給付率60%)
臨床工学技士のBさんは、公立病院で7年間勤務していました。退職時の基本給は30万円で、給付率は0.6(60%)と定められています。Bさんの退職金は、下記のように算出されます。
300,000(基本給)×7(勤続年数)×0.6(給付率)=1,260,000
上記の計算式で算出すると、退職金は126万円です。

〇Cさんの場合(基本給32万円/勤続10年/給付率80%)
診療放射線技師のCさんは、国立大学病院で10年間勤務していました。退職時の基本給は32万円で、給付率は0.8(80%)と定められています。Cさんの退職金は、下記のように算出されます。
320,000(基本給)×10(勤続年数)×0.8(給付率)=2,560,000
上記の計算式で算出すると、退職金は256万円です。

臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の退職金が高い職場の特徴

臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の退職金は、基本給の高さによって金額が大きく左右されます。そのため、退職金を多く受け取りたい場合は、下記のような高い基本給を受け取れる職場をなるべく選ぶことがおすすめです。

  • ・基本給の高い施設
  • ・規模の大きい施設
  • ・国立・公立の施設

ここからは、上記3つの施設の特徴を解説します。

基本給の高い施設

前述の通り、基本給は退職金を算出する際のベースとなる重要な数字です。東京や大阪など大都市エリアの医療機関は利用者が多い分、基本給も高まる傾向にあります。また、昇給制度の充実している職場やスキルアップ環境の整っている職場は昇給しやすいため、基本給の高さだけを重視せず、昇給のしやすさにも注目しておきましょう。

ここで注意しておくべき点は、夜勤手当・残業手当・通勤手当などは基本給に含まれないことです。諸手当で月収が高くても、基本給が低い場合は多く退職金を受け取ることは期待できなくなります。

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規模の大きい施設

系列施設が全国に存在するような大規模の医療施設は、基本給が高い傾向です。安定した経営状態を長く維持できている施設も多く、昇給制度が整っていることも少なくありません。スキルアップのしやすい環境でもあり、業務の努力がお金に反映されやすいことが特徴です。

しかし、規模が大きい分雇用している正社員・パートも多く、大きな昇給や退職金を目指すのであればさらに努力が必要であることも覚えておきましょう。

国立・公立の施設

国立・公立の施設は、民間施設に比べて基本給や退職金が高いことが特徴です。昇給もしやすく、20年以上の勤務で退職金が1,000万円になるケースもあります。

しかし、国立・公立の施設への転職は、ある程度のスキルや資格、経験がなければ採用の難易度は高いと言えます。転職を考えているのであれば、国立・公立の施設でも活躍できるような経験を積んでおくとよいでしょう。

臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の退職金に関するQ&A

退職金の有無や額は、施設や契約規則によってそれぞれ大きく異なります。そのため、臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の退職金に関して疑問を持つ方も少なくありません。

ここからは、臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の退職金に関するよくある質問を、Q&A方式で詳しく紹介します。

年金形式で受け取れる制度はある?

退職金には、2つの形式が存在します。1つは一般的に認知されている、一度に全ての退職金が支払われる「一時金形式」、そしてもう1つは一定期間あるいは生涯にわたり年金として一定額の退職金が支払われる「年金形式」です。

施設によっては、一時金形式だけでなく年金形式で退職金が支給される場合もあります。しかし、ほとんどの施設が一時金形式を導入しているため、年金形式で退職金を受け取りたいのであれば事前の確認が必要です。

退職金が少ない場合の対処方法とは?

現在すでに勤務している施設にて、退職金が支給されないあるいは多額の支給が見込めないという場合は、退職金を多く受け取れる施設への転職がおすすめです。

退職金を多く受け取りやすい施設の特徴は、下記を参考にしてください。

  • ・基本給・退職金の給付率が高い
  • ・スキルアップしやすい環境
  • ・昇給制度が整っている

基本給と給付率は、退職金の最終的な金額の決定に重要な数字となるため、最も注目すべきポイントと言えます。しかし、スキルアップしやすく、昇給制度が整っているような施設の場合、初めの数年間は基本給が低くても、次第に昇給して高い基本給を受け取れるケースもあります。

そのため、基本給の高さだけに注目せず、昇給しやすい環境であるかどうかも同様にチェックしておきましょう。

まとめ

ここまで、臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師の退職金について、相場や計算方法、退職金が高い職場の特徴を詳しく解説しました。一般的な民間企業に比べて退職金の支給割合は低い業界ではあるものの、働く施設によっては退職金制度が整っており、生涯年収が高くなるケースもあります。

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