歯科衛生士は公務員になれる?その魅力や行政や国公立病院で働く方法を紹介
更新日 2026年02月05日 公開日 2025年12月09日

文:にしの(歯科衛生士)
歯科衛生士といえば、歯科クリニックで働くイメージが強いですが、実は公務員として活躍する道もあります。行政機関や国公立の医療機関など、活躍の場は幅広く、乳幼児健診や学校歯科保健、成人検診などを通して、人々の口腔衛生を守る大切な役割を担います。
また、安定した雇用や福利厚生の充実など、長く安心して働ける環境も、公務員として働く魅力です。
本記事では、歯科衛生士が公務員として働く方法や仕事内容、メリット・注意点をわかりやすく紹介します。
目次
歯科衛生士は公務員として働ける?
歯科衛生士は、公務員として働くことができます。勤務先は、大きく「行政機関」と「国公立の医療機関」に分かれ、それぞれで業務内容や働き方が異なります。
民間の歯科クリニックで働く場合と比べると、地域に密着した健康づくりに関わる仕事や、安定した雇用環境が特徴です。ここでは、それぞれの勤務先について詳しく見ていきましょう。
行政機関で働く
公務員として行政機関で働く場合、市区町村の保健センターや保健所、都道府県の健康増進課などが歯科衛生士の勤務先として挙げられます。
主な業務は、乳幼児健診や学校歯科保健活動、地域住民への歯科保健指導など、予防や教育を中心とした活動です。歯の健康教室や母子保健事業に携わることも多く、地域全体の口腔衛生を守る役割を担います。歯科クリニックのように直接治療を行うというよりは「歯科の知識を伝える」ことが仕事の中心です。
行政機関で働く場合、勤務時間は比較的安定しており、土日休みの職場が多いのも魅力です。ただし、採用されるには各自治体の地方公務員採用試験(医療職・技術職)に合格する必要があります。
国公立の医療機関で働く
国公立の医療機関で働く場合、勤務先として国立病院機構、大学病院、県立・市立病院などが挙げられます。
歯科診療科や口腔外科で、治療補助、衛生指導、器具管理などの業務を担当します。民間のクリニックに比べて症例の幅が広く、チーム医療に携われることが大きな特徴です。また、最先端の医療技術に触れながら、専門知識や臨床スキルを高めることができます。
採用は病院ごとに行われることが多く、国立病院機構や各自治体病院の採用ページから募集情報を確認します。勤務形態は常勤・非常勤のどちらもあり、雇用条件や待遇は病院の規定に準じます。
歯科衛生士が公務員として働く魅力

公務員として働く道には、民間の歯科クリニックとは異なる魅力があります。ここでは、歯科衛生士が公務員として働く魅力を3つ紹介します。
雇用と収入が安定している
公務員は景気の影響を受けにくく、安定した雇用が確保されています。給与は国や自治体の給与規定に基づいており、年齢や勤続年数に応じて段階的に昇給します。また、期末・勤勉手当(賞与)や退職金などの福利厚生も充実しています。育休や産休、介護休暇などの制度も整っているため、長期的に安心して働き続けられる環境といえるでしょう。
地域住民の健康づくりに貢献できる
行政機関で働く場合は、地域住民の健康を支えることが大きなやりがいとなるでしょう。乳幼児健診や学校歯科保健をはじめ、成人や高齢者を対象とした健康教育・予防指導など、様々な世代の口腔衛生を守る活動に携わることができます。
日々の取り組みが、虫歯や歯周病の予防につながり、結果として地域住民の生活の質(QOL)の向上や医療費の削減にも貢献します。こうした活動を通じて、「自分の仕事が地域社会を支えている」という確かな実感を得られるのは、公務員歯科衛生士ならではのやりがいです。
また、歯の健康教育や予防啓発を通じて、子どもから高齢者まで多くの人に正しい知識を広め、健康意識を高めるきっかけをつくることも大切な使命です。人と関わることが好きで、教育や地域活動に興味がある方にとって、非常に魅力のある職場といえるでしょう。
ワークライフバランスを保ちやすい
公務員として働く歯科衛生士は、勤務時間が安定しており夜勤や急患対応がない職場がほとんどです。土日祝日休みのケースも多く、家庭やプライベートとの両立がしやすい働き方といえます。
結婚や出産などライフステージの変化があっても、柔軟に働き続けられる環境が整っているため「長く安心して働ける職場でスキルを活かしたい」という人には向いている働き方です。
歯科衛生士が公務員として働くためのステップ

公務員として働くには、公務員採用試験に合格する必要があります。ただし、勤務先によって試験区分や採用の流れが異なるため、事前に確認しておきましょう。
行政機関の場合
行政機関(保健所・保健センターなど)の場合、募集情報は市区町村や都道府県の公式サ
イトに掲載されます。「歯科衛生士」「保健職」「医療職(技術職)」といった区分で募集されることが多く、年度ごとの採用有無は自治体によって異なります。
試験内容は筆記試験(一般教養・専門科目)のほか、面接・口述試験が実施されることもあります。募集枠が少ない分、早めの情報収集と準備が重要です。
国公立の医療機関の場合
国公立の医療機関(国立病院・大学病院・県立病院など)の場合は、各病院や国立病院機構の公式サイトに「歯科衛生士(常勤・非常勤)」の募集情報が掲載されます。
採用試験に合格すると、公務員として採用され、採用後は病院の歯科部門に配属されて、医師・看護師・技工士など多職種と連携しながら、診療補助や口腔ケア、患者指導などの業務に従事することが一般的です。
歯科衛生士が公務員を目指すときの注意点
公務員歯科衛生士は安定した職業ですが、注意しておきたい点もあります。まず、採用枠が少なく競争率が高い点です。多くの自治体では年1回のみの募集になるため、こまめに自治体や病院の採用情報をチェックし、募集時期を逃さないようにしましょう。
民間に比べて昇給や昇進のスピードが緩やかで、役職の幅も限られている点も知っておきましょう。キャリアアップを目指すよりも「安定した環境で長く働きたい」という人に向いた働き方といえます。
また、公務員には副業禁止の規定があり、雇用保険にも加入できない点にも注意が必要です。将来的に副業やフリーランス活動を考えている人は、制度を理解したうえで選択することが大切です。
公務員への転職を検討する際は、採用試験の時期・応募条件・必要資格を早めに確認し、計画的に準備を進めましょう。
公務員の歯科衛生士というキャリアの可能性
歯科衛生士は、行政機関や国公立病院といった公的機関で、公務員として働くことができます。地域住民の健康づくりに携わることで、社会全体に貢献できる誇りとやりがいを感じられる職場です。
公務員歯科衛生士は、乳幼児から高齢者まで幅広い世代の健康支援を担当します。予防や健康教育を通して「病気になる前に守る」という視点から人々の生活を支えられる点が、大きな魅力です。
さらに、公務員の職場は安定した雇用・充実した福利厚生・整った勤務体制が揃っており、ライフステージが変化しても安心して働き続けられます。
地域医療や公衆衛生の分野で力を発揮したい方、チームの一員として社会に貢献したい方にとって、公務員歯科衛生士は将来を見据えたキャリアの選択肢といえるでしょう。
自分の専門性を社会に還元しながら、安定とやりがいの両立を目指す方にとって、公務員歯科衛生士という道は、新しい可能性を切り開くステップになるでしょう。
参考
将来は公務員歯科衛生士として行政機関(保健所・保健センター)に就職|新着情報|なにわ歯科衛生専門学校
大阪市:【令和7年4月1日から令和8年3月31日】健康局健康施策課で勤務する会計年度 任⽤職員(歯科衛生士)を募集します(健康局健康施策課) (…>所属別>健康局)
令和7年度横浜市歯科衛生士採用選考(令和8年4月1日採用) 横浜市
これからは多様性の時代なので、資格を活かしたさまざまな働き方があります。
ますます、1人でも多くの方が、それぞれの資格を活かして、社会で活躍できる素晴らしい社会になるといいですね。
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著者プロフィール

にしの
歯科衛生士
歯科衛生士として10年以上、予防歯科を中心に臨床経験を積む。現場で培った知識を生かし、医療・歯科分野の記事執筆を行うライターとしても活動中。読者に寄り添いながら、専門的な内容をわかりやすく伝えることを大切にしている。














