あん摩マッサージ指圧師になるには?資格取得の流れや将来性を解説

文:藤岡嵩大(鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師)
あん摩マッサージ指圧師の資格を取得できれば、医療、介護、スポーツなどの多岐にわたる分野で活躍することができます。
しかし、あん摩マッサージ指圧師の資格取得を目指したいけれど、「具体的な方法がわからない」「将来性はあるのだろうか」と迷っていませんか。
本記事では、あん摩マッサージ指圧師の資格取得の流れや現状、将来性についてもわかりやすく解説します。ぜひ資格取得の参考にしてみてください。
目次
あん摩マッサージ指圧師とは?
あん摩マッサージ指圧師とは、押す・もむ・たたくといった手技療法を活用し、体の不調を整えたり健康をサポートしたりする専門家です。厚生労働大臣が与える免許のひとつであり、医学的な知識と技術に基づく国家資格です。
施術の幅は広く、肩こりや腰痛といった慢性的な症状の緩和から、リハビリテーションの一環として、医師の指示のもとで機能回復の補助的役割を担う場合もあります。癒しと同時に、医療的な役割を担える点が大きな特長といえるでしょう。
主な活動先としては、病院や訪問マッサージ、施術所(治療院)のほか、機能訓練指導員として介護施設で働くこともできます。
地域や患者様のニーズに応じて幅広いフィールドで活躍できることも魅力です。
また、あん摩マッサージ指圧師の資格は、理学療法士、作業療法士、柔道整復師、はり師、きゅう師(「はり師」「きゅう師」の両方の有資格者は一般に「鍼灸師」と呼ばれる)など、ほかの国家資格保有者が、専門性の幅を広げるための「ダブルライセンス」として取得するケースも多く見られます。
あん摩マッサージ指圧師の資格を取得するには?

あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得するために必要なステップは、次の5つです。
ステップ2. 養成課程を学ぶ
ステップ3. 卒業見込みとなる
ステップ4. 国家試験に合格する
ステップ5. 学校や養成施設を卒業する
それぞれについて解説します。
ステップ1.学校や養成施設に入学する
文部科学大臣または厚生労働大臣が認定した学校や養成施設で学ぶことが、資格取得への第一歩です。学校によっては面接があり、学力だけでなく志望動機や適性も重視されます。
ステップ2.養成課程を学ぶ
学校や養成施設では、解剖学や生理学といった知識に加え、実技や臨床実習を通じてさまざまな手技を習得します。学習期間は3年以上と定められており、知識と技術をバランスよく身に付けることが求められます。
ステップ3.卒業見込みとなる
養成課程を修了する3年目の終わり(4年制の場合は4年目)には、卒業見込みの状態となり、国家試験の受験資格が与えられます。
ステップ4.国家試験に合格する
試験は毎年2月頃に実施され、これに合格することで正式にあん摩マッサージ指圧師として活動できるようになります。
ステップ5.学校や養成施設を卒業する
あとは卒業式を迎えるのみですが、卒業後に就職先を探すと競争が激しく、希望する職場に入るのが難しくなることもあります。そのため、比較的余裕のある1~2年生のうちから進路を考え、心の準備や就職活動を始めておくことが大切です。
社会人でも資格取得は可能?

社会人として働きながら、資格取得を目指すことも可能です。夜間部を設けている学校や養成施設もあり、昼は仕事、夜は通学というスタイルで学ぶことができます。
夜間部には社会人経験を持つ人が多く、年齢層も幅広いため、入学後に気後れを感じる心配はありません。同じようにキャリアチェンジやスキルアップを目指す仲間と学べる環境が整っています。
学校や養成施設によっては、厚生労働省の「教育訓練給付金制度」や奨学金制度を利用できる場合もあります。
これらを活用することで、学費の負担を大きく軽減することが可能です。成績優秀者向けの学費免除制度を独自に設けている学校や養成施設もあります。
入学案内や学校説明会で利用可能な支援や免除制度を確認し、自分に合った学費サポートを積極的に活用しましょう。
あん摩マッサージ指圧師の現状と将来性
ここでは、筆者が感じるあん摩マッサージ指圧師の現状と将来性について解説します。
超高齢社会で広がるマッサージのニーズ
日本はすでに超高齢社会に突入しており、今後は自宅や介護施設などで体のケアを必要とする人がさらに増えていくと予測されています。
高齢者の生活の質を支える存在として、あん摩マッサージ指圧師の役割はますます重要になり、需要も一層高まっていくでしょう。
日常のパフォーマンスを高める手技療法
働き盛りの世代でも、長時間のデスクワークやスマホの使用により、体の不調を感じる人が増えています。こうした人々に、日常的な体のメンテナンスとして手技療法が求められる場面は今後さらに増えていくでしょう。
予防医療で広がる役割
現代社会では、生活習慣病や運動不足による体調不良を未然に防ぐ「予防医療」の重要性が高まっています。あん摩マッサージ指圧師も、定期的な施術や運動指導を通して、ケガや慢性疾患の予防につなげる役割がさらに求められていくでしょう。
あん摩マッサージ指圧師に向いている人、向いていない人
あん摩マッサージ指圧師として長く活躍するためには、体力や技術だけでなく、人柄や考え方も大切です。ここでは、私が感じるあん摩マッサージ指圧師に向いている人と向いていない人の特徴を紹介します。
あん摩マッサージ指圧師に向いている人の特徴
体を動かすことが好きな人
施術は手や指を使う動作の繰り返しであり、長時間の立ち仕事になることもあります。体を使うことを苦にせず楽しめる人は、この仕事を続けやすいでしょう。
人の気持ちを察することができる人
施術は単に技術を提供するだけでなく、患者様の気持ちに寄り添う姿勢も求められます。言葉に表せない不調や心の疲れをくみ取れる人は、信頼される施術者になりやすいです。
学び続ける意欲がある人
資格取得後も、新しい知識や技術を取り入れて成長していく必要があります。探究心や好奇心を持ち続けられる人は、スキルを磨き続けられるでしょう。
あん摩マッサージ指圧師に向いていない人の特徴
集中力が続かない人
施術中に集中力を欠いてしまうと、細かな変化を見逃したり施術の精度が下がってしまったりします。集中力を維持することが苦手な人には不向きです。
会話や接客が苦手な人
施術だけでなく、問診や施術中の声かけによって安心感を与えることも大切です。人と会話するのが極端に苦手な人には向いていない仕事です。
忍耐力に欠ける人
技術の習得には時間がかかり、施術も体力や集中力を要します。すぐに結果を求めるタイプの人には続けにくい仕事といえるでしょう。
まとめ:あん摩マッサージ指圧師の資格取得を目指すあなたへ
ここまで、資格取得の流れや現状、将来性、向いている人と向いていない人についても解説しました。
あん摩マッサージ指圧師は、国家資格を持つ施術者として医療、介護、スポーツなど幅広い分野で活躍できる専門職です。資格取得の道のりは決して簡単ではありませんが、その分、社会的信頼性が高く、将来性のある仕事だといえます。
筆者自身、あん摩マッサージ指圧師の資格を取得して本当に良かったと感じています。患者様に直接「ありがとう」と言っていただける喜びは、ほかの仕事ではなかなか得られないものです。
もしあなたが「人の役に立つ仕事をしたい」「手に職をつけて安定したキャリアを築きたい」と考えているなら、あん摩マッサージ指圧師という道は大きな可能性を秘めています。本記事が資格取得を目指す第一歩の、後押しになれば幸いです。
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参考
あんまマッサージ指圧師 あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師(通称:あはき師)について 教育訓練給付制度
あん摩マッサージ指圧師は、国家資格として法的に認められた「手技療法の専門家」です。医療・介護・スポーツなど多様な分野で活躍できる一方、施術の安全性や適応範囲に関しては、常に科学的根拠に基づいた判断が求められます。近年では、超高齢社会の進行に伴い、在宅ケアや予防医療の現場での需要が増加しています。国家資格者として、安心して受けられる施術を提供できることは、民間資格との大きな違いです。資格取得までの過程は決して簡単ではありませんが、知識と技術を確実に積み上げることで、長く信頼される職業として活躍できます。学び続ける姿勢と人の健康を支える使命感があれば、社会に貢献できるやりがいのある道といえるでしょう。
著者プロフィール

藤岡嵩大
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師
京都仏眼鍼灸理療専門学校にて、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師3つの国家資格を取得。卒業後、病院での研修や漢方鍼灸治療院での勤務を経て、地元熊本に鍼灸治療院を開業し、地域に根差した治療院を経営している。また、Webライターとしても活動し、専門的な知識を活かして健康や医療分野の記事を執筆している。
監修者プロフィール

関 勇宇大
理学療法士
2014年、理学療法士免許を取得。回復期リハビリテーション病院にて、脳血管障害患者を中心にリハビリテーション計画を立案し、早期社会復帰を支援。訪問リハビリでは、在宅療養者とその家族に対し、生活環境に即した個別支援を提供。臨床経験で培った専門的知見をもとに、現在は医療ライターとして活動。運動療法クラウドサービス『リハサク』では、運動メニューの解説・動画制作も担当し、医療と表現の両面から、実用性と信頼性の高い情報発信を行っている。













