歯科衛生士はどんな仕事?歯科助手との違いや魅力を解説

更新日 2025年01月28日 公開日 2025年01月28日

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歯科衛生士は、口の中の健康づくりをサポートする、歯と口腔ケアのスペシャリストです。歯科衛生士の三大業務には、歯科医師の仕事をサポートする「歯科診療補助」、歯磨きや食生活をアドバイスする「歯科保健指導」、虫歯や歯周病などの疾患を予防する「歯科予防処置」があります。

また、高齢化が進む現在は、食べる・話すなどの口腔機能を向上させる「口腔機能訓練」も、歯科衛生士の指導分野として注目されています。

この記事では、歯科衛生士の仕事内容や間違われやすい歯科助手との違い、歯科衛生士の働き方、魅力などについて解説します。

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歯科衛生士はどんな仕事?歯科助手との違いや魅力を解説

歯科衛生士とは

歯科衛生士とは、人々の口腔(のどまでの口の中)の健康づくりをサポートする専門職です。歯科衛生士として働くためには、歯科衛生士の養成機関を卒業後、国家試験に合格する必要があります。

歯科衛生士は、治療を行う歯科医師の指導のもと、虫歯、歯周病といった病気の予防処置や、歯科医師の診療の補助、歯科保健指導などを行います。

(出典:公益社団法人 日本歯科衛生士会「歯科衛生士とは」/https://www.jdha.or.jp/aboutdh/

歯科衛生士と歯科助手の違い

歯科衛生士と歯科助手は混同されやすい職種ですが、両者には大きな違いがあります。

例えば、歯科衛生士には国家資格が必要ですが、歯科助手は資格不要で業務にあたれます。また、歯科衛生士は歯石除去や歯磨きなどで、直接患者さんの口腔内に触れられるのに対し、歯科助手は口腔内に直接触れることができません。医療資格を持たない歯科助手は、法律で医療行為にあたる業務を禁じられているためです。

歯科助手の主な仕事は、歯科医師や歯科衛生士がスムーズに活動できるようにサポートすることです。具体的には、歯科診療・治療に使う器材の準備、片付けといった診療補助や、受付、会計などの事務処理が、歯科助手の役割となります。

(出典:職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag「歯科衛生士」/https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/166

(出典:職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag「歯科助手」/https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/545

歯科衛生士の仕事内容

前述したように歯科衛生士の仕事内容は、「歯科予防処置」「歯科診療補助」「歯科保健指導」と、「口腔機能訓練」の4つに大別されます。以下では、それぞれの業務内容を紹介します。

歯科予防処置

私たちが歯を失う原因の90%が、虫歯と歯周病だといわれています。そうした疾患を予防し、歯や口腔の健康を維持するための医療処置が歯科予防処置です。歯科予防処置では、歯や歯茎の中にたまった歯垢(プラーク)と歯石の除去、歯質の強化や歯の再石灰化のためのフッ素塗布といった処置を行います。

歯科診療補助

歯科診療補助とは、歯科医師が診療をスムーズに行うためにサポートすることです。

歯科衛生士は、治療で使用する器具や薬剤の準備、患者さんのモニタリング、診療記録などの役割を担い、歯科医師が治療に専念できる環境を整えます。また、患者さんが安心して治療を受けるために、不安を和らげるような声かけを行うのも重要な役割です。

歯科保健指導

歯科保健指導では、正しいセルフケアの方法や、疾患を予防するための食生活などを指導します。健康な歯を維持するためには、毎日の口腔清掃が重要になるため、歯磨きの指導に加えて、フロスや歯間ブラシといった補助用具の提案も行います。

また、虫歯や歯周病の予防を促すために、間食のとり方や食事内容について指導することもあります。

口腔機能訓練

食べる、話すといった口腔機能の維持・向上を目指してトレーニングすることを口腔機能訓練といいます。歯科衛生士は口腔ケアのスペシャリストとして、咀しゃくや嚥下(えんげ)の機能が低下している高齢者などに、口腔機能訓練を行います。唇や舌、口まわりの筋力を上げる体操や、唾液腺マッサージの指導もその一つで、口腔機能を高めることで、咀しゃく機能、嚥下機能の改善をはかります。

近年は、介護ニーズの増加にともなって、介護施設における口腔機能訓練の需要が高まっており、歯科衛生士の活躍の場が広がっています。

歯科衛生士になるには?

歯科衛生士になるには、歯科衛生士国家試験を受験して合格する必要があります。国家試験の受験資格は、歯科衛生士養成機関(専門学校、短期大学、大学)で歯科に関する知識・技術を習得し、卒業することで得られます。

国家試験は毎年3月初旬に行われ、合格すると厚生労働大臣によって歯科衛生士名簿に登録されて、歯科衛生士免許証が与えられます。

(出典:公益社団法人 日本歯科衛生士会「歯科衛生士になるには」/https://www.jdha.or.jp/training/index.html

歯科衛生士の勤務先と働き方

歯科衛生士は、診療所だけでなく大学病院や介護施設、保健所などさまざまな勤務先で活躍できます。ただし、勤務先によって仕事内容や働き方が変わる場合があるため、自分が興味を持っている分野、自分に合った分野を選択するようにしましょう。

歯科衛生士の勤務先

以下に、歯科衛生士の勤務先と仕事の特徴についてまとめました。

勤務先 主な仕事内容
歯科診療所 ・歯科予防処置
・歯のクリーニングやブラッシング指導
・歯科医師の診療補助
大学病院・総合病院 ・外科手術のサポート
・入院患者の口腔ケア
介護施設 ・高齢者や要介護者の口腔ケア
・口腔機能訓練
保健所・保健センター ・乳幼児を対象とした歯科検診
・母親を対象としたブラッシング指導
医療関係の企業やメーカー ・デンタルケアグッズの企画や開発
・歯科医院やドラッグストアなどへの営業活動
歯科衛生士学校・養成所 ・専門の授業、実習指導を担当
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歯科衛生士の働き方

厚生労働省のjob tag(職業情報提供サイト)によると、歯科衛生士の働き方で1番多いのは正社員(76.4%)でした。次いでパート(41.8%)、派遣社員(3.6%)、フリーランス(7.3%)の順となっています。

歯科衛生士の9割以上は女性のため、結婚や出産などのライフイベントに合わせて、働き方を選択している人が多いと考えられます。

(出典:職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag「歯科衛生士」/https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/166

歯科衛生士の魅力

口の健康は全身の健康につながるため、口腔ケアのスペシャリストである歯科衛生士のニーズは年々高まっています。ここでは、「歯科衛生士として働くことの魅力」についてお伝えします。

全国どこでも働ける

厚生労働省の「医療施設動態調査」によると、2023年10月末時点で、日本には歯科診療所が6万7,137施設あります。これはコンビニエンスストアを上回る数字で、引っ越しや家族の転勤など環境の変化があっても、その地域で歯科衛生士として働ける可能性が高いと考えてよいでしょう。

また、令和5年度の歯科衛生士の有効求人倍率は3.17倍となっており、仕事を探している歯科衛生士1人に対して、求人を出している歯科医院や施設が約3件ある状態です。全職種の有効求人倍率の平均が1.31倍であることを考えれば、歯科衛生士のニーズは非常に高く、就職・転職がしやすいといえるでしょう。

(出典:厚生労働省「医療施設動態調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m23/is2310.html

(出典:職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag「歯科衛生士」/https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/166

キャリアアップを目指せる

歯科衛生士は、国家資格取得後もキャリアアップを目指せる職業です。例えば、日本歯科衛生士会では、特定の専門分野において高度な知識・技術を有する歯科衛生士の認定を行っており、審査会に合格することで認定歯科衛生士になることができます。

認定歯科衛生士になれば、より高度なケアを提供できるようになるほか、給料アップにつながったり、転職活動におけるアピール材料になったりすることもあります。

プライベートの時間を確保しやすい

歯科医院では診療時間が決まっているため、歯科衛生士の勤務時間は安定しています。加えて、多くの歯科医院では予約制を採用しており、大幅な残業が発生することもあまりありません。そのため、プライベートの時間を確保しやすく、ライフバランスを重視したい人にはおすすめの職種といえるでしょう。

また、結婚や出産、介護などの理由でいったん仕事を辞めた後も、パートや派遣社員、フリーランスとして再就職しやすく、家庭との両立も実現しやすい傾向にあります。

今後も需要が高まる歯科衛生士の仕事

歯科衛生士の仕事は歯科医師のサポートだけでなく、歯科疾患の予防や口腔衛生の向上、口腔機能訓練など多岐にわたります。

歯科衛生士は、幅広い世代の健康をサポートするやりがいのある仕事です。ワークライフバランスをとりやすい点や、勤務先の選択肢が多い点、キャリアアップを目指せる点なども、歯科衛生士の魅力といえるでしょう。

虫歯や歯周病を未然に防ぐ「予防歯科」が注目されている現在、口腔ケアのスペシャリストである歯科衛生士の需要は、これからも高まっていくはずです。

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