あん摩マッサージ指圧師の国家試験の難易度は？|免許取得までの手順も解説

あん摩マッサージ指圧師は国家資格であり、取得するには受験資格を満たしたうえで、国家試験に合格する必要があります。さらに、合格後はあん摩マッサージ指圧師として働くための免許申請が不可欠です。忘れずに手続きを行いましょう。

当記事では、あん摩マッサージ指圧師の国家試験や免許の申請方法に加えて、あん摩マッサージ指圧師に向いている方の特徴についても、詳しく解説します。あん摩マッサージ指圧師を目指している方や、自分があん摩マッサージ師に向いているかが不安な方は、ぜひ当記事をご覧ください。

あん摩マッサージ指圧師になるための国家試験

あん摩マッサージ指圧師とは、東洋医学にもとづいて、患者さまの体の不調を改善する仕事です。あん摩マッサージ指圧師は、主に3つの施術を行います。

あん摩マッサージ指圧師の施術は、機械や道具を使用せずに徒手で行うのが基本です。主な職場としては、病院や治療院、介護施設、スポーツ施設などが挙げられます。

あん摩マッサージ指圧師は、整体師などと混同されることもありますが、必要な資格や施術内容が異なります。

法律上、業としてマッサージを行えるのはあん摩マッサージ指圧師と医師のみで、あん摩マッサージ指圧師になるには、国家試験への合格が必須です。あん摩マッサージ指圧師を目指している方は、国家試験の受験資格などを理解しておきましょう。

ここでは、あん摩マッサージ指圧師になるための国家試験について詳しく解説します。

国家試験の受験資格

あん摩マッサージ指圧師の国家試験を受けるには、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定する大学・専門学校などの養成施設で3年以上勉強しなければなりません。

（出典：厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行」/https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/anma/）

あん摩マッサージ指圧師の養成課程がある養成施設は数が限られるので、特徴を比較して通いやすい学校を探しましょう。あん摩マッサージ指圧師以外に、はり師・きゅう師の国家資格にも興味がある方は、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の3つの受験資格を同時に得られる学校がおすすめです。

養成施設の中には夜間制がある学校もあるため、社会人の方が仕事と勉強の両立を目指すことも可能です。

国家試験の概要

あん摩マッサージ指圧師国家試験は、年1回実施されます。主な試験情報は、下記の通りです。

視覚障害がある方は、申請により拡大文字や点字による受験も可能です。受験希望者は、期日までに公益財団法人東洋療法研修試験財団へ受験願書の提出を済ませておきましょう。受験票は、後日郵送で交付されます。

合格者の発表は、3月下旬に厚生労働省ホームページと東洋療法研修試験財団ホームページで行われます。

（出典：厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行」/https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/anma/）

国家試験の合格率

2022年度に行われた、あん摩マッサージ指圧師国家試験の合格率は84.7％でした。詳細は、下記の通りです。

（参考：厚生労働省「第30回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表について」/https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2022/siken13_14_15/about.html）

近年のあん摩マッサージ指圧師国家試験の合格率は、85％前後で推移しています。数字だけを見ると高いようにも思えますが、「あん摩マッサージ指圧師の養成施設に3年以上通った方のうち15％ほどが不合格になっている」とも言えます。合格を目指すのであれば、しっかり勉強して試験に臨むことが大切です。

国家試験の合格後に必要な免許申請手続き

国家試験に合格したとしても、すぐにあん摩マッサージ指圧師として働けるわけではありません。

あん摩マッサージ指圧師として働くには、あん摩マッサージ指圧師の免許が必要です。あん摩マッサージ指圧師免許は、試験合格者に自動交付されるわけではなく、自分で取得申請を行わなければなりません。

あん摩マッサージ指圧師免許の取得申請の手順は、下記の通りです。

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（出典：公益財団法人 東洋療法研修試験財団「免許登録の案内」/https://www.ahaki.or.jp/registration/guidance.html）

通常、申請書は養成施設から配布されますが、紛失などした場合は、郵送で申請書を請求する必要があります。その場合は、専用の請求用紙に必要事項を記入し、申請書を送ってもらうための返信用封筒も同封しましょう。

申請書が手元に届いたら、同封されている手引きを参考に申請書を作成します。書類に不備があると免許証交付に時間がかかるので、間違いや記入漏れがないか必ず確認しましょう。

申請書の提出時には、申請手数料と登録免許税がかかります。新規登録申請に必要な申請手数料と登録免許税の金額は、下記の通りです。

申請手数料は振込用紙で事前に支払い、申請時に領収書を添付します。また、登録免許税は、収入印紙での支払いとなります。

申請書の提出から免許証の受け取りまでは、1か月半ほどかかります。それまでの間に免許取得の証明が必要な方は、登録済証明書の発行を申請しましょう。登録済証明書は、申請書の提出から2週間ほどで郵送されます。

手続きが完了すれば、あん摩マッサージ指圧師として働く準備は万全です。求人情報をチェックして、希望に合う仕事先を見つけましょう！

あん摩マッサージ指圧師に向いている方は？

あん摩マッサージ指圧師は、患者さまから体の状態を聞き取って、必要な施術を行います。円滑に仕事ができるようになるには、国家試験に合格した後も能力を磨いていくことが大切です。

ここでは、あん摩マッサージ指圧師に向いている方の特徴を解説します。「どのようなスキルを身に付ければよいのか？」を確認するための参考にしてください。

コミュニケーション能力が高い方

コミュニケーション能力が高い方は、あん摩マッサージ指圧師に向いています。

患者さまとの信頼関係を築きつつ、体の不調をしっかり聞き取るには、コミュニケーション能力が必須です。「リラックスして会話できる雰囲気づくり」や「相手の反応を察する心配り」などができる方ほど、患者さまに寄り添った施術ができるでしょう。

一方、技術力が高くてもコミュニケーション能力が低い方は、患者さまが過剰に不安になったり、うまく体の状態を聞き出せなかったりする可能性があります。

コミュニケーション能力に不安がある方は、「相手の話に耳を傾ける」「言葉や話し方を相手に合わせる」ことを心がけましょう。

体力・精神力がある方

あん摩マッサージ指圧師の仕事は、体力・精神力がある方に適しています。

あん摩マッサージ指圧師は、指や手、腕を使うだけでなく、体重をかけて施術することもあります。患者さまの人数が多ければ立ちっぱなしになることも多く、体や心に大きな負担がかかる場合もあるでしょう。

無理なく仕事を続けるためにも、規則正しい生活や定期的な運動を意識して、体力と精神力を高めておきましょう。

責任感がある方

あん摩マッサージ指圧師は国家資格であり、単なるリラクゼーションではなく治療を目的とした施術を行います。つまり、患者さまの健康や、その後の生活を左右する仕事でもあるわけです。そのため、あん摩マッサージ指圧師は施術の目的を正しく理解し、責任感と誇りを持って働ける方に適しています。

まとめ

あん摩マッサージ指圧師になるには、国家試験に合格する必要があります。国家試験は養成機関で3年以上学ぶことで受験でき、合格率は例年85％前後です。国家試験合格後は免許の申請が必要なので、忘れずに申請を行いましょう。

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※当記事は2023年1月時点の情報をもとに作成しています

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