鍼灸師になるには?資格取得の流れや現状・将来性を解説

更新日 2025年12月03日 公開日 2023年12月27日

#国家試験 #情報収集 #転職検討/準備

鍼灸師になるには?資格取得の流れや現状・将来性を解説

文:藤岡嵩大(鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師)

鍼灸師の資格取得を目指したいけど、「どうやって取得するのかわからない」「社会人でも挑戦できるのか」と迷っていませんか?

鍼灸師の資格を取得すれば、医療・美容・介護・スポーツなどの多様な分野で活躍することができます。さらに、学びを通して歴史ある東洋医学の神秘に触れられるのも大きな魅力です。

本記事では、鍼灸師の資格取得の流れや現状、将来性についてわかりやすく解説します。

鍼灸師とは?

鍼灸師とは「はり師」と「きゅう師」の2つの国家資格を持つ専門家です。はりやきゅうを用いて全身にあるツボ(経穴)や筋肉・神経に刺激を与え、身体機能の改善や健康の維持・増進を図ります。

はり師ときゅう師はそれぞれ独立した国家資格ですが、両方を同時に学べるカリキュラムを整えている学校がほとんどで、多くの人が両資格を取得して「鍼灸師」として活動しています。

主な活動の場として、鍼灸院や美容鍼灸サロン、整骨院、医療機関、介護施設のほか、最近ではスポーツ選手が鍼灸を受けるなど、多くの分野で活躍しています。体のケアから美容目的まで、幅広く対応できるのが鍼灸師の魅力です。

鍼灸師の資格を取得するまでの5ステップ

鍼灸師の資格を取得するまでの5ステップ
鍼灸師になるには、国家試験を受けてはり師ときゅう師の免許を取得しなければなりません。資格取得までの流れは次の5つです。

ステップ1. 学校に入学する
ステップ2. 養成課程を学ぶ
ステップ3. 卒業見込みとなる
ステップ4. 国家試験に合格する
ステップ5. 学校を卒業する

それぞれ詳しく解説します。

ステップ1. 学校に入学する

高校卒業後、厚生労働大臣や文部科学大臣の認定を受けた大学や短大、専門学校、盲学校・視力障害センター(視覚障害者の場合)などに入学することが鍼灸師を目指す第一歩です。

学校によっては面接が課される場合もあり、学力だけでなく志望動機や適性も重視されます。

ステップ2. 養成課程を学ぶ

養成課程では、解剖学・生理学などの基礎医学、臨床医学・リハビリテーション医学などの現代医学、鍼灸理論・経絡経穴学などの東洋医学の理論を学びます。さらに、実技や臨床実習を通じて技術を磨くことも必要です。

修学期間は3年以上と定められており、鍼灸の技能と知識をバランスよく習得することが求められます。

ステップ3. 卒業見込みとなる

養成課程を修了する3年目の終わり(4年制の場合は4年目)には卒業見込みとなり、国家試験の受験資格が与えられます。

ステップ4. 国家試験に合格する

毎年2月頃に実施される国家試験に合格すると、正式に鍼灸師として活動できるようになります。

ステップ5. 学校を卒業する

最後に卒業式を迎えれば、晴れて鍼灸師の道が開けます。
鍼灸師は治療院や医療機関などで数年ほど勤務してから独立開業するケースが多く、新卒者のほとんどは就職活動を行います。卒業後に就職先を探すと希望の職場に入れないことがあるため、就職活動は余裕をもって進めておくのが望ましいでしょう。

社会人として働きながら資格取得は可能?

社会人として働きながら資格取得は可能?
鍼灸師は年齢制限がなく、社会人や主婦、定年退職後に鍼灸師を目指すことも可能です。夜間部を設けている学校もあり、仕事と家庭、勉強を両立させながら学ぶ人も少なくありません。同じ目標を持つ多種多様な人たちと切磋琢磨できる環境が整っています。

奨学金制度や厚生労働省の「教育訓練給付金制度」を利用できる場合があり、学費の負担を軽減することも可能です。学校によっては、学費免除制度を独自に設けているところもあります。入学案内や説明会で利用可能な制度を確認し、自分に合った支援を積極的に活用しましょう。

鍼灸師の現状と将来性

次に筆者が感じる鍼灸師の現状と将来性について解説します。

東洋医学と現代医学の両面からアプローチできる強み

鍼灸師は、東洋医学の理論に基づき体全体のバランスを整えるだけでなく、現代医学の知識を活かして体の状態を科学的に理解しながら施術を行います。

そのため、慢性的な痛みや自律神経の乱れ、生活習慣病の予防など、従来の医療だけでは対応しにくい悩みにも柔軟に対応できます。

少子高齢社会で求められる鍼灸師の役割

日本は世界有数の少子高齢社会であり、今後ますます在宅医療や介護分野でのニーズが高まります。鍼灸師は、訪問施術などを通じて、疼痛緩和や身体機能の維持・向上を支援し、高齢者の生活の質向上や介護負担の軽減に貢献できます。

健康維持・予防医療への貢献

「人生100年時代」といわれる中で注目されているのが予防医療です。予防医療は単に病気やケガを防ぐだけでなく、日常生活に制限のない期間である「健康寿命」を延ばすことを意味します。

鍼灸は、血流改善や身体機能の維持を通して健康づくりに役立ちます。慢性疾患やケガのリスク低減に寄与するため、今後ますます需要が期待されます。

鍼灸師に向いている人、向いていない人

鍼灸師は、知識と繊細な技術を駆使して患者様の不調や痛みに寄り添う職業です。長く続けるためには、体力や技術だけでなく、人柄や患者様に向き合う姿勢も重要です。

鍼灸師に向いている人と向いていない人の特徴は次の通りです。

鍼灸師に向いている人

手先が器用な人

髪の毛ほどの細いはりを正確に扱う繊細な技術が求められます。

人に寄り添える人

患者様の不安や不調を理解し、丁寧に対応できる人は信頼を得やすいです。

学び続けられる人

東洋医学と西洋医学の両方を学び続ける姿勢が必要です。

鍼灸師に向いていない人の特徴

健康意識が低い人

自分の健康に無関心では、患者様に寄り添えません。

衛生管理ができない人

はりを扱う以上、滅菌・消毒の徹底は必須です。

成果を急ぎすぎる人

鍼灸は継続的な施術で効果を得ることが多く、根気が求められます。

まとめ

ここまで、鍼灸師の資格取得の流れや現状、将来性、向いている人や向いていない人について解説してきました。

鍼灸師は国家資格を持つ専門職として、医療・美容・介護・スポーツなど幅広い分野で活躍できます。資格取得の道のりは容易ではありませんが、その分、社会的信頼性が高く将来性のある仕事です。

筆者自身、鍼灸師として働く中で、患者様の笑顔や「ありがとう」という言葉に触れられる喜びは、ほかの仕事にはない大きな魅力だと感じています。

「人の役に立つ仕事をしたい」「手に職をつけて安定したキャリアを築きたい」と考えている方にとって、鍼灸師という道は大きな可能性を秘めています。

本記事が、資格取得を目指す皆さんの第一歩を後押しできれば幸いです。

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参考

【監修者コメント】
鍼灸師は、身体の不調を「局所」だけでなく「全身のバランス」として捉えることができる、東洋医学に根ざした国家資格です。現代では、痛みやコリの緩和だけでなく、自律神経の調整やストレスケア、予防医療など多方面で注目されています。加えて、スポーツや美容分野など、活躍の場も大きく広がっています。
資格取得には一定の学習期間と努力が必要ですが、確かな理論と技術を身につけることで、患者さんの生活をより良くする大きな力になります。これからの時代は、「治す」だけでなく「支える」「整える」という視点がより求められるでしょう。学び続ける姿勢と人への思いやりがあれば、鍼灸師は一生を通じて成長できる魅力的な職業です。

著者プロフィール

藤岡嵩大

鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師

京都仏眼鍼灸理療専門学校にて、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師3つの国家資格を取得。卒業後、病院での研修や漢方鍼灸治療院での勤務を経て、地元熊本に鍼灸治療院を開業し、地域に根差した治療院を経営している。また、Webライターとしても活動し、専門的な知識を活かして健康や医療分野の記事を執筆している。

監修者プロフィール

関 勇宇大

理学療法士

2014年、理学療法士免許を取得。回復期リハビリテーション病院にて、脳血管障害患者を中心にリハビリテーション計画を立案し、早期社会復帰を支援。訪問リハビリでは、在宅療養者とその家族に対し、生活環境に即した個別支援を提供。臨床経験で培った専門的知見をもとに、現在は医療ライターとして活動。運動療法クラウドサービス『リハサク』では、運動メニューの解説・動画制作も担当し、医療と表現の両面から、実用性と信頼性の高い情報発信を行っている。

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