鍼灸師に向いている方の7つの特徴とは?|はり師・きゅう師国家試験についても解説

更新日 2024年01月10日 公開日 2024年01月10日

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鍼灸師とは「はり師」と「きゅう師」の両方の国家資格をもつ医療専門職です。鍼灸師は東洋医学の考え方にもとづいて、はりやきゅうによる施術を行い、患者さまの不調の改善や病気の予防につとめます。

現在、医療や介護の業界だけでなく、スポーツ業界、美容業界など多方面で活躍している鍼灸師ですが、どのような仕事にも向き不向きがあるもの。みなさんのなかにも「鍼灸師を目指しているけれど、自分は本当に鍼灸師に向いているのだろうか」と不安に感じている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、鍼灸師に向いている方の特徴を7つ紹介します。鍼灸師という仕事の概要と必要な資格についても詳しく解説しますので、鍼灸師に興味のある方や「鍼灸師に向いているかどうか」で悩んでいる方のお役立てれば幸いです。

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鍼灸師に向いている方の7つの特徴とは?|はり師・きゅう師国家試験についても解説

鍼灸師の仕事内容は?

鍼灸師の仕事は、はりときゅうを使って患者さまの状態に応じた経穴(ツボ)を刺激し、人間本来が持つ自然治癒力を高めることで、不調の改善・予防につとめることです。

体の不調を感じる方や障害を抱える方だけではなく、野球やサッカー、テニス、陸上、水泳など多くのスポーツ分野でも鍼灸が利用されています。これは、はり・きゅうに治療効果だけでなく、けがの予防効果や精神的なリラクゼーション効果なども期待されているためです。

鍼灸師は東洋医学にもとづいてお客さまを診断し、施術を行います。大まかな診療の流れは以下の通りです。

①患者さまの症状などを聴取する
②脈診・腹心・舌診などの東洋医学的検査を行う
③法的に可能な範囲での西洋医学的検査を行う
④鍼灸で対応できるケースかどうかを判断する
⑤症状・体質に応じて、適切な経穴へのはりやきゅうを実施する

鍼灸院によっては、以下のような鍼灸以外の補助的な施術を実施することもあります。

・遠赤外線や赤外線レーザーを用いた施術
・低周波通電器、吸い玉、テーピングなどを用いた施術
・運動療法や食事療法などを含めた生活全般のアドバイス

鍼灸の作用については未知の部分が多いものの、日本鍼灸師会は「はりの挿入やきゅうの熱刺激によって免疫システムや自律神経活動が活性化する」としています。そのため、病気の予防や健康維持・増進を目的に鍼灸施術を受ける方もいらっしゃいます。

また、以下の疾患に対する鍼灸治療には、健康保険が適用されます。

・神経痛
・リウマチ
・頚腕症候群
・五十肩
・腰痛症
・頚椎捻挫後遺症

(出典:職業情報提供サイト job tag「はり師・きゅう師」/https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/175/

(出典:公益社団法人 日本鍼灸師会「鍼灸の基礎知識」)/https://www.harikyu.or.jp/acupuncture/acupuncture-02/

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鍼灸師になるために必要な資格は?

鍼灸師とは、「はり師」と、「きゅう師」という2つの国家資格を持つ方を指す言葉であり、「鍼灸師」という国家資格は存在しません。

ただし、はり師ときゅう師の国家資格を片方だけ取得するのは、あまり一般的ではありません。両方の資格を同時に取得して、はりときゅうを使い分けながら治療に当たる方が多く、そうした施術者を鍼灸師と呼んでいます。

鍼灸師を目指す場合は、通常高校を卒業してから、はり師・きゅう師学科のある教育機関に3年以上通って、国家試験の受験資格を取得します。ただし、重い視覚障害のある方は、中卒者でも5年以上の教育を受けることで受験可能です。

鍼灸師の養成機関には以下の3つがあります。

・鍼灸専門学校
・鍼灸学部・鍼灸学科のある大学
・視覚障害者のための教育機関

これらの学校を卒業し、国家試験に合格すると、はり師・きゅう師の国家資格が取得できます。

はり師・きゅう師の国家試験は、同時受験者に配慮された形で実施されます。概要は以下の通りです。

試験期日
はり師ときゅう師の国家試験は毎年2月下旬の同日に実施され、はり・きゅう両方の資格を同時に受験することが可能です。
試験科目
はり師ときゅう師の国家試験科目は、「きゅう理論」「はり理論」以外は共通しています。同時に受験する方は、受験願書に「共通科目の試験免除」の旨を申請しておきましょう。
試験地
晴眼者は北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県及び沖縄県の11都道府県で受験可能です。視覚障害者は各都道府県で受験できます。

受験手続・手数料
受験願書と写真、修業・卒業の証明書もしくは見込証明書が必要です。はり師・きゅう師の受験手数料は、各14,400円です。

はり師・きゅう師ともに、要件を満たしていれば何歳からでも挑戦できる資格で、働きながら夜間学校などで勉強し、取得を目指すことも可能です。

(出典:厚生労働省「はり師国家試験の施行」/https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/harishi/

(出典:厚生労働省「きゅう師国家試験の施行」/https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kyushi/

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鍼灸師に向いている7つの特徴

鍼灸師という職業には「人を助ける喜びを感じられる」「西洋医学とは違う視点から患者さまの不調にアプローチできる」など、さまざまな魅力があります。

ところで鍼灸師には、鍼灸施術に関わる技術・知識の他にどのような能力が求められるのでしょうか。

ここでは、鍼灸師の適性を7つ紹介しますので、ご自身の性格や考え方などと照らし合わせてみてください。

【適性①】コミュニケーション能力が高い

鍼灸師には技術だけではなく、高いコミュニケーション能力が必要とされます。

鍼灸の施術に訪れる方のなかには、不調の原因がわからず、ご自身の言葉で症状について説明するのが困難な方もいらっしゃいます。そのため鍼灸師は、患者さまの気持ちを汲み取りながら適切に質問し、丁寧に説明することが大切です。

【適性②】学習意欲がある

鍼灸治療には、東洋医学の専門知識はもちろん、解剖学や生理学、病理学など、西洋医学の知識も必要です。また、常に進化し続ける医学や治療法にあわせて、新しい知識・技術の習得が求められます。

そのため鍼灸師は、医療従事者としての高い志をもち、鍼灸への理解を深め、技術を高め続けられる学習意欲のある方に向いています。

【適性③】体力がある

鍼灸師は立ち仕事が多いうえに、1日に多くのお客さまを診療するため、想像以上に体力を使います。

また、患者さまへの施術はさまざまな姿勢をとりながら、手だけでなく体幹や下肢も使って行います。そのため、必要な姿勢を安定して取り続けられないと、余計な力が加わってしまうなどの悪影響が生じかねません。

ミスが許されない医療現場で正確に施術するためにも、鍼灸師は日頃から自身の体力管理をしておく必要があるでしょう。

【適性④】患者さまと信頼関係を築ける

鍼灸の患者さまは簡単に解決できない慢性的な不調を抱えていることも多く、そうした場合は長期間のサポートが必要です。時間をかけて患者さまを理解し、誠実な対応を続けて信頼関係を築ける方なら、より良いサービスを提供できるでしょう。

施術を通じてプライベートな話を聞くような関係が築ければ、当初は見えなかった悩みや望みを感じ取れる可能性もあります。長期にわたる信頼関係を築ければ、結果として満足度の高い施術につながるでしょう。

【適性⑤】手先が器用で細かい作業が得意

鍼灸治療は、身体にはりを刺し、きゅうを据える施術方法です。当然のことながらミスは許されないため、鍼灸師には見極めた経穴の位置に的確にはりを打ったり、きゅうを据えたりできるスキルが求められます。

そのため、鍼灸師は手先が器用な方はもちろん、正確性へのこだわりや几帳面さを持った方に向いている職業だと言えます。

【適性⑥】清潔感がある

自分自身の身なりや周りの環境を清潔に保てる方は、鍼灸師に向いています。

清潔感のある身だしなみは、患者さまに好印象を与えます。髪や爪、服装をはじめ、男性ならひげ、女性ならメイクに至るまで清潔感を心がけましょう。

また、体に直接触れる道具やベッドシーツが清潔でないと、患者さまが不安になってしまう可能性があります。そうなれば、治療にも影響を及ぼしかねないため、清潔な見た目と施術環境で患者さまをお迎えしましょう。

【適性⑦】観察力がある

鍼灸では患者さまの体調を把握するために、問診を行うだけでなく、顔色や声、姿勢、筋肉の硬さ、肌の艶や髪の状態など、さまざまな情報を細かく観察します。そのため、鍼灸師には高い観察力が必要です。

患者さまを注意深く観察し、症状を把握することは、医療職全般に必要な技術ですが、鍼灸ではその点が特に重要視される傾向にあります。

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まとめ

鍼灸師に向いているのは、清潔感があり、人とのコミュニケーションが得意で、信頼関係を築くことのできる方、手先が器用な方、観察力・体力・学習意欲のある方です。

鍼灸師の適性を読んで「自分は鍼灸師に向いていないかもしれない」と感じた方もいるかもしれません。しかし、学習と練習を重ね、施術経験を積むうちに苦手分野を克服できる可能性もあります。

鍼灸師の職場は、鍼灸院や病院・クリニックなどの医療機関だけではありません。スポーツ施設のトレーナーやエステサロンの美容鍼灸師などとして活躍している方も多く、さらに独立開業する鍼灸師も存在します。ご自身の特性にあった就職先を選びましょう。

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※当記事は2023年1月時点の情報をもとに作成しています

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