鍼灸師の年収は?働き方別の収入実態と将来性

更新日 2026年03月17日 公開日 2023年09月21日

#年収・給料 #情報収集 #転職検討/準備

鍼灸師の年収は?働き方別の収入実態と将来性

文:藤岡 嵩大(鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師)

鍼灸師の年収とはどれくらいなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。国家資格を持つ専門職でありながら、働く場所や雇用形態によって収入に差が出やすいのが鍼灸師の特徴です。
この記事では、鍼灸師の平均年収や働き方別の収入実態を整理し、将来性や収入を伸ばす考え方についてもわかりやすく解説します。

鍼灸師の平均収入・初任給・ボーナスの実態

ここでは、鍼灸師の平均的な年収・月収の目安に加え、初任給や経験年数による変化、ボーナス事情について整理して解説します。

平均年収・月収の目安

関連職種の統計や求人データを参考にすると、鍼灸師の月収はおおよそ25〜35万円前後で、年収では350〜450万円程度が一つの目安で、国の「職業情報サイト」では、年収約430万円となっています。この水準は、日本全体の平均年収と比べると、やや低め〜同程度といえるでしょう。

初任給

鍼灸師の初任給は、勤務先や地域にもよりますが、月収20〜23万円前後が一般的です。経験を積むにつれて担当できる施術の幅が広がり、指名や歩合がつく職場では収入が徐々に上がっていく傾向があります。

ボーナスの有無

鍼灸師のボーナスは、すべての職場で支給されるわけではありません。個人院や小規模な鍼灸院では賞与がない、もしくは寸志程度というケースも多く見られます。一方、病院や企業系の施設では、年に1〜2回ボーナスが支給される場合があります。

勤務先による給与相場の比較

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ここでは勤務先ごとの給与相場を解説します。

鍼灸整骨院の場合

鍼灸整骨院で働く場合、月収は20〜30万円前後、年収では300〜400万円程度が一般的な目安です。正社員としての求人が多く、固定給に加えて歩合給やインセンティブが設定されているケースもあります。

鍼灸院の場合

鍼灸院で働く場合の月収は20〜28万円前後、年収では280〜380万円程度が一つの目安です。個人経営の院が多く、ボーナスがない、もしくは少額なケースも見られます。

病院・クリニックで働く場合

病院やクリニック勤務の場合、月収は22〜30万円前後、年収では320〜450万円程度が目安です。医師や看護師と連携しながら働くため、勤務時間や休日が比較的安定している点が特徴です。

訪問鍼灸の給与相場

訪問鍼灸では月収25〜35万円前後、年収400万円以上を目指せるケースもあります。歩合制を採用している事業所も多く、担当患者数によって収入が左右されます。

スポーツ現場での報酬

スポーツ現場での報酬は契約形態によって大きく異なり、月収換算で20〜40万円以上と幅があります。プロや実業団では高収入が期待できる一方、非常勤や帯同ベースでは不安定になりがちです。

介護施設での働き方と収入

介護施設で働く場合、月収は22〜30万円前後、年収では300〜420万円程度が目安です。リハビリや機能維持を目的とした施術が中心で、比較的落ち着いた環境で働けます。

雇用形態による収入の違い

雇用形態による収入の違い
鍼灸師の収入は、勤務先だけでなく雇用形態によっても大きく変わります。ここでは、代表的な雇用形態ごとの収入の目安と特徴を整理します。

正社員の収入と特徴

正社員として働く場合、月収は20〜30万円前後が一般的で、年収では300〜450万円程度が目安です。固定給が中心のため収入は安定しやすく、社会保険や各種手当が整っている点がメリットです。

独立開業した場合の収入と特徴

独立開業した場合の収入は幅が広く、年収300万円未満から1,000万円以上まで大きな差があります。施術技術だけでなく、集客や経営のスキルによって収入が左右される点が特徴です。

年収が高い鍼灸師の特徴

鍼灸師の年収は、経験年数だけで決まるわけではありません。ここでは、実際に収入を伸ばしている鍼灸師に共通する特徴を整理します。

指名数とリピート率が高い

年収が高い鍼灸師に共通しているのが、指名数やリピート率の高さです。毎回同じ患者さんに選ばれることで施術数が安定し、収入も伸びやすくなります。

技術力はもちろん、丁寧な説明や信頼関係の構築を意識することで、「またお願いしたい」と思われる存在になることが、結果的に年収アップにつながります。

独立して成功している

年収が高い鍼灸師の中には、独立開業によって収入を伸ばしている人も多くいます。独立後は施術単価やメニュー設定、営業時間を自分で決められるため、努力次第で収入の上限を広げることが可能です。

一方で、集客や経営管理も自身で行う必要があるため、技術力に加えて経営視点が求められます。勤務時代に磨いてきた技術や経験が、独立後の成功を支える大きな強みになります。

鍼灸師が収入を上げるための具体策

鍼灸師が収入を上げるための具体策
鍼灸師が収入を伸ばすためには、働く場所を変えるだけでなく、自身のスキルや立ち位置を見直すことも重要です。ここでは、現実的に取り組みやすい具体策を紹介します。

スキルアップを心がける

収入アップには、施術スキルの向上が欠かせません。研修や勉強会に参加し、対応できる症状や施術の幅を広げることで、評価や指名につながります。結果として歩合給や昇給のチャンスも増えていきます。

資格取得を重ねる

関連資格を取得することで専門性が高まり、ほかの鍼灸師との差別化がしやすくなります。職場によっては資格手当や役割の拡大につながることもあり、待遇改善を目指す一つの手段となります。

転職や独立を視野に入れる

現在の職場で収入に限界を感じている場合、転職や独立も有効な選択肢です。歩合制や自由診療を取り入れている治療院へ移ることで、収入が伸びるケースもあります。また、経験を積んだ後に独立開業すれば、施術単価や働き方を自分で決められるようになり、収入の上限を広げることが可能です。

将来性とキャリアパス

将来性とキャリアパス
鍼灸師は高齢化や健康志向の高まりにより、今後も需要が安定して伸びる職業です。勤務経験を積みながら独立開業や専門分野の確立など、さまざまなキャリアパスを描くことができます。

高齢化社会での需要増

高齢化の進展により、慢性的な痛みや自律神経の不調を抱える患者さんが増えています。介護施設や訪問鍼灸など、今後さらに需要が伸びる分野で活躍できる可能性が高いです。

健康志向の高まり

予防や体質改善への関心が高まる中で、鍼灸は「不調が出る前に整えるケア」として注目されています。薬に頼らず体のバランスを整えたいと考える人が増えており、慢性症状のケアや自律神経調整、美容分野などでの需要も拡大しています。専門性を活かした施術を提供できれば、安定した収入やキャリア形成につなげやすい点も特徴です。

まとめ:自分に合った働き方で年収を最大化する

鍼灸師の収入は、勤務先や雇用形態だけでなく、どんな分野を選び、どのように患者さんと向き合ってきたかによって大きく変わります。資格を取った時点で年収が決まる職業ではなく、経験の積み方や選択次第で、将来の幅を広げていける点が鍼灸師の大きな特徴です。

大切なのは、最初から「高収入」を目標にすることよりも、自分に合った働き方を見極め、必要なスキルや経験を一つずつ積み上げていくことです。スキルアップや専門分野の確立、必要に応じた転職や独立を組み合わせながら、自分なりのキャリアを描いていくことで、結果的に年収も安定し、長く続けられる働き方につながっていきます。

参考

厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」はり師・きゅう師

e-Stat(政府統計の総合窓口)|令和5年 賃金構造基本統計調査

著者プロフィール

藤岡嵩大

鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師

京都仏眼鍼灸理療専門学校にて、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師3つの国家資格を取得。卒業後、病院での研修や漢方鍼灸治療院での勤務を経て、地元熊本に鍼灸治療院を開業し、地域に根差した治療院を経営している。また、Webライターとしても活動し、専門的な知識を活かして健康や医療分野の記事を執筆している。

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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