鍼灸師の資格は働きながら取得できる?養成機関の種類や選び方を解説
国家資格である鍼灸師は、大学や専門学校で3年以上学ぶことで受験資格が得られます。とはいえ、大学と専門学校では、卒業までにかかる年数やカリキュラムの内容が異なります。社会人が働きながら通う場合は、どちらが向いているのでしょうか。
また、社会人から鍼灸師を目指す方のなかには、数多くの養成機関から自分に合った学校を選ぶ方法や、入学に必要な費用が気になる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では働きながら鍼灸師資格を取得したい方に向けて、養成機関の種類や選び方、卒業までに必要な学費などを詳しく解説していきます。
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目次
働きながら鍼灸師の資格を取得できる学校は?
鍼灸師の資格を取得するためには、はり師・きゅう師の国家試験を受験し、合格する必要があります。国家試験の受験資格を得るには、3年以上養成機関に通学し、基礎知識や専門知識を学ぶことが必要です。
(出典:厚生労働省「はり師国家試験の施行」/https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/harishi/)
(出典:厚生労働省「きゅう師国家試験の施行」/https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kyushi/)
鍼灸師の養成機関に通信制の学校はありませんが、鍼灸師資格を取得したい社会人に向けて、夜間制の鍼灸師養成コースを用意している学校はあります。働きながら無理なく学習を進めたい場合は、夜間制の学校を検討するのがおすすめです。
大学か専門学校どちらを選ぶ?
鍼灸師の養成機関には、大学と専門学校の2種類があります。どちらに通った場合でも取得できる資格は同じですが、卒業までにかかる年数やカリキュラムの内容に違いがあります。
下記の表は、大学・専門学校の特徴についてまとめたものです。
大学 | 専門学校 | |
---|---|---|
年数 | 4年間 | 主に3年間 |
カリキュラム | ・鍼灸に関する知識に加えて、一般教養などの共通学科も学ぶ ・実技や実習に加えて、研究要素の強いカリキュラムも組まれる |
・鍼灸に特化した授業内容が多い ・実技や実習など実践的なカリキュラムが多く組まれる |
メリット | 鍼灸以外の知識についても幅広く学べる | 実習が多く、鍼灸に特化した専門性の高い指導が受けられる |
デメリット | 専門学校よりも通う期間が長くなる | 就職の際の選択肢が大学より狭まる傾向にある |
大学と専門学校を比べた場合、大学のほうが学費が高くなる傾向にあります。じっくり学んで、より幅広い知識を身に付けたい方は大学、効率的に学んで、少しでも早く鍼灸師としての経験を積みたい方は専門学校を選ぶのが良いでしょう。
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鍼灸師の資格取得に必要な学費は?
鍼灸師の養成機関に通うためには、学費がかかります。学費は通う学校によって異なりますが、入学金などを含めると、卒業までには350万~700万円程度かかるのが一般的です。
また、大学のほうが1年長く通うことになるため、前述したように学費が高くなる傾向にあります。具体的には、3年制の専門学校であれば約350万~550万円、4年制大学であれば650万円以上が目安とされています。
単純に学費だけで比較するのは難しいものの、費用をできるだけ安く抑えたいと考えるのであれば、まずは専門学校から検討みると良いでしょう。
なお、学費以外に次のような費用がかかる点にも注意が必要です。
- ・教科書、教材費
- ・白衣代
- ・実習費 など
働きながら資格取得を目指す場合は、費用の準備なども効率的に進める必要があります。上記はあくまで一例であるため、希望する学校が見つかったら、事前に必要な費用や内訳を確認するようにしてください。
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鍼灸師の資格取得に向けた養成機関の選び方
社会人が養成機関に通う際は、当然のことながら仕事と勉強の両立が求められます。「資格取得」という目標をかなえるためにも、自分のスタイル、条件に合った学校を選ぶようにしましょう。
ただし、鍼灸師養成施設は全国に80校以上も存在します。多くのなかから、自分に合った学校を選択するには、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。
(出典:厚生労働省「医療関係職種養成施設検索」/https://youseijo.mhlw.go.jp/kangoschool/wamkngK0011Action.do?menuCd=02&shikakuCd=18&dispKateiCd=00)
以下では、鍼灸師養成施設を選ぶときに考慮すべき4つのポイントを説明します。
学校のアクセスを確認する
働きながら通う場合、希望する学校が職場や自宅から、無理なく通える範囲にあるかを確認することが重要です。
職場や自宅から離れた学校に入学すると、必然的に通学時間が長くなります。通学時間が長くなると、仕事に影響が出たり、学校を遅刻・欠席する原因になったりする恐れがあり、場合によっては単位の修得が遅れて、卒業が危うくなるケースも考えられるでしょう。
また、通学時間が長いと、勉強する時間が短くなってしまいます。特に試験前などは、貴重な勉強時間を通学に割くことが、ストレスにつながりかねません。
限られた時間で効率良く勉強を続けるためにも、会社や自宅からアクセスの良い場所にある学校を選ぶようにしましょう。単純な移動距離・移動時間だけでなく、通学時の乗り換えの有無や学校の立地など、通いやすさを左右する要素についても、しっかり確認しておくことをおすすめします。
鍼灸師国家試験の合格率を確認する
社会人の場合、一般的な学生よりも効率良く合格を目指す必要があります。学校を選ぶ際には、学校ごとの国家試験の合格率にも着目してみましょう。合格率は、学校の実績を知るための目安となるほか、学習効率の良さや勉強の質などを推し量る基準にもなるでしょう。
ちなみに、はり師・きゅう師の2022年の国家試験合格率は、はり師が74.2%、きゅう師が76.1%です。
(出典:厚生労働省「第30回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表について」/https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2022/siken13_14_15/about.html)
国家試験における受験生全体の合格率を踏まえた上で、各養成機関の合格率を比較し、なるべく合格率の高い学校を探してみましょう。
学費や奨学金について調べる
社会人から養成機関に入学する場合でも、学校によっては、奨学金や学費の減免といった支援制度を受けられることがあります。
社会人向けに提供される学費の減免制度や奨学金制度には、次のようなものがあります。
教育訓練給付制度 | ・ハローワークによって学費のサポートを行う制度 ・対象者には教育訓練経費の最大70%までを支給 |
---|---|
学費優遇制度 | ・すでに取得済みの資格など、学生の経歴によって学費をサポートする制度 ・制度の内容は学校によって異なる |
入学金の割引制度 | ・入学金を既定の金額分割り引く制度 ・割引率や割引の金額は学校によって異なる |
奨学金制度 | ・一定以上の成績を収めるなどの条件を満たした学生に、学費の貸し付けを行う制度 ・無利息貸与と有利息貸与がある |
(出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」/https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html)
(出典:日本学生支援機構「奨学金制度の種類と概要」/https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/index.html)
学校によって、対応しているサポート制度の種類・内容が異なるため、通いたい学校の制度を調べた上で、上手に活用しましょう。経済的な負担を軽減できると、より勉強に打ち込みやすくなりますよ!
カリキュラムを確認する
学校を選ぶ際には、組まれているカリキュラムの方向性についてもしっかり確認しましょう。
鍼灸の技術を生かせる分野は幅広いため、学校によってはスポーツ系、医療系、美容系など、さまざまなカリキュラムが用意されている場合があります。自分が学びたい内容や、鍼灸師として目指したい方向性を踏まえた上で、学びたいことが学べる学校かどうかをしっかり見極めてください。
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まとめ
鍼灸師になるには、養成機関で3年以上学んだ上で、国家試験に合格する必要があります。養成機関には通信制がないため、働きながら資格取得を目指す場合は、夜間制の学校に通うのが良いでしょう。
養成機関には、大学と専門学校がありますが、じっくりと幅広い知識を身に付けたいなら大学、早く鍼灸師として活躍したいなら専門学校がおすすめです。なお、養成機関の学費は350万~700万円程度かかります。養成期間を選ぶときには「学校までのアクセス」「国家試験の合格率」「学費や奨学金」「カリキュラム」なども、きちんとチェックしましょう。
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※当記事は2023年2月時点の情報をもとに作成しています
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