鍼灸師の代表的な就職先は?活躍する分野も解説

更新日 2023年04月19日 公開日 2023年04月22日

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鍼灸は東洋医学にもとづく施術方法であり、はりやきゅうで体のツボを刺激することで、体の不調の緩和・改善・予防などを目指します。近年は、医療分野だけでなく美容、スポーツ、介護などの分野でも鍼灸が活用されており、さまざまな分野で鍼灸師のニーズが高まっています。

そうしたことから、鍼灸師は目標や将来の夢に合わせて就職先を選ぶことができ、自分らしいキャリアプランを実現しやすい職業と言えるでしょう。

とはいえ、鍼灸師として活躍している方や鍼灸師を目指している方のなかには、「今後どのような道を歩めばいいのか迷っている」という方もいらっしゃるかもしれません。そこでこの記事では、鍼灸師が活躍できる分野や代表的な就職先、キャリアプランについて解説します。

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鍼灸師の代表的な就職先は?活躍する分野も解説

鍼灸師が活躍する分野

鍼灸師とは、はりやきゅうを使って、病気の治療・予防につとめる医療専門職であり、はり師・きゅう師両方の国家資格を取得している方の総称です。鍼灸は東洋医学にもとづく施術方法であり、はり・きゅうでツボを刺激することで、人間本来の自然治癒力を高め、症状の緩和や病気の治療・予防などを目指します。

鍼灸は副作用が少ない治療法としても知られており、子どもから高齢者まで幅広く施術できる点に特徴があります。海外での認知度も高く、アメリカやドイツでは鍼灸療法が保険適用されているほどです。

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「はり師・きゅう師」/https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/175

また、前述したように、鍼灸師が活躍できる分野は幅広く、医療分野のさまざまな分野でニーズが高まっています。以下では、鍼灸師が活躍できる分野について解説しましょう。

美容鍼灸

美容鍼灸とは、鍼灸の効果を美容に応用した施術のことです。美容鍼灸では、はりやきゅうでツボを刺激し、代謝・血行などを促すことで、肌のトラブルを改善する効果が期待されています。

顔のみに鍼治療を施すケースも多いため、「美顔鍼」と表現される場合もあります。シワやたるみの改善効果も期待されているため、エステサロンのメニューとしても人気です。

美容鍼灸でアプローチできる悩み・不調には、次のようなものがあります。

・たるみ
・ほうれい線
・むくみ
・ゆがみ
・くすみ
・目の下のクマ
・自律神経・ホルモンバランスの調整

「心身の健康を実現することで、肌の状態を改善する」という東洋医学の考え方から、美容鍼灸では、メイクやエステのように肌の表面からアプローチするのではなく、体の内側に働きかける施術を行います。

婦人鍼灸

婦人鍼灸では、生理痛や生理不順、更年期障害といった女性特有の症状に対して施術を行います。婦人鍼灸には不調を改善するだけでなく、ホルモンバランス・免疫力などを調整することで、病気の予防につなげる役割も期待されています。

鍼灸は副作用が少ないとされるため、薬の服用に消極的な妊婦の方や、妊娠を希望する女性に向けて、婦人鍼灸を導入する病院やクリニックもあります。患者さまの悩みや不調に寄り添い、女性の視点から施術方法を提案できることから、婦人鍼灸は女性鍼灸師が活躍しやすい分野だと言えるでしょう。

スポーツ鍼灸

スポーツ鍼灸とは、スポーツ選手の疲労回復やコンディションの維持、故障の治療・回復などをサポートする施術です。

スポーツ鍼灸では、首や肩、肘、腰、股関節、膝など、スポーツ選手が酷使する部位に鍼灸治療を施し、スポーツ障害の予防や回復をサポートします。また、突発的なけがへの対応が必要になるのも、スポーツ鍼灸の特徴です。

ドーピングのリスクを避けたいスポーツ業界においては、副作用やドーピング検査を気にせずに受けられる、鍼灸の人気が高まっています。なかには、鍼灸の技術を生かし、スポーツトレーナーやアスレティックトレーナーとして働く鍼灸師の方もいらっしゃいます。

高齢者鍼灸

高齢者鍼灸とは、高齢者の方が自分らしく、いきいきとした生活を送れるようにサポートするための施術です。高齢者鍼灸では、神経痛・関節痛などの痛みの緩和や、加齢によって衰えがちな身体機能の維持・改善を目指します。また、歩くのが難しく、治療院に通えない方に向けて、居宅を訪問して鍼灸施術を行う訪問鍼灸も実施されています。

鍼灸施術におけるアドバイスやコミュニケーションには、患者さまのストレスの緩和や精神的ケアの効果も期待されており、患者さまとのコミュニケーションを通じて、心の健康の維持につとめるのも、高齢者鍼灸の大事な役割と言えるでしょう。

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鍼灸師の代表的な就職先

ここまで見てきたように、鍼灸師はさまざまな分野で活躍できるため、求人も多岐にわたります。ただし、同じ鍼灸師でも、職場によって働き方は異なります。ここでは、鍼灸師の就職先ごとに具体的な働き方を紹介するので、目標や将来の夢に合わせて、自分に合ったキャリアプランを考えてみましょう。

鍼灸院・接骨院

鍼灸師の就職先として、もっとも多いのが鍼灸院や接骨院です。鍼灸院・接骨院での仕事は、体の不調を抱えた患者さまへの鍼灸治療が中心となりますが、カルテ作成や受付、電話対応などを担当する場合もあります。地域に根付いた職場が多いため、「地域の方たちの健康に貢献したい」と考える方にとっては、やりがいのある働き先と言えるでしょう。

なお、鍼灸師は医師と同じく開業権を持つ国家資格であるため、鍼灸院や接骨院でしっかりと知識・技術を磨いた後に、独立開業を目指す鍼灸師の方も少なくありません。

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病院・クリニック

医療機関で働く場合は、整形外科や神経科、リハビリテーション科などに所属するのが一般的です。ただし、鍼灸師の施術は医師の指示がないと実施できません。そのため、医療機関勤務では、医師、看護師らときちんと連携をとり、協力し合うことが求められるでしょう。

また、医療機関では患者さまを介助する機会もあり、機能回復訓練に関する専門知識や技術の勉強が欠かせません。一方で、他の医療従事者から西洋医学に関する知識・考え方を学ぶ機会も多く、鍼灸師としてスキルアップを図りたい方には、おすすめの環境と言えるでしょう。

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美容サロン

先に紹介したように、鍼灸施術は美容分野からの注目も高まっており、フェイシャルメニューのあるエステティックサロンでは、美容鍼灸師を募集するケースが少なくありません。美容業界への就職を希望する場合は、鍼灸師の資格を自身の「強み」としてアピールするとよいでしょう。

美容サロンに勤務すると、サロン業務全般に関する知識が身に付きます。そのため、アロマテラピーや痩身を勉強したうえで、美容鍼灸とリラクゼーションを組み合わせたサロンを開業する鍼灸師の方もいらっしゃいます。

スポーツ施設

スポーツ施設に勤務すれば、鍼灸師の知識・技術をスポーツ選手のコンディショニングや、パフォーマンスの向上に役立てられます。

スポーツ施設における鍼灸師の主な仕事内容は、トレーニング指導、けがの治療や予防、リハビリのサポート、心身のコンディショニングなどです。施設の方針によっては、鍼灸の施術を施すケースもあるでしょう。

スポーツ施設勤務の場合は、スポーツトレーナーという位置付けになるため、アスレティックトレーナー資格などを取得して、さらなるスキルアップ・キャリアアップを目指すのもおすすめです。

介護施設

高齢化が進むなか、介護施設や訪問介護事業所でも、高齢者の健康維持やリハビリテーションをサポートする鍼灸師が求められています。介護施設では、鍼灸治療を施しながら要介護者へのケアも学べるため、知識と経験を積み重ねて、高齢者鍼灸のスペシャリストとして活躍することも夢ではありません。

なお、鍼灸師は2018年4月から、機能訓練指導員の対象資格として認められました。機能訓練指導員とは、利用者さまに向けて、機能訓練計画書の作成や機能訓練サービスを行う職員のことで、通所介護事業所に1人以上所属することが義務付けられています。

機能訓練指導員の対象資格について、現行の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師またはあん摩マッサージ指圧師に加え、一定の実務経験を有するはり師及びきゅう師を追加してはどうか。

※個別機能訓練加算、機能訓練体制加算における機能訓練指導員の要件についても、同様の対応を行ってはどうか。

実務経験(案)
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ 指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6月以上勤務し、機能訓練指導に従事した経験を有すること。

(出典:厚生労働省「介護人材関係について」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000186484.pdf

こうしたことから、鍼灸師の資格を持っている方は、介護業界において欠かせない人材となっています。

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独立・開業

鍼灸師には、医師と同様に開業権(独立開業する権利)が与えられています。そのため鍼灸師は、自分で鍼灸院や訪問鍼灸を開業することが可能です。

ただし、開業にあたっては鍼灸としての知識・経験だけでなく、経営や集客に関する知識も欠かせません。将来的に開業を目指すのであれば、鍼灸院・接骨院で鍼灸師経験を積み、経営に関する基礎を学びながら、準備を進めていくとよいでしょう。

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まとめ

鍼灸師は、医療分野だけでなく美容鍼灸、婦人鍼灸、スポーツ鍼灸、高齢者鍼灸など、幅広い分野での活躍が期待されています。

鍼灸師の就職先としては、鍼灸院・接骨院が一般的ですが、病院・クリニックで医療チームの一員として働く場合もあります。

ほかにも、美容鍼灸の技術を活用して美容サロンに就職する、スポーツ鍼灸師としてスポーツ施設に勤務する、介護施設や訪問介護事業所で高齢者に施術を行うなど、鍼灸師のキャリアは多様です。鍼灸師には開業権が認められているため、鍼灸院・接骨院で経験を積んで独立・開業を目指すのもよいでしょう。

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※当記事は2023年1月時点の情報をもとに作成しています

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