医療事務の志望動機で意識したい3つのポイント!例文付きで解説

文:武田直也(診療情報管理士)
医療事務への転職や就職を考える際に、「志望動機をどう書けばよいかわからない」「ほかの応募者と差別化できる内容が思い浮かばない」と悩む方は多いのではないでしょうか。志望動機が曖昧なままでは、採用担当者に熱意や適性が伝わらず、書類選考で落とされてしまう可能性があります。
本記事では、医療事務経験18年の著者が、志望動機を書く際に意識すべき重要なポイントを詳しく解説します。この記事を参考に、説得力のある志望動機を作成し、希望する医療機関への就職成功率を高めてください。
目次
履歴書で志望動機が大切な理由
志望動機が重視されるのは、採用担当者が応募者の医療事務としての適性や職場との相性を見極めるためです。
医療事務は受付業務や診療報酬の請求業務だけでなく、多職種との連携も求められる仕事です。そのため、仕事内容や必要なスキルへの理解度が特に注目されます。
志望動機から熱意や採用後の期待感が伝われば、面接前から好印象を与えられるでしょう。
医療事務の志望動機を書く際に意識したい3つのポイント

志望動機を書く際のポイントは次の3つです。
②なぜその医療機関を選んだのか
③自分の強みや経験をどう活かせるか
それぞれ詳しく解説します。
ポイント①なぜ医療事務を選んだのか
「数ある職業の中からなぜ医療事務を選んだのか」を、自分の経験や価値観、医療への興味などと結び付けて説明しましょう。家族や自分の医療体験、支えられた経験などを具体的に盛り込むと説得力が増します。
例えば、「母の入院時に医療事務の方に親切に対応していただき、私も患者様を支える立場で働きたいと思った」といった実体験を盛り込むと、単なる憧れではなく確固たる動機があることを示せます。
ポイント②なぜその医療機関を選んだのか
応募先の病院やクリニックの特徴、理念、方針を調べ、共感できる点を具体的に記載しましょう。
例えば、「地域に根ざした医療を提供している」「スタッフの方の笑顔が印象的だった」など、理由を盛り込むことで「どこでもよいわけではない」ことを伝えられます。
ポイント③自分の強みや経験をどう活かせるか
前職で培ったスキルや経験が業務にどう役立つのかを具体的に示しましょう。未経験者の場合、パソコンや接客スキル、正確性を求められる作業の経験などをアピールポイントにできます。
例えば、「前職の販売業務で培った接客スキルを、患者様の対応に活かしたい」など、どの経験がどう役立つかを明示できると好印象です。
医療事務の志望動機例文

ここからは、未経験者・新卒者・経験者別の志望動機の例文を紹介します。自分の状況に近いものを参考にしながら、具体的なエピソードや応募先の特徴を盛り込んで、オリジナルの志望動機を作成してください。
未経験者の場合
未経験者の場合、実績を語ることができないため、業界・職種への興味や明確な志望理由を述べましょう。また、勉強中であることなど、前向きに努力している姿勢を示すことも大切です。
| 例文 |
|---|
| 家族が入院した際に、医療事務の方に親切に対応していただき、安心して手続きできました。私も不安を抱えている患者様に寄り添える存在になりたいと思い、貴院の「患者様に安心できる医療を提供する」との理念に深く共感いたしました。
前職の販売業務で培った丁寧な接客経験と正確性を重視した事務処理能力を活かしながら、医療事務に必要な専門知識も身に付けるため、現在、医療事務技能審査試験の取得に向けて勉強中です。未経験ですが、地域医療に貢献できるよう全力で努力いたします。 |
新卒者の場合
新卒者の場合、業界・職種への志望動機に加え、学生時代の学業、アルバイト、ゼミなどの経験をどう活かしたいかを記載するようにしましょう。
| 例文 |
|---|
| 学生時代に病院でお世話になった際、医療事務の方の丁寧で温かい対応に安心感を覚え、私も医療を通じて誰かを支える仕事がしたいと強く思うようになりました。
大学の部活動で培ったチームワークと協調性、学業で取得したマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)資格やWord、Excelの操作スキル、在学中に取得した医療事務技能審査試験の資格を活かし、1日でも早く貴院で多くの患者様のお役に立ちたいと考えております。 社会人経験はありませんが、積極的に学ぶ姿勢を持ち、早期に戦力として働けるよう精一杯努力いたします。 |
経験者の場合
経験者の場合は、これまでの具体的なエピソードを交えて成果を具体的にアピールし、キャリアアップや新しい挑戦などをポジティブな内容にすると好印象を与えることができます。
| 例文 |
|---|
| 5年間医療事務として患者対応、予約管理、診療報酬請求業務を担当し、常に迅速かつ正確な対応を心がけてまいりました。前職の内科クリニックでは、新人スタッフの指導や業務効率化の提案にも積極的に取り組み、患者様の待ち時間短縮に貢献できました。
今後は貴院でこれまでの経験をさらに発展させ、複数の診療科にわたる幅広い知識を身に付けると同時に、医療事務管理士の資格取得も目指しながら、培った知識と経験を活かして、より良い医療現場づくりに貢献したいと考えております。 |
志望動機が書けないときのヒント
志望動機に迷ったら、まず自己分析のために次の6つの質問に答えてみましょう。
・医療や病院で印象深い体験はありますか。
・人を支える仕事に魅力を感じる理由は何ですか。
・前職や学生時代で身に付けたスキルは何ですか。
・そのスキルを医療現場でどう活かせると思いますか。
・5年後、医療事務としてどうなっていたいですか。
これらに答えることで、志望動機の核が見えてきます。文章構成は次の流れに沿うと読みやすく整理できます。
2.体験談:具体的なエピソードや実績
3.共感:応募先の理念や特徴に共感した点
4.貢献:自分のスキルをどう活かすか
5.意欲:今後の成長や貢献への決意
医療事務の志望動機で避けたいNG例
次のような志望動機は避けましょう。
・漠然とした動機
・前職の不満を述べる
それぞれ詳しく解説します。
待遇や通勤のしやすさだけを理由にする
| NG例 |
|---|
| 前職は営業職で毎日遅くまで働き、残業が多く長期間働くのが難しいと感じました。医療事務の仕事のほうが安定しており自宅から近く通いやすいため、長期間働けると考えて志望いたしました。 |
上記の志望動機では、「楽な仕事を探している」「どこでもよい」といった印象を与えてしまいまうことも。待遇面や通勤面の利便性は確かに重要ですが、それだけでは採用担当者に熱意は伝わらない可能性があります。
漠然とした動機
| NG例 |
|---|
| 貴院の理念に共感し、医療事務として患者様のお役に立ちたいと思います。頑張りますのでよろしくお願いします。 |
一見丁寧に見えますが、「どの理念に」「なぜ共感したのか」「どんな強みで」「どう貢献するのか」が伝わりません。
採用担当者は数多くの履歴書を読んでいるため、抽象的な内容では印象に残らず、本当に働きたい気持ちがあるのか疑われてしまいます。
前職の不満を述べる
| NG例 |
|---|
| 前職では上司や同僚とうまく仕事ができませんでした。しかし、その経験を糧に頑張りたいと考えていますのでよろしくお願いいたします。 |
前職でのつらい経験があったとしても、それを志望動機の中心に据えるのはなるべく避けるべきです。採用担当者は「同じような理由でまた辞めるのではないか」「問題解決能力に欠けるのではないか」と懸念を抱く可能性があります。
転職理由として前職の状況に触れる場合は、「より専門性を高めたい」「医療を通じて社会貢献したい」など、前向きな表現に変換するとよいでしょう。
まとめ
医療事務の志望動機は、採用担当者が応募者の熱意・適性・将来性を判断する大切な要素です。説得力のある志望動機を作成するには、具体的なエピソードや応募先の特徴に基づいて記載することが大切です。
抽象的な表現や待遇面だけの理由は避け、応募先の理念や自分の強みを盛り込みましょう。まずは応募先の医療機関について調べるところから始めてみてはいかがでしょうか。
医療事務は、一般事務と異なり医療系の知識が必要になることが多くあります。医師やその他の医療関係者の手伝いをすることもありますからその仕事の幅はかなり広いものです。採用に当たってはその覚悟も問われますから、ぜひ自身のアピールにしてください。
著者プロフィール

武田直也
診療情報管理士
18年間医療事務として、合計3つの医療機関に従事。診療報酬をはじめ、診療情報管理士の資格を活かしたカルテ監査やDPCデータ分析、クリニカルパスなどの医療情報利活用に精通している。フリーランスWebライター。
監修者プロフィール

郷 正憲
日本麻酔科学会専門医
2011年3月香川大学医学部医学科卒。同年4月より徳島赤十字病院で初期臨床研修、2013年4月からは徳島赤十字病院麻酔科に所属。 保有資格に日本救急医学会ICLSコース認定ディレクター、日本麻酔科学会認定医・専門医。













